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2007-09-30

〔NEWS〕 「イランを空爆せよ」 ネオコンの「ゴッドファザー」 N・ポドレッツ ブッシュ大統領に申し入れ

  英紙タイムズ(電子版、9月30日付け)によると、米国のネオコンの指導的立場にあるノーマン・ポドレッツがブッシュ大統領に「イラン空爆」の意見具申を行った。

 ポドレッツ自ら、サンデー・タイムズとのインタビューで明らかにした。

 二人はこの春、ニューヨーク市内のホテルで密談した。

 ポドレッツによれば、ブッシュ大統領はそのとき、態度を保留したが、ポドレッツはいまなお、ブッシュはイランの核開発を見逃したまま、大統領執務室を去らない、と確信しているそうだ。

 「イラン攻撃」の恐れが、いよいよ高まって来た。要警戒である。 


http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article2558296.ece

Posted by 大沼安史 at 07:06 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米空軍 対イラン攻撃に備え、湾岸諸国、ヨルダンの空軍と合同訓練

 英紙テレグラフ(電子版、9月30日付け)が報じたところによると、米空軍は湾岸のアラブ首相国連邦に統一司令部を設け、湾岸諸国、ヨルダンの空軍と合同訓練を続けている、という。


http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/09/30/wiran130.xml

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〔コラム 机の上の空〕 ミャンマー 仏教の非暴力と軍事独裁の暴力 「サフラン革命」は、ひとりの兵がひとりの僧と連帯するとき、成就する

 英紙オブザーバー(電子版、9月30日付け)に、ミャンマー問題の専門家、エマ・ラーキンさんのコメントが掲載されていた。

 ラーキンさんは、『秘められた歴史―喫茶店でジョージ・オーウェルを探す』という本の著者で、ミャンマーに2年間滞在。現在はバンコクを拠点に活動している人だそうだ。

 そんな彼女のコメントを一読して、なるほどと思った。教わるものが多かった。

 そのふとつは、ミャンマーというところが、一方に2500年の仏教による「非暴力」の原則があり、他方、45年続いた「残虐な権力の支配」がある、対称的な国である、という指摘だ。

 僧の数、40万から50万人。兵士の数、約40万人。
 僧と兵は1対1のバランス。この点も、非常に対称的だ。

 さて、その「僧」のサイドが今回、動いたわけだが、こんどの僧の決起は、その一週間前まで「不可能」、ありえないと考えられていたものだったという。

 実際、「ありえないもの」が起きたのだけれど、「驚き」でもなんでもなかった。

 地下に潜って活動していた「全ミャンマー仏教僧連合」が、監視と弾圧をかいくぐってデモに打って出た。

 そういう素地があったからだ。

 ところで、その僧たちのデモは信仰上、「非暴力」なものにならざると得ない。

 とすると、現在の軍政を打倒する「力」は、「暴力」において非対称的で、「頭数」では対称的な「兵士」たちの中から生まれて来ざると得ない。

 僧に対する暴力的な弾圧は、兵士たちの中に、悪しき「業(カルマ)」を蓄積し、それに彼らが耐えられなくなったとき、「兵」は「僧」と合流するだろう。

 ラーキンさんの友人の僧は、「ミャンマーでは何でも起こる」と言ったそうだ。

 軍政の手先をさせられた兵士が反乱を起すという意味だそうだ。

 ひとりの兵士がひとりの僧と手をつなぐとき、ミャンマーは変わる。 


http://observer.guardian.co.uk/comment/story/0,,2180411,00.htmlhttp://observer.guardian.co.uk/comment/story/0,,2180411,00.html

Posted by 大沼安史 at 06:41 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (3)

2007-09-29

〔ジャック天野の目が点丼〕 長井健司氏の死を悼む 「ヤッパリ カエルワケニハイカナイ」

 畏友・ジャック天野氏より、久々に「便り」があった。ベトナムの旅から帰って来たばかりだそうだ。ベトナム麺の「フォー」も食べ飽き、好物の天丼をかき込みたくなって帰国したという。

 以下は氏の帰国第一報。例によって、怒り爆発のメールだが、後半は追悼の文になっていて、それがこれまでの便りと違うところだ。

             ○▲○ ⇒ ・▲・ ⇒ ×▲×

 おい、大沼、生きてるか? 

 お前のブログ、ベトナムでも見ていたぞ。お前が紹介していた、岸信介がCIAのエージェントだったって話、「週刊文春」が後追いしていたな。

 でも、どうして、日本の大マスコミは書かないんだ? 新聞やテレビは報じないんだ?

 岸信介のことを、さ。
 日本の戦後政治史の真実にふれる大問題だろうが……。

 ま、それはそれとして、今日はそれよりも、ヤンゴンでのあのザマは何なんだ、といいたい。

 そう、あのカメラマンの長井健司さんが撃たれて死んだことだよ。

 撃たれたこと自体は、もう取り返しはつかない。でも、その後の日本政府の対応はどうなんだ?

 現地の日本大使館は、長井さんの遺体を引き取りに行ったのか?

 ミャンマー政府に「こら。謝れ!」って抗議のひとつでもしたのか?
  

 今朝の新聞読んで、またまた「目が点」だぜ。

 「射殺した兵士の処分要請を検討」だとさ。開いた目が塞がらないぜ。

 兵隊の問題じゃないだろうが。命令したミャンマーの軍政トップの問題だろうが。

 そんな政府・外務省のアホなホザキを、1面に載せている大新聞の気が知れないぜ。

 そもそも、日本政府は、ミャンマー民衆弾圧の「共犯」じゃないのか? 軍政を支援して来たのは、日本の政府、日本の外務省だぜ。

 ミャンマーの民衆に「ごめんなさい」って謝らなくちゃならない。それが国際社会のスジって言うものだろう。

 岸信介はアメリカの言いなりになって、あの「南ベトナム」の軍事政権を「援助」をしたけど、それとこれと、どこが違うっていうんだ?

