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2008-02-25

〔NEWS〕 ヒトラーの「学校強制出席法」を忌避 ドイツ家族 数百世帯が国外脱出

 ホームスクーリング(在宅教育)を続けていたドイツの家族が相次いで国外に脱出しているという。
 1938年にヒトラーがつくった「学校強制出席法」が亡霊のようにいまも生き残り、ホームスクーラーらの脅威となって立ち現れているからだ。
 昨年あたりから出始めた脱出者は、その数、実に数百人に達しているという。

 英紙ガーディアン(電子版)が2月24日に報じた。

 それによると、そんな「亡命家族」のひとつ、クラウス・ランダールさん(41歳)一家はこの1月、ドイツ国内から英国に逃げて来た。

 落ち着き先は、ドーバー海峡のワイト島。
 この島を選んだのは、ホームスクーラー(ホームスクーリングをする家族、子ども本人を言う)のネットワークがあるためだ。

 ランダール一家は奥さんと5人の子ども(2歳から11歳まで)の6人家族。
 一家がホームスクーリングに踏み切ったのは、子どもが学校でイジメにあったのがキッカケ。子どもたちひとりひとりに自分の関心にもとづく学習をしてもたいたいという気持ちもあったという。

 一家が、家も友だちも持ち物を放り出して逃げて来たのは、ヒトラーがつくった70年も前の法律がまだ生きているからだ。

 ヒトラーのナチス・ドイツは、子どもたち(若者たち)全員の精神を完全コントロールしようとして、学校への登校を強制する法律を作った。

 これが廃止されずにいることから、ドイツではホームスクーリングが非合法活動とされ、見つかると、子どもは家庭から引き出され、親に対しても罰則が与えられる。

 これは昨年、実際にあったケースだが、メリッサさんという15歳の少女が家族から引き離され、15人の警察官によって精神科に連れて行かれ、心理テストを受けさせられた。メリッサさんがテストを拒むと、養護施設に入れられた。それでも彼女は16歳の誕生日に施設を脱出。それ以来、官憲は今のところ、手出しをしていない……

 こういうことがヒトラーの遺産のおかげで実際、ドイツでは起きており、ホームスクーラーたちは周囲を目を盗んで在宅学習を続けるか、国外に脱出するか二者選択を迫られる状況下にある。

 ヨナタン・スキット一家(奥さんと子ども5人)もドイツからワイト島に逃れた一組。
 官憲によって脅迫を受けた挙句、銀行口座から預金を勝手に引き出され、車まで没収されたことから、英国に渡ることを決意したそうだ。

 まだ、ドイツ国内に残り、ホームスクーリングを続けている家族は、支援組織によると800家族に上る。
 ここ20年で世界的な潮流となったホームスクーリングがドイツにもそれだけ広がっているわけだが、オランダ、アメリカ(一部の州)など世界の先進国で合法化が進む中、戦前のファシズム教育の遺産が壁となって立ち塞がっているのはきわめて異例のこと。

 1昨年(2006年)には国連の特別報告者がドイツの公教育の調査に入り、在宅教育に取り組む親の権利が保障されるべきだとする報告を行っている。

 いまのところ、国外脱出先は英国が主だが、中にはイランに逃げて行った家族も。

 ドイツは日本同様、管理教育がまだはびこっており、その分。PISA調査などで「学力低下」が指摘されている。

 日本でも実はホームスクーリング運動が広がっているが、まだ当局とのトラブルは表面化していない。

 ただし、日本の戦後教育は戦前のヒトラー流、「フォルクス・シューレ」(国民学校)の基盤の上に築かれたもので、縛り・強制力はいまなお、相当なものだ。

 現在、西側先進国における教育の自由度は、ドイツ、日本が最低クラス。
 ドイツが今回の「教育亡命続出」の事態を受け、どう制度改革に取り組むか、注目されるところだ。

⇒ http://education.guardian.co.uk/print/0,,332667033-110908,00.html 

Posted by 大沼安史 at 01:27 午後 2.教育改革情報 |

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