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2008-07-31

〔イラクから〕 「ぼくは212人、殺したんだ」 母が語る海兵隊伍長(23歳)の自死

 イラクの戦場に2度、送られ、カリフォルニアの基地に生還した黒人の海兵隊員(伍長)、ジェームズ・ジェンキンスさんがピストルで自殺した。2005年9月28日のこと。23歳だった。

 母親のシンシアさんが、「ANP」(アメリカ・ニュース・プロジェクト)制作のビデオ(⇒ )に出演、息子の死を振り返った。

 帰還後、東部、ニュージャージーに住むシンシアさんに電話をかけてきたジェームズさんは、母親にこう訴えた。
 「ぼくは212人を殺して来た、死ななくていい人まで……」

 悪夢に苦しみ、眠れずにカジノで徹夜プレーを繰り返し、借金の山を築いた。

 大学進学の学費を稼ごうとして入隊した海兵隊。
 生還を果たした若者に待っていたのは、イラクでの地獄の記憶との闘いの日々だった。

 とくに2度目の出征の体験がひどかったようだ。ナジャフの激戦に参加し、仲間が爆弾に噴き飛ばされるのを目の当たりにした。戦場で自殺した仲間もいた。

 ANPのビデオには、死んだ仲間のために膝まずいて祈るジェームズさんのスチール写真が載っている。

 母親への手紙で訴えた。「ここ(イラク)にいる必要なんかない」と。

 「帰国して戦争に反対するやつは死ね」と言われたと、電話で訴えた。

 埋葬された墓地は、ニュージャージーの地元の高校に通っていた頃、いつも通っていた墓地だそうだ。登校の途中、パン屋でドーナツ2個とオレンジジュースを買って、教室に向かっていた。

 思い出の通学路の墓地に彼は、無念の帰還を果たした。 
  

⇒ 
    http://www.alternet.org/blogs/waroniraq/93370/a_mother's_sorrow:_one_soldier's_suicide/

  http://www.woundedtimes.blogspot.com/2008/02/marines-left-behind-lance-cpl-james.html

Posted by 大沼安史 at 09:58 午後 | | トラックバック (0)

2008-07-30

〔NEWS〕ベルリン20万人集会 オバマ氏をドイツ女性記者がジムで直撃 & オバマ氏を「世界1の富豪」が支援

 ミーハーな「オバマリアン?」である小生(大沼)として、どうしても載せておきたい話題が2つある。遅ればせながら報告させていただく。

 【話題その1】 オバマ氏のベルリン演説(7月24日)になんと20万人もの人びとが集まったことはご承知のことと思われるが、その日、ベルリンのホテル(リッツ・カールトン)のジムで、同氏が独紙「ビルト」の女性記者に「直撃取材」されていたことはあまり知られていない。

 独誌「シュピーゲル」(英語版、ドイツ語版にも掲載)によると、ジムに網を張り、オバマ氏を待ち伏せしていたのは、ジュディス・ボネスキーという女性記者(27歳)。

 ジュディス記者はオバマ氏がジムに現れると、「記者」と名乗らず、「ファン」(なのかもしれない)のフリをして近づき、一緒に「2ショット」写真まで撮った。

 彼女によると、・「オバマって以外に背が高い(187センチ)」
          ・「32キロのダンベルを左右の手で10回ずつ持ち    上げても汗ひとつかいていなかった(「なんて人!」」
 ――とか。

 彼女の記事と写真は翌日付けの「ビルト」に載ったが、オバマ氏には同夜10時45分、ベルリン市内のレストランで遅い晩御飯を食べているとき、「ビルト」の編集人から、刷り上ったばかりの紙面が手渡された。

 厳しい「報道管制」をかいくぐっての快挙に拍手」!

 【話題その2】 10日間にわたる中東・欧州歴訪から帰ったオバマ氏、早速、ワシントンでの「経済サミット」に臨んだ(7月28日)。

 英紙「ガーディアン」によれば、この「サミット」(シンポジウム)には、元FBR議長のポール・ヴォルカーや、ルービン元財務長官ら錚々たる経済リーダーが顔を揃えたが、その中に、富豪「世界1」のウォーレン・ビュフェット氏が含まれていたという。

 同紙の電子版の見出しは、「ビュフェット、経済危機解決でオバマに加担」。

 投資家として財を成したビュフェット氏は、ビル・ゲイツ財団に私財の寄付を申し出ているなど、慈善家としても知られている。

 「オマハの賢人」として有名な同氏の「投資先」は「オバマ」!

 さすが、ちゃんと人を見ている。

⇒ http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,568532,00.html

http://www.guardian.co.uk/world/2008/jul/29/barackobama.uselections2008

Posted by 大沼安史 at 06:32 午後 | | トラックバック (0)

2008-07-27

〔ジャック天野の目が点丼〕 日の丸・変態・教育界 

 畏友・ジャック天野より、「暑中、怒りのお見舞い」メールが届いた。夏休みで、大分の湯布院に来ているそうだ。

 温泉につかって、のんびりしてりゃいいものを、またまた怒髪天を衝く、お腹立ちのよう。「日本の変態教育界」にはもうガマンならないと、いきり立っておられる。

 ま、いま注目の「大分」にいる以上、仕方ないか……。

 以下は、例によって、彼のメールの全文である。

     ◇△◇ ⇒ @△@ ⇒ *△* ⇒ ・△・

 おい、大沼、まだ死んでないよな。お前、このクソ暑さの最中、クーラーなしでガンバッテるそうじゃないか? 何? 地球環境を守る? 電気代、ケチってるだけじゃないのか?

