豚インフルエンザをめぐって「対特定人種ウイルス」ではないか、との観測が出ています。
英語でいうと、Race-Specific Virus(RSV)。ある特定の(スペシフィックな)人種(レース)に対して威力を発揮するウイルス……の意味です。
どうして、こんなことが言われているか、というと、豚インフルエンザで世界各国に「感染者」は広がっているのですが、お亡くなりになった方は、(今のところ?)メキシコ(系)の方々。
つまり、今回、突如出現した豚インフルエンザのウイルスは、メキシコ系の方々に対して(のみ)、致死的な作用を発揮している。
だから、RSVの可能性がある!――というわけです。
実際のところ、メキシコ以外では、米国でメキシコ人の赤ちゃんが死亡しているだけ。
確かに、他の国では感染はするけれど、メキシコのように、爆発的な死者の発生はない……何か変だな、って気はしますね。
問題は、その「おかしい?」が、どうして「RSV」説にまで行き着くのか?
考えてみれば、「RSV」って「用語」があること自体、おかしな話ですが、これって実は、アメリカの軍産複合体がかねがね、しゃべくって来たことなんです。
この問題を追及しているアメリカのジャーナリスト、ポール・ワトソンさんによれば、ブッシュ政権の好戦性を支えた、ネオコンのシンクタンク、「新しいアメリカの世紀のためのプロジェクト」が、2000年9月に出した、「アメリカ防衛の再建」という報告書の中で、こう言っています。
「特定のゲノタイプ(遺伝子型)をターゲットにし得る、生物戦争(バイオロジカル・ウォーフェア)の高度化した形は、テロの領域から政治的に有益な道具へと生物戦争を変化できるかも知れない」
特定のゲノタイプ(を持った人間集団)に狙いをつけた生物兵器……なんと恐ろしい! ヒトラーが生きていたら、大喜びしそうな話ですね。
いずれにせよ、ブッシュ政権の「頭脳」たちって、本気でこんなことまで考えていたわけですね(ついでにいえば、「第二の真珠湾」を待望するかのようなことを言っていた――つまり、「9・11」のようなものに期待感を示していたのも、このネオコン・シンクタンクの連中です)。
ポール・ワトソンさんは、ほかにもいろんな「公表された文書」を引用しているのですが、もうひとつだけ、紹介すると、1999年に英国の協会医学協会が、「RSV」が5年以内に実用化されるかもしれない、と報告書で警告を発しているそうです。
今は2009年。ということは「5年」どころか、「10年」も経っているわけですね。
ポール・ワトソンにばかり頼りきるのは何なので、ぼくもひとつ、補強材料を挙げることにしましょう。
アメリカの国防長官(当時)、ウイリアム・コーエン氏が1997年4月28日、ジョージア大学での講演で、未来学者のアルヴィン・トフラーさん(例の『第三の波』の著者です)の著作を引用する形で、こう言っています。
「何人かの科学者が実験室で、人種を特定し、ある民族集団や人種を絶滅させる病原体を開発しようとしている」と。
なぜ、コーエン氏に、ここで出てもらったかというと、このコーエンさんって、正直な人で、国防長官になった自分のことを、『白鯨』の「エイハブ船長」だと言った人だからです。ペンタゴン(国防総省)に代表されるアメリカの軍産複合体は、暴れまくる白鯨、船長の私にも手のつけようのないものだ、と告白している人だからです。
(このコーエンさんの告白は、ぼくが最近、訳出した、ジェームズ・キャロル氏の『戦争の家』〔上巻〕に出て来ます。是非、お読みになって下さい)
では、仮に(もちろん、単なる仮定の話に過ぎませんが)、今回の豚インフルエンザが、メキシコ人ばかり狙ったRSVであるとして、その開発の狙いは何か?
考えられるのは、ヒスパニックの方々の人口爆発による政治的な影響力の拡大の抑止ですね。
アメリカの人口に占める、メキシコ系を中心としたヒスパニックの割合は、黒人を抜いて2位に浮上。カリフォルニアなどではマジョリティーをうかがう勢いを示しているそうです。
このRSVについては、イスラエルがアラブ系対策で開発したとか、いろんな噂が飛び交っていますが、事実としたら、ひどい話ですよね。
オバマ大統領は「核兵器のない世界」について語っていますが、憲法の「9条」を持つ私たちとしては、RSVなど、生物兵器のない世界もまた、希求したい。
1976年、豚インフルエンザがフォート・デイックスという米軍基地で、なぜか「最初に(デ・ノヴォ)」発生した事実経過を含め、今回のRSV疑惑もまた真相を究明すべきでしょう。
⇒ http://www.prisonplanet.com/is-swine-flu-a-race-specific-virus.html