〔ジャック天野の目が点丼〕 海自はどうして捜索活動をしないのか?
畏友、ジャック天野から久しぶりにメールが届いた。
怒りのメールだった。何に怒っているか? 海上自衛隊「イージス艦」による「父子船“撃沈”事件」でカンカンになっているのだ。
絶対、ゼッタイ、許せない、と怒っている。
ジャックはどうして、これほど怒っているか?
メールを読んでいただきたい。
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大沼よ、お前、昔、北海道の根室で駆け出しの記者、してたと言ってたな。
海難が続いて、大変だったと。
行方不明の漁船員の家に上がりこんで、顔写真を手に入れる。死亡がまだ確認されていないのに、顔写真を取る。
「ガンクビ取り」って言うんだってな。あんないやな仕事はなかったと、お前、一度、酔っ払って言ったこと、あったな。
新聞記者でもないオレは、漁船の遭難事故にぶちあたったことはないが、海で漁をすることがどれだけ大変なことか、なんとなくわかる。ほんとに「板子一枚、その下は……」だよな。
おれ、こんどの「イージス艦」の事故で思うんだが、「軍艦」と「漁船」って同じ船でもまったく違うんだな。乗っている人間の気持ちも正反対だ。
「あたご」ってイージス艦、要は軍艦だ。破壊のための船だ。生活の船じゃない。
あの船、ハワイ沖かどっかで、ミサイル撃ち落したっていうじゃないか。
そう、ミサイルのコースに入って、迎撃ミサイルで寸分の狂いもなく撃ち落した=破壊した。
その瞬間、ガッツポーズをするオペレーションルームの映像がテレビで流れていたよな。
こんどの事故だってそうだ。漁船のコースに入って、真横から真っ二つにしている。
すごい精度だぜ。
おまけに「あたご」はステルス艦。海の忍者だから、忍び足で体当り攻撃もできる。
ミサイル迎撃に続き、艦艇1隻を撃破!
昔の「大本営」が聞いたら、チョー舞い上がって、大々的に「発表」してただろうな……そう、「房総沖で敵戦艦を撃沈!」と。
「大本営」はホラ吹きだったから、「戦果」は一気に「敵空母2隻、戦艦4隻を撃沈」なったかも知れない。この際、尾ひれハヒレ、つけまくれってノリでね。
「軍艦」は国民を守らなかった。「大和」だって「武蔵」だって、そうだったろう?
乗員(国民)と一緒に海の藻屑になっただけじゃないか。
そして、こんども。
こんどのことでオレが思い出すのは「2・26事件」の後のことだよ。当時の自衛隊、いや日本軍は交通信号を守らなかった。赤信号でも平気で突破していた。さすがに「2・26」のあとは、一時、「赤で止まった」そうだが、すぐ「軍には青信号、あるのみ」に戻ったそうだ。
「なだしお」事件(潜水艦が釣り船を体当り撃沈)があったのに、海自は何も懲りなかったんだな。
でも、オレが怒っているのは、もっと別のことだ。
ひとつ、なぜ「あたご」は現場に留まって捜索を始めなかったのか?
ひとつ、事故後、同じ漁師仲間が連日、捜索活動をしているのに、海自が捜索船を出さないのはどういうことか?
オマエラ、国民を守るため、税金で食ってるんだろ?
なら、どうして見習えないんだ。海の男たちの、ハマの母ちゃんたちの、あの「見つけるまで、漁なんかやってられない」って心意気を。
海の轢き逃げをしたうえで、捜索にも加わらないオマエラはいったい何者なんだ?
「給油」「給油」とバッカ、騒ぎやがって、お前らこそ、海のテロリストじゃねえのか?
いまからでもいいから、すぐ捜索船を出せ! 護衛艦も潜水艦も、みんな出せ!
海保に協力して、徹夜で探せ!
手弁当で捜索にあたってる漁船に給油もするんだぞ!
それがあの父子を見殺しにした、オマエラの「任務」だ。
「汚職」についで、このアリサマ。
自衛隊の「最高司令官」は責任をとって、潔く辞任せよ!
Posted by 大沼安史 at 07:18 午後 | Permalink