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2008-03-31

〔いんさいど世界〕 アジアで米不足 深刻化 日本 「農業安保」強化の必要性

 アジアで米不足が深刻化している。タイではこの3ヵ月間に価格が倍近くに高騰、「ドロボー狩り」さえ横行する事態になっている。カンボジアのように米の輸出を禁止する国も出て来た。

 「毒ギョーザ」問題で、度を越した「食の海外依存」ぶりがあらわになった、瑞穂の国=日本。「米」をはじめとする「農業安保」の強化が求められている。

 英紙ガーディアン、タイムズ紙の報道によると、アジアの米需給がこれまでになく逼迫している。域内における人口増に伴う需要の増大、インド、中国における開発に伴う農地つぶし、異常気象、産油国などによる買い占めなど、さまざまな要因が重なり合い、「米不足」が増幅している。

 カンボジアでは先週末、米を輸出を向う2ヵ月間、全面禁輸することを決めた。自国の「食料安保(フード・セキュリティー)」を守るための措置である。米の輸出禁止は、中東のエジプトに始まった動きで、アジアに波及したかたちだ。

 サイクロン被害に続く旱魃にあえぐバングラデシュ。国民の4割が貧困線以下の極貧生活にあえぐこの国でも食糧難で価格が高騰し、3月半ば、世界銀行が隣国のインド政府に米を融通するよう働きかけたが、拒絶された。
 インド自体、2006年に食料輸入国に転落、輸出どころか関税を下げてでも輸入を拡大しなければならない立場に追い込まれているのだ。

 フィリピンのアヨロ大統領はベトナムに対して、ことし、150万トンの輸出枠を守ってくれるよう懇願した。
 その頼みのベトナムもついこの間(3月28日)、輸出の2割削減を決定する事態に追い込まれている。
 
 こうした中、世界最大の米の輸出国、タイでは価格が高騰、ことし1月、トンあたり400ドルだたったのが、同760ドルに跳ね上がっている。
 こうした中で、他人の稲を勝手に刈り取る「稲ドロボー」が横行、ショットガンで自衛する状況さえ生まれている。
 米はいまや、まさに「黄金の稲穂」になっているのだ。

 タイの米の輸出先で最も多いのは、アフリカのナイジェリアで、全輸出に占めるシャアは40%。ナイジェリアは産油国だから、お金があるので買い込むことができるわけだ。

 同じ、米輸出国、インドネシアでは値上げに抗議する暴動さえ起きている。

 米農務省によると、世界的な米の備蓄はことし(2008年)、7000万トンに落ち込むという。8年前、2000年の半分という低い水準だ。

 米の世界価格も今後、さらなる高騰が見込まれ、トンあたり1000ドルの大台に乗ることも時間の問題になって来たようだ。

 田植えへと続く、われらが宮城のオラが春……。異常気象で外米を緊急輸入する、20年ほど前にあった悪夢の再来しないことを祈りつつ、わが国の「農業安保」の強化を願わないわけにはいかない。
 「道路(ロード)」より「米(ライス)」、「イージス艦」より「稲狩り」の方が死活的に重要である。
 

⇒  http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/31/thailand.food
     http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/consumer_goods/article3613071.ece

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Posted by 大沼安史 at 09:50 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-03-25

〔NEWS〕 中国官憲 チベット人僧侶や尼僧に発砲 2人死亡か? 四川省炉霍(ルーフォー)

 中国四川省のチベット人居住地、炉霍(ルーフォー)で3月24日、チベット人の僧侶、尼僧ら数百人のデモ隊に中国官憲が発砲した、と、英紙タイムズ(電子版)が25日、報じた。
 
 同紙によると、デモは夕方4時から始まった。200人の尼僧、それを同じ数の僧侶が政府庁舎に向かって行進を始めた。これにチベット人の農民、牧畜民数百人が合流したという。

 このデモ隊に向かって武装警官が発砲、目撃者によれば「2人が死亡」したという。 

⇒ http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article3612661.ece

Posted by 大沼安史 at 02:20 午後 | | トラックバック (0)

2008-03-24

 〔いんさいど世界〕 チベットからの流れ……「三峡ダム」に点った「環境惨事」の赤信号 最後の秘境、「怒江」でダム開発始動の動き

 中国政府の支配に反発する「暴動」の勃発で、「チベット」にいま、世界の目が注がれています。ヒマラヤ山脈の向こう側のチベットに、世界の人びとの注目が集まっている。
 考えてみればチベットって、凄いところなんですね。だって、インド亜大陸とユーラシア大陸がぶつかって、できたところだもの……。
 実はこのチベット、大河の発する水源なのですね。中国の「長江」も、チベット高原から流れ出す。チベット高原の水は「怒江」となって、中国・雲南省から南下し、インド洋に注ぎ込んでもいる。
 ヒマラヤ山脈を分水嶺とした、北側(つまりチベット高原)の水は、東南アジア最大の水資源なんですね。
 で、今日は、その「チベットからの流れ」にまつわる話を二つ。いずれも「ダム」をめぐる、知られざる大ニュースです。
 ひとつは、長江の有名な「三峡ダム」。中国政府が威信をかけ、15年がかりで建設工事を進めたもので、ダム湖の全長は600キロに及ぶ、いわば治水版の万里の長城。

