〔NEWS〕 S・ハーシュ記者が深層レポート ブッシュ政権 対イラン攻撃計画を練り直し 革命防衛隊の殲滅に力点移す
米国の信頼すべき調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ記者は、米誌「ニューヨーカー」最新号で、ブッシュ政権の対イラン攻撃計画の現状をレポートした。
それによると、ホワイトハウスはこの夏、チェイニー副大統領の圧力で、統合参謀本部に対し、対イラン攻撃計画を練り直すように指示。
この結果、これまでのイラン核開発施設を目標としていた攻撃計画は、イランの革命防衛隊殲滅を狙ったものに切り替えられた。
テヘラン、その他の革命防衛隊の基地などを攻撃する。
攻撃計画を練り直した背景について、ハーシュ記者は、①ブッシュ政権のイラン核脅威キャンペーンが米国民を納得させるのに失敗した②ホワイトハウスも、イランが少なくとも5年間は核を持たないとの米核情報機関の共通認識にコミットしだした③イランがイラク戦争を通じ、地政学的な勝者として現れ始めている――の3つの点を指摘している。
イラク戦争の形勢を挽回するために、イラク国内シーア派に影響力を持つイランの中軸である革命防衛隊を叩く新戦略を描いたわけだ。
練り直された新たな攻撃計画は、ペンタゴンの首脳部で支持を集めている。
攻撃準備はすでに完了しており、ミサイルなどの照準プログラムも完了した。
攻撃は空爆に加え、米軍特殊部隊が侵攻し、革命防衛隊の基地などを壊滅する。
対イラン攻撃が核施設を中心とした全面攻撃から、革命防衛隊に的を絞った限定的なものに後退したことについて、イスラエル筋からは懸念の声が出ているそうだ。
情報筋によると、イランの革命防衛隊は宗教指導者に対し、アメリカの攻撃に立ち向かうことができると表明、アメリカの軍艦にペンキを塗ることさえ出来ていると自信のほどを表明した(ハーシュ記者によれば、湾岸のカタールでこの春、米艦に牛の目がスプレーで描かれる事件があった)。
政治学者のブレジンスキーも、イランがイラクやアフガニスタンで反撃を強化し、アメリカが「こんご20年間、地域戦争に巻き込まれる恐れがある」と警告している。
退役将軍はハーシュ記者に対し、「イランがイラクの国境を越えて攻撃」することがあれば、それが対イラン攻撃の口実(引き鉄)になるとの見方を明らかにした。
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http://www.newyorker.com/reporting/2007/10/08/071008fa_fact_hersh?printable=true
Posted by 大沼安史 at 09:22 午後 | Permalink