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2007-12-30

〔NEWS〕 ブット暗殺 真犯人は「サングラスをかけた背広の男」 その背後の白衣の男が自爆 英紙デイリー・テレグラフが報道

 テレグラフ紙が報じた「真犯人の写真」は、現場に居合わせたアマチュア写真家が撮影したもので、パキスタンの「夜明け」テレビが速報したものだ。

 同紙は、車に同乗していたブット女史の側近の「目撃証言」を紹介しているが、これは独自取材によるスクープのようだ。その側近は独シュピーゲル誌によると、以前、同紙の特派員を務めていたという。

⇒  http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml;jsessionid=ZYPOZE3BEMPVPQFIQMFCFFWAVCBQYIV0?xml=/news/2007/12/30/wbhutto130.xml

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Posted by 大沼安史 at 11:38 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 ロバでも分かるパキスタンの真実

 昔、カイロに駐在していた頃、かの国の尊き権力者をホマール(ロバ)と書いて、かの地の役人にとっちめられたことがある。署名入りの記事を東京の大使館員が読んで、国の上司にご注進に及んだのだ。

 日本でロバは「可愛らしい働き者」ってプラス・イメージ、ぼくとしては褒めたつもりなんですけど……と弁解にもならない弁解をして、ようやく勘弁(国外追放??)してもらった。

 ロバってバカのことを言う……。
        
                 ☆

 英紙インディペンデント(電子版)に、ロバート・フィスク記者のコラムが出ていた。題は、「誰もアルカイダを非難していない。ムシャラフ(大統領)を非難している」。ベナジール・ブット女史の暗殺をめぐる解説コラムである。

 そこに、こんなくだりが……。

 「善・悪をハッキリさせるロバが、あのラワルピンディでの惨劇の現場から、真相を告げに現れたとしても驚くべきことではない」……ということは、つまり、「ロバでもわかる暗殺の黒幕」ってわけ。

 すなわち、「アルカイダ」がどうの、といった煙幕が早速、張られているが、「真犯人」はロバでなくとも(いやロバであるなら??)お見通し、とフィスク記者は指摘しているのである。

 ロバが前脚を上げて犯人だと「指?差す」のは、「ムシャラフ」、および、その黒子を務める「ISS」(軍情報部)。

 そして、そのロバ……いや、フィスク記者は、騙されやすいわれわれ読者に対して、「ムシャラフ大統領」と答えれば「正解」になる、「今月、ベナジールの支持者数千人を逮捕するよう命じたのは誰ですか?」など、4つの質問を並べたあと、最後にこう問いかける。「それでは、ベナジール・ブットを殺したのは誰でしょう?」と。

                 ☆

 ブット女史暗殺の後、ブッシュ政権は例によって「テロリスト」の犯行と決めつけ、「非難」の言葉を投げつけているが、それはブッシュが米国民を――、さらにはブッシュ政権に追従するわれわれ日本国民を、ロバにも劣る、判断力のない者と見下しているからだ。

 日本のマスコミに、フィスク記者並みの眼力と筆力を期待することは土台、無理なことかも知れないが、せめてロバ並みの愚直さ、一徹さぐらいは期待したい。

 ロバでさえすでに、前脚の蹄を上げ、こう言い切っているのである。「黒幕はムシャラフだ」と。

 人間(主流ジャーナリスト)である君たちに、書けないわけはないだろう。

⇒  http://news.independent.co.uk/world/asia/article3291600.ece

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Posted by 大沼安史 at 10:27 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2007-12-28

〔コラム 机の上の空〕 「東の娘」 ベナジール・ブット、暗殺さる 

 ブッシュ政権が「テロとの戦争」の舞台回しに使って来たパキスタンで、危機が一段と強まっている。

 ベナジール・ブット女史の暗殺は、この国のイスラム原理主義への傾斜と「アフガン化」を、ますます加速してゆく恐れを秘めている。

 米国は「冷戦」の最終局面における「アフガン戦線」で、パキスタンを後方支援基地に、「イスラム原理主義」のエネルギーを利用して、対ソ連との戦いに勝利を収めた。(映画の「ランボー」を見よ)

 その際、手駒化したパキスタン軍部、軍情報機関を再利用し、イスラム過激派を泳がせながら、見事に「9・11」を演出、「テロとの戦争」をフレームアップし、イラクを軍事占領し、石油の確保に動いた。(パール記者謀殺、アタ容疑者への送金、などなど)

 親米派のブット女史の暗殺は、そうした米国による操作と制御が、ここに来て遂に行き詰ったことを意味する。

 今回の女史の暗殺について、イスラム過激派による犯行説と、ムシャラフ政権内の一部分子によるもの、との二つの見方が出ているが、元々はともに米国が直接、間接に育てたもの。ブッシュ政権としては、手痛いしっぺ返しを食らったかたちだ。

 今後の焦点は、ムシャラフ氏がどこまで国内を掌握し続けることができるか、にあるだろう。収拾不可能な事態になりかけたら、米軍は特殊部隊を派遣、「イスラムの核」の「破壊」に乗り出すに違いない。

 パキスタンは新年、2008年において、ブッシュ政権の「テロとの戦争」の「東部作戦基地」から、「正面」の座に昇りかねない様相だ。

 自らをデモクラシーの「東の娘」(自伝のタイトル)と呼んだベナジール・ブット氏の死は、より深い混迷と混乱の始まりを意味する。

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Posted by 大沼安史 at 04:31 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (2)

2007-12-26

〔コラム 机の上の空〕 ありがとう、オスカー・ピーターソン

 ジャズ・ピアニストのオスカー・ピーターソンが亡くなったと聞いて、悲しいというより、ありがとう、という思いが先に湧いた。

                   ♪

 この10数年というもの、苦しくなると、いつもCDを引っ張り出し、「自由への賛歌」をリピートで聴き続けて来た。

 鼓舞してくれる演奏ではなかった。優しく慰める演奏でもなかった。

 でも、黙って聴いていると、どこか隅の方から心の入り込んで来て、まるで白血球のように苦しさの塊を着実に分解してくれる。晴れ間が生まれる。

 それはたぶん、あのトレモノの効果のせいだろう。

 聴いているうちに、トレモノの波に洗われているうちに、苦痛は和らぎ、どこか下の方から、白い砂浜のような安心感が湧いて来る。

                  ♪

 安心は動機を生み、離脱する力を与えてくれた。だからわたしは、翻訳の仕事を続けて来れたのだ。

 自分の過去を離脱し、アルファベットの連なりを、その瞬間において一つずつ辿りながら、先へ、先へと併走する。

 それは過去からの逃避であったかも知れないが、現在(現実)になんとか踏みとどまろうとする努力だったような気もする。

 「自由への賛歌」を飽かず聴き続ける安心感の中で、わたしは「現在」を過ごすことを繰り返し、いま、ここに至っている。
 

                   ♪
                   

 リベラシオン紙の死亡記事(電子版)で、昨年4月の生演奏のビデオを見て(聴いて)、素直に脱帽した。

 1年半前というと、80歳か81歳のときの熱演。
 脳溢血でマヒした左手を少しかばっているようにも見えたが、迫力ある演奏だった。

 オスカー・ピーターソンはその年齢にして、ジャズという今を、未来へ向けて生きられる時間を、見事に、精力的に生き抜いて見せた。

 曲目は「ケーク・ウォーク」。スローな「自由への賛歌」と反対に、速いテンポの演奏。

 慰めてくれはしないが、あの巨体で胸倉をつかみ、ぐいと引きずり上げ、鼓舞してくれる演奏ではあった。

 生前の安心プラス死後の励まし。

 ありがとう、オスカー・ピーターソン。 

  

http://www.liberation.fr/culture/300214.FR.php

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Posted by 大沼安史 at 12:08 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2007-12-24

〔コラム 机の上の空〕 駱駝(ラクダ)は死んでも、ドラゴン(竜)は生きる……?