 オレ、いま大分だ。湯布院、いいとこだ。天国だぜ。エアコンも効いてるし。
 夜なんか、窓を開けると、ひんやりした風が入ってくる。

 東京を脱出して来て、ほんとによかった。命と垢の洗濯だぜ。湯船につかって、よ。

 東京から、脱出したのにはわけがある。薄汚くて、うっとうしいんだよ。
 何? そんなのいつものことだろ、って?
 そうだよ、その通りだよ。でも、今度ばかりはオレも切れた。

 新聞の「読者の声」欄、読んで、ある、とんでもないことを投書で教えられて、オレ、もうすっかり、東京のこと、やになっちゃたんだ。

 どんな投書か、って? 「痴漢の副校長 処分軽減とは」ってやつだ(朝日、7月25日付)。

 「電車で痴漢をして昨年1月に懲戒免職処分となった都立高校の副校長が、今春の都人事委員会の採決で停職6カ月と処分を軽減された。そして先月から教員として復職したという。君が代斉唱時に不起立だった教師と痴漢の管理職が同じ処分で良いのだろうか」

 卒業式の「君が代」に「不起立」で応えた教師は、憲法で保障された思想・信条の自由を貫いた人間だよな。それと、たぶん「起立」しながら痴漢した、憲法に保障されない破廉恥行為をした教師が、まったく同じ処分。

 投書した高校の先生は「(軽減の)理由は、痴漢が悪質とは言えないのだとか。開いた口がふさがらない」「人事委員会などとの癒着があったと思われても仕方ない」と書いているが、これ、まったく同感だな。

 この痴漢野郎はきっと、卒業式で「起立!」とか何とか声をかけ、立たない教師を無理矢理立たせていたやつだぜ。そうじゃなければ、いとも軽々、現場に復帰できるわけ、ないじゃないか。

 それにしても何だな、「痴漢」って行為と、こういう痴漢教師どもがしてる「教育」と、似すぎるほど似ているぜ。

 閉鎖空間で(満員電車の、または文科省=教委からの)圧力を背に、弱い者(女性、または子ども=生徒)に対し、その人格・権利・関心を無視し、無理矢理、手を突っ込む……。

 似ているどころか、これはもう、まったく同じ、だな。

 ま、そんなこんなで、薄汚い東京ってところをオサラバして来た訳だが、オレ、大分に来て失敗した、と今、思い始めている。
 湯布院は空気がきれいだし、いいとこだが、ここの教育界も東京と同じ、変態教育界だ。腐臭が漂っているぜ。

 お前(小生=大沼のこと)、前に『緑の日の丸』(仙台・本の森・刊)って売れない小説を書いてバラしていたけれど(そして、オレは、いくらなんでも、日本の教育界、そんなに腐っちゃいないだろう、って思っていたけど)、アレ、ほんとだったんだな。

 教育界に閥が出来て、金権支配が生まれ、3Kヒラメ教師ばかりがのさばるようになる……

 で、オレ、昨日、大分県警に出向いて、お前が書いた『緑の日の丸』、参考にしてください、って捜査本部に一冊、差し入れして来たぜ。

 今のところ、金を貢いだ・懐に入れた贈収賄事件だが、お前さんが小説に書いたように、今に背任・横領って線が出てくるかも知れないな。
 学校の公費、もしくは出入り業者からピンハネした金、生徒(の親)から徴収した金に手をつけ、それで上司に貢いだ線も大ありだからな。

 しかし、それにしても、お粗末な話だな。
 お前さんの言うように、日本は、文科省を頂点とした、北朝鮮と世界一を争う、統制教育のメッカ。
 官僚教育制度のピラミッドの第2列には都道府県教委があり、その何段か下の最底辺には学校という「現場」があり、そこには調教役の教師がいて、子どもたちの好奇心をおしつぶしている。

 全国一律の「金太郎飴教育」。
 「大分」は、腐った日本の統制教育の断面に過ぎない。
 全国、どこを切っても、腐臭を放った膿が飛び出て来るはずだぜ。

 大分で捕まった連中は皆、「不起立」を通すような骨のある教師ではなかったはずだ。全員そろいもそろって、卒業式で教師や子どもたちを「起立」させ、自分も「起立」した「管理職教員」だったはずだ。

 なぜ、「起立」を命じ、自分も「起立」しているのか? 
 それは彼ら・彼女らが「起立」を命じる者(文科省・教委)対して「立つ」ことがないからだよな。
 思想・信条の自由を、学問(学び)の自由を侵す者に対して、「立つ」ことがないからだよな。

 マゾ的に「立たされた」者が、サド的に下位の者を「立たせている」。
 これって、ひどいことだぜ。こういうのを、ホントの「汚職」っていうんだな。

 日本の教育現場に自由と自立があり、教師に誇りと自立心があれば、ロボットのように「起立」はしないだろうし、変態振る舞いには及ばないはずだ。

 「福祉」と「労働」に続いて、「教育」もついに陰湿な、「本性」が暴露されたな。

 大分に来る前、東京で読んだ「朝日」の「声」欄の「かたえくぼ」に、こんな「コント」が載っていたぜ。

  『先生への暑中見舞い』

   昔 お元気ですか
   今 大丈夫ですか
    ――生 徒
   (静岡県・カワセミ氏)

 笑えそうで笑えない、傑作コントじゃないか。 

Posted by 大沼安史 at 01:00 午前 | | トラックバック (0)

2008-07-24

〔For the Record〕 金融バブル崩壊 ブッシュ大統領 「ウォールストリートは酔っ払っちまった。二日酔い、してるぜ」だと

 英紙インディペンデントによると、ブッシュ大統領は先週、テキサス州ヒューストンでの共和党資金集めパーティーでスピーチし、「景気後退の瀬戸際にある」(同紙)米経済の元凶をウォールストリートだと名指しして、次のようにコメントした。

 「ウォールストリートは酔っ払っちまった。こういうこと、言うつもりだったから、テレビカメラは入れるなと頼んだわけさ。あそこは酔っ払って、いま、二日酔い、してるぜ。問題はいつ素面になるかだ。それから、ヘンテコリンな金融商品、やめないとヤバイぜ」
 
  "Wall Street got drunk, that's one of the reasons I asked you to turn off the TV cameras. It got drunk and now it's got a hangover. The question is how long will it sober up and not try to do all these fancy financial instruments."

