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2008-03-05

〔コラム 机の上の空〕  保守の牙城、シカゴ大学ロースクールの元同僚・友人が語る「朝から大統領 バラク・オバマ」

 「次期大統領」の期待高まるオバマ候補は、法律を学び、教え、実践して来た人である。

 ハーバード大学のロースクールでは「レヴュー」の初代黒人編集長となり、シカゴ大学のロースクールでは米国憲法を講じ、その後、人権派の弁護士として活動、政界に入ったキャリアの持ち主だ。

 シカゴ大学ロースクール時代の同僚、カス・サンステイン教授が、英紙インディペンデントに「わが友、バラク・オバマ」というエッセイを寄稿していた。読んで教えられることが多かった。

 オバマ氏が教えていたシカゴ大学ロースクールは、実は米国で最も保守的な「ロースクール」なのだそうだ。あのレーガンの共和党政権を支えたのは、このシカゴのロースクールだったという。

 オバマはそういう保守の巣窟にいたわけだが、共和党員の同僚からも好かれ、尊敬されていた(る)という。かつてのレーガン支持者がいま、オバマを支持している、ともいう。

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 なぜ、そうなのか?

 人間性、心の温かさもあるが、独立心の持ち主であり、「すばらしい聞き手」であることが大きい、とサンステイン教授は指摘している。

 オバマ氏の「聞く耳」は、どんなところへも赴く。偏見の中で凝り固まることがない。さまざま意見に注意深く、公平に耳を傾け、さまざな議論を自分の中に取り込み、判断してゆく。そういう「法の分析家」という部分が、オバマ氏にはあるのだそうだ。

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 そのオバマ氏が先日、サンスティン教授に電話をかけてきたそうだ。久しぶりの電話でオバマ氏は、サンステイン教授に、ブッシュ大統領が許可した、米国内から国外のテロリストに対する電話の盗聴について、法律的な見解を求めた。

 サンステイン教授は、(保守の牙城のロースクールの教授らしく?)その「盗聴」に合法的な部分も含まれている、との論文を発表したばかりだった。

 サンステイン教授が自説のポイントを説明してゆくと、オバマ候補はじっと聞く耳を傾け、反論を述べた。20分に及ぶ、そんな繰り返しのあと、オバマ氏は最後にこう言った。「あれはやはり非合法だ。でも、おかげで賛否両論について理解を深めることができた。時間を割いてくれてありがとう」と。

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 オバマ氏についてはヒラリー陣営から、「スタイルばかりで中身がない」などといった批判宣伝が行われているが、サンステイン教授に言わせれば、シカゴの仲間にとってオバマ氏は「口舌の徒(レトリシャン)ではなく、問題解決能力や創造性、細部への注目という点で光り輝いている」男だそうだ。

 オバマ氏自身、最も居心地がいいのは、「政策や細部の領域」において、だという。

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 もう、ひとつ、サンステイン教授の指摘で興味が引かれるのは、オバマ氏が「旧左翼」ではない、ということである。「選択の自由」に対しても、鋭い関心を示す。

 だから考え方は、ブレア及びクリントン的な「第三の道」のアプローチと重なり合う。

 国内問題でも国際問題でも妥協ではなく、「大きく考え、大胆に行動する」のが彼の身上だ。イラク反戦が不人気な頃、「イラク戦争反対」と公然と述べたのは、そういうオバマ氏の政治家の態度の現れである。

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 注目点を最後にもうひとつだけ……。

 オバマ氏は、政敵を葬ることを拒否する人であり、意見が合わない人たちに対しても良き信頼を置く人であるそうだ。

 わたし(大沼)はかねがね、日本の政治に必要なのは、朝まで罵り合うのではなく、理解し合い、共通の道を探り、夜はぐっすり寝て、朝から歩み出すことだと思っていたが、一足早く、アメリカに、そんな「オバマ・〈朝から〉大統領」が出現しそうなので、たいへん嬉しい。

 アメリカはいま、建国以来、最大の危機にあるといっていい。そこにオバマが現れたのは、当然のめぐり合わせである。

 戦後最大の危機を迎え、ずるずる破局に向かって進むだけの日本。

 小浜市民が「オバマ」を支持するのは、単に語呂合わせだけではないはずだ。
 

⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/an-american-president-my-friend-barack-obama-790330.html

Posted by 大沼安史 at 02:27 午後 3.コラム机の上の空 |

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