 英紙オブザーバー(電子版、12月23日付け)に、怖い記事が出ていた。
 駱駝(ラクダ)が中東、北アフリカで謎の大量死を遂げているのだそうだ。
 何気に読んでいるうち、怖さが増した。

                ◇

 突然の大量死は、昨年から始まったそうだ。
 このうち、サウジアラビアの首都、リヤドの南では、2000頭のヒトコブラクダが死んだ。
 非公式な推定では5000頭近くに達する――。『サイエンス』誌が17日(月)の週に報じて、明らかになった。

 サウジ政府が西側機関にラクダの血液を送って検査を依頼した結果、犯人らしきものがふたつ、分かった。ひとつは養鶏に使う抗生物質。もうひとつはマイコトクシン(真菌毒)。ラクダの飼料に含まれていたようだ。

 が、専門家はそんなものでラクダが死ぬわけない、と首をかしげている。

 地球温暖化=真犯人説も出ている。砂漠の暑熱化がさらに進み、病気を運ぶ昆虫が発生してラクダに取り付いた、との見方である。

 その記事に、強烈な写真が付いていた。
 一頭のラクダが地面に倒れ、死体から体液のようなものが流れ出ている。そばには、野犬かハイエナが一匹……リヤド近郊の砂漠の道路脇で撮られた写真だそうだ。

                ◇                

 ラクダは、われわれ日本人にとって、「忍耐」のシンボルでもある。
 一週間、飲まず食わずで、それでもゆっくり砂丘を越え、静かに歩いてゆく「砂漠の舟」。
 その驚異的な持久力は、コブの中に脂肪を蓄えることができるのと、血液を冷却する赤血球機能を持っているからだ。

 そして、あの「月の砂漠」の美しいイメージ。

 素っ頓狂なカワイイ顔をしていることもあって、日本でもラクダ・ファンが多い。〔サイト検索をしてみて分かった〕。
 そんなラクダ愛好者たちが「突然死」の報に触れたら、きっと嘆き悲しむことだろう。

                ◇

 我慢強いラクダまで死んでゆく、わたしたちのエコ・ロジー(地球環境)。そうした「自然環境」の極度の劣化に加え、われわれのエコ・ノミー(経済環境)も、いまや死に体である。

 まるで温暖化ガスのように、生産・生活の営みとは無縁の圏外に「超格安マネー」が「大量放出」され、その挙げ句、世界の各地で発生した「バブル」は弾けて、「世界恐慌」一歩手前のような危機的事態が広がっている。

 蟻のような日本の一般国民は、これまで何十年もの間、懸命に働き続け、コツコツ貯めて経済成長を下支えして来た。そんな下々の世界を見下しながら、日本の政府と中央銀行は、「別世界」へ向けて「円」の大出血を続けた挙げ句、遂に行き詰った。「財政破綻」と「国家崩壊」に、とうとう行き着いてしまった。

 特権層が浮かれまくったあとに、寒々とした貧困の荒地が広がる。権力者が吸い尽くしたあとに、生活の砂漠が広がる。

 オブザーバー紙の写真の、地上に横たわるラクダとは、われわれ日本の庶民のことかも知れない……。

                ◇

 それにしても、もしわれわれが「ラクダ」なら、生活苦になど無縁の権力者どもは一体、何者なのか?

 その「答え」に代えて、本ブログで先に引いた、英国人ジャーナリスト、エマ・ラーキン女史のミャンマー・ルポ、『ジョージ・オーウェルをビルマに探して』に出ていた、ビルマの昔話風の小噺を紹介することにしよう。

                *

 昔むかし、あるところに竜が住んでいました。
 

 竜は毎年、山から下りて村に現れ、食べ物や酒とともに、村一番の美しい娘をさらってゆくのです。

 竜が村を襲うたびに、毎年、若者が一人、竜を退治しに山に向かうのですが、誰一人、戻って来ません。

 ある年のこと、村の長老が山に向かう若者をこっそり追いかけました。若者の身に何が起きるか、その目で確かめてみようというのです。

 若者は竜に近づくや否や、剣を引き抜き、なんと一刀の下に竜を斬り殺してしまったではありませんか……。

 若者は竜退治を終えると、その場で竜の残したものを食らい、酒を飲み始めました。

 すると、若者の体は次第に竜に変身して……遂に、恐ろしい山の竜へと姿を変えてしまったのです……

                ◇

 アメリカの「波止場の哲学者」、エリック・ホッファーは数多くの箴言(アフォリズム)を遺した、わたしの大好きな人だが、その箴言の中に、「竜(ドラゴン)とは、獣に化けた人間である」という「定義」がある。

 ラーキン女史も書いているように、軍政権力がはびこるビルマでの言い伝えでもそうなのだから、ホッファー氏の言う通り、「竜」とはたしかに、獣に化けた人間、人間が化けてしまったものに間違いないだろう。〔獣が人間に化けたものを、ホッファー氏は「悪魔」だと言っている……〕

 それでは、いまの日本社会において、「竜」となった人間とは具体的に誰を指すのか?

 答えは至って簡単――。それはたとえば、あの守屋前防衛省事務次官である。

 彼もまた国家権力の牙城に入って、「竜」に変わった男なのだ。

 わたしは30年以上も前、仙台の東北大学法学部のキャンパスで、その守屋クン(1年先輩らしい)と言葉を交わしたことを、なぜだか覚えている。

 黄色っぽいジャンパーを着た守屋クンは、いま以上に、優しく、善良そうな顔をしていた。

 そう、あのかわいいラクダのような、丸い笑顔で……。

                 ◇

 石破防衛大臣は「モスラ」や「ゴジラ」が出てきたら自衛隊を出動させると言ったそうだが、至急、退治しなければならないのは、国民をないがしろにし、骨の髄までしゃぶり続けて来た、主に国家公務員上級試験合格の、霞ヶ関・永田町・市ヶ谷界隈に生息する「高級ドラゴン」どもである。
 
 それにしても「ドラゴン桜」とは、よく言ったもの。

 「守屋ドラゴン」の「尻尾切り」で、コトを収めてはならない。


http://www.guardian.co.uk/science/2007/dec/23/animalbehaviour.scienceofclimatechange/print

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Posted by 大沼安史 at 05:39 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2007-12-22

〔ジャック天野の目が点丼〕 USO!

