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2008-10-28

〔いんさいど世界〕 難病のプロゴルファーが奇跡の復活 優勝飾る 多発性硬化症 新薬で克服

 今朝はゴルフの話題。クラブも握ったこともない僕が話をするのも何ですが、とてもいい話(日本

ではいまだ知られざる……)があるので、ご報告したいと思います。

 難病にとりつかれ、いったん選手生命を失ったプロゴルファーが、52歳にして奇跡の復活を果た

し、英国のシニア・ツアーで優勝したという話です。

 このゴルファーが克服した難病は、「多発性硬化症(MS)」。これを臨床実験中の新薬で直し、

再起に漕ぎつけました。

 これは世界中のMS患者の皆さんにとっても、大変な朗報。ほんとに勇気付けられますね。

 このプロゴルファーは、ジンバブエ国籍、英国在住の白人男性、トニー・ジョンストーンさん。
 ことしの6月、英国のジャージー島のゴルフ場で開かれた「ジャージー・シニア・クラシック」で

、強風が吹く悪コンディションの中、辛抱のゴルフを続け、優勝を飾りました。

 2001年のカタール・マスターズ以来、7年ぶり、7勝目のヨーロッパ・ツアーでの勝利。22

勝を上げている米国プロゴルフツアーを加えれば、通算29勝目の栄冠を手にしたわけです。

 そんなジョンストーンさんがなぜか急に歩けなくなったのは、2003年のことだったそうです。

「9ホールまで行ったところで、コンセントを抜かれたように、先に進めなくなった」そうです。

 医者の診断は、筋肉痛とか疲労骨折といった「職業病」のカテゴリーを超えた、「多発性硬化症」

(MS)という難病。

 この病気は、中枢神経系の脱髄疾患のひとつで、運動マヒ、視神経炎など引き起すといいます。日

本では人口10万人あたり8~9人の発症率で、全国に約1万2千人、患者がいると見られています

 しかし、ジョンストーンさんは、ゴルファーとしての人生をあきらめませんでした。英国のケンブ

リッジ大学の研究チームが新薬開発を続けていることを知り、その実験台になったのです。

 その新薬、「アレムツズマブ(Alemtuzumab)」は元々、白血病治療薬として30年前に開発されて

いたもの(発見者のセザール・ミルステインさんは1984年にノーベル賞を受賞)ですが、ケンブ

リッジ大のチームはMSに有効ではないかと2005年から。投与法を含め実験を開始、欧米での臨

床実験の結果、インターフェロン投与者と比べ、症状を71%も軽減できる、といった好成績を収め

ることができました。

 ジョンストーンさんは、その「アルムツズマブ」に救われ、グリーン上に甦ったわけです。

 診断から5年、練習を再開してから2年後の快挙。

 「ジャージー・シニア・クラシック」でジョンストーンさんは最終日、16番のホールで、ドライ

バーをミスショットして、ボールをラフの中に入れてしまったそうです。
 「ゴルフ人生最悪のドライバー・ショット」だったそうですが、そのあと奇跡のリカバリーに成功

し、このホール、なんとバーディーまで奪ったそうなのです。

 そのバーディー・パットを決める際、ジョンストーンさんは、「オレはまだやれるぞ」と、自分の

ゴルフに再び、自信を持つことができたそうです。

 執念の復活を遂げたジョンストーンさんなわけですが、優勝インタビューにこう答えたそうです。

「この勝利はMS患者の仲間に対する、希望を捨ててはいけないというメッセージになるだろう」と

 日本のシニアツアーになんかにも参戦して、元気な姿を日本のファンにも(日本のMS患者さんに

も)見せてもらいたいですね。

 ところで、この「アレムツズマブ(Alemtuzumab)」という新薬、まだ試験を継続中で、英国でもま

だ認可が下りていません。
 早く安全性と効果が確かめられて、日本でも使えるようになるといいですね。 

 

⇒  http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-wellbeing/health-news/drug-can-

reverse-the-effects-of-ms-969774.html

  http://www.europeantour.com/default.sps?pageid=127&pagegid=%7BAEFB93B0%2DEFF5%2D4C05%

2DAB0F%2DFD08D947D944%7D&eventid=2008844&reportid=62774

  http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/068.htm

Posted by 大沼安史 at 08:02 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-10-23