 同紙によれば、ブッシュ大統領はダラス市の高級住宅街で、新しいマイホーム探しをしているそうだ。米国民が「住宅ローン地獄」にあえいでいるのに……

 ブッシュ氏よ、君もバブル酒、飲んで、相当、酔っ払ったんじゃないの?…… 

⇒  http://www.independent.co.uk/news/world/americas/bush-wall-street-got-drunk-and-now-its-got-a-hangover-875780.html

Posted by 大沼安史 at 12:57 午後 | | トラックバック (0)

2008-07-23

〔NEWS〕 米・イラク首脳会談 「2010年中の米軍撤退」で合意 オバマ次期大統領とマリキ現首相が一致

 中東を歴訪していた米国の次期大統領、オバマ氏は7月21日、バグダッドで、イラクのマリキ首相を会談した。

 オバマ氏は「16ヵ月」以内に米軍のイラク撤退を完了されることを「公約」に掲げているが、マリキ首相はこれに呼応する形で、ドイツの「シュピーゲル」誌(英語版)のインタビュー(7月19日付、同誌英語電子版)に対し、「オバマ候補は16ヵ月と言っている。われわれが思うに、これは米軍撤退の正しい時間的な枠組みだ。少し変わる可能性もあるが……」と述べた。

  Maliki: As soon as possible, as far as we're concerned. U.S. presidential candidate Barack Obama talks about 16 months. That, we think, would be the right timeframe for a withdrawal, with the possibility of slight changes. 

 オバマ氏の訪問に合わせた、このマリキ首相の首相の発言は、イラク政府の首脳として初めて米軍の撤退スケジュールを示したもの。

 このため、バグダッドで行われた会談は、事実上、オバマ氏の「公約」を、イラク政府としても「支持」するショー的な色彩を帯びた。

 英紙インデペンデントのパトリック・コバーン記者(イラク特派員)によれば、ブッシュ政権はこれに反発。

 イラク駐留米軍は慌てて、「マルキ首相の発言は誤解と通訳ミスによるもの」との、同首相のスポークスマン、ダバグ氏の「声明」を発表した。

 これに対して、「シュピーゲル」誌側は、「通訳はマリキ首相側が用意した」としてインタビュー記事の撤回を拒否している。

 で、真相はどうだったか、というと、イラク報道の権威的存在である、パトリック・コバーン記者によれば、マリキ氏は、オバマ氏の16ヵ月撤退計画は「イラクにおける米軍の存在に終止符を打つ上で適切なものになりうる」と述べていたのだそうだ。

 In reality, Mr Maliki did say Mr Obama's 16-month plan "could be suitable to end the presence of the forces in Iraq".

 つまり、「シュピーゲル」のインタビュー記事に誤りはなかったわけだ。

 それにしても、火中の栗を拾いに行く、オバマの意欲と行動力には驚かされる。オバマの今回の中東歴訪で見えて来た彼の戦略デザインは、イラク問題を「イスラエル・パレスチナ」「イラン」問題と連関させて解決しようとする、連立「和平」方程式・戦略である。

 「イラン」の核問題を解決して「イラク」を安定化させる一方、イスラエルがイランから受けている脅威を低減させ、パレスチナ問題を和解に向け動かして行く……。

 オバマ氏の外交アドバイザーはなんと「300人」もいると言われるが、やることがスピーディーで、実際的・現実的である。

 このブログ記事の冒頭、オバマ氏のことを「次期大統領」と書いたが、今回のイラク・中東歴訪で彼は、いまやすでに、レーム・ダックのブッシュに代わり、アメリカの「現職」大統領である。

⇒  http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,566852,00.html

 http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/boost-for-obama-over-iraq-withdrawal-873769.html

 

Posted by 大沼安史 at 11:13 午後 | | トラックバック (0)

〔観る! ビデオ、この映像〕 拘束したパレスチナの若者を、イスラエル兵が至近距離で足を射撃

 英紙ガーディアンによると、ヨルダン川西岸、ニリン村で7月7日、拘束され、目隠しさせられたパレスチナ人の若者が、至近距離からイスラエル兵に足の甲を撃たれた。

 一部始終をパレスチナ人少女がビデオに撮影していた。 

⇒  http://www.guardian.co.uk/world/2008/jul/21/israelandthepalestinians.middleeast

Posted by 大沼安史 at 04:35 午後 | | トラックバック (0)

2008-07-18

〔いんさいど世界〕 大地を守れ! アメリカ先住民が「ロンゲスト・ウォーク(最長行進)Ⅱ」 「昨日」を知り、「今日」、「明日」を祈る……

 サンフランシスコからワシントンへ……アメリカの先住民たちが5ヵ月かけ、3600マイルの「最長行進(The Longest Walk)Ⅱ」を歩き切り、ゴールインした。

 1978年の第1回から数え、30年ぶりの大行進。連邦政府の条約破棄を覆した前回に対し、2回目の今回は「環境」保護を訴え、ゴミ拾いをしながら歩き通した。

 今回の「Ⅱ」は、AIM(アメリカン・インディアン運動)の指導者、デニス・バンクス氏らの呼びかけで組織された。

 出発は真冬の2月11日。サンフランシスコからスタートした行進は南北2ルートに分かれ、途中、先住民の居住地を訪問しながら、ワシントンの連邦議会に突きつける要求事項を積み上げ、7月11日、首都に到着した。

                 ☆

 デニス・バンクス氏が、ネット放送局「デモクラシーNOW」のインタビューで語ったところによると、30年ぶりの「最長行進Ⅱ」の準備に取り掛かったのは、5年前から。
 先住民の居留地でも、「地球温暖化」の影響が顕著になって来たからだという。