 忘年会シーズンも、たけなわ。畏友、ジャック天野氏より、二次会カラオケ用の替え歌が、メールで届いた。

 UFO(未確認飛行物体 Unidentified Flying Objects)ではなく、USO。

 Unidentified Stealing Officials (未確認泥棒政治家&官僚)の略だそうだ。

 嘘~っ?! いやホント。

 なお、ジャック天野氏からの情報によると、この替え歌、永田町、霞ヶ関、市ヶ谷方面で早くも、「禁止」のお触れが出ているという。

            ○▲○ ⇒ ◎▲◎ ⇒ ×▲× ⇒ ・▲・
 

 USO

♪腹(はら)合わせて 見つめるだけで
 たかり合える ゴルフもできる

 くちづけするより 臭く
 さかずき取るより 速く

 次から次へとさしだす あなた

 ものいわずに握っただけで
 すぐあなたにわかってしまう

 飲みたくなったらギンザ
 ○○たくなったらベッド

 次から次へとさしだす あなた

 しんじられないことばかりあるの
 モスラ来たらゴジラ来たら どうなるかしら

 それなら見てろ 近頃わたし
 日本の政治にアタマ来てるの 

⇒ http://listen.jp/store/artword_1146657_22589.htm

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Posted by 大沼安史 at 10:25 午前 | | トラックバック (0)

2007-12-20

〔2007・12・20重要ニュースLINK 机の前の窓〕 ● 日本経済 遂に「公式息切れ」 FT紙報道 ★ 日本の調査捕鯨船団を海空から監視 豪政府 「グリーンピース」の監視船もNZを出港 

● フィナンシャル・タイムズ紙が「日本経済、息切れ オフィシャル!」と報じた。既得権益を満載した官僚統制の「第1940日の丸」、ついに「蒸気切れ」で漂流を始めた模様。政治不在、内閣総辞職に価することではある。

⇒ http://www.ft.com/cms/s/f9ff1036-ae15-11dc-97aa-0000779fd2ac,Authorised=false.html?_i_location=http%3A%2F%2Fwww.ft.com%2Fcms%2Fs%2F1%2Ff9ff1036-ae15-11dc-97aa-0000779fd2ac.html&_i_referer=http%3A%2F%2Fwww.ft.com%2Fcms%2Fs%2F0%2F524d7df8-ae4e-11dc-97aa-0000779fd2ac.html%3Fnclick_check%3D1

 http://www.ft.com/cms/s/0/524d7df8-ae4e-11dc-97aa-0000779fd2ac.html?nclick_check=1

★ オーストラリアの労働党政権は、南氷洋での日本の「調査捕鯨?」船団を空と海から監視する、と発表した。

 当初は海軍の艦艇を派遣するとしていたが、「オーシャン・バイキング」号という税関の船が船団を追尾する。「密輸」の恐れあり、と考えているのか?

 「グリーンピース」の監視船「エスペランツァ」もニュージーランドのオークランド港を出港、追尾態勢を整えた。

⇒ http://www.iht.com/articles/2007/12/19/asia/whale.php

 

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Posted by 大沼安史 at 08:20 午後 | | トラックバック (0)

2007-12-16

〔コラム 机の上の空〕 「不都合な真実」と「都合のいい嘘」 ノーベル平和賞受賞、アル・ゴア氏と佐藤栄作氏の「公約」スピーチ

 「偽」が「2007年の漢字」に選ばれた。「偽」ブランドそろい踏みによる、晴れの受賞だ。めでたくも、情けない限りのことではある。

 先日、ラジオのキャスターからコメントを求められ、ぼくが選ぶなら、詐欺の「欺」ですね、と答えた。

 国民を欺く「欺」、国民の虎の子、「年金」を掠め取る「欺」、「最後の一人まで」と選挙「公約」で欺いた「欺」。

 「偽」より「欺」の方が、よほど悪質である。
 
 ことしのワーストワンは「欺」ですよ、と答えたあと、「嘘」と言った方がわかりやすかったかな、と思い返した。

 「3月まで……」の「嘘」、「最後の一人まで」の「嘘」、「同席しなかった」「嘘」……「嘘」「嘘」「嘘」、「欺」「欺」「欺」続きの「2007年」ではあった。

                  ◇

 地球環境保護運動の先頭に立つ、前の米国副大統領、アル・ゴア氏の「ノーベル平和賞」受賞スピーチ(テキスト)を、ノーベル財団のサイトで読んだ。

 その中でゴア氏が、「漢字」2文字を紹介していた。

 「危機」――。

 ……中国と日本で使われている漢字では、“クライシス(crisis)”は、ふたつの文字で書かれます。最初の文字の意味は「危(デインジャー)」、ふたつ目は「機(オポチュニティー)」。気候の「危機」に立ち向かい、その「危」を除去していくことでわれわれは、あまりにも長い間、無視してきた他の危機をも解決する、われわれ自身の能力を途方もなく増大させる道徳的な権威とヴィジョンを獲得する「機」を得ることになるのです……
  
 In the Kanji characters used in both Chinese and Japanese, "crisis" is written with two symbols, the first meaning "danger," the second "opportunity." By facing and removing the danger of the climate crisis, we have the opportunity to gain the moral authority and vision to vastly increase our own capacity to solve other crises that have been too long ignored.

 ゴア氏に指摘されて気がついた。「危・機」とは、「危険」と向き合い、対決し、解決して行く「機」であることに。

 それはごまかすことでも、やり過ごすことでも、欺くことでも、嘘で言いくるめることでもない……。

 なるほど、そうか、と思った。

                   ◇

 12月10日、ノルウェーのオスロで開かれた授賞式に臨んだゴア氏は、その足でインドネシアのバリ島に飛び、13日の「国連気候変動枠組条約締結国会議(COP13)」で演説した。

 ブッシュ政権を痛烈に批判する演説だった。

 ……わたしはこれから、ある「不都合な真実」を話したい。わたしの国、米国が、このバリにおける(会議の)進捗を妨害する、主たる責任を負っていることだ……

 I am going to speak an inconvenient truth. My own country, the United States, is principally responsible for obstructing progress here, in Bali.

