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2008-03-24

 〔いんさいど世界〕 チベットからの流れ……「三峡ダム」に点った「環境惨事」の赤信号 最後の秘境、「怒江」でダム開発始動の動き

 中国政府の支配に反発する「暴動」の勃発で、「チベット」にいま、世界の目が注がれています。ヒマラヤ山脈の向こう側のチベットに、世界の人びとの注目が集まっている。
 考えてみればチベットって、凄いところなんですね。だって、インド亜大陸とユーラシア大陸がぶつかって、できたところだもの……。
 実はこのチベット、大河の発する水源なのですね。中国の「長江」も、チベット高原から流れ出す。チベット高原の水は「怒江」となって、中国・雲南省から南下し、インド洋に注ぎ込んでもいる。
 ヒマラヤ山脈を分水嶺とした、北側(つまりチベット高原)の水は、東南アジア最大の水資源なんですね。
 で、今日は、その「チベットからの流れ」にまつわる話を二つ。いずれも「ダム」をめぐる、知られざる大ニュースです。
 ひとつは、長江の有名な「三峡ダム」。中国政府が威信をかけ、15年がかりで建設工事を進めたもので、ダム湖の全長は600キロに及ぶ、いわば治水版の万里の長城。

 「三峡ダム」はあの毛沢東も夢見た一大国家プロジェクト。それだけに中国政府としても鼻高々だったのでしょう。現地に招いた外国メディアの記者たちに、「三峡ダム、10の世界一」というリストを配ったそうです。
 リストの最初に書かれていたのは、もちろん「三峡ダムは世界最大のダムです」で、それに続いて「世界最大の発電所」「世界最大の建築資材使用」といった項目が並んでいたそうですが、ご丁寧にも最後の「10項目」目に、「113万人」という「世界最大の移転住民数」が書かれていたそうです……。うーん、そこまで書くのか、って感じ、ですよね。
 ま、それはともかく、日本ではあまり知られていないようですが、いま「環境災害」の危機を蓄積しつつあるのだそうです。
 英紙フィナンシャル・タイムズの報道(昨年9月)によれば、中国政府の当局者自体が認めている。
 で、どんな問題が起きているかというと、ひとつは「沈泥」です。ダムができれ流れがせき止られたために上流の流速が、以前の秒速2メートルから同20センチへと、10分の1にも鈍化してしまった。
 おかげで土砂の堆積が進み、水深が浅くなって、船が通行不能になる場所も出ているそうです。
 もうひとつの問題は、「貯水汚染」です。有害物質を使用していた工場が多数水没しているほか、重慶といった都市の廃水が流れ込んで、有毒化・富栄養化が進んでいる。日本の沿海でクラゲが大量発生しているのは、「三峡ダム」のせいだ、という見方も出ているほどです。
 最悪の事態として考えられているのは(考えたくもないことですが……)、地震の直撃です。「三峡ダム」が地震で倒壊したらどうなるのか……。考えたくもないことですね。
 とにかく、この「三峡ダム」、もう出来上がってしまったので、原状回復は望めませんが、チベット発の流れで、もうひとつ、世界の環境団体が注目している「怒江」に関しては、まだ着工に至っていないので、これは何とかなるかも知れません。
 「怒江」(ぬこう・ヌジング・サルウィン)って、知らない川ですよね。でも、ビルマを経由してインド洋に注ぐこの川でも、中国政府が雲南省内の流れに、ダムを13個もつくる計画を立てています。
 この「怒江ダム」の建設計画が持ち上がったとき、世界の環境団体は猛反発しました。

 で、中国政府も、そんな国際世論に配慮して、「計画凍結」を発表していた……。
 ところが、最近になって、開発開始に向けた動きが一部で報じられ出した(香港の英字紙や中国の経済紙などが報じているそうです)……表面ではまだ「計画凍結」ですが、現地では着工への動きが進んでいるようなのです。
 これが明るみにでると、これは大変なことになります。
 
 怒江流域って貴重な生物資源でも有名ですが、独自を文化を育んできた少数民族が暮らす場所なんですね。
 このまま開発を進めてゆくと、「自然破壊」ばかりか、ダライ・ラマの言う「文化殺戮(カルチュラル・ホロコースト)」が起きてしまう。
 「三峡」「怒江……チベットからのふたつの流れは、ひとり中国だけの問題としてではなく、「開発」とは何か、どうあるべきか、「経済発展」とは何か、どうあるべきか、世界の人びとに(わたしたちに)問題を突きつけています。

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Posted by 大沼安史 at 12:08 午後 1.いんさいど世界 |

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