〔NEWS〕 「オバマに投票する」 ハワード・ジン氏が表明

 わが尊敬するアメリカの歴史家、ハワード・ジン氏が、「オバマに投票する」と表明した。オバマリアンの小生としては、二重にうれしいニュースである。

 ジン氏はしかし、もしも(大統領に当選した)オバマ氏が「社会的な運動」を広げることができなければ、「変化のポテンシャル」を十全のものにすることは出来ないと、釘を刺した。

 ジン氏はオバマ氏へ投票する理由をして、オバマは(今のところ)「根底的な変化を代表してはいない」が、変化を切り開く可能性は保持していると指摘した。

 オバマ氏とマケイン氏の「違い」は小さいが、その小さな違いが歴史を大きく変える可能性はあり、今がその時だ、とも述べた。

 ジン氏はまた大恐慌後に大統領になったルーズベルトを動かしたのは、当時、全米で湧き起こった(ゼネ)ストであると振り返り、同じようなワシントンを変える「社会運動」が、今回の場合、住宅危機におけるマイホーム強制立ち退きに対する抵抗により、無名の誰かによって始まる可能性を示唆した。

 ジン氏は自らも参加した1960年代のアメリカ南部における黒人たちの非暴力抵抗運動にふれ、「グリーンズボロで座り込んだ若者たちも、その後、運動が大きく広がることを知らなかったではないか」と語り、草の根の民衆の力による社会改革に期待感をにじませた。
 

⇒  http://therealnews.com/t/index.php?option=com_content&task=view&id=31&Itemid=74&jumival=2606&updaterx=2008-10-22+12%3A16%3A40

Posted by 大沼安史 at 07:04 午後 | | トラックバック (0)

2008-10-18

〔コラム 机の上の空〕 「ジョー」をめぐる闘い 米大統領選は「ふつうのアメリカ人」の勝利のタップダンス

 アメリカの大統領選に、もう一人の「主役」が躍り出た。
 その名も「ジョー」。
 もう一人の「主役」?……陰の「主役」?――いや、大統領選のほんとうの「主役」と言った方がたぶん、より正確だ。
 次の大統領を決めるのは、結局、「ジョー」のような、無数の無名の、ふつうのアメリカ人たち、なのだから。

 それは「ユーチューブ」のビデオ映像で始まった。
 大統領選最後のディベートを前にした先週の末、オバマ候補がオハイオ州のトレドに入った。遊説先の公園(のようなところ)で、オバマ候補の前に、体格のいい、白人の男が現れた。

 ジョー・ウルツバッカー氏。
 配管(プラマー)の仕事をしているという彼は、オバマにこう尋ねた。「会社を買おうと思っているんだ。年収、25万ドルから28万ドル、稼げる。(25万ドル以上に増税する)あんたの課税プランだと、もっと税金、払わなくちゃならないってことだな?!」

 そんなジョーのストレートな突っ込みに、オバマ候補は丁寧に答えた。

 「配管の仕事して何年になるの?」

 「15年だ」

 「だったら、こう考えられないか? あなたが仕事を始めたころ、年収はそれほどじゃ、なかったろう。私の課税プランは、そういう人たちの税負担を減らすことだ。もし、その時、私のプランが実現したなら、あなたはもっと早く、会社を買えるようになったろう?」
 「私のプランではアメリカ人のほとんどが助かる。そうなれば、あなたのビジネスにとってもいことじゃないか」
 「いい質問をありがとう」

 このビデオ映像が「ユーチューブ」で流れると、早速、マケイン陣営が飛びついた。
 汗水垂らして夢を実現しようとするアメリカ人に、増税で冷や水を浴びせるオバマ……そんな揚げ足取りのキャンペーンを始めたのだ。

 15日、ニューヨーク・ロングアイランドの大学で行われた、大統領選3回目、最後のオバマ・マケイン・ディベート。
 負け戦を挽回しようと、マケイン候補が「ジョー、リッチになれておめでとう!」と、テレビ・カメラを通じて、会ったこともないオハイオの配管工に呼びかけ、「アメリカン・ドリーム」に水を差す(?)オバマの選挙公約に対する攻撃を始めた。

 ディベートは「ジョー」をめぐる論戦になり、両候補の口から、会わせて「20回以上も」、「ジョー」の名前が飛び出た。

 両候補に代わり、「ジョー」が主役になったのだ。

 マケイン陣営としては、「ユーチューブ」のビデオを観て、「これは行ける」と思ったのだろう。「ジョー」をヒーローの座に祭り上げ、「夢の足を引っ張るオバマ」、「ヒーローの夢を助けるマケイン」の構図を有権者の頭に叩き込もうとした。

