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2009-03-31

〔いんさいど世界〕 地球環境を守れ! 水没の危機に立つ、インド洋の島国が世界初のの宣言 「10年以内に環境無害国になる」

 インド洋にモルディブという、サンゴ礁の島国があります。地球温暖化にう伴う海面上昇で、水没の危機に瀕している島国です。

 アトランティスのように、今にも海中に沈みかねないこの国が今月(3月)15日、10年以内に「世界初の環境無害国家になる」と宣言しました。英紙インディペンデントが報道しました。

 地球環境破壊に対するモルディブの責任は、ほとんどゼロ、皆無に等しいわけで、環境悪化の元凶の世界の国々に対し、「おかげで、おれたちの国が消えてしまう」と、恨みつらみの言葉を投げつけたくもなるはずですが、そうではなく、自ら地球環境に害をなさない国になると言い切った。

 立派です。

 で、まずモルディブという島国のことですが、インドとスリランカの間のインド洋にあって、1200の環礁から構成される共和国です。
 松島のサンゴ礁版のようなところなんですね。

 その「国土」の8割が、海抜1メートル以下。
 海面上昇(地球温度の上昇による海水の膨張&極地の雪氷の融解が原因)の危機が、国そのものの存続の脅威となっている。
 温暖化の恐ろしさをこれほどリアルに感じている国は、ほかにないのではないでしょうか?

 全人口30万人。現在、首都のマレを防衛する、高さ3メートルの防波堤工事が行われていますが、他の環礁は無防備。国を守る抜本的な解決策としては、地球温暖化をくい止める――これしかないわけです。

 このモルディブでは実は昨年10月末、民主化選挙が行われ、ナシードさんという方が大統領に選出されたのですが、この民主的に選出された新大統領が、アメリカのオバマさんのような行動派の人で、
早速、「水没」に備え、「国土」を移転する――つまり、島を捨て、何処かに移るための基金(ファンド)を創設し、貯金を始めた。
 (インドかスリランカに土地を買って、そこに脱出するのだそうですが、舟で行くのでしょうから、まるで「ノアの箱舟」ですね)

 もう、島を捨て去るのか、と思っていたら、そうではなくて、今回の、最後の最後まで希望を捨てず、国を守り抜く「無害国家化」宣言!
 いや、ホント、モルディブの人って、立派ですね。

 で、この「無害国家化」って、どういうことかというと、世界各国はどうの、とか、温暖化対策をして損をするのは厭だ、とか言って、よその国を非難するのではなく、自ら率先して、地球環境に完全に優しい国づくりをするという取り組みなんです。

 英語で言うと、「カーボン・ニュートラル(カーボンは「炭素」、ニュートラルは「中立」)」化いういうのですが、化石燃料などによる二酸化炭素の発生を削減し、地球環境に対する負荷をゼロにする、という凄いことなんです。

 モルディブで具体的にどんなことが計画されているかというと、太陽光発電のほか、風力、波力発電――このあたりは代替エネルギーの開発、ということで、まあフツーのことですが――に取り組む一方、海水をエア・コンディショニング(冷房のみ?)に使うんだそうです。
 (うーん、「海水エアコン」……これって、何か潮風が吹いて来るようで、なんか素敵ですね。宮城県の沿岸部でも導入できそうな気がしますが……)

 10年(以内)でカーボン・ニュートラルの国に!
 でも、悲しいかな、それが達成できたとしても、日本をはじめ世界の国々が、これ以上の温暖化阻止に動かなければ、水没はまぬかれない……。

 でも、モルディブの人たちがそれを知らないわけがない。
 それでも、やる!

 身をもって、世界に模範を示すために!

