〔いんさいど世界〕 地球環境を守れ! 水没の危機に立つ、インド洋の島国が世界初のの宣言 「10年以内に環境無害国になる」
インド洋にモルディブという、サンゴ礁の島国があります。地球温暖化にう伴う海面上昇で、水没の危機に瀕している島国です。
アトランティスのように、今にも海中に沈みかねないこの国が今月(3月)15日、10年以内に「世界初の環境無害国家になる」と宣言しました。英紙インディペンデントが報道しました。
地球環境破壊に対するモルディブの責任は、ほとんどゼロ、皆無に等しいわけで、環境悪化の元凶の世界の国々に対し、「おかげで、おれたちの国が消えてしまう」と、恨みつらみの言葉を投げつけたくもなるはずですが、そうではなく、自ら地球環境に害をなさない国になると言い切った。
立派です。
で、まずモルディブという島国のことですが、インドとスリランカの間のインド洋にあって、1200の環礁から構成される共和国です。
松島のサンゴ礁版のようなところなんですね。
その「国土」の8割が、海抜1メートル以下。
海面上昇(地球温度の上昇による海水の膨張&極地の雪氷の融解が原因)の危機が、国そのものの存続の脅威となっている。
温暖化の恐ろしさをこれほどリアルに感じている国は、ほかにないのではないでしょうか?
全人口30万人。現在、首都のマレを防衛する、高さ3メートルの防波堤工事が行われていますが、他の環礁は無防備。国を守る抜本的な解決策としては、地球温暖化をくい止める――これしかないわけです。
このモルディブでは実は昨年10月末、民主化選挙が行われ、ナシードさんという方が大統領に選出されたのですが、この民主的に選出された新大統領が、アメリカのオバマさんのような行動派の人で、
早速、「水没」に備え、「国土」を移転する――つまり、島を捨て、何処かに移るための基金(ファンド)を創設し、貯金を始めた。
(インドかスリランカに土地を買って、そこに脱出するのだそうですが、舟で行くのでしょうから、まるで「ノアの箱舟」ですね)
もう、島を捨て去るのか、と思っていたら、そうではなくて、今回の、最後の最後まで希望を捨てず、国を守り抜く「無害国家化」宣言!
いや、ホント、モルディブの人って、立派ですね。
で、この「無害国家化」って、どういうことかというと、世界各国はどうの、とか、温暖化対策をして損をするのは厭だ、とか言って、よその国を非難するのではなく、自ら率先して、地球環境に完全に優しい国づくりをするという取り組みなんです。
英語で言うと、「カーボン・ニュートラル(カーボンは「炭素」、ニュートラルは「中立」)」化いういうのですが、化石燃料などによる二酸化炭素の発生を削減し、地球環境に対する負荷をゼロにする、という凄いことなんです。
モルディブで具体的にどんなことが計画されているかというと、太陽光発電のほか、風力、波力発電――このあたりは代替エネルギーの開発、ということで、まあフツーのことですが――に取り組む一方、海水をエア・コンディショニング(冷房のみ?)に使うんだそうです。
(うーん、「海水エアコン」……これって、何か潮風が吹いて来るようで、なんか素敵ですね。宮城県の沿岸部でも導入できそうな気がしますが……)
10年(以内)でカーボン・ニュートラルの国に!
でも、悲しいかな、それが達成できたとしても、日本をはじめ世界の国々が、これ以上の温暖化阻止に動かなければ、水没はまぬかれない……。
でも、モルディブの人たちがそれを知らないわけがない。
それでも、やる!
身をもって、世界に模範を示すために!
立派ですね。偉いですね。
わたしたちの日本も、モルディブの人たちの心意気に学び、温暖化阻止に真剣に取り組まなければなりません。
Posted by 大沼安史 at 09:25 午後 | Permalink | トラックバック (1)