 ここで言う「不都合な真実」とは、ブッシュ政権が地球温暖化阻止の闘いの足を引っ張る元凶のひとつだ、ということである。

  (ちなみに「不都合な真実」とは、ゴア氏が制作・出版したドキュメンタリー映画&本のタイトルでもある)

 ゴア氏は演説の中で、「ブッシュの米政府」を、この会議の「部屋」を混乱させている「象」だと指摘さえした。

 よく言った、それでよし、と思った。

 
                    ◇

 ゴア氏の「ノーベル平和賞」受賞講演(ノーベル・レクチャー)は、「都合のいい嘘」を暴き、「不都合な真実」に迫り、今後とも地球環境保護の闘いに断固として突き進むという「国際公約」だった。

 ゴア氏は言った。われわれの目の前には「ふたつの未来」が待っている、と。

 ひとつの「未来」の若者は、われわれに「どうして行動を起してくれなかったの?」と聞き、もうひとつの「未来」の若者は、「どうやって、解決不能の危機を解決する勇気を持つことができたの?」と聞く……そのどちらの「未来」を、われわれは選び取るのか、と。

 ゴア氏は演説を、「この目的に向かって、わたしたちは立ち上がり、行動するだろう」という「決意表明」で締めくくったが、3日後のバリでの氏の演説は、オスロでの「公約」を、最初に実地で示すものだったと言える。

 ゴア氏はノーベル平和賞受賞「公約」を、早速「COP13」の場で果たしてみせたのである。

 よし、それでいい、さすがゴア氏だ、と思った。

                    ◇

 ゴア氏の演説を読むため、ノーベル財団のサイトを覗いたついでに、われらが(?)宰相、佐藤栄作氏の「ノーベル平和賞」受賞演説(1974年)の英文(正文)テキストにも目を通した。

 驚いた。そこに、「9条」への言及があったのだ。それも、条文の引用つきで。

 日本の首相、佐藤栄作氏は、そこでちゃんと「国際公約」していたのである。

 「日本のような主要国は、この(9条が指し示す)態度を、将来において、保持することを決意する」と。(英文テキスト引用箇所の最終センテンス)

 Fully conscious of the bitter lessons of defeat in 1945 and unswervingly determined to seek an enduring peace, our people revised the old Constitution. The new Constitution is founded on the principles of the protection of human rights on the one hand, and the renunciation of war on the other. Article 9 of the Japanese Constitution stipulates as follows:

 "Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or the use of force as means of settling international disputes".

 Such a declaration renouncing the use of force in the settlement of international disputes, incorporating the philosophy of the Kellogg-Briand pact3, has been made by peoples other than the Japanese. It is noteworthy, however, that a major power like Japan should have persevered in this direction by national consensus and be determined to retain this attitude in the future.

 日本は9条を守る……佐藤栄作氏は世界に向かって、こう「約束」したのである。

 首相の座を退いて2年後のこと。

 よく言ってくれた、と思いたいところだが、そう素直に喜べないな、と思った。「晴れ舞台」でついた(つかざるを得なかった)「都合のいい嘘」だったかも……と思った。

                    ◇

 佐藤栄作氏は「沖縄返還密約」「核持ち込み疑惑」など、「裏」がありすぎる政治家だった。彼の「表」の部分(「非核3原則」)に欺かれ、「平和賞」を贈ったノーベル財団も素朴過ぎるが、嘘で固めた保守政権を戦後、ほとんど一貫して選出し続けて来た、わたしたち日本国民は、それに輪をかけて「素直すぎた」ということだろう。

 そんな「保守本流」を受け継ぐ「偽ブランド政治家」(ことし、CIAの手先であったことが、ニューヨーク・タイムズの記者に暴露された「昭和の妖怪」の孫)らに偽られ、欺かれ、嘘をつき通され、挙句の果てに「国家・社会崩壊」の瀬戸際に追い込まれた、「2007年、日本」の年の暮れ。

 ゴア氏の言うように、「危・機」とは、危険を克服するチャンス。

 新年、2008年を世直し……日本直し、地球直しの「元年」とする。

 それしかないのだな、と素直に思った。 
  

〔ゴア氏、受賞スピーチ〕

 http://nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/2007/gore-lecture.html

〔佐藤栄作氏 受賞スピーチ〕
 http://nobelprize.org/cgi-bin/print?from=%2Fnobel_prizes%2Fpeace%2Flaureates%2F1974%2Fsato-lecture.html

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Posted by 大沼安史 at 05:09 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2007-12-14

〔ビルマから〕 ◇ 「国際人権デー」に集会  ◇ 逃亡警官、続出  ◇ クヤウ氏、ハンスト続行 ■ 学生、黒服で受験

〔お知らせ〕 「ビルマ情勢」は今後、「ビルマから」にタイトル名を変更、レポートを続行します。

◇ DVB(ビルマ民主の声)によると、「国際人権デー」の12月10日、ヤンゴン市内の活動家宅に、100人近くが集まり、午前9時から1時間半、軍政の人権蹂躙に抗議する集会を開いた。

 「人権擁護者・保護者ネットワーク」の指導者、ウ・ミント・アイェ氏宅で開かれたもので、近くの路上には治安当局者の乗ったトラック2台が駐車し、監視にあたった。

 集会には米大使館員も参加したという。〔日本の大使館員が参加した、とは報じられていない〕

 アイェ氏は「われわれは最も悲しい瞬間を生きている」と挨拶した。

 集会では「88年世代学生グループ」などからのメッセージも読み上げられた。

⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=749

◇ DVBによると、9月の民主化デモ弾圧以来、逃亡する警察官が続出しているという。16の警察部隊から100人以上が逃亡した、と消息筋は語っている。
 
 このため、警察長官は各部隊に対し、逃走警察官に対する「コントロール」を命じたという。

 〔大沼・注〕 軍政の治安維持・暴力装置が崩れかけているのかも知れない。9月の「血の弾圧」の際も、軍政当局はカレン州で戦闘歴のある実戦経験部隊をヤンゴンに投入、鎮圧に成功したが、動かない部隊もいたらしい。
 
⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=757

◇ DVBが12月12日に報じたところによると、ヤンゴンのインセイン刑務所でハンストを続けていたクヤウ氏は、刑務所内の病院から、警察署に移され、新たな容疑で取り調べを受けている。

 クヤウ氏は全政治犯が釈放されるまでハンストを続行する決意だという。

 妻のマー・サン・サン・マウさんが語った。

 クヤウ氏はやせ細り、衰弱しているそうだ。
⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=763

■ DVBによると、東ラングーン大学で11月21日、約100人の学生たちが、9月の民主化デモでの死者を悼んで、黒い服装をして試験に臨んだそうだ。

 学生たちは大学当局によって、二度と黒服を着ないと誓約させれられたという。

 大学構内には治安当局者が立ち入り、監視の目を光らせている。
⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=764

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Posted by 大沼安史 at 10:38 午後 | | トラックバック (0)

〔2007・12・14重要ニュースLINK 机の前の窓〕 ☆ ゴア氏、「バリ会議を阻んでいるのはアメリカだ」  ☆ 米ニュージャージー州、死刑廃止へ ▼ 「世界株」 沈下

☆ アル・ゴア氏 バリでブッシュ政権を厳しく批判 「交渉の進展を阻んでいるのは、わたしの国、アメリカだ」

⇒  http://www.iht.com/articles/2007/12/13/news/climate.php

☆ 米東部、ニュージャージー州は「死刑」を廃止することになった。代わりに保釈のない「終身刑」を設ける。

 これにより、死刑囚8人の死刑執行が中止される。この中に、7歳の少女、メガンちゃんを殺害、「メガン法」(性犯罪者在住告知)の制定のきっかけをつくった死刑囚も含まれる。

〔大沼・注〕 余談になるが、貧困に追い込まれ、自己破壊的な激情の中で殺人に及んだ「犯人」と、「天下り先」の確保のため、「薬害」を放置して国民の多数を、「薬殺」ないし「薬物致死」に追い込んだ、わが国の「厚生官僚」のどちらが、罪は重いか?