 FOXテレビのような右派メディアもささり込み、「リッチになったジョー」から「オバマの政策は社会主義」「アメリカン・ドリームじゅない」といった「言質」を引き出して、最後の巻き返しプロパガンダ戦に臨もうとした。

 が、そんな右派の思惑に、逆風の吹き戻しが……。
 一躍、時の人になった「ジョー」に取材が殺到、「リッチなジョー」の「素顔」が明らかになったのだ。

 34歳。シングルファザー。宿題をみてあげる息子(13歳)が一人。
 
 配管の仕事をしているらしいが、ライセンスを持っておらず、勤めている配管会社(たぶん、ジョーはこの会社を買いたいらしい)も、社長とジョーだけの超零細企業。とても年に25万ドル以上も稼ぎ出す会社ではない、ということが明るみ出た。
 おまけに、いろんな借金もあるということも……。

 「ジョー」はつまり、「リッチになった自分を夢見る」、ふつうのサブプライム(貧乏)な、平均的なアメリカ人だった。オバマ候補の減税プランの恩恵を被るアメリカ人「98%」の一人だった。

 マケインから「リッチになって、おめでとう」とテレビを通じて呼びかけられ、ジョーは何と思ったか……。

 「ユーチューブ」でオバマと意見を交わす「ジョー」には、初の黒人大統領に対し、対等に議論する、白人としてのプライドのようなものがにじみ出ていた。

 「ジョー」にはたぶん、ああいった聞き方(言い方)しか(おれはリッチになるんだ。苦労してリッチになるのに、増税とは何だ?)できなかったのだろう。

 その強がりを、夢に生きる苦しさを、恐らく(シカゴの貧民区、サウスサイドでコミュニティー活動をしていた)オバマは直感的に理解していたのだ。だから、オバマは「ジョー」に対して、「尊敬している」を連発し、「ジョー」の右肩に二度も手を置いた……。

 金権マケインには、そうした理解力も、思いやりも、なかったのである。

 ただただ、利用しようとしただけ。
 「ジョー、リッチになれておめでとう!」と、二度も繰り返した、超リッチなマケイン。

 さて、その「主役」の「ジョー」氏だが、投票で、オバマ、マケインのどちらに投票するか、まだ決めてはいないようだ。(共和党の予備選には参加している……)

 最後に「ジョー」氏のオバマ候補の「印象」を紹介しよう。
 「ジョー」氏はテレビの女性キャスターのインタビューにこう答えている。
 「(オバマに質問して)今もタップダンスしてるような気分だ」と。
 
 タップダンス??
 何それ??

 そんな疑問に答え、「ジョー」はこう付け加えた。
 「あいつ(オバマ)は(タップダンスも得意な黒人俳優の)サミー・ディビス・ジュニアぐらい、いい奴だったぜ」

 「ジョー」はほんとはオバマが好きなのだ。
 
 間もなく、大統領選の投票日。
 無数のジョーがオバマに一票を投じ、勝利のタップダンスを踊ることだろう。

 大統領選最後のディベートで「ジョー」が「主役」になったのには、選挙プロパガンダの思惑を超えた、重く確かな、必然的な意味がある。   
   

⇒ http://jp.youtube.com/watch?v=BRPbCSSXyp0

  http://www.nytimes.com/2008/10/16/us/politics/16plumber.html?scp=7&sq=Joe%20Plumber%20&st=cse

  http://www.nytimes.com/2008/10/16/us/politics/16plumber.html?_r=1&scp=7&sq=Joe%20Plumber%20&st=cse&oref=slogin

  http://www.nytimes.com/2008/10/17/us/politics/17joe.html?scp=2&sq=Joe%20Plumber%20&st=cse

Posted by 大沼安史 at 01:31 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2008-10-11

〔いんさいど世界〕 氷の国 アイスランド メルトダウン

 北大西洋の氷の国、アイスランドで金融メルトダウンが一気に進み、国家破綻の危機に瀕している。人口30万人の小さな島国は、「グローバリゼーション」の反動「引き潮」の中で、今や「沈没」寸前だ。

 国有化された3大銀行が抱え込んだ負債は、アイスランドGDPの12倍にも上る。この計算の根拠となった「GDP」は、金融ツナミが押し寄せる前のものだろうから、今後の国内経済の縮み具合では「数十倍」「数十年分」にも達するはずだ。

