〔イラクから〕 「ぼくは212人、殺したんだ」 母が語る海兵隊伍長(23歳)の自死
イラクの戦場に2度、送られ、カリフォルニアの基地に生還した黒人の海兵隊員(伍長)、ジェームズ・ジェンキンスさんがピストルで自殺した。2005年9月28日のこと。23歳だった。
母親のシンシアさんが、「ANP」(アメリカ・ニュース・プロジェクト)制作のビデオ(⇒ )に出演、息子の死を振り返った。
帰還後、東部、ニュージャージーに住むシンシアさんに電話をかけてきたジェームズさんは、母親にこう訴えた。
「ぼくは212人を殺して来た、死ななくていい人まで……」
悪夢に苦しみ、眠れずにカジノで徹夜プレーを繰り返し、借金の山を築いた。
大学進学の学費を稼ごうとして入隊した海兵隊。
生還を果たした若者に待っていたのは、イラクでの地獄の記憶との闘いの日々だった。
とくに2度目の出征の体験がひどかったようだ。ナジャフの激戦に参加し、仲間が爆弾に噴き飛ばされるのを目の当たりにした。戦場で自殺した仲間もいた。
ANPのビデオには、死んだ仲間のために膝まずいて祈るジェームズさんのスチール写真が載っている。
母親への手紙で訴えた。「ここ(イラク)にいる必要なんかない」と。
「帰国して戦争に反対するやつは死ね」と言われたと、電話で訴えた。
埋葬された墓地は、ニュージャージーの地元の高校に通っていた頃、いつも通っていた墓地だそうだ。登校の途中、パン屋でドーナツ2個とオレンジジュースを買って、教室に向かっていた。
思い出の通学路の墓地に彼は、無念の帰還を果たした。
⇒
http://www.alternet.org/blogs/waroniraq/93370/a_mother's_sorrow:_one_soldier's_suicide/
http://www.woundedtimes.blogspot.com/2008/02/marines-left-behind-lance-cpl-james.html
Posted by 大沼安史 at 09:58 午後 | Permalink