 「三峡ダム」はあの毛沢東も夢見た一大国家プロジェクト。それだけに中国政府としても鼻高々だったのでしょう。現地に招いた外国メディアの記者たちに、「三峡ダム、10の世界一」というリストを配ったそうです。
 リストの最初に書かれていたのは、もちろん「三峡ダムは世界最大のダムです」で、それに続いて「世界最大の発電所」「世界最大の建築資材使用」といった項目が並んでいたそうですが、ご丁寧にも最後の「10項目」目に、「113万人」という「世界最大の移転住民数」が書かれていたそうです……。うーん、そこまで書くのか、って感じ、ですよね。
 ま、それはともかく、日本ではあまり知られていないようですが、いま「環境災害」の危機を蓄積しつつあるのだそうです。
 英紙フィナンシャル・タイムズの報道(昨年9月)によれば、中国政府の当局者自体が認めている。
 で、どんな問題が起きているかというと、ひとつは「沈泥」です。ダムができれ流れがせき止られたために上流の流速が、以前の秒速2メートルから同20センチへと、10分の1にも鈍化してしまった。
 おかげで土砂の堆積が進み、水深が浅くなって、船が通行不能になる場所も出ているそうです。
 もうひとつの問題は、「貯水汚染」です。有害物質を使用していた工場が多数水没しているほか、重慶といった都市の廃水が流れ込んで、有毒化・富栄養化が進んでいる。日本の沿海でクラゲが大量発生しているのは、「三峡ダム」のせいだ、という見方も出ているほどです。
 最悪の事態として考えられているのは(考えたくもないことですが……)、地震の直撃です。「三峡ダム」が地震で倒壊したらどうなるのか……。考えたくもないことですね。
 とにかく、この「三峡ダム」、もう出来上がってしまったので、原状回復は望めませんが、チベット発の流れで、もうひとつ、世界の環境団体が注目している「怒江」に関しては、まだ着工に至っていないので、これは何とかなるかも知れません。
 「怒江」(ぬこう・ヌジング・サルウィン)って、知らない川ですよね。でも、ビルマを経由してインド洋に注ぐこの川でも、中国政府が雲南省内の流れに、ダムを13個もつくる計画を立てています。
 この「怒江ダム」の建設計画が持ち上がったとき、世界の環境団体は猛反発しました。

 で、中国政府も、そんな国際世論に配慮して、「計画凍結」を発表していた……。
 ところが、最近になって、開発開始に向けた動きが一部で報じられ出した(香港の英字紙や中国の経済紙などが報じているそうです)……表面ではまだ「計画凍結」ですが、現地では着工への動きが進んでいるようなのです。
 これが明るみにでると、これは大変なことになります。
 
 怒江流域って貴重な生物資源でも有名ですが、独自を文化を育んできた少数民族が暮らす場所なんですね。
 このまま開発を進めてゆくと、「自然破壊」ばかりか、ダライ・ラマの言う「文化殺戮(カルチュラル・ホロコースト)」が起きてしまう。
 「三峡」「怒江……チベットからのふたつの流れは、ひとり中国だけの問題としてではなく、「開発」とは何か、どうあるべきか、「経済発展」とは何か、どうあるべきか、世界の人びとに(わたしたちに)問題を突きつけています。

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Posted by 大沼安史 at 12:08 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2008-03-17

〔観る! ビデオ、この映像〕 「死の臭い」のバグダッド  数千人の子どもたちが路上生活

 バグダッド生まれの英紙ガーディアン記者、アブドゥル・アーマド氏の「一時帰省レポート」が、同紙電子版にビデオ・クリップ付きで掲載されている。

 コンクリートで分断された街。「今日も3件、自動車爆弾の爆発した」……

 「食べるものはない」と語る少女。

 数千人にも達するストリート・チュルドレン。

 街外れのゴミ捨て場が、身寄りのないものの墓地だ。墓標は金属片。「死の臭いがする」……と。

 イラク戦争5周年の現実だ。   

⇒  http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/17/iraq1

Posted by 大沼安史 at 04:06 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 中国の国威発揚策 「聖火エベレスト登頂」に暗雲 「北京五輪」で勢いづくチベット独立運動

 チベット独立運動が再燃しました。中国政府の支配に抗して立ち上がったのは、ビルマ同様、ここでも仏教の僧侶たち。赤い僧衣の列がチベットの都、ラサの市街を行進し、国際社会に「支援」を訴えました。

 デモの模様は、さっそくビデオ映像で世界に流れました。なかでも市民の「携帯」が威力を発揮したようです。ビルマ(ミャンマー)同様、インターネットが現地の模様を全世界に伝えました。

 チベットでは1989年にも独立運動が盛り上がったのですが、そのときと今とで違うのは、このインターネットの有無。この新しいメディアが、旧来の戒律に生きるチベット仏教僧らの運動を世界に報じた!

 中国政府は国内の民主化運動などの動きを警戒し、インターネット規制を強めていますが、その網の目をかいくぐって、チベット(の民衆)発の映像が一瞬のうちに、国外に出た……
 
 出たら最後、もう止められません。英紙ガーディアンなど欧米の有力メディアはこぞって電子版に「ビデオ・クリップ」を掲載、僧や民衆のプロテストと、それに対する中国官憲の弾圧の模様を報じています。

 チベットの独立運動にとっても、インターネットは「追い風」になっているわけですね。

 今回、チベット及び周辺地区で起きた、チベット族による独立運動は、「ネット」の他にもうひとつ、とんでもなく強力な「キャンペーンの武器」を手にしています。

 そう、言わずと知れた「北京五輪」。北京でオリンピックが開かれる8月までの期間……この先、4ヵ月以上も「五輪」とリンケージ(連関)しながら運動を続けることができる……。

 中国政府が「血の弾圧」を続ければ、「北京五輪ボイコット」の声は強まるので、北京の政権としても、そうそう強硬な姿勢はとれない。その間隙をついてデモを続けていけば、中国政府を「交渉のテーブル」に引き出すことができるかも知れない……これがチベット独立派の戦略でしょう。

 つまり、これから五輪開幕まで、4ヵ月間もの長丁場で勝負ができるわけです。

 そんななかでいま、世界の注目を集めているのが、「エベレスト」です。あのヒマラヤの屋根、世界最高峰のエベレストにいま、視線が集まっているのです。

 なぜ、「エベレスト」か、というと、あの山、南はネパールにありますが、北はチベット(中国)なんですね。
 
 中国からすれば、「エベレスト」は「おれたちの山」なんですね。だから「チョモランマ」という中国名さえある。

 で、その「エベレスト」で中国政府がいま何を計画しているかというと、「聖火の登頂」なんです。世界最高峰の山頂、世界の尾根に、中国人クライマーによって「聖火」が灯る……これってけっこう凄い国威発揚ですよね。

 エベレストの山頂から「聖火」を手に世界を睥睨するわけですから。

 「北京五輪」の聖火の採火式がギリシャのオリンピアで行われるのは今月(3月)25日。月末には、いったん北京へ運ばれ、そのあと世界の五大陸でリレーを行い、中国に戻って8月8日の開会式に臨むというスケジュールですが、中国政府としてはどうも5月初旬の10日間に、聖火の登頂を計画しているらしい。

 なぜ、そんな推測が成り立つかというと、中国政府が登山エージェンシーに対して、この期間の外国人による「エベレスト入山禁止令」を出したからです。南側のネパール政府にも協力を求め、カトマンズもこれに同調することにした。

