〔ビルマから〕 「兵士は夜、やって来る」 ワシントン・ポスト紙の女性記者がラングーンをルポ 「ライオン(軍政)に取り付く9人の少年僧ら」の絵のシンボリズム 続く市民のレジスタンス
■ ワシントン・ポスト紙(電子版)は10月24日、同紙の女性記者によるラングーン発特電を載せた。
ジル・ドリュー記者によるルポ、「市民らは待ち続ける 軍政の恐怖の空気を恐れながら」。
ルポは、兵士らが夜、写真を手に民家を襲い、デモ参加者狩りを続けている、との、ラングーンに住む女性の証言を紹介している。
その女性の家には2度、来た。
「眠れない」と彼女は言った。
外国人もまた当局に監視されている。
ある外国人女性がタイ料理のレストランで食事しようとしたところ、近くの席に監視の当局者が座った。何も注文せず、新聞の同じところをじっと見続ける当局者。女性が支払いをしようとしたところ、いずこともなく消えたという。
あるタクシー運転手は、ドリュー記者にこう言った。
「軍政は国連の言うことなんか聞かない。気にもかけていない。われわれは反撃しなければならない。爆弾が一発あれば……。やつらはどこかに逃げてしまう」
レジスタンスは続いていると、ドリュー記者は書いている。より目立たない形で、と。
パゴタをガイドした男性は、こう言ったそうだ。
「わたしたちのレディーのために、人びとが祈りを捧げている場所がここです」と。
「レディー」とはもちろん、スーチー女史のことだ。
ある画廊で、店の女性が裏から一枚の絵を取り出した。「9人の少年僧」という絵で、坊主頭の少年9人がライオンの像に取り付き、乗りかかろうとしている絵だ。
ライオンとは、ビルマの軍政のシンボルである……。
■ DVB(ビルマ民主の声)が10月24日に報じたところでは、軍政当局による「民主国民連盟(NLD)」のメンバーの逮捕・拘束が続いている。
イラワジ区だけで約30人がこれまで捕まえられた。
スーチー女史のNLDの活動を停止に追い込む狙いがあると見られる。
■ DVBが消息筋の話として24日に報じたところでは、映画監督のミン・ハティン・コ・コ・ギ氏と、作家のマウング・ヤン・パイング氏、さらに「週刊11」誌のレポーター、ウィン・コ・コ・ラット氏、「7日ジャーナル」誌のレポーター、ナイ・リング・オング氏の4人が釈放された。
4人は国際組織、「国境なきレポーター」が「懸念」の意を声明で明らかにしていた、11人のなかに含まれている。
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http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/10/23/AR2007102302302.html?hpid=topnews
Posted by 大沼安史 at 06:28 午後 | Permalink
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