 「終身刑」の「公務重過失致死罪」を新設せよ!!!

⇒ http://www.guardian.co.uk/usa/story/0,,2227596,00.html

▼ 世界株 沈没 FT紙 中央銀行「マネー」放出の効果を、限定的なものと疑問視

⇒  http://www.ft.com/cms/s/0/99195aea-a9c1-11dc-aa8b-0000779fd2ac.html

Posted by 大沼安史 at 04:07 午後 | | トラックバック (1)

2007-12-13

〔イラクから〕 イラク高官 「米軍恒久駐留」許さず

 イラク政府の国家安全保障問題顧問のモアファク・ルバイエ氏は12月10日夜、アル・アラビア衛星テレビのインタビューに答え、イラクは決して米軍の恒久駐留を許さない、それは渡ってはならない「赤い線」だ、と述べ、米軍の長期駐留を認めない態度を明らかにした。

〔大沼・注〕 日本政府も見習ってはいかが? 灯油も買えない貧困国民がいっぱいいるのに、何が「給油」だ、何が「思いやり予算」だ!!!

 北国の貧困世帯に「給油」し、「年金ネコババ&大不況」にあえぐ「庶民」を「思いやれ」!

⇒ http://news.yahoo.com/s/nm/20071211/ts_nm/iraq_bases_dc

Posted by 大沼安史 at 11:52 午前 | | トラックバック (0)

〔2007・12・14重要NEWSリンク 机の前の窓〕 ▼ 中央銀行ヘリ編隊 「マネー投下作戦」開始

▼ フィナンシャル・タイムズ紙のコラムニスト、マーチン・ウォルフ氏が、米欧中央銀行による「流動性供給」作戦について、ヘリによる「マネー投下」作戦、ついに始まる、との解説記事を書いた。
 足りなければ、これでもか、これでもかと、投下は続く、と、ウォルフ氏は言っている。
 それほど世界金融危機は深刻化しているようだ。「YENキャリ垂れ流し」によるバブルが弾けて、ついにこのザマ。
⇒ http://www.ft.com/cms/s/0/44eef7fa-a8da-11dc-ad9e-0000779fd2ac.html

Posted by 大沼安史 at 11:38 午前 | | トラックバック (0)

2007-12-10

〔イラクから〕 バスラ、半月以内に英軍からイラクへ移管

 英国のブラウン首相は12月9日、予告なしにバスラへ飛び、駐留英軍基地で、バスラ州を半月以内にイラク政府に移管することを明らかにした。

 バスラに残留する英軍は4500人。イラク政府軍の訓練に当たっている。来春には2500人まで兵力を削減する予定。

⇒ http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7135666.stm

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Posted by 大沼安史 at 06:48 午後 | | トラックバック (0)

〔ビルマから〕▲ 最悪の居住権侵害国家 ◇ 追放された国連ビルマ駐在官 「貧困対策を」と呼びかけ

▲ DVB(民主ビルマの声)が12月6日、報じたところによると、ジュネーブに本部を置く人権団体、「居住権・追放センター」は、ビルマ軍政当局に対し、2007年の「居住権侵害賞」を“授与”した。

 北京五輪に向け住居の強制退去政策を進める中国も、同時受賞した。

〔大沼・注〕ビルマの軍政による住居取り壊しは日常的に行われているらしい。「居住権」は「人権」……なるほど、その通りだ。

⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=743

◇ DVBが8日に報じたところによると、国外追放された国連のビルマ駐在調整官、チャールス・ペトリー氏はDVBとの会見に応じ、国連はビルマでの貧困問題に取り組むべきだとの考えを示した。
⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=746

Posted by 大沼安史 at 06:39 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 CIAがイラク核科学者を「一本釣り」 「頭脳漏出(ブレーン・ドレイン)」作戦で5人を確保 LAT紙が報道

 米ロサンゼルス・タイムズ紙は12月9日、米国情報機関のCIAが2005年から秘密裏に実施した「頭脳漏出(Brain Drain)」作戦で、イランの核科学者5人を国外に脱出させたと報じた。

 イランの「頭脳」を流出させ、核開発能力を殺ぐ作戦。

 米情報機関はさきごろ、イランは2003年に核開発を中止したとの「評価」をまとめたが、この報告づくりにも、亡命科学者の情報が一定程度、生かされたものと見られる。


http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-usiran9dec09,0,3638197.story?coll=la-home-center

Posted by 大沼安史 at 06:21 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 バングラデシュ・サイクロン被害 「グラミン銀行」が救援活動

 先日、東海道新幹線の小田原駅のホームで「こだま」を待っていたら、「ひかり」が物凄い勢いで、目の前を通過して行った。

 空気を切り裂く、一本の楔(くさび)となって轟々と走り抜けて行く。

 11月にバングラデシュを襲ったサイクロン(熱帯の台風)「シドル」は、この速度、この風圧で、「ひかり」のような「点」ではなく、空いっぱいの「面」――それも連続する「面」として、つまり「大気の大津波」となって、襲い掛かって来たのだな、と、そのとき思った。

 バングラデシュの「グラミン銀行」のサイトに、「シドル」の風速が時速240キロ(秒速67メートル)に達した、と出ていたのを思い出していた。

                ◇

 11月15日、バングラデシュを直撃した「シドル」は、ベンガル湾に面した南アジアのこの国を、文字通り引き裂いた。

 死者10000人以上。数百万人が飢餓に直面している。

 国際赤十字社や「国境なき医師団」が現地入りしているが、復興は遅々として進んでいない。

                ◇

 「シドル」被災の報を聞いて、「グラミン銀行」のサイトにアクセスしたのには理由がある。

 昨年、ノーベル平和賞を受賞したエコノミスト、ユヌス博士の「グラミン銀行」なら、きっと救援に動き出しているのないか、と思ったからだ。

 貧しい人に、貧しい人から、それも無担保で融資し、社会的な自立を支援する「グラミン銀行」(グラミンとはベンガル語で「村」の意味だそうだ)なら、必ず支援に動き出しているに違いない。そう思ってアイコンをクリックした。