 北京政府が「エベレスト入山禁止令」を出したのは、もちろん、今回の「反乱」が起きたあとのことですが、狙いはもちろん、チベット独立派による妨害活動の阻止です。チベット独立派に「聖火」を奪われたら、目も当てられませんからね。

 で、この「入山禁止令」、早くも世界のクライマーの間に波紋を広げているそう。というのも、その時期に登頂を計画していたチームがけっこういるからです。

 英紙インディペンデントによると、世界のクライマーの間では、けっこう「チベットびいき」の人たちが多い、といいます。昨年には、アメリカ人登山家4人がチベット側のベースキャンプに「ワン・ワールド、ワン・ドリーム フリー・チベット2008」の幕を、記念に残したりしている。

 ですから、中国政府の「禁止令」、チベット人だけでなく、外人クライマーらの動きを警戒してのことかも知れません。

 いずれにせよ、8月の開会式へ向け、チベット情勢をめぐる緊張は高まってゆくばかりですが、「血塗られた五輪」という最悪の事態を避けるには、中国政府がダライ・ラマとの交渉をテーブルにもう一度、着き、話し合いするなかでお互い、歩み寄るしかありません。

 前回、1989年のチベット「騒乱」の際、現地の責任者をしていたのが、いまの胡錦濤主席だそうです。だから当然、チベット問題について、よく知っているはず。

 中国政府にはこの際、チベットの自治権拡大を認めるなど、懐の大きなところを見せてほしいところですね。
 チベット問題を平和解決することができれば、中国政府は世界の尊敬を集めることができるでしょう。「北京五輪」にダライラマも出席!

 そんなふうに事態が進むとよいのですが……

⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/climbers-banned-from-everest-as-china-seeks-to-stop-protests-on-summit-796782.html

Posted by 大沼安史 at 03:11 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

〔観る! ビデオ、この映像〕 ガーディアンが「チベット・ビデオ」ネット放映

 英紙ガーディアンは電子版に「チベットの反乱」を収めたビデオを掲載した。 
 チベットでも、「携帯」が映像のメディアになっている!
⇒  http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/16/tibet.china2

Posted by 大沼安史 at 10:34 午前 | | トラックバック (0)

2008-03-11

〔教育コラム 夢の一枝〕 子どもたちの「不幸」「不安」に向き合うこと

  南ア出身のアメリカの教育学者、バレリー・ポラコウさんに、「子ども期の崩壊」(The Erosion of Childhood)という本(邦訳名、「失われ行く子供期」(家政教育社、同書の後半部分は拙訳)がある。子どもの人間的な成長にとって(あるいは社会の未来にとって)、かけがえのない「子ども期」が、いかに幼児教育の現場で侵食されているか実態を観察、考察を加えたものだ。

 ポラコウさんはブラジルの教育学者、故パウロ・フレイレが「学問上の娘」と呼んだ人だ。わたしはその彼女について学んだから、フレイレの「孫」になる。もちろん、「不肖の孫」であることは百も承知のことではあるが……。

 「学校教育」による「子ども期」の崩壊現象は、とくに1970年代になってから、子ども総体に及ぶ社会的な危機として、さまざま論者が指摘し、警鐘を鳴らして来た(ジョン・ホルト、ニイル・ポストマン等)。「好奇心」の破壊、教授法における「恐怖・威嚇」の動員……などが、その内実である。

 アメリカにおける、いわゆる「脱学校」の運動、学校のラジカルな改革の動きは、こうした危機感を背景に湧き上がった。

 もちろん「学校」はおしなべて、自分たちは「教育者」であるとの「認識」「存在理由」に立ち、こうした批判に耳を傾けて来なかった。「子ども期の崩壊」を叫ぶ者に対しては、異端者として声高に非難して来たのである。

 つまり、60年代、70年代においてフリースクール運動が高揚したアメリカにおいてさえも、そうした批判意識の持ち主は極少数にとどまっていた。「子ども期の崩壊」などという問題意識は、学校関係者の間で、皆無に等しかったわけだ。

                       ◇

 その風向きが変わって来たようである。

 英紙インディペンデント(電子版)を見ていたら、3月11日付の紙面に、英国の教員組合(ATL)が政府に対し、「なぜイギリスの子どもたちは不幸せななのか、をさぐる」独立調査委員会の設置を求める決議を挙げる――との記事が、フロントのトップ記事として載っていたのだ。

 英国の小中学生は700万人。この子たちがこの国の未来を構成することになるわけだが、その中の「多くの子どもたちが不幸せで不安を抱えているように見える」、その原因は一体、どこになるか、独立委員会を設け、客観的な視点から究明しようと、脱学校の運動家・思想家ではなく、教員組合が言い出したのである。

 本ブログで既報の通り、英国では「ケンブリッジ・プレイマリー・レビュー」調査によって、テスト漬けの英国初等教育の問題点が明らかになったばかり。
 この点から見ても、子どもたちの「不幸」「不安」の少なくとも一因は、「学校教育」にあるはずである。
 AFTが採択する予定の決議文に、「子どもたちは圧力を感じることなしに、自分自身の学びを探求し探索し、楽しまねばならない」とあるのは、その裏返しの教育環境に子どもたちが追い込まれている、との反省があるからだ。

 「社会が悪い」「親が悪い」と逃げずに、自分たちの教える現場の問題点を追究しようとするAFTの姿勢は、評価に値しよう。

 だが、もちろん「学校教育」だけはない。
 英国では、サウス・ウェールズの田舎町で10代の子どもたちが相次いで自殺を遂げるなど、「子どもたちの心が壊れやすい状態にある」。これは、「学校」を取り囲む(「学校」に浸透する)、家庭・社会環境とも関係することだろう。

 が、だからといって「責任配分ゲーム」にうつつを抜かすことは許されない。
 問題は「学校」として(「学校」を運営する政府として、「学校」で教える教師として)、責任をどう引き受け、問題をどう乗り越えていくか、ということである。

                      ◇

 子どもたちの「不幸」「不安」に対し、正面から向き合い始めた英国の教師たち。

 われわれ日本人もまた、彼・女らの姿勢、問題の設定の仕方、解決への意欲に学ぶべきである。

 「教育問題」を「学力」や「授業時間数」の問題に矮小化してはいけない。
 子どもたちの苦しみを受け止め、そこからともに歩み出すのが教師の務めであり、政府(教委、文科省)の責任ではないか。

