〔NEWS〕 米・イラク首脳会談 「2010年中の米軍撤退」で合意 オバマ次期大統領とマリキ現首相が一致
中東を歴訪していた米国の次期大統領、オバマ氏は7月21日、バグダッドで、イラクのマリキ首相を会談した。
オバマ氏は「16ヵ月」以内に米軍のイラク撤退を完了されることを「公約」に掲げているが、マリキ首相はこれに呼応する形で、ドイツの「シュピーゲル」誌(英語版)のインタビュー(7月19日付、同誌英語電子版)に対し、「オバマ候補は16ヵ月と言っている。われわれが思うに、これは米軍撤退の正しい時間的な枠組みだ。少し変わる可能性もあるが……」と述べた。
Maliki: As soon as possible, as far as we're concerned. U.S. presidential candidate Barack Obama talks about 16 months. That, we think, would be the right timeframe for a withdrawal, with the possibility of slight changes.
オバマ氏の訪問に合わせた、このマリキ首相の首相の発言は、イラク政府の首脳として初めて米軍の撤退スケジュールを示したもの。
このため、バグダッドで行われた会談は、事実上、オバマ氏の「公約」を、イラク政府としても「支持」するショー的な色彩を帯びた。
英紙インデペンデントのパトリック・コバーン記者(イラク特派員)によれば、ブッシュ政権はこれに反発。
イラク駐留米軍は慌てて、「マルキ首相の発言は誤解と通訳ミスによるもの」との、同首相のスポークスマン、ダバグ氏の「声明」を発表した。
これに対して、「シュピーゲル」誌側は、「通訳はマリキ首相側が用意した」としてインタビュー記事の撤回を拒否している。
で、真相はどうだったか、というと、イラク報道の権威的存在である、パトリック・コバーン記者によれば、マリキ氏は、オバマ氏の16ヵ月撤退計画は「イラクにおける米軍の存在に終止符を打つ上で適切なものになりうる」と述べていたのだそうだ。
In reality, Mr Maliki did say Mr Obama's 16-month plan "could be suitable to end the presence of the forces in Iraq".
つまり、「シュピーゲル」のインタビュー記事に誤りはなかったわけだ。
それにしても、火中の栗を拾いに行く、オバマの意欲と行動力には驚かされる。オバマの今回の中東歴訪で見えて来た彼の戦略デザインは、イラク問題を「イスラエル・パレスチナ」「イラン」問題と連関させて解決しようとする、連立「和平」方程式・戦略である。
「イラン」の核問題を解決して「イラク」を安定化させる一方、イスラエルがイランから受けている脅威を低減させ、パレスチナ問題を和解に向け動かして行く……。
オバマ氏の外交アドバイザーはなんと「300人」もいると言われるが、やることがスピーディーで、実際的・現実的である。
このブログ記事の冒頭、オバマ氏のことを「次期大統領」と書いたが、今回のイラク・中東歴訪で彼は、いまやすでに、レーム・ダックのブッシュに代わり、アメリカの「現職」大統領である。
⇒ http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,566852,00.html
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/boost-for-obama-over-iraq-withdrawal-873769.html
Posted by 大沼安史 at 11:13 午後 | Permalink

