 立派ですね。偉いですね。

 わたしたちの日本も、モルディブの人たちの心意気に学び、温暖化阻止に真剣に取り組まなければなりません。

⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/maldives-aims-to-become-first-carbonneutral-country-1644907.html
 
 

 

 

Posted by 大沼安史 at 09:25 午後 | | トラックバック (1)

2009-03-08

〔いんさいど世界〕 アメリカで「環境学生運動」盛り上がる 史上空前 ワシントンに1万2千人が結集

 アメリカで学生運動が盛り上がっています。先週、首都ワシントンに、なんと1万2000人を超える大学生らが結集、連邦政府、連邦議会に圧力をかけました。

 学生だけの首都結集としては、史上空前の規模だそうです。

 テーマは「反戦・平和」ではなく……なんと「環境」。
 これから、地球という「エコ」(「エコ」とは、「家」の意味。「エコ」を管理する(ノミー)するのが経済で、「エコのロジー(状態)がエコロジーです)に生きる若い世代が、ぼくたち・わたしたちの「環境」を守り抜こうと、集まったのです。

 名づけて「パワー・シフト'09」。「パワー(権力&エネルギーの意味)」を変化(シフト)させようと、全米50の環境団体でつくるネットワーク、「エネルギー行動連合」が、3月2日から4日間、アメリカの権力中枢を舞台に、ヤング環境サミットを開催しました。

 参加者は18歳から26歳までの若い世代が中心で、高校生も。カナダからも駆けつけた大学生たちもいたそうです。

 オハイオ州のマウイント・ユニオン・カレッジからは3人が参加しました。このカレッジは「グリーン・キャンパス」づくりに先進的に取り組んでいるところ。2006年に旗揚げした「キャンパス・気候・チャレンジ」(700大学加盟)にも参加しているそうです。
 大学のHPに、「必要なのは、ダーティーな燃料を燃やすことではなく、クリーンエネルギーを手にすることだ」との参加学生の声が紹介されていました。

 アメリカNO1の「反戦・平和」環境放送局」、「デモクラシーNOW」は番組で参加者へのインタビューを特集しました。
 そのうち、ネバダ州からやって来たナヴァホ族の女子学生は、「ナヴァホ(インディアン)がウラニウム鉱山で何も知らされず働かされ、癌になっている」現実を告発、原子力エネルギーの恐怖を訴えていました。
 火力発電のための石炭採掘に伴う水銀汚染を告発する声もあり、全米に広がるさまざまな「環境汚染」が、若者たちの手で、ワシントンに届けられたわけです。

 若者たちは連邦議会の芝生の庭先(ウェスト・ローン)に陣取り、議員たちにロビー活動を続ける一方、「環境にやさしい建築技術」といったテーマでワークショップを開くなど交流を続けました。

 このようにアメリカで、若者たち「世直し」の前面に躍り出たのは、実に半世紀ぶりのこと。
 1960年代の、あのベトナム反戦、公民権運動の盛り上がり以来、久しぶりのことですが、学生だけの1万2000人もの結集は、60年代でもなかったことだそうです。

 では、どうして今、若者たちは立ち上がったか? それも「環境」をテーマに!

 ひとつはやはり、オバマ氏を草の根の選挙戦でワシントンへ送り出した、若者たちの自信が考えられます。
 実際、今回の「パワー・シフト'09」参加者の多くが、オバマ氏の選挙運動に携わった若者たちだそうです。

 二つ目は、若者たちが肌で感じている「地球環境の劣化」に対する危機感です。
 若者たちとは、社会の未来をつくる世代であるわけですが、その社会の未来が危ういものになっている。この世界、なんか変だ、ぼくたち(わたしたち)、この先、ちゃんと生きているけるのか?……といった危機意識を強く持っているようなのです。
 それって実は「人類の本能」に基づく、人間的・生物的な「直感」によるものなのかも知れません。

 「ヤバイぞ、地球環境」――は、日本の若者たちも「共感」しているものでしょう。
 この日本でも、そろそろ、アメリカのような「環境学生運動」が前面に出て来る頃合ではないでしょうか?