 国家破綻を回避しようとアイスランド政府はロシアから「40億ユーロ」の外貨注入を受け、息をつなごうとしている。

 北欧諸国にSOSを出したが、断られ、なぜかロシアにすがりついた。

 しかし、この「40億ユーロ」も(本当に融資が行われたとしても……)当座をしのぐだけで、最終的には「IMF」による「救援」を待つしかないと言われる。

 が、そんな頼みのIMFも欧米救済を優先せざるを得ず、今後の展開しだいでは、「焼け爛れたまま」放置される恐れもある。

 仮にロシア、IMFなどの救援があったとしても、国家破産は避けられない。
 経済のグローバル化が引き起した、史上初めての「国家倒産」劇だ。
 なぜ、そうなったのか、原因究明、真相のあぶり出しが求められている。

 しかし、それにしても不思議なのは、漁業が主産業(ニシンはしかし、1982年を最後に、獲れなくなってしまった……)のこの氷の島国に、なぜ「金融センター」が出現したか、ということである。

 この疑問に、フィナンシャル・タイムズがヒントらしきものを出しているので紹介しよう。
 10月10日付の「残酷な風」という、同紙の資本市場担当エディター、ジリアン・テット記者(元東京特派員)が補足取材してまとめた追及記事である。

 アイスランドは今世紀に入って、いきなり急角度で「離陸」を始めるが、そのエンジンをふかした「マネー」は何処から来たのか?

 これについてFT紙の記事は、「ロシアとの不思議なリンクの物語」を指摘する。アイスランドの金融力の起源にはロシアの影の部分がつきまとっている、というのだ。
 これはもう、アイスランドの「奇跡」の陰に、ロシア・マフィアが存在していると言ったも同然である。

 ロシアとアイスランドとのかかわり……。同紙によれば、たとえばアイスランド一の大金持ちは40歳になったばかりのカリスマ富豪だが、ロシアのサンクトベテルブルクで醸造所を営み、それをハイネケンに売って財を成した人物だ。その男は今や世界第4位のジェネリック薬品メーカーを経営するまでになっている。

 こうしたロシア・マネーのローンダリングの受け皿として、アイスランド金融セクターの規制緩和を徹底的に進めたのは、前首相のディヴィッド・オドソンだ。

 「規制緩和(デレギュレーション)」とは耳障りのいい言葉だが、要は「無法地帯」の容認。オドソンは、レイキャビークを「番外地」化し、なんでもあり・やりたい放題の「金融ヘイブン」にしてしまった。

 アイスランドの銀行も地道な商業銀行の枠を超え、ウォールストリートの投資銀行のような真似を始めた。地元の産業に「投資」するのではなく、欧米の金融カジノでの「投機」にうつつを抜かす、酒と薔薇の日々。ドイツや英国の銀行がジャブジャブ金を貸してくれるので、ギャンブル資金に不自由しない日々が続いた。

 ガーディアン紙(10月8日付)によれば、「円資金」もスイス・フランとともに、キャリー・トレードで流れ込んでいたそうだ。

 とすると、今回のアイスランド・デフォルトで、重い火傷を被った(逆にぼろ儲けした)日本の金融機関、投資家(機関)もあるはず。在京の経済ジャーナリストには是非とも実態を解明してもらいたい。

 英国では自治体がアイスランドに投資して、巨額の焦げ付きが出そうな雲行きだ。おそらく、日本でも、ハイ・リターンを期待して、投資に走った公的団体もあるはず。
 在京ジャーナリストには、この点についても、是非ぜひ、追及してもらいたいものだ。

 疑い深い元社会部記者の小生としては、厚生年金・国民年金のファンドなんかも案外、注ぎ込まれているかも知れない、などと、ついつい勘ぐってしまう。

 氷の国の首都、レイキャビークでは国有化された銀行の前で、アイスランドの「プレスリー」による、士気高揚のロックコンサートが開かれたりしているそうだ。(ニューヨーク・タイムズ、10月9日付)

 もう、ここまで来ると「歌う」しかないのかも知れない。(そういえば、あの「大恐慌」のあと、アメリカではジャズ&ミュージカルを中心としたショービジネスが最盛期を迎えた……)