 思った通りだった。

 「グラミン」は――ユヌス博士たちは動いていた。
 「シドル」来襲が分かったときから。そして今も。

 すごい「銀行」だと思った。「銀行」の枠を超えている……いや、本来、「銀行」とはこうあるべきではないか、と思った。

                ◇

 「グラミン銀行」は「シドル」上陸に備え、対策本部を設け、被災情報の収集と支援対策づくりに乗り出した。

 被災した「支店」は366ヵ所、「融資センター」は13125ヵ所。

 「グラミン」から融資を受けている人(その家族を含む)で亡くなったのは931人。同じく行方不明者は1071人。

 また、「グラミン」の「メンバー」で家屋を失った人は321510人。家畜をなくした人は46000人。

 「グラミン銀行」は早速、スタッフを被災地に派遣し、救援活動に入った。

                ◇

 被災したメンバーの返済をとりあえず来年6月まで停止することにした。被災の状態によっては、返済猶予を、それ以上の期間、認めることにした。被災者からは元本の返済は受けるが、利子は受け取らないことにした。

 無利子の住宅再建ローンを(もちろん無担保で)貸し出すことにした。被災の程度が最もひどい世帯には10000タカを貸し出す。

 「グラミン」のメンバーになっていない被災者に対しても、新規の融資をすることした(もちろん無担保で)。

 学生には奨学金を融資することにした。高卒資格試験の受験料は、「グラミン」が肩代わりすることにした。

 「融資」だけではなく、被災者に対し、食糧や生活必需品を買うための「現金」供与も始めた。

                ◇

 金銭的なバックアップに加え、「グラミン銀行」は医師、看護師らによる医療チームを派遣し、被災地に「医療センター」を開設した。

 井戸を掘り、浄水装置も設置し、被災地の家畜の世話をする係りも配置した。

 毛布を配り、煮炊き用のポットなどを供給した。

 被災者に野菜の種子を配って歩いた。

                ◇

 「グラミン」の救援活動のあれこれを列記したのは他でもない。「銀行」が「地元」のために、「人びと」のために、ここまで、これほどまで支援に動いている……このことに心を動かされたからである。

 「シドル」の残した「死の谷」(グラミン銀行のサイトに、こう書かれていた!)に向かい、「マネー」を手渡し、生きる希望の種まきを続ける「グラミン」の「銀行員」たち。

 その姿を思うと、何か温かな、勇気付けられるものが、千の風、いや万の春風になって、はるかバングラデシュの地から優しく吹いてくるような……そんな錯覚にとらわれ、日本の「銀行」もそうあってほしい、そう変わってくれ、と痛切に願った。 

⇒ http://sidr.grameen.com/index.php?option=com_content&task=view&id=133&Itemid=1

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Posted by 大沼安史 at 12:43 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 州警察長官 路肩爆弾で死亡

 バグダッドの南100キロ、バベル州のヒラで12月9日、同州のマムーリ警察長官が路肩爆弾で殺された。

 爆発の数時間前、地元に駐留する米軍司令官が地元メディアに対し、マムーリ長官の功績を讃えたばかりだった。

  8日にはバグダッドの北、バイジで自爆攻撃があった。

〔大沼・注〕 イラク「小春日和」は終わり、暴風が再び吹き荒れ出した……。

⇒  http://www.iht.com/articles/2007/12/09/africa/10iraq.php

Posted by 大沼安史 at 12:21 午前 | | トラックバック (0)

〔ビルマから〕 ◇ インセイン刑務所で活動家のクヤウ氏がハンスト ★ 北朝鮮が大使を派遣

◇ DVB(ビルマ民主の声)が12月6日に報じたところによると、インセイン刑務所に囚われている活動家のフティン・クヤウ氏が全政治犯の釈放を求め、ハンガーストライキーに入っている。

 5日に面会した親族によると、クヤウ氏はその「時点ですでに6日間、食事を拒否している。

 刑務官によると、クヤウ氏衰弱しており、刑務所内の病院に移された。

 クヤウ氏は8月25日、燃料代高騰抗議行動を扇動したとして逮捕された。

⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=739

★ 北朝鮮の大使がビルマに着任した。

 ビルマと北朝鮮の関係は、1983年、北朝鮮の特殊部隊が韓国のチョン・ドハン大統領一行を狙ったテロ攻撃を仕掛けたことで断絶、ことし4月の両国間協議で、国交の再開が合意されていた。

 新任の大使はキム・ソク・チョル氏(52歳)。

 ストックホルムの国政平和研究所の兵器移転プロジェクトの調べによると、北朝鮮は1999年に16門の大砲を供与している。

http://www.thestate.com/372/story/251946.html

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Posted by 大沼安史 at 12:03 午前 | | トラックバック (0)

2007-12-09

〔イラクから〕 息子2人の復讐で母親が自爆攻撃

 バクダッドの北東、ディヤラ州のムカタディヤーで12月7日、自爆攻撃が2件、起きた。

 最初はその日の朝、ひとりの女性が、親米スンニ派組織、「1920年革命旅団」の事務所に近づき、自爆した。

 地元の消息筋によると、この女性は元バース党員で、息子2人が「アルカイダ」派の側に立って活動し、殺されたという。

 「1920年革命旅団」は反米から親米へとスタンスを変えた、「目覚めたグループ」のひとつ。

 この自爆攻撃で15人以上が死亡した。

 このあと、現場から16キロ離れた検問所で乗用車に乗っていた男が自爆し、7人が死亡した。

 アルカイダ組織の「イラク・イスラム国」がネットで「目覚めたグループ」への攻撃開始を宣言していた。

⇒ http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article3233352.ece

Posted by 大沼安史 at 11:22 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 英国 全家庭電力を風力発電で 2020年まで沿岸に「風のファーム」張り巡らす

 英紙インディペンデント(電子版)は12月9日、英政府のハットン産業相が10日、ベルリンでの会議の席上、英国沿岸に風力発電所(「風のファーム」)を展開し、2020年までに英国内の全家庭分の電力を風力で産み出す、との計画を発表すると伝えた。

 風力発電で産み出すのは、すでに計画済みの風力発電分と合わせ32ギガ・ワット。

 ロンドンでは8日、氷雨を衝いて数千人が米国大使館までデモ行進し、ブッシュ政権に対して地球環境保護に踏み切るよう要求した。

〔大沼〕 日本も英国同様、島国。「道路特定財源」を使えば、風力発電所銀座(??)を全国に開設できるのではないか?

