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2008-06-29

〔いんさいど世界〕 姿を変える変身ビル 「可変・超高層マンション」 湾岸のドバイで着工へ

 ペルシャ湾岸、アラブ首長国連邦の都市、ドバイ。
 一度だけ行ったことがあります。

 もう20年近くも前のこと。イラクのサダム・フセインが侵攻したクウェートに、バーレーン経由で現地入りしようとして失敗、仕方なくドバイまで、すごすごと引き揚げた時のことです。

 そのときですら、ドバイの繁栄ぶりはもの凄いものでした。まるで、現代建築の見本市。
 その後、海面埋め立てが進み、人工島がいくつも出来て、いまや非現実感さえ漂わせる、未来を先取りした都市へと成長しています。

 そのドバイに、超高層ビルのイメージを一新する革命的なビル(マンション)の建設が計画されているそうです。

 フィレンツェ在住、イタリアの建築家、デーヴィッド・フィシャー氏が先日、ニューヨークで記者会見して発表しました。

 その名も「ダイナミック・アーキテクチャー(動く建築)」。

 これがどういうものかというと、高さ420メートル、地上80階建て。

 ふつうのビルだと、鉄骨を組み上げ、各フロアを仕切って部屋を配置する建築法ですが、このビルはまず、ビルの芯になる巨大な円筒を建て、その周りにプレハブの「家(部屋)」を最上階から地面に向かって、1階ずつ配置して行く。

 「プレハブ」の「家」は、イタリア南部のバリの工場でつくるんだそうです。そこで内装まで仕上げ、壁に絵をかけた完成品にして、ドバイまで運んで大円筒に取り付ける。
 これだと、1階あたり1週間で出来上がるのだそうです。

 革命的なのは建築法だけではありません。大円筒の周りに取り付けられた「家」(部屋)は、各階ごと、なんと水平に、ぐるぐる、自由に動くことができる。

 フロアごと自分の住まいにしてしまえば、自分の寝室の窓から朝日を見たいなと思ったら、その寝室部分を東に向ける。「居間」から、ペルシャ湾を眺めてみたいときは、「北」向きに……。

 そんなふうに、80階の全てが、ルービック・キュービックのように、それぞれ思い思いの方向へ水平に移動することで、ビル全体の形が変わる。

 つまり、ドバイに建設予定のこの超高層ビルは、世界初の「変身するビル」になるわけです。

 もっと驚くことがあります。

 各階ごとに、大きな風車がついているんです。ふつう、風車の羽根は垂直に回転しますが、このビルのは水平に回る。ビル風をとらえて、それで風力発電し、各戸の屋根に取り付けた太陽光パネルと合わせ、エネルギーを自給するのだそうです。

 この「動くビル」、ドバイの次はモスクワで、70階建て、高さ400メートル。そのあと、摩天楼の本場、ニューヨークにも建てる計画。

 いずれ、日本にもお目見えするのでしょうが、たしかに革命的ではあるけれど、僕にはどうも、住みたいって気がしません。

 そんなに動いてどうするの?……てな感じ。

 家にいるときぐらい、動かず、じっとしていたい、「いつもの窓からの眺めと眺めていたい」と思いますが、皆さんはいかがですか???  
 

⇒  http://www.dynamicarchitecture.net/ 

http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/art-and-architecture/news/revolutionary-skyscraper-will-offer-rooms-with-a-variable-view-853536.html

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Posted by 大沼安史 at 03:26 午後 1.いんさいど世界 |

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