 「彼・彼女ら(先住民)の何人かは、泣きながら私たちに話してくれました。汚染された水がどれだけ儀式を穢し、汚染されら空気がどれだけ呼吸を損なっているかと。地球温暖化はまさに真実なのです」

 バンクス氏が辿ったのは、南ルート。コロラド川にはクロニウムが流れ込み、モジャヴェ、ワラパイ、ハヴァスパイ、ヤヴァパイ・アパッチ族の生活を危機に陥れていた。
 ナヴァホの居留区ではウラニウム鉱山が稼動し、ナヴァホ族による反対運動が起きていた。

 先住民の聖地も蹂躙されていた。ケンタッキーでは1200ヵ所の墓地に開発の波が押し寄せていた。

 デニス・バンク氏によれば、今回の「Ⅱ」にもまた、日本山妙法寺など日本から29人が参加し、「南無妙法蓮華経」を唱えながら、先住民と一緒に歩き通した。日本の先住民族であるアイヌの女性も参加したそうだ。

 行進最終日の7月11日は、数千人がワシントンで合流、コンヤース連邦議会下院議員に嘆願書を手渡した。

                 ☆

 「Ⅱ」のネットのサイトに、「行進」の意味を書いた「変化へのマニフェスト」が掲載されており、のぞいて見ると、冒頭に「祈り」が掲げられていた。

  祖父よ 今日、私たちはこれから生まれて来る世代のために祈る

  祖父よ 今日、私たちは生きとし生けるもののために祈る

  祖父よ ひとつの精霊、ひとつのからだ、ひとつの声の祖父よ 私たちはこの祈りを送る

  祖父よ 今日、私たちの祈りを聞いてほしい そうでなければ、Red Man(レッド・マン)たる私たちの明日はないかも知れない

 「明日」(未来)のための祈りを「今日」(現在)捧げる……それが先祖によって聞き入れなければ、私たちに「明日」はないかも知れない……

 ここでいう「祖父」(先祖)とはたぶん、「過去(昨日)」を指すに違いない。

 平易な言葉が、深い真実を湛えて、心を打つ。
 私たちはどれだけ「昨日(過去)」を大事にし、「明日」のため、「今日」を祈っているのだろう?

 湖畔の山上におったてた「バブルの館」に集まった、あの指導者たちの胸に、大地を歩き通した人びとの「祈り」のカケラもなかったろう。

 洞爺もまた、アイヌ・モシリであった「昨日」を、思い起こす者はなかったはずだ。

                 ☆

 デニス・バンクスさんらがコンヤース下院議員(ミシガン州選出)に嘆願書を渡した、というくだりを読んで、コンヤース議員に仮にもし、「ベンジャミン・フランクリン」の霊が乗り移っていたなら、どんな感想を持っただろう、とフト思った。

 そう、アメリカ建国の父の一人、先住民の「イロコイ共和国」の民主主義・平和連邦をモデルに、アメリカのデモクラシーを構想した、あの「ベンジャミン・フランクリン」が今、アメリカ連邦の首都、ワシントンに甦ったなら、どんな思いで先住民たちの「最長行進」を迎えていたか、と――。

 250年の時間の流れは、アメリカの自然を破壊し、大地を変え、ブッシュ政権下で遂に、昔、先住民から学んだ「民主主義」の知恵を蹂躙してしまった……。

                 ☆
 
 「昨日」に学び、「明日」のために「今日」祈る……アメリカ先住民たちの「最長行進Ⅱ」は、そのことの大切さを、踏みしめた歩数の確かさでもって、日本のわれわれにも教えているようだ。
    

⇒  http://www.longestwalk.org/

  http://www.democracynow.org/2008/7/10/longest_walk_2_thirty_years_after

Posted by 大沼安史 at 12:38 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-07-16

〔NEWS〕「みずほ」&「大和」 米SECが空売り禁止対象銘柄へ指定

 米証券取引委員会(SEC)は、「みずほフィナンシャル・グループ」と「大和証券グループ」の日本法人2社を含む17社について、株の「空売り」を禁止する措置を講じた。

 株価の下落を見込んだ「投機」を未然に防ぐ措置だそうだ。

 アメリカの金融バブルのツケをしょいこまされた両者の危機的状況が、SECの「お墨付き」でハッキリした形だ。
 
 SECが発表した「空売り禁止」対象社リストは以下の通り。

 BNP Paribas Securities Corp.   
 Bank of America Corporation   
 Barclays PLC   
 Citigroup Inc.   
 Credit Suisse Group   

 Daiwa Securities Group Inc. 
 Deutsche Bank Group AG   
 Allianz SE   
 Goldman, Sachs Group Inc 
 Royal Bank ADS   
 HSBC Holdings PLC ADS   
 J. P. Morgan Chase & Co.   
 Lehman Brothers Holdings Inc. 
 Merrill Lynch & Co., Inc.   
 Mizuho Financial Group, Inc.   
 Morgan Stanley   
 UBS AG   
 Freddie Mac   
 Fannie Mae   

 リストにはゴールドマン・サックスを始め、アメリカ金融機関の大御所がリストに犇いている。
 「金融バブル」の崩壊で、ヤバヤバのトンデモ危機が生まれているのだ。

 それにしても、アメリカの当局のやることは素早い。

 日本の当局は「みずほ」「大和」の株「空売り」をどう規制するつもりだろう?

 えっ、もう「空売り」を仕掛けているから、規制するなら「事後的」でお願いしま~す、だって?

 政府、メディアのインサイダー野郎どもが、いい加減にしろ!!! 

  

⇒  http://www.sec.gov/news/press/2008/2008-143.htm

  http://online.wsj.com/article_print/SB121614248005255151.html

Posted by 大沼安史 at 08:25 午後 | | トラックバック (0)

2008-07-14

〔NEWS〕 ファニー&フレディーに「日本」はどれだけ「投資」しているのか?