⇒ http://environment.independent.co.uk/green_living/article3236132.ece

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Posted by 大沼安史 at 10:55 午後 | | トラックバック (0)

2007-12-05

〔2007・12・05重要ニュースLINK〕 ▼ ブッシュ それでも「イランは脅威」 ☆ 英国経済、「パーフェクト・ストーム」へ? ★「南京」戦争、勃発

▼ ブッシュ大統領 それでも「イランは脅威」 米情報組織が「イラン、核開発を2003年に停止」と結論付けているのに、この強硬姿勢……。(「イラン沖に展開する米空母をイランがミサイル攻撃」を「口実」にイラク空爆に踏み切るという見方も出ているので、今後とも要注意だ。例によって、いつもの「報復」である)
⇒ http://www.guardian.co.uk/iran/story/0,,2222038,00.html

△ アメリカの諜報活動 イラクに続き、イランでも「失敗」 APが解説記事 (ブッシュ政権は知っていながら、「隠蔽」していただけではないか)
⇒ http://www.guardian.co.uk/iran/story/0,,2222038,00.html
 
☆ 英紙インディペンデント(12月5日付け) 英国経済は「パーフェクト・ストーム」に向かっているのか? フロントの写真が凄い! 黒雲の写真! これに対して日本の新聞は、ことさら「経済危機」を取り上げない傾向にある。その「パーフェクト・ノン天気」
⇒ http://www.independent.co.uk/c/

★ 「南京虐殺」で宣伝戦争を布告
⇒ http://news.independent.co.uk/world/asia/article3223694.ece

Posted by 大沼安史 at 02:50 午後 | | トラックバック (0)

2007-12-04

〔コラム 机の上の空〕 笑いの圧殺、または、ビルマ的「オーウェル世界」

 英国の女性ジャーナリスト、エマ・ラーキンさんが書いた『ビルマでジョージ・オーウェルを探す』(ペンギン、2004年刊行)に、いつも「高笑い」で答える、ビルマ人観光ガイドのことが出ている。

 「政治」にちょっとでも触れた質問をすると、ガイドの彼は決まって「高笑いをし、そのあと黙りこんでしまう」のだそうだ。まるで、質問を耳にしなかった、かのように……。

 何年か前、彼女がビルマ入りして取材していたときのことである。だから、「今」のことではない。

 質問に対する「高笑い」、そして「沈黙」は、ガイドの彼の暗黙の同意であり、事実の確認だったろう。

 僧たちの平和デモに血の弾圧が行われた今はもう、「高笑い」「沈黙」で「答える」こともできなくなっているのではないか。

              ◇

 ラーキンさんの本に、「歯医者のジョーク」というのが紹介されている。ビルマ人の「知人」の何人かとテーブルを囲んだ雑談していたときのこと、その一人が「ことさら眉をひそめ、ニヤリ笑いの兆し」を見せた……。

 とっておきの「冗談」を披露しようというのである。

 「あるとき、ひとりのビルマ人が近隣の国まで旅し、歯医者を訪ねました。歯医者は遠くから、わざわざ訪ねて来たのに驚き、こう言いました。『お国には歯医者はいないのですか?』。ビルマ人は答えました。『いますよ、いますとも。歯医者はいっぱいいます……でも問題がひとつあります。われわれは、ビルマじゃ口を開けられないんですよ』」

 言論の自由のないビルマ。軍政に対する「風刺」「あてつけ」さえ許されないビルマ。

              ◇

 僧たちが平和デモを続けていた9月25日、マンダレーの街で、コメディアンのウ・パル・パル・レイさん(60歳)が逮捕された。

 パル・パル・レイさんは「髭の兄弟」一座の座長。

 一座はビルマの伝統演芸「アーニャイ・プウェイ」の流れを受け継ぐ寄席芸人集団で、人形劇や笑劇を出し物に、かつては国内各地を巡業していたが、軍政当局にビルマ人の前での上演を禁じられ、いまはマンダレーで外国人観光客相手の「小屋」を開いている。

 そのレイさんのとっておきの「政治ジョーク」も、その「歯医者のジョーク」であることを、ニューヨーク・タイムズ紙のマンダレー発の記事(10月29日付け)を読んでわかった。

 レイさんのは、レイさん自身がインドまで出かけて行って歯医者にかかるバージョン。
 「一人称」の主体的・政治的なジョークである。

              ◇

 1996年に続く2回目の逮捕だった。

 その年の1月、「髭の兄弟」一座は、ヤンゴンのスーチー女史宅で巡業公演を行う。外国の大使らも観に来たその席で、レイさんは軍政をあてこすり、公演後、逮捕された。
 7年の刑を言い渡されたレイさんは、国際的な救援活動が強まる中、2001年7月に釈放された。

 そのレイさんの十八番に、「ツナミ(津波)のジョーク」というのがある。

 ミャンマー(ビルマ)の将軍が亡くなって、大きな魚に生まれ変わった。そこに、大津波が押し寄せて来た。大魚は海面に浮上し、津波に向かって叫んだ。「津波よ、止まれ。お前さんのすること、もうこの俺さまがしていることだから、押し寄せたって無駄だよ」と。

              ◇             

 軍政はまさにビルマの地上のすべてを破壊し尽くし、民衆の自由を流し去った。その実態はラーキンさんの著書に詳しいが、一言で言えば、ジョージ・オーウェルが描いた『1984年』のあの世界である。

 人びとが互いに監視しあい、密告しあい、権力者の意のままに操作され、無慈悲に抹殺されてゆく、あのオーウェル的世界の現代版、それがいまのビルマ(ミャンマー)である。

 オーウェルは大英帝国の警察官として5年間、ビルマに駐在し、その後、作家に転身(最初の著作は『ビルマの日々』)し、やがて『1984年』を書くことになるが、その彼がビルマの現状を目にしたら、どんな思いを抱くことだろう。

              ◇

 レイさんの2度目の逮捕は、「アムネスティー・インターナショナル」や、「英国ペンクラブ」などの手で全世界に報じられ、救援活動が広がった。

 幸いなことに今回は、ニューヨーク・タイムズが現地取材で事実経過を確認し、紙面で報じるや否や、翌30日になってレイさんは釈放された。軍政当局としては、「国際世論」が高まる前に釈放してしまえ、と判断しただけのことだろう。

              ◇

 ラーキンさんによれば、ビルマで教師など公職に就くには、「33問の口頭試問」にパスしなければならないという。

 あなたはいまの政府を支持しますか?  
 この国にもっともふさわしい政治体制は何ですか?……

 それらの問いに「支持しません」「デモクラシーです」などと答えようものなら、結果は目に見えている。

 「デモクラシー」と正直に答え、教職に就くチャンスを自ら閉じたある男性は、こうした「踏み絵」について、ビルマ国民の「思考力」を奪う狙いが込められている、とラーキンさんに語ったそうだ。

              ◇

 奪われる思考力、言論の自由、笑い……。これはまさに、「ウィンストン・スミス」が直面した「オセアニア」における「1984年」状況だが、ビルマの「2007年」状況では、権力者がまだ、「地下」または「内心」を完全に支配しきれないでいる。

 それのひとつの現れが9月の僧の決起であり、その後も続く、レジスタンスの動きであるのではないか。

 1988年の学生・市民の民主化デモの際、学生たちは縁起をかついで「4つの8」を期して行動を起こした。(8年8月8日午前8時)

 ことし9月の民主化デモでは、僧たちが聖なる数の9にこだわり、9日から9日間、準備をしたあと、9月18日(18は9の倍数)にデモを始めた。

 僧までも殺した軍政に対する、ビルマ民衆の最終的な決起がいつ起こるか?