 
  

⇒  http://media.www.mustangdaily.net/media/storage/paper860/news/2009/03/02/Columns/The-60s.Are.Back.Students.March.For.Environmental.Change-3656778.shtml

  http://www.alternet.org/environment/129728/a_new_epoch_for_environmentalism%3A_massive_climate_change_action_proves_a_turning_point_/?page=entire

  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/02/28/AR2009022801877.html

  http://www.nytimes.com/gwire/2009/02/27/27greenwire-student-activists-hit-washington-to-push-for-em-9912.html

  http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1882700,00.html

  http://www.1sky.org/

   http://media.www.mustangdaily.net/media/storage/paper860/news/2009/03/02/Columns/The-60s.Are.Back.Students.March.For.Environmental.Change-3656778.shtml

Posted by 大沼安史 at 12:51 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2009-03-03

〔いんさいど世界〕 オバマ ノーベル平和賞に「内定」 えっ? ホワイトハウスに農園?

 アメリカのオバマ新大統領、最初から安定した走りをしてますね。先日の一般教書演説もすごかった。世界中の人が「ユーチューブ」などで「視聴」しました。こうなると、アメリカの大統領じゃなく、世界の大統領、地球村の村長さんって感じですね。

 ご存知のように「ファーストドッグ」(の犬種)も決まりました。
 ポルトガル・ウォーター・ドッグ。
 プードル系ですが、もともとポルトガルの沿岸で、漁師さんと一緒に海の漁に出ていた(いまも、出ている)犬なんだそうです。

 魚を網に追い込んだり、漁具を回収したり、船と船、沖と浜の連絡役を務めたり……「猟犬」というのは聞いたことがありますが、「漁犬」というのは初めてですね。

 遠くはアイスランド沖の厳寒のタラ漁にも出るんだそうです。

 写真でみると、真っ黒な犬。こういう働きものの犬を、ファーストドッグにするあたり、オバマ家らしいですね。(決め手は人間へのアレルギーがない犬、ということらしいですが……)

 で、今日の「知られざる話題」、ニュースにならない世界の大ニュースは、オバマ大統領がことしの「ノーベル賞」の「内定」したってニュースです。

 もちろん、「平和賞」。

 ノーベル平和賞を選ぶ、ノルウェーのオスロの財団がオバマさんを、平和賞の「候補」にピックアップしたそうです。

 イラクからの米軍撤退を表明したオバマさんですから、これに敵う人はいません。
 てことは、オバマさんで「決定」ですね。「内定」どころか「決定」です。

 でも、ノルウェーの選考委員の人たちって、賢いですね。オバマさん、あなたを「平和賞」候補にしたんだから、ちゃんと「イラク・イラン・アフガン・中東和平」に取り組んでください……って念押しのメッセージを突きつけているですね。

 うーん、さすが。選考委員の人たちに「ノーベル平和賞」、あげたくなっちゃいます。

 まあ、これはこれとして、もう一つ、オバマさんがらみで、知られざるニュースを紹介すると、ノーベル賞よりもすごいのが、な、なんと、ホワイトハウスに「農園」できるって話です。

 ホワイトハイスの広々とした芝生を畑にしてしまう。そこで農作物を育てる。
 夏ごろには「オープン」(って言うんですかね)するんだそうです。

 オバマさんて庶民派なんですね。ホワイトハウスで農業やるっていうですから……。「漁犬」こと、ポルトガル・ウォーター・ドッグもお手伝いするかも知れませんね。

 そのうち、農耕用の「ファースト・ホース(馬)」とか、「ファースト・カウ(乳牛)」、「ファースト・ピッグ(豚=食用)」なんてのも現れたりして……。

 でも、ホワイトハウスの農園って、初めてのことじゃなく、ルーズベルト大統領時代にも造られたことがあるそうです。

 戦時中のこと。アメリカでも当時、「ビクトリー・ガーデン」って言って、自給自足の家庭菜園がいたるところに造られたんだそうです。
 
 「ホワイトハウス」のイメージが、ブッシュ時代の軍事帝国総本山イメージから、平和の庶民派白亜館 にますます変わっていってほしいものですね。

⇒  http://en.wikipedia.org/wiki/Portuguese_Water_Dog

  http://www.independent.co.uk/news/world/politics/obama-in-running-for-nobel-peace-prize-1633669.html
 
  http://www.commondreams.org/headline/2009/02/24-9

Posted by 大沼安史 at 08:03 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)