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2008-02-16

〔いんさいど世界〕 どういうつもりだ、ペンタゴン?! 「サイボーグ昆虫」を開発 デモ監視に「ロボ・トンボ」も登場 

 MEMS(メムス)という国際学会があります。英語で言うと、Micro-Electrico-Mechanical Systems 。「マイクロ電子機械システム」とでも訳すのでしょうか?

 その「MEMS2008」、2008年学会がことし1月13日から17日まで、アメリカのアリゾナ州ツーソンのリゾート施設で開かれました。(MEMS2007は日本の神戸で開催されています)

 その「MEMS2008年」で、驚きの発表があったということを、遅ればせながらキャッチしました。

 アメリカの国防総省(ペンタゴン)の「DARPA」(防衛高等研究プロジェクト局)の委託で、研究開発に当たっているアメリカの2つの大学――ミシガン大学とコーネル大学――が研究成果を中間発表したのです。

 2つの大学の研究テーマは同じです。それは「昆虫のサイボーグ化」。

 生きた昆虫を人間の手でサイボーグに仕立て上げ、その行動を(かなり程度)コントロールしようという目論みです。

 ミシガン大学が取り組んでいるのは、一角のカブトムシ。コーネル大学はタバコの葉を食べるスズメガ。

 カブトムシもスズメガも飛ぶんですね。その飛行のコントロールしようというわけです。

 で、どんなふうなサンボーグを開発しているか、というと、カラダの中に微小な電池を埋め込み、電極を羽根の筋肉に取り付けて電流を流し、それでももって飛行を制御=「操縦」しよう、というわけです。

 そして、この技術開発に見通しがついた!

 どうしてこれが可能になったかというと、電子機器の微小化もさることながら、サナギ・幼虫の段階で体内に埋め込んでしまうテクが開発されたためです。

 この埋め込みのタイミングがなかなか難しい。でも、うまく行くと、カラダの一部として取り込んで、羽化し成虫に育つんだそうです。

 いまのところ、飛行をコントロールするといっても、ラジコンのようなところまで行っていませんが、DARPAの開発目標である「目標に対し、100メートルの距離から5メートル以内に近づける」は、いずれクリアされそうだと言います。

 それにしても、「昆虫サイボーグ」を目標の5メートル以内まで近づけて、何するつもりなんでしょう?

 DARPAってところは、インターネットの開発で大きな役割を果した(これはこのコーナーで以前、紹介したことですが、最近は「無人自動車による無人走行」レースなんてのもやっています)研究機関ですが、あくまでの米軍の総本山、「ペンタゴン」の下部組織です。

 軍事利用、されないはずがない。
 サーベランス(監視)どころか、アタック(攻撃)にも使われかねない……いや必ず、使われるものです。

 こういうものの開発を放っておいてよいものでしょうか?

 この「昆虫サイボーグ」はまだ開発段階で実用化されていませんが、「ロボ・トンボ」ともいうべき「飛行小物体」は、すでに「登場」しています。

 ワシントン・ポスト紙(07年10月10日付)の報道で明るみに出たのですが、昨年(2007年)9月、首都ワシントンのラファイエット広場でのイラク反戦集会で、参加者の頭上を飛びまわっているのが複数の人によって目撃されています。

 ポスト紙が米国の関係機関に照会したのですが、返事はいずれも「うちは知りません」。
 
 でも、「ロボ・トンボ」、あるは「ミニ・ヘリ」ともいえる「羽根」のついた超小型飛行物体が集会の上を飛行したのは、確かなこと。

 CIAとか国土安全省とか、そのあたりが飛ばしたのではないか、とみられています。

 「監視社会」化は、ここまで進んでいるのですね。(そのうち、日本での飛び始めるかも知れません。注意しましょう! 発見しだい、撃墜して証拠をおさえるのが肝要です)

 この「ロボ・トンボ」は全て機械仕掛けですが、さきほど紹介した「昆虫サンボーグ」は機械ではなく生き物(の機械化)です。

 なぜ、DARPAが生き物のサイボーグ化を狙っているかというと、それは生き物のエネルギーを「活用」できるからです。エンジンを仕込まなくても、ブンブンひとりで飛んでくれる。そこが狙い目なわけです。

 米軍はこれまで、いろんな生物(動物・昆虫)を活用しようとして来ました。地雷を嗅ぎ分けられるミツバチ(これは失敗)、サイボーグ・イルカ(ジョーという名のイルカだそうです)、視覚にとられた映像をリアルタイムに送るネコ……最近は、サンボーグ・ザメ(きっと名前はジョーズって言うんでしょうね)の研究が進んでいるそうです。

 神をも恐れぬ所業……ちょっとやりすぎじゃないでしょうか。

 そのうち、蛾やカブトムシが自爆攻撃をしかけて来ないとも限りません……

 やめてほしいですね。

 こうした生物の兵器利用に、そろそろ国際社会が歯止めをかけるべき時期に来ています。 

⇒ http://technovelgy.com/ct/Science-Fiction-News.asp?NewsNum=1421#cyborg

 http://technovelgy.com/ct/Science-Fiction-News.asp?NewsNum=1420

 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/10/08/AR2007100801434.html?sid=ST2007100801459

  

Posted by 大沼安史 at 03:30 午後 1.いんさいど世界 |

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» トンボ飛んだ? トラックバック ミクロネシアの小さな島・ヤップより
写真左はヤップのトンボ。左は、去年からワシントンやニューヨークの反戦集会で目撃されるようになったロボ・トンボ。もちろんFBIやCIA、軍当局は否定しているが、昆虫型のスパイ兵器の研究はかなり進んでいるらしい。低気温のエクスタシーbyはなゆーさんの記事からたどった記事:〇机の上の空 大沼安史の個人新聞「どういうつもりだ、ペンタゴン?! 「サイボーグ昆虫」を開発 デモ監視に「ロボ・トンボ」も登場」 http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2008/02/post_11... 続きを読む

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