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2007-09-11

〔コラム 机の上の空〕 ブッシュ政権 「情報操作」攻勢 「9・11」背景に「イラク増派」成功キャンペーン(に失敗)

 イラク駐留米軍のペトレイアス司令官が9月10日、米連邦下院公聴会で証言、米軍の軍事目的はほとんど達成されているとして、来年の7月までに、ことし1月以降、イラクに増派された30000人に近い規模の米軍を撤退・削減できる、と語った。

 30000人近い兵士を帰還させることができますと、米軍の最高司令官であるブッシュ大統領に勧告する、というのである。

 ペトレイアス、そう語りき。
 そう、駐留軍司令官はたしかに「語った」。

 でも、ただ、それだけのこと。

 なのに、釣られて日本の新聞(たとえば、11日付け「朝日」夕刊)の1面にも、「イラク米軍3万人減 現地司令官議会に提言 来年夏までに」の4段見出しが踊り出た。

 米軍の増派効果が出て、イラク現地の混乱は収まっている。いよいよ撤退開始だ!……と期待を煽るような、ブッシュ政権も大喜びのヨイショ「提灯記事」ではある。

 アメリカ現地の報道ぶりは、とニューヨーク・タイムズの電子版をのぞいてみると、「ペトレイアス イラク早期撤退に警告」というそっけない見出し。

 「イラクの状況は依然として複雑、困難で、時に心底、不満を募らせるものだ」など、現地司令官の「本音」を覗かせる証言をちゃんと引用している。

 タイムズ紙は、「3万人削減」計画など、その場しのぎのカタリに過ぎないことを、ちゃんと見抜いているのである。

 「9・11」の前日に、まるで「イラク戦争」に「勝利」しているかのようなキャンペーンをせざると得ないブッシュ政権の手詰まりを、しっかり見透かしているのだ。

 イラク現地の実態はどうか?

 われらがパトリック・コバーン記者(英紙インディペンデント)のレポートを読むだけで、ペトレイアスの証言の虚しさがはっきり分かる。

 11日付けの同紙電子版のコバーン記者レポートの見出しにあるように、「米軍の“攻勢(サージ)”は流血のこう着状態の改善に失敗」しているのである。

 イラク内務省の「発表」によると、8月のイラク人の犠牲者(死者)はわずか「1011人」だが、同省筋が米紙に明らかにしたところによると、実際は「2890人」。

 コバーン記者は「歪曲するどころか誤ったイラク像を産み出すために、ホワイトハウスは数字と事実を操作している」と手厳しく批判している。

 そんなイラク軍現地司令官の「楽観レポート」と一緒にステップを踏んで、テロの親玉、「ビン・ラディン」のビデオなるものがまたも流れた。

 今夏2度目の登場。

 「ホンモノ」説が飛び交う中、付け髭をしている、との米情報筋の見方も紹介された。報じたのは、例によって、英紙インディペンデント。  

 「ホンモノ」だとしたら、病気(腎臓病)と老化で、付け髭をしなければならないほど、やつれているのだろう。

 ビデオでは例によって「9・11」の聖戦士の戦いぶりを称賛しているらしいが、「世紀の謀略」の「駒」に使われただけ、と知ったら、驚きのあまり、付け髭を落としてしまうに違いない。

 「ゾグビー・インターナショナル」の世論調査によると、「9・11」がらみで米国民の51%が、ブッシュ・チェイニーに対する調査を望んでおり、30%以上が即時弾劾を望んでいるそうだ。

 「9・11」が史上空前の陰謀ではないか、との疑惑はますます募るばかりだ。

 そんな折、米国の著名な神学者、デイビッド・レイ・グリフィン氏による、「9・11」疑惑のポントを総ざらいした本の邦訳がついに出版された。

 『9・11事件は謀略か』というタイトル(邦題)で、版元は拙訳の、パトリック・コバーン著『イラク占領』を出してくれた緑風出版。

 グリフィン氏はマニアックな一部の陰謀論者と違って、「9・11」をめぐるさまざまな疑惑をひとつひとつ検証し、それが新たな戦争を開始するための(米国民の怒りを結集、動員するための)「21世紀の真珠湾奇襲攻撃」に等しいものだと、冷静に分析している。

 原書は全米のマスコミが完全シカトするなか、10万部以上も売れ、隠れたベストセラーになっている。

 著者のグリフィン氏は高齢をおして各地の教会などで講演を続けており、そんな氏の地道な活動から、「9・11」をめぐる疑惑の波紋があちこちで生まれ、世論を動かすまでになっているらしい。

 「イラク戦争」がますます泥沼化し、ブッシュ政権への反発が強まれば、「9・11」の真相解明を求める世論の圧力もますます強まるだろう。

 ブッシュ政権が、一時逃れを重ねた挙句、最後に直面するもの――それはおそらく、「イラク撤退」という結末だけでないだろう。

 口を閉ざしていた証言者らが名乗り出て、「9・11」の真相が明かされる、驚天動地のフィナーレが、来る。   


http://comment.independent.co.uk/commentators/article2950301.ece

http://www.nytimes.com/2007/09/11/washington/11policy.html

http://www.asahi.com/international/update/0911/TKY200709110140.html 

http://www.911truth.org/article.php?story=20070906103632686

http://www.amazon.co.jp/9%E3%83%BB11%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AF%E8%AC%80%E7%95%A5%E3%81%8B%E2%80%95%E3%80%8C21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E6%B9%BE%E6%94%BB%E6%92%83%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E6%94%BF%E6%A8%A9-%E3%83%87%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3/dp/4846107132/ref=pd_bbs_sr_1/503-3783931-6223118?ie=UTF8&s=books&qid=1189519907&sr=8-1

Posted by 大沼安史 at 11:46 午後 3.コラム机の上の空 |

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