 日本の教育改革も、たぶんそこから出発しないと意味はない。 

⇒ http://www.independent.co.uk/news/education/education-news/why-are-children-so-unhappy-794033.html

Posted by 大沼安史 at 01:24 午後 2.教育改革情報 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「牢獄国家」=アメリカ ニューヨーク・タイムズが社説 「刑務所」予算が「大学」並みの州も 「マネーと命のとてつもない無駄づかい」

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が3月10日、「牢獄国家」と題する社説を掲げた。

 本ブログ既報の通り、アメリカの成人「100人に1人以上」(20歳から34歳の黒人男性について言えば、実に9人に1人!)が鉄格子の向こうにいるという、アメリカのとんでもない実態を論じた社説だ。

 昨年(2007年)に全米50州が投じた公費(刑務所費)は440億ドル。20年前の1987年には110億ドル近くだったから、4倍も増加したわけである。

 バーモント、コネチカット、デラウェア、ミシガン、オレゴンの各州では、刑務所予算が高等教育(大学)予算と匹敵している。

 「マネー(お金)とライブス(人の命)のとんでもない無駄遣い」と社説は指摘し、厳罰化による刑務所囲い込みでは犯罪の抑止(低下)につながらないと問題を提起、この国アメリカはいよいよ、財政及び道徳の両面から刑務所というコストに直面する時期に歩み入っている、と述べている。

⇒ http://www.nytimes.com/2008/03/10/opinion/10mon1.html?ex=1362888000&en=f88496033b368d5c&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss

Posted by 大沼安史 at 12:09 午後 | | トラックバック (1)

2008-03-08

〔NEWS〕 オバマ候補の外交アドバイザー、ハーバード大学教授、サマンサ・パワーさんが「オフレコ発言」で、ヒラリーを「何でもしてのけるモンスター」と発言 

 英スコットランドの新聞、「スコッツマン」は3月8日付の紙面で、オバマ候補の外交アドバイザー(無報酬)、サマンサ・パワー・ハーバード大学教授との会見記事を掲載した。

 その中でパワー教授は、

 「彼女(ヒラリー)はモンスターだ。これはオフレコだけれど、彼女は何でもしてのけている」

 「見て考えればわかる。ゲッ。相手が貧乏だと、仕事を奪っているのはオバマだと言い出す。こういうやり方はこれからもっとひどくなるわね。これまで彼女が差し出した騙しの山を見てごらんなさい。魅力的じゃないわね」

 などと語った。

  She is a monster, too – that is off the record – she is stooping to anything.

 You just look at her and think, 'Ergh'. But if you are poor and she is telling you some story about how Obama is going to take your job away, maybe it will be more effective. The amount of deceit she has put forward is really unattractive.

 同紙の編集人は、パワー教授がレコーダーを止めろと言っていない、掲載したことに問題はない、などと語っている。

 この発言のあと、パワー教授はオバマ陣営のアドバイザーを辞任した。

〔大沼・注〕 オバマよ、ひるまず「怪物」に立ち向かえ!

 インタビューは、パワー教授の新著のキャンペーン先、ロンドンで行われた。

 わたしは、彼女がインタビューに答え、話をしている様子をビデオで視聴したことがあるが、頭の回転がとても速い人で、喋り方も超早口。その早口で彼女は、彼女の本音を語ったわけだ。

 会見の途中で彼女は、「スコッツマン」の記者が端折らず書いているように、たしかに「これ、オフレコね」とは言っている。つまり彼女は、彼女の意識の中では「オフレコの本音インタビュー」に答えたわけだ。

 (彼女自身、「ボストン・グローブ紙」などで記者をした過去があり、その経験が英紙にも通じるとの思い込みがあったかも知れない……)

 多分、それを百も承知で、「スコッツマン」が掲載に踏み切ったのは、記事の中にもある通り、それが彼女の個人的見解にとどまらず「オバマ陣営」の「本音」と捉えたからだ。

 その「本音」こそ、報じる価値あり、と編集人は判断したわけだ(と少なくとも主張できる!)。

 これをどう見るか、ジャーナリズムの専門家の判断は分かれると、ワシントン・ポスト紙のメディア問題担当記者は報じているが、わたしは(実はパワー教授を尊敬しており、彼女の本を2冊、取り寄せているところだが……)「報じたのは正解」と考える。

 その理由は、「オフレコ」は安易に発動されてはならないことだし、そもそもそれは内部告発者などリスクを背負った人を保護するものであるからだ。

 (付け加えれば、身元を秘匿した「権力者」の「世論操作」に使われてはならないもの……それが「オフレコ」であるだろう。日本のマスコミは、この「迎合匿名報道」が多すぎる……)

 ピュリッツアー賞を取ったこともある、実績あるジャーナリスト(彼女は大学教授だが、ジャーナリスト〔ただし、フリーの…〕としても現役だ)として、それを彼女自身、知っているからこそ、彼女は「スコッツマン」に抗議することもなく、オバマ候補への悪影響を慮って辞任したのである。

 次に、彼女が使った「モンスター(怪物)」という言葉についていえば、相手はヒラリー(上院議員)という公人(政治家)、使ったことはまったく問題ない。それを自己検閲せずに掲載した「スコッツマン」の姿勢も評価すべきことだ。

 また、「スコッツマン」は、パワー教授のこの発言がオバマの命取りになるかも知れないと書いているが、この点については同意しがたい。

 彼女のこの一言が、人を魔物に変え、(イラク)「開戦」にゴーサインを出す怪物と化す、ワシントンの権力政治の伏魔殿的実態を白日のもとにさらけ出したとも言えるからだ。

 オバマのキャンペーンは本来、「変化」を実現する「社会運動」だったはずではないか?