 しかし、歌えば気は晴れるかも知れないが、アイスランドの一般大衆の前途に待ち構える苦難はリアルなものであり、歌って消せるものではない。通貨の価値は下がり、インフレは激化し、借款返済のための増税も始まるだろう。

 が、ただ黙って金満家どもから回されたツケの支払いを続けるのは癪だし、正義に反する。
 そこで、提案である。

 ① アイスランド国営の「民衆銀行」を設立し、国民経済・国民生活の安定を図れ!
 (これはあの「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、アメリカ民衆の救済策として打ち出している提案である)

 ② 公式通貨、クローネと「平行」して、国内限定のコミュニティー通貨を発行し、経済復興を図れ!
 (アメリカでは大恐慌後、「スクリップ」という代替通貨が自発的に流通した!)

 ③ アイスランドの監督官庁、捜査当局は国営化した3行の取引履歴を精査し、送金元での脱税、マネーロンダリングなど犯罪事実を掴んだら、「国際刑事裁判所」に告訴せよ!
 (アイスランドはいわば「密室」。犯罪の立証は意外に簡単かも……)

 ところでさっき、「歌で現実は変わらない」などと、とんでもないことを書いてしまったので、最後に弁明をひとつ。

 アイスランドの首都、レイキャビーク沖の島には、オノ・ヨーコさんが建てた「イマジン・ピースタワー」がある。
 そう、あのジョン・レノンの「イマジン」を光に換え、世界の空へと放射している「光のタワー」だ。

 「歌で現実は変わらない」のは確かだが、「イマジン」すれば、「歌で現実を変えられる」かも知れない。

 同じ島国、アイスランドの苦境は他人事ではない。アイスランドの国難を無にしない、想像力が求められている。
   
⇒ http://www.ft.com/cms/s/0/57967514-96f9-11dd-8cc4-000077b07658.html

  http://www.guardian.co.uk/world/2008/oct/08/iceland.globaleconomy

  http://www.nytimes.com/2008/10/09/business/worldbusiness/09icebank.html?_r=1&oref=slogin
  
  http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/council-millions-at-risk-in-icelandic-banks-955702.html
 

      
  

Posted by 大沼安史 at 11:44 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (3)

2008-10-04

〔いんさいど世界〕 ペイリンは、ブッシュ時代を締め括るビックラ・マーク=感嘆符(!)に過ぎない……NYTコラムニスト、ボブ・ハーバート氏が筆刀両断!

 ニューヨーク・タイムズの黒人コラムニスト、ボブ・ハーバート氏が、副大統領候補「討論」に触れ、共和党のサラ・ペイリン候補を筆刀両断、厳しい筆誅を加えた。

 すごい切れ味。

 新聞のコラムとは、こういうものか、と思わせる、見事な筆さばきだ。

 書き出しは、こうだ。

 Sarah Palin is the perfect exclamation point to the Bush years.

 サラ・ペイリンという共和党副大統領候補とは、単なる「!」に過ぎない……。
 そう、あの文末につく「!」
 それも「ブッシュ時代」を締め括る「!」

 なぜ、彼女は単なる「完璧な」「!」でしかないのか?

 それは民主・バイデン候補との「討論」で「討論」できなかった、彼女の発言・文章(無)能力にもよる。

 Now comes Ms. Palin, a smiling, bubbly vice-presidential candidate who travels in an alternate language universe. For Ms. Palin, such things as context, syntax and the proximity of answers to questions have no meaning.
 
 笑顔を振りまき、元気に「別世界の言語宇宙」を行くだけで、「文脈」「構文」「質問に対するまともな答え」に何の意味も見出さないサラ。

 そう、彼女には「ブッシュ時代」の終わりを告げる「!」の存在価値しかないのだ。
 日本語で言い直せば、「中身ゼロ」。
 アメリカの政治家も、ウォールストリートの株同様、随分、値を下げたものである。
 (もちろん、その暴落ぶりや、日本も負けてはいないが……)

 「応答」もできず、「質問」への「答え」を「別の質問」への「答え」で返すサラ。

 “I may not answer the questions the way that either the moderator or you want to hear.”

 「コーディネーターやあなたの聞きたいような風に答えないかもしれないわよ」と、最初から釘を刺す彼女……。

 彼女が一方的にまくし立てたあと、バイデン候補はコーディネーターに対し、こう聞いたそうだ。
 「どこから始めていいかわからないよ」と。

 これについて、ハーバート氏はこうコメントを付け加える。

 Of course he didn’t know where to start because Ms. Palin’s words don’t mean anything. She’s all punctuation.