 米政府系住宅金融機関2社、「ファニーメイ」と「フレディーマック」に対する「救済策」が打ち出された(7月14日、各紙夕刊報道)。

 心配なのは、「日本」がどれだけ両社に「入れ込んでいるか」である。

 ウォールストリート・ジャーナル(14日付、電子版)によれば、世界の中央銀行(日銀も??)、年金資金なども、両社の株、債権に「投資」しているという。

 日本の報道機関の「実態解明」が待たれる。

 日本の「年金」は昨年度、なんと「5兆8000億円」もの「超(いや兆?)大損」をこきながら、厚労省の大臣以下、誰一人として責任を取っていない。

 それだけ、国民の虎の子の「年金積み立て金」を減らしておきながら、ほっかぶりするなんて、どうしても許せない。

 また、同じことを繰り返さないためにも、現役新聞記者諸君のガンバリに期待する。 
  

⇒  http://online.wsj.com/article/SB121599678751249785.html?mod=hps_us_whats_news

Posted by 大沼安史 at 07:20 午後 | | トラックバック (0)

〔アフガンから〕 米兵9人戦死 NATO軍15人負傷

 英紙ガーディアンによると、パキスタンに近いアフガン東部、クナール州ワナット村で7月13日、タリバンとの間で激しい戦闘が行われ、米兵9人が死亡、NATO軍兵士15人が負傷した。

 米兵にこれだけの犠牲者が出たのは、2005年6月、米軍ヘリが撃墜され、16人が死亡して以来。

 ことし2008年6月は、米軍を含むNATO軍兵士の戦死が28人に達し、2001年の開戦以来、最悪の月となった。
 7月になってからも、タリバンの攻勢は続き、13日には南部ウルツガンで、バイクを使った自爆テロで、子どもを含む民間人24人が死亡するテロ事件が起きている。
  

⇒  http://www.guardian.co.uk/world/2008/jul/14/usforeignpolicy.afghanistan

Posted by 大沼安史 at 06:40 午後 | | トラックバック (1)

〔NEWS〕 オバマ 英国で「大統領」に選出

 英高級紙、ガーディアン(電子版)が7月14日に報じたところでは、同紙が世論調査機関とともに実施した、米大統領選をめぐる英国民の世論調査の結果、5対1の圧倒的な大差で、オバマ氏がマケイン氏を抑え、次期大統領に「選出」された。

 オバマ氏はイラクやアフガンなどを歴訪したのち、今月下旬、英国入りする。

 米国とアングロ・サクソン同盟を組むパートナーが「オバマ大統領」を「指名」したわけで、オバマ陣営の本番での勝利はますます確実なものになった。

 
⇒  http://www.guardian.co.uk/world/2008/jul/14/barackobama.johnmccain

Posted by 大沼安史 at 06:25 午後 | | トラックバック (1)

〔いんさいど世界〕 ミサイルか? 学校か?

 ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏が、アフガン、パキスタンで「学校」づくりを進める、アメリカ人男性のことを書いていた。

 グレグ・モーテンセンさん(51歳)。
 アフガンで医療活動と井戸掘りを続ける日本人医師、中村哲さんのような、肝っ玉の中に決意と希望を秘めた活動家である。

 クリストフ氏のコラムに導かれ、モーテンセンさんのことを少し調べた。
 そして感動し、うれしくなった。こういうアメリカ人がいる! 

 その感動は、以前、中村哲さんの活動を初めて知ったとき感じた、誇らしい思いと同じものだった。

 モーテンセンさんはアメリカはミネソタの生まれだが、間もなく両親に連れられ、アフリカのタンザニアへ。キリマンジャロが見える場所で育った。

 父親は現地にキリスト教系の病院をつくり、母親はインターナショナル・スクールを開いた。

 米陸軍の衛生兵として「冷戦」下の西ドイツに駐留。その後、アメリカに戻り、大学で神経病理学を専攻した。

 転機は妹の突然の死で始まった。1992年、モーテンセンさん、35歳の年。
 翌年、モーテンセンさんは悲しみを断ち切ろうと、世界第2の高峰、K2に、パキスタン側から登頂を試みた。

 失敗し、道に迷い、疲れ果てたモーテンセンさんがたどり着いたのは、コルフェという、イスラムの貧しい、山間の村。が、村人たちは、見ず知らずのモーテンセンさんを助けてくれたという。

 そのコルフェ村で、モーテンセンさんは、自分がなすべき「使命」に出会う。
 村には、学校の校舎はもちろん、一本の鉛筆も、一枚の紙もなく、凍てついた地面に棒で文字を刻み込む子どもたちがいた。

 元気を回復したモーテンセンさんは、村人に「学校をつくりに戻って来る」と約束して帰国。
 カリフォルニア・バークリーの救急病院で看護士として働いてお金をため、テレビのキャスターや、理解ある科学者からもらった寄付金と、自分の登山用具、マイカーを売り払った代金を足して、1万2千ドルをつくり、コルフェ村に戻って「学校」を建てた。

 村人への約束を果たしたモーテンセンさんだったが、これで終わり、ではなかった。これを手初めに、篤志家からの資金援助で「中央アジア協会」というNGO(非政府組織)を設立、アフガン、パキスタンの辺境山岳地帯を中心とした地域で、次々と「学校」を建設、その数、いまでは73校に達しているという。

 モーテンセンさんが建てている「学校」はすべて、女の子のための学校。
 「もし、男の子を教育したなら、それはその子自身の教育になる。しかし、女の子を教育すれば、村全体の教育につながる」という、アフリカの諺に学び、「女子校」づくりに専念している。

 2005年10月に大地震が起きたカシミール地方のパティカという村にも翌年9月、中国から機材・資材を運び込み、学校を建てた。学校の中庭に、地震で亡くなった村の女の子7人のお墓をつくった。

 タリバンに捕まり、8日間、拘束されたこともあるが、村の長老らがモーテンセンさんの後ろ盾になってくれた。

 中村哲さんの場合もそうだが、人道的な貢献を阻むものは、結局のところ、何もないのである。タリバンもイスラム原理主義も、たしかに「ハードル」になるものかも知れないが、飛び越えられないわけではない。

 モーテンセンさんのようなアメリカ人の存在は、他ならぬ「アメリカ」にとっても救いであり、貴重なプラスである。

 武力行使という「破壊」より、学校づくりという「建設」の方が、「地域の平和と安定」に役立つのは言うまでもない。モーテンセンさんの「貢献」によって、どれだけ「アメリカ人」の悪しきイメージが回復されていることか? 