 であるならば、運動の目的ははっきりしている。

 オバマの使命は、モンスターと化した「ワシントンの権力政治」を退治すること。

 この基本線から後退するようなオバマであれば、彼は最早、「オバマ」ではなくなるだろう。

 「アメリカ」という国をここまで怪物化した、ワシントン政治という「怪物」に立ち向かうのが、オバマに対するアメリカの、いや世界民衆の期待である。     

⇒  http://news.scotsman.com/latestnews/Hillary-Clintons-a-monster-Obama.3854371.jp

  http://thescotsman.scotsman.com/politics/Obama-aide-quits-over-Scotsman.3857569.jp

 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/story/2008/03/08/ST2008030800063.html

Posted by 大沼安史 at 06:47 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 「大統領を弾劾せよ!」 アメリカの草の根に広がる バーモントの田舎町が「ブッシュ逮捕」を決議 「コード・ピンク」の女性たちは「味噌汁パワー」でハンスト抵抗運動

 オバマ候補との「3・4決戦」を制したヒラリー・クリントンが、首の皮一枚、残った辛勝であったにもかかわらず、こう言い放った。「オハイオがこういう結果だから、全米もこうなるはずだ」と。次の大統領になるのは、この私よ、と強がって見せたのだ。

 これに対して、反戦放送局「デモクラシーNOW」の女性キャスター、エイミー・グッドマンさんが、こんな反論コメントを突きつけた。
 「彼女(ヒラリー)はバーモントで起きていることを考えるべきだ」と。
 ヒラリーよ、驕るなかれ、バーモントこそ、明日のアメリカの風向きを示す天気予報だ、と指摘したのだ。 

                      ◇

 なぜ、アメリカ北東部の、「リンゴとハチミツ」の小さな州が、アメリカの未来を写す出す鏡であるのか?
 
 グッドマンさんは、予備選が行われた3月4日、バーモント州のブラットルボローとマルボローのふたつの町で同時実施された「町民投票」の結果に言及し、それが全米及ぼす、意味の重さを語った。

 町民投票で何が決議されたか?
 
 驚くなかれ、ブッシュとチェイニーがこの町に現れたら、さっそく逮捕・拘留し、弾劾のため送致せよ、という「正副両大統領を捕まえろ」決議が可決されたのだ。
 開票結果は、ブラットルボローでは賛成2012に対して反対が1795、マールボローでは43対25だった。

 逮捕の罪状は、嘘で固めてイラク戦争を始めたあげく、いまなお違法な拷問、盗聴を続けていること。

 こういうことを、このバーモントの田舎町のわれわれは許さないと宣言したわけだ。住民のひとりは言った。

 A little means a lot! (小は大を意味する!)

 グッドマンさんは、こうした町民投票の結果を紹介しながら、大統領選の最大の争点のひとつは、やはり「イラク戦争」であり、このバーモントでオバマが圧勝した事実こそ、アメリカの明日を占うものだ、指摘したのだ。同感である。

                      ◇

 同じ予備選当日この日、ワシントンの連邦議会の議事堂で、下院司法委員会のメンバーの事務所を訪ねて歩く、女性の一団があった。女性平和団体「コード・ピンク」のメンバーたち。

 「コード・ピンク」は、カリフォルニアに女性たちが2002年11月に結成したもので、運動の輪は、米国内ばかりか世界各地に合わせて250の支部を持つまでに広がっている。〔コード・ピンクのコードとは、作戦の暗号名の意味や正義の法典の意味を持つ言葉だ。ピンクが何を指すのかは、言うまでもなかろう。古代ギリシャのあの有名な喜劇を思い出す名前だ……〕

 その「コード・ピンカー」(そのメンバーをこう言う)たちが下院司法委メンバーの事務所に押しかけたのは他でもない。ブッシュとチェイニーの弾劾手続きを始めよ、と迫ったのだ。

                      ◇

 ワシントンの政界紙、「ポリチコ」が、そんな「ピンカー」の一人を紹介している。

 テキサスからやって来たエレン・テイラーさん(54歳)。
 彼女の顔色が青白いのは、すでに15日間、抗議のハンストを続けているからだ。でも、意気は軒高、上着の背中に、こんな「スローガン」を書いて、議員事務所を回ったそうだ。

 Hungry for justice? Impeach him fast!

 パンチの効いたユーモアではある。〔 念のため説明すると、「ハングリー・フォー」には「腹ペコ」のほかに「強く求める」、「ファースト」には「早く」のほかに「絶食」の意味がある。なお、「ジャスティス」は「正義」、「インピーチ」は「弾劾」である〕

 「ポリチコ」紙のコメントも傑作だ。
 「彼女の動機は大きくも小さくもある。彼女の望みは、早くチェイニーを弾劾して、早くランチを食べることだ」

                      ◇

 このテイラーさんのハンスト、実は彼女だけなく、数百人に上る仲間の「コード・ピンカー」も一緒に続けているという。

 ホワイトハウス前で何度もプロテストを行い、二度、逮捕されたツワモノ「ピンカー」のレスリー・アンジェリーヌさん(51歳)などは、10日間、ハンストして司法委のコンヤース委員長との面会を勝ち取り、その後、弾劾が始まらないことに抗議してハンストを再開、25日目でドクターストップがかかるまで、やめなかったというから凄い。

 「ハンスト」と言っても「ピンカー」たちの場合は、完全な「飲まず食わず」ではなく、水やお澄ましのジュース、「味噌汁(ミソ・スープ)」などは摂取する、ヘルシー(?……でも、おなか、減るだろうなぁ~……)絶食だそうだ。美容と健康のため、体内の毒素を摂り、平和と希望のために、政治の浄化も図る、一石二鳥(でも、すぐにはヤキトリを楽しめない??)の狙いが込められている。

 うれしくなってついつい冗談が滑ってしまったが、言いたいことはひとつ、アメリカの草の根から、反戦の動きがさまざまなかたちをとって噴き出していることだ。

 ヒラリーとオバマの「空中戦」にばかり目を奪われてはならない。

                       ◇

 民主党の大統領予備選では、1970年代の初め、ベトナム戦争を支えた徴兵制度延長に抵抗し、連邦議会で、「フィリバスター」というマラソン、いや「トライアスロン演説」を繰り返した、マイク・グラヴェル元下院議員(77歳)も名乗りを上げ、一石を投じている。

 アメリカが戦争を繰り返すのは、軍産複合体があるせい。おかげで、国防予算は今や、世界の軍事費の46%に及んでいる。これを一気に60%カットする――これがグラヴェル氏の公約である。

 このグラヴェル氏に対する「支持」をメーン州の地方紙で表明した、米国の女性コラムニスト、パット・ラマルシェさん(『アメリカに放り出されて―米国におけるホームレスの現実』の著者)は、ベトナムで戦った復員兵のうち実に「9万4千人」もが、「昨日の夜」も真冬のストリートで眠っていたことを忘れてはならない、とコラムの中で書いた。