 「旅回りの役者」や「あどけない子ども」がするという「ダバウング」という「聖なる予言」が出たという知らせは、まだビルマから伝わって来ない……。 
  


http://web.amnesty.org/pages/mmr-051007-feature-eng

http://afp.google.com/article/ALeqM5jbLSnmWgGGvSId2MBMIiM7Td3mPA

http://www.iht.com/articles/2002/02/07/edpringle_ed3_.php

http://www.scoop.co.nz/stories/print.html?path=WO0711/S00520.htm

Posted by 大沼安史 at 09:45 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2007-12-01

〔2007・12・01重要ニュースLINK 机の前の窓〕 ☆ インドネシア 7900万本植樹  ★ NZ 18歳ハッカーを聴取 ☆ イタリアで4半世紀ぶりの大ストライキ  ★★★ 米特殊部隊によるパキスタンの「核」奪取を提唱  ☆☆☆ 豪新首相 2008年半ばまでにイラク撤退  ★ 日本政府 中国艦寄港を拒否  ★ 中国 米艦の新年寄港を拒絶  ■ ベンチャー・キャピタル 「軍事」に流入 「緑」から逃避? ナオミ・クラインが指摘

☆ バリ国連環境サミットを前にインドネシア政府 7900万本植樹
⇒ http://news.independent.co.uk/world/asia/article3213015.ece

★ ニュージーランドの18歳少年を事情聴取 全世界130万のパソコンに侵入 2000万ドルを詐取 ハッキング・ソフトを開発の疑い
⇒ http://news.independent.co.uk/world/australasia/article3213018.ece

☆ イタリアで25年ぶりの大ストライキ 地下鉄、鉄道、空港が麻痺
⇒ http://news.independent.co.uk/europe/article3213012.ece

★★★ 米軍特殊部隊をパキスタンに派遣 「イスラムの核」の奪取を提案 「イラク増派」の米軍事専門家が提唱 米国内、あるいはパキスタン内に移送して管理
⇒ http://www.guardian.co.uk/pakistan/Story/0,,2220126,00.html

☆☆☆ 豪新首相 イラク派遣豪軍、2008年半ばまでに撤退
⇒ http://www.guardian.co.uk/australia/story/0,,2220118,00.html

★ 日本への中国海軍ミサイル駆逐艦入港を日本政府が拒否 終戦以来の初の「寄港」お流れ 中国の米空母の「香港寄港」拒否へ“代理報復” FT紙が報道 
⇒ http://www.ft.com/cms/s/0/c93f897a-9ed0-11dc-b4e4-0000779fd2ac.html

★ 中国 米艦「ロイベン・ジェームズ」の新年・香港寄航を拒否、 米貨物機も拒絶
⇒ http://www.ft.com/cms/s/0/b2b1d3bc-9f97-11dc-8031-0000779fd2ac.html

■ ナオミ・クラインが指摘 ベンチャー・キャピタル 「軍事」に流入 「緑」から逃避? 
⇒ http://www.thenation.com/doc/20071217/klein

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Posted by 大沼安史 at 09:10 午後 | | トラックバック (0)

〔ビルマから〕 ☆ 全ビルマ僧連盟 不明僧の消息調査を要求  ☆ 詩人のミント氏、タイ国境地帯に脱出  ☆ 軍部支持の民兵指導者の葬儀で僧が執行を拒否  ★ マギン僧院を閉鎖 僧全員に退去命令  ☆ スーチー女史にデモクラシー貢献賞

☆ DVB(ビルマ民主の声)が11月22日に報じたところによると、「全ビルマ僧連盟(ABMA)」は21日、9月の民主化デモ以来、行方不明になっている僧侶の消息調査を要求する声明を発表した。

 同連盟は声明の中で、「全国大僧正協会(NHMA)」が軍政に対決していないことを批判。「NHMAは僧侶を守る義務がある」と、早急に行動を起すよう求めた。

 ABMAによると、軍政当局はこれまで60の僧院を襲撃、僧を殴打し、死者まで出しているが、NHMAは「関与せず」との軍政当局の説明を受け入れている。

〔大沼・注〕  軍政当局は僧侶を取り込み、仏教の「鎮護国家仏教化」を狙っているようだ。

⇒ http://english.dvb.no/news.php?id=710

☆ DVBが同月28日に報じたところによると、詩人のクヤウ・ス・モエ・ミント氏が軍政による迫害を逃れ、ブルマ・タイ国境地帯への逃亡に成功した。

 ミント氏はバレンタイン・デーを記念して刊行した詩集のうちの2つの作品が、スーチー女史の実父でビルマ独立闘争の英雄、アウング・サン氏に言及していることから、今年前半、裁判にかけられ、有罪を言い渡されていた。

 軍政当局は同氏に対し、さきごろ、再び裁判にかけることを通告していた。

 ミント氏はマンダレーのクヤウク・セ地区から、DVBに対し、次のようなコメントを語った。

 「わたしはこれ以上、刑務所暮らしを強いられると、民主化運動にも貢献できないことから、脱出することにした。わたしは文学関係者らすべての人びとに対し、運動の継続を呼びかける。それはわたしたちの責務であるからだ」

〔大沼・注〕  タイ国境地帯は軍政当局の支配が及ばない「聖域」で、悪名高き「インセイン刑務所」の実態を暴露する私設美術館も開設されている。

⇒  http://english.dvb.no/news.php?id=717

☆ DVBが同月28日、報じたところによると、ヤンゴン市内インセイン地区の軍政支持民兵組織指導者、スワン・アール・シン氏の葬儀の執行を、地元の僧たちが拒否した。

 シン氏が死亡したのは、11月26日午後1時半のこと。

 これについて地元住民は、「9月の民主化デモも開始時間と同じだ」と指摘した。

http://english.dvb.no/news.php?id=718

★ DVBによると、ヤンゴン市内のマギン僧院の僧たちに対し、軍政当局が退去命令を出した。

 地元の軍政当局者が27日、僧院に対して、僧侶全員を帰宅させるよう命令書を手渡した。

 僧院の代表者で、80歳になる高僧、ウ・ナンディヤ氏はその場で逮捕された。 

 僧院は28日になって軍政当局によって閉鎖された。

 同僧院はエイズ患者の救援にあたっており、退去を強いられた患者らは近くの交差点に集合、成り行きを見守っている。

⇒  http://english.dvb.no/news.php?id=719

http://english.dvb.no/news.php?id=720

☆ DVBが29日に報じたところによると、自宅拘束中のスーチー女史に対し、英国の「政治研究連盟」から、デモクラシー運動への献身を讃える賞が贈られた。

⇒  http://english.dvb.no/news.php?id=721

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Posted by 大沼安史 at 07:50 午後 | | トラックバック (0)