 モーテンセンさんは「トマホーク・ミサイル1発で、学校を25校、つくることができる」と訴えている。
 
 日本の自衛隊をNATO軍に組み込み、アフガンに派兵するなんて、それこそ愚の骨頂。
 「井戸」を掘り、「医療」を施し、「学校」を建てることこそ、われわれがやらねばならぬことである。

 モーテンセンさんが本を書いているというので、読んでみたくなり、洋書屋さんに一冊、注文を入れた。

 本のタイトルは「3杯のお茶」。

 インドネシアのバリ島に伝わる諺から採ったそうだ。
 「相手と最初、飲むお茶は、他人と飲むお茶だ。2回目に飲むお茶は、大事なお客様と飲むお茶だ。3回、お茶を飲んだ相手は、もう家族である」

 モーテンセンさんはたぶん、ほんとうの「国際貢献」とは、ミサイルをぶち込むことではなく、一緒にお茶を飲みながら信頼を深めることだと訴えたくて、本のタイトルにしたのだろう。

 もしかしたら……いや、絶対に、間違いなく、モーテンセンさんは中村哲さんの「井戸掘り」の仕事を知っている!!

 知らないわけがない。だからこそ、「お茶」の諺を、わざわざ書名したのである。

 モーテンセンさんと中村哲さんの「対談」を、一度、どこかで、ぜひとも聞いてみたいものだ。
 日本の政治家たちにも是非とも聞いてもらいたいものである。   
  

⇒  http://www.gregmortenson.com/welcome.php

  http://www.gregmortenson.com/Articles/FeaturedArticles/01-13-08PhiladelphiaInquirer.htm

  http://www.nytimes.com/2008/07/13/opinion/13kristof.html?em&ex=1216094400&en=dbe49e9756ce6974&ei=5087%0A

Posted by 大沼安史 at 02:33 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-07-13

〔イラクから〕 英兵ら イラクの少年(14歳)にオーラルセックス強要

 英紙インディペンデント(電子版)が7月13日に報じたところによると、イラクの南部、バスラに設けられた英軍基地で2003年5月、イラクの少年たちを捕まえた英兵たちが、14歳の少年に対し、仲間のイラク人少年にオーラルセックスするよう強制し、実行させていた。

 ひどい話である。
 日本の若い記者団よ、これについてどう思うか、米英のイラク侵攻を支持する、福田首相に聞いて見給え!  

⇒  http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/british-soldiers-accused-of-sickening-sex-assault-on-iraqi-boy-14-866482.html

Posted by 大沼安史 at 08:15 午後 | | トラックバック (0)

2008-07-10

〔いんさいど世界〕 TOYAサミット 無責任の極み(サミット)で限界露呈に「大成功」  増補・訂正版

 道民がかつて「バブルの館」と呼んだ、お山の頂上、金ぴかリゾートホテルでの「G8サミット」が終わった。

 「大成功」だった!!??
 ……そう、「首脳」たちの「無力」と、「サミット」の「地上」との隔絶ぶりを満天下に曝したという意味で、史上「最高」のサミットだった。

 「標高」においても「無責任」ぶりにおいても、まさに史上「空前」のサミットだった。

 ■ 「最悪汚染男から、おサラバさ」

 英紙インディペンデントが報じたところによると、G8の首脳会議の場で、ブッシュ大統領が「これでグッドバイだ、最悪汚染男から」と、ジョークを一発、放ったという。

 「2050年まで50%削減」への「前向きな取り組み」を表明したときのことらしい。

 インディペンデント紙は「石油を寝て来たテキサス男の大統領」の口から、よもやそんな言葉が飛び出すとは、とからかっていたが、ブラックユーモアとしても気色悪い。

 「50年50%」で「最悪汚染男」の汚名が晴れると思ったら、「100%」大間違い。
 「ジョージ・ブッシュ」の名は、「石油奪取・イラク戦争男」の異名とともに、「人類最悪男列伝」の中の、輝かしいトップの座の一画を占め続けることだろう。

 ■ 「3B」仲間に「史上最悪汚職男」のレッテル

 ニューヨーク・タイムズ(電子版)に載った、ルスツ(留寿都)プレスセンター発特電の末尾についたAFP電には、正直ビックリした。

 ホワイトハウスが同行記者団に配った参考資料の中に、イタリアのベルルスコーニ首相に関する、こんな「人物紹介」が交じっていたそうだ。

 「政治汚職と悪で有名な、イタリア史上最悪の問題男」と。

 国務省あたりの内部資料がフリーパスで出ただけのことのようだが、慌てたホワイトハウスのスポークスマン氏、「明らかにミステーク、ずさんな仕事だった」と、火消しに懸命だったそう。

 それはともかく、ベルルスコーニといえば、名前の頭文字をとって「3B」と称せられる(TOYAサミットに抗議に来日した「グローバル・ジャスティス運動」の指導者、スーザン・ジョージ氏の表現)、最悪政治家トリオの重要構成員。

 その「3B」の親玉格のBUSHから(残る3人目はブレア)冷や水を浴びせかけられたベルルスコーニ首相、サミット会場では(日本のテレビ報道で見る限り)なぜか、終始、満面の笑みをたたえていた。