 アメリカのストリートでは、イラク帰りの復員兵ホームレスだけでなく、これほど多くのベトナム戦経験者が「今日の夜」も、野宿を強いられている……

                       ◇

 もはや、問題は所在は明らかだ。問題はヒラリーのいうように「経験の有無」にあるのではない。争点は、「平和への意志の有り無し」にある。

 「ワシントンの権力(軍産複合体)」VS「平和を求める草の根のアメリカ」……米大統領選の対立軸のひとつは、まさにここにあるのだ。
 
 そう、「戦争」に対し「平和」がいま、戦っている。

 その「平和」への戦いに、「味噌汁」ほどの力もないかも知れないが、この「机の上の空」も加わることにしよう。

 「戦争」か「平和」か……わたしたちは――いや、わたしは、このブログを通じ「戦争」ではなく「平和」を訴え、「平和」を求める。
 
 
⇒ http://www.politico.com/news/stories/0308/8836.html

  http://www.codepink4peace.org/

  http://www.reformer.com/ci_8456857?source=most_viewed

 http://bangornews.com/news/t/viewpoints.aspx?articleid=161139&zoneid=117

Posted by 大沼安史 at 04:49 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2008-03-07

〔イラクから〕 バグダッド 「血の海」

 ルモンド紙(電子版)に、3月6日、バグダッドで起きたダブル・テロ攻撃(少なくとも68人が死亡、120人が負傷)の記事が載っていた。

 その記事に、現場の「血の海」の写真がついていた。

 わたし(大沼)にとって、初めて見る「血の海」だった。

 「表現」としてはわかっていたが、写真で見るのは初めてだった。

 イラクに、いますぐ平和を!……と願わずにはいれない。

⇒ http://www.lemonde.fr/proche-orient/article/2008/03/07/double-attentat-meurtrier-a-bagdad_1019785_3218.html#ens_id=981585

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Posted by 大沼安史 at 09:28 午後 | | トラックバック (0)

2008-03-06

〔ジャック天野の目が点丼〕 大島理森・自民党国対委員長が英経済誌に「落ち込んでる(不況だ)から、それによく効くシングル・モルト(ウイスキー)をくれ」と、「ブラックジョーク」哀願コメント

 畏友、ジャック天野氏より、またもメールが届いた。

 「週刊朝日」(3月14日号)に出ていた、「英国エコノミスト誌も喝破 『ニッポン』の『ビンボー』は『政治の責任』」のネタ元記事にあたったところ、そこに、「目が点」になりそうな、メガトン・クラスの「日本の有力政治家のブラックジョーク」が紹介されていたという。

 「エコノミスト」の記者相手に冗談を飛ばすとは、世間の不景気をよそに、なんとも景気のいいことではある。

 有力政治家はどんなブラックジョークを言って、ウケを狙ったのか?

 天野氏の「ご注進メール」を、ここに全文、転載する。

              ●△● ⇒ ×△× ⇒ ・△・

 早速だけど、おい、オオヌマ、読んだか? あの「エコノミスト」の記事。そう、「週刊朝日」がネタにしてた、あの特集記事だ。

 「週朝」の記事は触れていなかったが、あの「エコノミスト」の記事のタイトル、「JAPAIN」っていうんだぜ。「JAPAN」と「PAIN](痛み)を合成した造語だよ。

 しゃらくせー気もしないでもないが、ほんとに痛いとこ、ついてやがるぜ。

 ルー大柴じゃないが、おれたち日本の庶民、アホな政府のおかげで、生活苦・物価・税金UP・UPツギャザーしてるぜ。霞ヶ関の役人や永田町の政治屋どもに、もうまかせちゃいられねえな。

 で、その「JAPAIN」って記事だけど、さすが、「エコノミスト」だな。歯切れがいいし、ポイントをよく押さえている。

 時々繰り出す「皮肉」も、河豚の肝並みの毒気だ。あのヨミウリのドンなんか、なんで読者に、あの「お笑い秘密会談」のこと、知らせないんだ、お前さん、新聞人だろ、なんて噛み付かれているぜ。

 まあ、それよりオモシレーのは、自民党の大物政治家、大島理森って国対委員長の「コメント」だ。
 これが、もう最高にすごい。言ってみれば「自虐的ブラックジョーク」の最高傑作ってトコかな。

 で、この「ブラックジョーク」には前段がある。そこから拙訳で紹介すると、こうだ。

 ● 外人投資家の日本売りで、日本はまたも〔「ジャパン・パッシング(日本素通り)」が起きた〕10年前の誰からも相手にされない状態に急速に向かっている、とオオシマ氏は言った。

 いまのは「意訳」気味だが、こんどはいよいよ「キモ」の部分なので「直訳」で行くと、こうなる。

 ● 彼(大島氏)は、この英人特派員に、彼の憂鬱に効く、上物のシングル・モルトを調合するよう求めた。

 He asks this British correspondent to prescribe a decent shinguru moruto—single malt—for his depression.

 そう、やっこさん、オレ、落ち込んでて、どうしようもないから、スコッチ(ウイスキー)で酔わせてくれよ……って青い目(?)の記者に哀願したわけだ。

 「落ち込み」「鬱」を意味する英語のdepressionには、「不景気風の吹きまくり」の意味もある。そこを引っ掛けたあたり、知性のカケラを感じもするが、これってどうしようもない、致命的な失言だぜ。

 天下の「エコノミスト」の記者に対して、日本の大物政治家が、もうお手上げだ、酔っ払うしかない、と言っちまったわけだから……。

 これじゃ、外人の日本売りに拍車をかけるようなもの。禁句を言っちまったわけだから、懲罰ものだよな。

 それに大体、シングル・モルトっつうのが気に入らない!