 「もちろん、わかるはずがなかった。ペイリン氏の言葉は意味のないものだったから。単なる感嘆符に過ぎないから」

 ペイリン候補の「エネルギー対策」の発言も「!」ものだった。

 But after Senator Biden suggested that John McCain’s answer to the nation’s energy problems was to “drill, drill, drill,” Ms. Palin promptly pointed out, as if scoring a point, that “the chant is ‘Drill, baby, drill!’ ”

 「掘るのよ、ベイビー、もっと掘るの」

 掘る(ドリル)、とはもちろん油井掘削の意味だが、「ここほれニャンニャン(???)」ぽくって反吐(ヘド)が出そうだ。

 「ドリル、ベイビー・ドリル」、何だよ、それ 「!!!」???

 これでマケインの負けが決まった!!!
   

⇒  http://www.nytimes.com/2008/10/04/opinion/04herbert.html?_r=1&hp&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 05:51 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

〔NEWS〕 ペンギン異変 ブラジルの海岸まで大量北上 海流温暖化の影響

 ペンギンに異変が起きている。南米の大西洋岸の赤道付近まで北上、力尽きて次々とビーチに倒れ込んでいる。

 その数、なんと千羽以上。

 この異常事態、どうやら地球温暖化と関係があるらしい。

 英紙インディペンデント(10月4日付)電子版が報じた。

 ところは、ブラジル・リオデジャネイロ。有名なコパカバーナ(ビーチ)でのこと。
 ブロンズ肌の水着の女性たちに混じって、波しぶきの中から現れたのは、なんと、一羽のペンギン。
 ガリガリにやせ細り、骨が浮き出たからだつき。疲労困憊のあまり、たちまち砂浜に倒れ込んだそうだ――。

 南極に近い、アルゼンチンのヴァルデス半島に生息するマゼラン・ペンギンがこの冬(日本ではこの夏)海流に乗って北上、ブラジル海岸に大量の漂着しているという。

 これまでも、稀に「迷いペンギン」がブラジルまで来て話題になることはあったが、今シーズンは、ビーチに流れ着いたものだけで1000羽を超しており、まさに異変。

 海面を漂い続けているものも多いとみられ、ペンギンの集団迷子事件ともいうべき様相を深めている。

 数もさることながら、北上の仕方も極端。温帯の海を通り越し、赤道の南640キロの熱帯の海にまで到達している。
 ペンギンって熱帯魚なの?……ツーカ、氷の海の生き物であることを、忘れてしまうような異常事態だ。

 ビーチにたどり着いたペンギンのうち、200羽ほどは栄養不良、疲労などで死亡している。海上で力尽きたペンギンもは多く、ブラジル沖は今やペンギンたちの「死の海」だ。

 それではペンギンたちはなぜ、危険を顧みず、コパカバーナのような人間のいるビーチに泳ぎ着いているのか?

 この疑問に対する答えは、暖かな海でエサの魚をとれず皮下脂肪が薄くなって、海中で低下した体温を高めるため、太陽に照り付けられた砂浜に来る――ということなのだそうだ。

 しかし、これより問題なのは、どうしてペンギンたちは、こんなにも遠くまで、「北上」しているか、という謎である。

 これについて定説はないが、

 ① 南米沖を北上する寒流、マルヴィナス海流の海温がこの冬、異常に上昇し、同海流が真正面からぶつかり合うブラジル海流との温度差が縮小、このため、寒流に住むサカナを追い、マルヴィナス海流に乗って北上して来たペンギンが、Uターンする場所を見極められず、そのままずるずる赤道近くまで行ってしまった……

 ② 南極の氷が解け、そのおかげで北上するマルヴィナス海流の勢いが増し、それだけペンギンたちを北へ、送り届けている

 ――といった見方が有力だ。

 しかし、①であれ、②であれ、地球温暖化が背景にあることは事実。

 ブラジルでは漂着ペンギンをペットとして飼育する人も出ているというが、この「ペンギン異変」、「うわ、ビーチにペンギ~ン?!!!、うっそぉー、キャー、カワイイー」では済まされない、深刻な問題をわれわれに突きつけている。
  

⇒  http://www.independent.co.uk/environment/nature/the-long-march-of-the-penguins-950837.html

Posted by 大沼安史 at 04:29 午後 | | トラックバック (0)