 ブッシュといい、ベルルスコーニといい、自国の若者を「ラカイユ(社会のクズ)」と呼んだサルコジといい、とんだ「トンデモ男」が、そろいもそろって、TOYAの山の上に登ったものだ。

 あの種の人間のことを、東北弁では「ホイド」という。「Gホイド」

  ■ 「食糧危機」尻目にグルメ大盤振る舞い

 TOYAサミットでもうひとつ、世界の失笑を買ったものがある。そう、あの「18コース」グルメ大盤振る舞い。

 食糧が世界的に高騰、飢えが進行しているにもかかわらず、「対策」を話し合うのも忘れ、美食、美酒に舌鼓を打った、あの醜態。

 カネの出所はもちろん、日本国民が納めた税金。
 その財源の中には、北九州市で老人の「生活保護」を剥ぎ取り、「オニギリ、食いたい」と叫ばせて餓死に追い込んだ「節税分」も含まれていよう。

 この「グルメ三昧」もまた、「G8」の正体を明らかにしたものとして、「歴史」に残るに違いない。

 ■ 「KY日本」、流れを読めず

 あのブッシュに「50年50%」を認めさせたと、鬼の首でもとったかのような日本政府だが、アホとしか思えない。

 「TOYAサミット」を、プラスの意味で後世に残るものにしたかったら、ホスト国=日本としては、最悪でも例の自爆カミカゼ戦術をとるべきだった。

 ブッシュのわがままを放っておき、「宣言なし」「合意なし」の「空中分解サミット」にしておけばよかったのだ。

 そうすれば、「ポスト・ブッシュ」の世界で、一から出直すことも可能だったはず……。

 ないしろ、オバマは「80%カット」を、ブッシュ後継を目指すマケインでさえ「60%カット」の公約を掲げているのだから、もっと高い場所で仕切り直しし、交渉を再開することも考えられたはずである。

 なのに、「50%」で手打ち……。

 ブッシュが悪乗りして、ジョークを飛ばしたくなった気持ちもわかる。

 ■ 年金積立金損出「5兆8000億円」の謎

 それにしても、「温暖化ガス抑止」コミットメントに、あれだけ「断固ノー」を貫いていたブッシュが、サミット会議中、一転、「まあ50%なら仕方ない。それも2050年時点でなら」と態度を変えたのは、どうしてなのか?

 朝日新聞によると、日本側の「最後のお願い」に、「ホスト国に恥をかかせるわけにもいかない」と米側が「譲歩」した、水面下の交渉があったようだが、いかにも日本の「政治部記者」の手になる「真相報道」のようで、気持ちが悪い。

 これは全くもって根拠のない話であり、まったくもって直感に基づく想像だが、疑い深い元「社会部記者」の小生としては、サミット直前に発表された「年金積立金 2007年度 5兆8000億円運用損」と関係あり、と睨んでいる。

 日本の政府当局は、ブッシュからの依頼(恫喝)を受け、恐らくは前年度の最終局面、ことしの1-3月期において、「債権証券化デリバティブ商品」の紙屑の山の買い取りを迫られたのではないか……これが、小生の元ブン屋としての「勘」である。

 日本政府は、あれだけ出血大サービスしたのだから、「50パー」ぐらい言ってくれたっていいんじゃないの(クーン、クーン、ワンワン)と迫った!!!……

 この「推論」を支える状況証拠はふたつ。

 ひとつは、1月のダボス会議で行われた、G8の秘密「債権証券化バブル崩壊対策」会議(この秘密会議については、ウォールストリート・ジャーナル紙が報じている)。

 もうひとつは、ニューヨーク・タイムズの東京特派員(経済担当)が書いた、「ドル安円高対策で日本政府にできること」という記事の内容である。
 その記事にはなんと、サブプラ組み込み「債権証券化商品」の日本政府による大量購入アイデアが書かれていた!!

 日本の現役ジャーナリストに期待したいのは、事の真相の解明である。「5兆8000億円」もの年金積立金が、投資の失敗(または覚悟の「損失補填」)で消えたのだ! 「ブッシュの押し売り」によるものなのか、ハッキリさせてほしい。

 ■ 「山頂」と「下界」と

 今回の「TOYAサミット」は、お山のサミット(頂)の「リゾートホテル」を会場としたことで、その「下界」(現実の生活世界)との隔たりを際立たせ、その点では予想を超える「大成功」だった。

 「G8」がいかに「世界の民衆」から遠い存在なのか、いかに「世界の民衆」を見下しているか、「頂上」と「裾野」の「標高差」が、その絶望的なまでの隔たりが、全てを物語った。

 これほどまで現実から離れた「別世界サミット」は史上初めてのことではないか?

 山頂でのサミットは、G8の限界をも曝け出した。

 G8だけでは最早、世界を動かせないことが、あの洞爺湖畔の山頂で明らかになった。

  そして高らかな「TOYA宣言」を合図に始まった「全世界同時株安」!!

 ふだんは熊しか出ないTOYAの山から、「不況」を連れて「ベアー」が降りて来た!!

 「視界ゼロ」の濃霧に閉ざされ、その後、晴れ間が覗いた洞爺湖の頂上からの眺めに、(もしかしたら熊の姿はあったかも知れないが)人の姿はなかったはずだ。

 世界の現実にコミットせず、世界の民衆の姿に目を向けないで来た先進国サミット。

 「TOYAサミット」が終わり、「G8」に、世界が「グッドバイ」を告げる時が来た。
   
  

⇒  http://www.independent.co.uk/news/world/politics/bush-to-g8-goodbye-from-the-worlds-biggest-polluter-863911.html

 http://www.nytimes.com/2008/07/09/science/earth/09climate.html?pagewanted=2&sq=Gay%20Stolberg&st=nyt&scp=4

http://www.democracynow.org/2008/7/9/as_global_food_crisis_tops_g8

http://www.ft.com/cms/s/0/43f7cf18-4e05-11dd-820e-000077b07658.html

Posted by 大沼安史 at 08:16 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-07-08

〔ジャック天野の目が点丼〕 バブルの館で 歌うは「霧の洞爺湖」!