 日本の保守の政治家なら、「日本のジャパニーズ・サケは最高だぜ。日本経済、春が来たら一度に花開くぜ。そしたらみんなで花見酒だ。エイコノミストの記者さんよ、その時きゃ、景気よく、一緒に飲もうじゃないか」と、どうして言えないんだ!!……

 コラっ、ナントカ言え

 ウィーっ、情けねぇ~ お前ら、アホかぁ~

 くーっ、この安酒、効きまくるぜぇ~……

〔大沼・注〕 天野氏のメールは、ここで途切れていた……またどっかで日本酒を呷っているのだろう。 

 念のため、「エコノミスト」の電子版で検索したら、天野氏の言うとおりだった。参考までにリンク(下記 ⇒)を張っておく。
 大島氏にも、一読をお勧めする。

⇒  http://www.economist.com/research/articlesbysubject/displaystory.cfm?subjectid=348969&story_id=10729998

     http://www.economist.com/research/articlesbysubject/displaystory.cfm?subjectid=348969&story_id=10723419

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Posted by 大沼安史 at 07:48 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 オバマ 逆襲へ ヒラリーの還付税額開示を要求

 オハイオ、テキサスで惜敗したオバマ陣営が、逆襲を開始する。

 ヒラリーの還付税額の開示を要求するなど、彼女の「超リッチ」な実像を暴き出し、誰が大衆のほんとうの味方なのか明らかにする作戦だ。

 がんばれオバマ、負けるなオバマ

⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/05/hillaryclinton.barackobama1/print

http://www.nytimes.com/2008/03/06/us/politics/06obama.html?_r=1&hp&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 12:33 午後 | | トラックバック (1)

〔観る! ビデオ、この映像〕 アイスランド出身の女性歌手、ビョーク 上海コンサートで「チベット独立」を叫ぶ

 アイスランド出身のスーパースター、人気女性歌手のビョークさんが3月2日の上海でのコンサートで、持ち歌の「独立を宣言せよ」を歌唱する中、「チベット、チベット」と繰り返し叫んでいた。

 英紙ガーディアン(電子版)が「ビデオ付き」で報じた。

 この「独立を宣言せよ」は元々、グリーンランドなどの人たちのためにつくられた歌だそうだ。

 米軍による「半ば占領」状態が続く日本(とくに沖縄)でも、歌われるべき、叫ばれるべき歌だ。

⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/04/china.musicnews

Posted by 大沼安史 at 12:17 午後 | | トラックバック (0)

2008-03-05

〔コラム 机の上の空〕  保守の牙城、シカゴ大学ロースクールの元同僚・友人が語る「朝から大統領 バラク・オバマ」

 「次期大統領」の期待高まるオバマ候補は、法律を学び、教え、実践して来た人である。

 ハーバード大学のロースクールでは「レヴュー」の初代黒人編集長となり、シカゴ大学のロースクールでは米国憲法を講じ、その後、人権派の弁護士として活動、政界に入ったキャリアの持ち主だ。

 シカゴ大学ロースクール時代の同僚、カス・サンステイン教授が、英紙インディペンデントに「わが友、バラク・オバマ」というエッセイを寄稿していた。読んで教えられることが多かった。

 オバマ氏が教えていたシカゴ大学ロースクールは、実は米国で最も保守的な「ロースクール」なのだそうだ。あのレーガンの共和党政権を支えたのは、このシカゴのロースクールだったという。

 オバマはそういう保守の巣窟にいたわけだが、共和党員の同僚からも好かれ、尊敬されていた(る)という。かつてのレーガン支持者がいま、オバマを支持している、ともいう。

                      ◇

 なぜ、そうなのか?

 人間性、心の温かさもあるが、独立心の持ち主であり、「すばらしい聞き手」であることが大きい、とサンステイン教授は指摘している。

 オバマ氏の「聞く耳」は、どんなところへも赴く。偏見の中で凝り固まることがない。さまざま意見に注意深く、公平に耳を傾け、さまざな議論を自分の中に取り込み、判断してゆく。そういう「法の分析家」という部分が、オバマ氏にはあるのだそうだ。

                      ◇

 そのオバマ氏が先日、サンスティン教授に電話をかけてきたそうだ。久しぶりの電話でオバマ氏は、サンステイン教授に、ブッシュ大統領が許可した、米国内から国外のテロリストに対する電話の盗聴について、法律的な見解を求めた。

 サンステイン教授は、(保守の牙城のロースクールの教授らしく?)その「盗聴」に合法的な部分も含まれている、との論文を発表したばかりだった。

 サンステイン教授が自説のポイントを説明してゆくと、オバマ候補はじっと聞く耳を傾け、反論を述べた。20分に及ぶ、そんな繰り返しのあと、オバマ氏は最後にこう言った。「あれはやはり非合法だ。でも、おかげで賛否両論について理解を深めることができた。時間を割いてくれてありがとう」と。

                      ◇

 オバマ氏についてはヒラリー陣営から、「スタイルばかりで中身がない」などといった批判宣伝が行われているが、サンステイン教授に言わせれば、シカゴの仲間にとってオバマ氏は「口舌の徒(レトリシャン)ではなく、問題解決能力や創造性、細部への注目という点で光り輝いている」男だそうだ。

 オバマ氏自身、最も居心地がいいのは、「政策や細部の領域」において、だという。

                      ◇

 もう、ひとつ、サンステイン教授の指摘で興味が引かれるのは、オバマ氏が「旧左翼」ではない、ということである。「選択の自由」に対しても、鋭い関心を示す。

 だから考え方は、ブレア及びクリントン的な「第三の道」のアプローチと重なり合う。

 国内問題でも国際問題でも妥協ではなく、「大きく考え、大胆に行動する」のが彼の身上だ。イラク反戦が不人気な頃、「イラク戦争反対」と公然と述べたのは、そういうオバマ氏の政治家の態度の現れである。

                      ◇

 注目点を最後にもうひとつだけ……。

 オバマ氏は、政敵を葬ることを拒否する人であり、意見が合わない人たちに対しても良き信頼を置く人であるそうだ。

 わたし(大沼)はかねがね、日本の政治に必要なのは、朝まで罵り合うのではなく、理解し合い、共通の道を探り、夜はぐっすり寝て、朝から歩み出すことだと思っていたが、一足早く、アメリカに、そんな「オバマ・〈朝から〉大統領」が出現しそうなので、たいへん嬉しい。

 アメリカはいま、建国以来、最大の危機にあるといっていい。そこにオバマが現れたのは、当然のめぐり合わせである。

 戦後最大の危機を迎え、ずるずる破局に向かって進むだけの日本。

 小浜市民が「オバマ」を支持するのは、単に語呂合わせだけではないはずだ。
 

⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/an-american-president-my-friend-barack-obama-790330.html