 畏友・ジャック天野から「サミット現地初レポート」第2弾が送られてきた。

 昨夜、「バブルの館」で、福田首相の側近たちが、悪酔いして歌った「替え歌」だそうだ。

      ◎△◎  ⇒  ×△×  ⇒  ・△・

 ブッシュのポチ、「フセ・アルケ」も熱唱したという、あの有名な「霧の洞爺湖」である。

    「霧の洞爺湖」

 ♪   霧に紛れて
     密かに謀る
        犯人(ホシ)も見えない
        湖に  ヘタリ

       バブルのままなら
       楽しいはずの
       赤字の山も
       泣いてる
       霧に

       いつかあなたがバラしてくれた
       ヘタの最悪
       洞爺湖の夜

       千切れたジャンク(債)の
       紙代さえも
   ならない下落に
   こぼれる涙

   霧に政治の希望を聞けば
   コダマ切ない
   洞爺湖の夜

   壊れた国の
   思い出さえも
   映さぬ水に
   あふれる涙

   霧に日本の希望を問えば
   コダマ空しい
   洞爺湖の夜

Posted by 大沼安史 at 11:13 午前 | | トラックバック (0)

2008-07-07

〔ジャック天野の目が点丼〕 霧の洞爺湖 見えない日本 「バブルの館」で「視界ゼロ」サミット 

 畏友・ジャック天野より久々にメールが届いた。洞爺湖に近い、北海道・伊達市に来ていて、世界各地から集まった反サミット活動家たちと交流しているそうだ。
 以下は、「ジャック天野 サミット現地報告」のメール全文である。

   ◎△◎ ⇒ ☆△☆ ⇒ ×△× ⇒ *△* ⇒ ・△・

 おい、大沼、オレ今、伊達市にいる。

 キャンプ場だ。世界の「反サミット活動家」たちがここに集まってるんだ。われらがスーザン・ジョージもここにいる!――といいたいところだが、いない、というか見えない。濃霧(ガス)がかかっているんだ。

 でも、何だな、日本政府もバカなところ、会場に選んだもんだな。
 あの「バブルの館」、そう昔、「エイペックス洞爺」と言った、あの「ザ・ウィンザーホテル洞爺」。
 
 いくら英国王室の宮殿名でごまかしても、お里が知れているぜ。

 ぶっつぶれた「拓銀」から湯水のように金を引き出して、熊しか出ないような山奥の山頂におったてた「リゾートホテル」を会場に選んだセンスのなさ。
 開いた口がふさがらないので、お前の分までビール、流し込んでおいたぜ。うまかった! 最高!

 でも、あすこをサミットの「会場」に選んだの、あのアベチャンじゃなかったか?
 最悪!

 国策捜査で刑務所にぶち込まれた元特捜検事が暴露本に書いていたが、アベチャンって、「拓銀」を傾かせたNっていうタニマチに可愛がられ、Nが大阪から東京に出てくるたびに、ホテルのVIPルームに特設した「牛乳風呂」に入れてもらっていたそうじゃないか!

 失脚しないで首相のままでいたら、あの「バブルの館」で、きっと「牛乳風呂」わかしていたはずだぜ。
 「いいですねぇ~。疲れがとれますねぇ~」なんて言いながら、ネオリベ・コン同士、ブッシュやサルコジあたりと「裸の付き合い」してたんじゃねえか?!

 うー、気持ち悪る~っ。こりゃもう、「牛乳ブロ」じゃなくて「牛乳グロ」だな。

 それにしても、KYなやつらだぜ。日本政府のお役人どもは。
 気象データすら、読めない。
 今の時期、北海道の沿岸部は濃霧がかかりやすいんだよ。
 千歳空港からヘリを飛ばせないから、ドイツのメルケルなんか、会場にたどり着くまで、1時間40分も、車に揺られたそうだ。
 「五里霧中」とはよく言ったもんだぜ。

 「霧のカーテン」に閉ざされた、お山の頂上で、ネオリベ・コンどもが、密談サミット。 
 お山の大将どもには、下界の苦しさ、分かるはずもあるめぇ~。

 そういえば、フィナンシャル・タイムズ(FT)に、ちょっと前、凄い記事が載っていたな。
 「日本、行方不明に:サミットの見えないホスト」って記事が……。

 書き出しからしてバカにしくさってる。
 「まずは質問をひとつ。日本、どこにある?」だと。
 「経済的にはまだ世界2位だが、政治的には全く見えない」と書きやがった。

 でも悔しいけど、認めるしかないな。

 「バブルの館」の裾野では、飼料高で酪農家が追い詰められ、港にゃ重油高騰で出漁できない漁船の群れ。
 洞爺の奥の「夕張」なんか、財政崩壊で地獄のようなありさまだぜ。

 そんな日本の政府に、世界をまとめる力なぞ、ありっこないよなぁ~。

 FT紙に「見えないホスト」とからかわれた福田さんよ、こうなったら開き直って、どっかのケータイ屋のテレビCMのように、ブッシュに吠え掛かってみては……。

 政治のリーダーシップも視界もゼロ。
 FT紙曰く……TOYAサミットを最後(?)に、「世界の舞台」から姿を消そうとしている「日本」。

 寺山修司じゃないけど、一度、アベチャンとか福田首相に聞いてみたいもんだ?

 「日の丸」「君が代」大好き人間の君らに、「身捨つるほどの祖国はありや?」と。

⇒  http://www.ft.com/cms/s/0/15ac9456-48fe-11dd-9a5f-000077b07658.html?nclick_c

Posted by 大沼安史 at 11:23 午後 | | トラックバック (0)