Posted by 大沼安史 at 02:27 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2008-03-02

〔観る! このビデオ、この映像〕 パリ「美景」

 「葱うどん」(タマゴもカシワもないので仕方なく、トホホ……)をすすって、英紙ガーディアンのサイトをのぞいたら、麗しきイギリス人女性ブロッガーによる、パリ「美景」ビデオが掲載されていた。
 石畳のパリ、カフェ、ベトナム料理……いちど暮らしてみたいなぁ~……。

⇒ http://travel.guardian.co.uk/flash/page/0,,2260805,00.html

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Posted by 大沼安史 at 12:44 午後 | | トラックバック (1)

2008-03-01

〔コラム 机の上の空〕 オバマ頌 

 1968年の春、マーチン・ルサー・キング牧師とロバート・ケネディー上院議員が相次いで暗殺されたとき、バラク・オバマは6歳だった。

 「アメリカの権力」に潜む、凶暴なものの存在を、幼いオバマは何年か後、何かを読んで知る。

 ロバートの兄、ジョン・F・大統領の悲劇に続く2人の暗殺はすでに、アメリカの「国民的なトラウマ」となっていた。

                      ◇

 その「トラウマ」の傷口が、今回の大統領選でまた開いた。人びとの心に、当時の「恐怖」が、甦っている。オバマもまた暗殺されるのではないか、という恐怖である。

 ニューヨーク・タイムズが、そう書いていた(2月25日付)。

 「思わず口をつぐんでしまう不安」……オバマが勝ったら(勝ちそうになったら)殺られるのじゃないかという不安と恐怖が広がっているのだ。

 コロラドの姉妹は、オバマの身の安全を願って、毎日、祈りをささげているという。ある集会では、ひとりの女性が、オバマが「希望と変化」を語るそれ自体が、危険なことだと言ったそうだ。

                      ◇

 こんなことがあった。キング牧師がホワイトハウスにケネディー大統領を訪ねたときのことだ。ケネディーは、外に出て話そうとキング師を誘った。

 「ローズガーデン」へ出て、ケネディーはキング師に何を話したか?

 大統領はキング師に「あなたは、FBIに盗聴されている。気をつけなさい」と警告したというのだ。
 ホワイトハウスの内部は盗聴されている。話は筒抜けだ。だから、外に連れ出して警告したのだ。

 アメリカには大統領さえも監視する「権力」がある。

                      ◇

 ケネディー大統領の弟のロバートには、こんな話がある。

 司法長官だったころ、若いインターンに対し、こう訓示したという。

 「わたしの基本的な信念は、すべての人はひとしく創られている、ということだ。ここから当然、次のことが導き出される。人種統合は(司法省を含む)あらゆる場所で実現しなければならない」と。

 こういうロバート・ケネディーだったからこそ――新しい大統領に選ばれることが確実だったからこそ、彼はロサンゼルスのホテルで暗殺されねばならなかったのだ。

                      ◇

 今回の民主党の予備選で、2人の犠牲者を出したケネディー家は、「オバマ支持」を表明した。

 「オバマ暗殺」の恐怖は、そこに端を発する。

                      ◇

 それにしてもオバマはなぜもこう、アメリカ国民の熱狂的な支持を得ているのか?

 それは彼が「現代のケネディー(兄弟)」であり、「新時代のキング師」であるからだ。

 白人と有色人種の双方に強固な支持基盤を広げているのは、そのせいである。

                      ◇

 キング師については言うまでもなかろ。暗殺される5年前、1968年の夏、ワシントンの大集会で、あの有名な「わたしには夢がある」演説を行った、公民権運動の指導者だ。

 オバマもまた雄弁な政治家だから、その心を揺さぶるスピーチに、キング師の記憶を重ねる人も多い。

 「安っぽい言葉だ」「言葉では食卓に食べものを乗せられない」――ヒラリー陣営がオバマを「口舌の徒」と批判するのは、彼の演説の迫力・説得力の反証である。

 簡潔で力強く、たたみ込むようなリズムを持ったオバマのスピーチ……。ところどころに「聖書」のエピソードが挿入されるから、メシアのような宗教性が漂う。

 オバマは牧師ではないが、キング師の再来、後継者であるのだ。

                      ◇

 このようにオバマの最大の強みは、アメリカの「国民的記憶」を背景にしていることだが、陣営に強力なサポーターがついていることも大きい。ケンディー家はもちろん、ジョージ・ソロス、ポール・ヴォルカー(カーター大統領を支援)、ロバート・デニーロ、その他大勢の有力者、セレブが支援に立ち上がっている……この点は見逃してはならないところだ。

 ブッシュ政権下、それだけ体制的な危機が深化し、「希望と変化」が絶対なければならない状況が生まれているのだ。

 言うまでもなく、地殻変動の震源は「イラク戦争」。それが「希望と変化」を国民的なコンセンサスとしているのだ。オバマが理想を語れば語るほど、支持率が上がるのは、そうした背景があるからだ。

                      ◇

 オバマのサポーターのなかで注目すべきは、外交問題アドバイザーを務めるサマンサ・パワー教授である。
 37歳。ジャーナリトの出身、「人権」の問題として国際問題を考える、気鋭の女性政治学者。
 こういう新しい「頭脳」が、オバマ支援に動いている点は見逃せない。

 オバマ大統領が誕生すれば国務長官になるとも言われる彼女もまた、理想に燃えた熱弁家だ。

 彼女はたとえば、こう語る。「オバマはドライバーを代えようとしているだけじゃない。われわれが乗って走る、車も道路も代えようとしている」と。

 いま、オバマが起こそうとしているのは、単なる政権の交代ではなく、全面的な社会変革である、というのである。

                      ◇

 キング師は、「わたしには夢がある」の演説を、こう締めくくった。

 「……その日、神の子どもたちは皆、白人も黒人も……手を取り合って、古いネグロの霊歌を歌うだろう。Free at last! Free at last! と」

 オバマの大統領就任演説にはきっと、キング師の「夢がある」演説が引用されるのは間違いない。

 その日が訪れ、米国が変わり、世界が変わり、日本にも変化の芽が生まれることを、わたしもまた、毎日、祈ることにしよう。   

 その日が来るまで……いやアメリカに新しい自由の時代が来るまで、オバマは決して、死んではならない。

Posted by 大沼安史 at 03:24 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)