 いいか、大沼、お前に教えてやるけど、ミャンマーはな、CIAの麻薬ルートの拠点国なんだよ。アメリカが「軍政」をつぶさない理由はそこにある。

 日本だって戦時中、「ビルマの阿片」でうまい汁を吸っていた。
 だからだぜ、あの辻政信がビルマに身を隠すことができたのは……。

 そしていまも、アメリカの言うなりにミャンマー軍政を支え続けている。
 アメリカはな、「人権蹂躙」の手前、表に出れないんだよ。

 日本はな、インド洋で「給油」をさせられ、ミャンマーで「援助」をさせられているんだ。

 日本のマスコミは、そこを衝かなくちゃならない。
 長井さんの遺体を取り戻すこともできない背景を、きちんと報じなくちゃならない。

 大沼よ、おれはな、ベトナムに行って、「真人間」になって帰って来たぜ。

 ホーチミン市のベトナム戦争博物館を見てな、おれは呆然とした。
 「歴史の流れ」というものを、「歴史の方向」というものを、博物館のコーナーで実感したんだよ。

 日本人カメラマン、沢田教二さんの、クリークを泳いで逃げる母と子の写真が大きく引き伸ばされ飾ってあったぜ。

 べ平連がワシントン・ポスト紙に出した「殺すな!」の意見広告も展示されていた。
 先日亡くなった、小田実氏の著書もな。

 なあ、大沼、おれたち「70年世代」は、ベトナム戦争に反対したよな。デモも、したよな。

 あれって、無意味なことじゃなかったんだぜ。
 それを戦争博物館で確かめることができた。

 おれたちの小さな叫びは、ちゃんと届いていたんだ!

 でもなぁ、おれらより後の世代だが、長井ってカメラマン、いい根性してたよな。 

 至近距離で撃たれたってことは、現場を至近距離で「見てた」ってことだ。

 世界でいちばん、ミャンマーの「現場」に近いところへ、体を張って出ていたのが長井健司って日本人だ。

 凄いこと、してくれたじゃないか!

 ミャンマーの民衆は、このことを、忘れないと思うぜ。
 ベトナムの人びとが「SAWADA」を、「べ平連」を忘れないように。

 おれは敢えて言うぜ。長井ってカメラマンの、あのジャーナリスト魂は、日本人の「大和魂」だと。

 そう、それはあの『ビルマの竪琴』の、「水島上等兵」とどこか通じるものだ。

 長井カメラマンもヤンゴンの路上で、たぶん、なんどもしり込みしたはずだ。
 でも、それでも引き下がらなかった。

 「ヤッパリジブンハ カエルワケニハイカナイ」と。

 軍政の暴虐にビデオのファインダーを向けた長井カメラマンがいたおかげで、無様な「政府」を持つ、おれたち「日本人」全体が救われたことを忘れてはならない。
 

Posted by 大沼安史 at 09:58 午前 | | トラックバック (4)

〔NEWS〕 ミャンマーで死す 長井健司さん、「生前」の最後(?)の写真

 オスロに拠点を置く「民主ビルマの声」のサイトに、ヤンゴンでミャンマー軍兵士に射殺された日本人カメラマン、長井健司さんの,、現地で取材活動をする「生前」最後(?)の写真が掲載された。 

 ◆ なお、長井さんが至近距離から銃撃される模様は、同サイトの「ホーム」に戻り、左画面の、映像が縦に3つ並んでいる部分をクリックすると出てくる。

 〔追記〕 長井さんの受難のシーンを、英紙ガーディアンがサイトに転載した。         ⇒http://www.guardian.co.uk/news/video/2007/sep/28/japanese.journalist.shot

  
 

http://english.dvb.no/photo1.php

Posted by 大沼安史 at 08:24 午前 | | トラックバック (0)

2007-09-28

〔いんさいど世界〕 ヤンゴン発 ミャンマー「サフラン革命」を「市民レポーター」が全世界へネットで報道 

 軍事独裁国家、ミュンマーが僧侶、市民の決起で揺れています。

  日本人カメラマンの長井健司さんも首都ヤンゴンの路上で、治安部隊によって射殺されました。日本政府はいったい何をしているのでしょう。在京のミャンマー大使を呼びつけて、厳重に抗議すべきです。

 今回のヤンゴンでの反政府運動は、「サフラン革命」と呼ばれています。
 サフラン色……ミャンマーのお坊さんたちの僧衣の色です。黄色というかカレー色というか、あのサフラン色の市民革命。

 前回、1988年の市民の反乱のときは、軍部の武力鎮圧で3000人以上が殺されたといいます。今度はどんなことになるのでしょう。心配です。

 「1988年」の反乱から20年近く。ミャンマーの軍事独裁という事実は変わりませんが、時代は大きく変わりました。

 「軍事鎖国」に近いこの国にも「インターネット革命」の波が押し寄せ、閉ざされた体制に少しだけ罅割れが起きていることです。

 ミャンマーのインターネット人口(アドレス所有者)は25000人。ネット普及率は1%に満たない状況ですが、それでも今回の「サフラン革命」では世界中にネットで情報を発信し、国際世論の喚起に大きな役割を果たしました。

 ひとつは現地発の「ブログ」です。

 ヤンゴンに住む若い女性、「ドーン(英語で「夜明け」の意味)」さんは、ヤフー上のブログにこう書きました。

 「女優で歌手のフトゥン・アインドラ・ボが昨夜、逮捕された。コメディアンのザール・ガ・ナールと俳優のクヤウ・スと一緒に。デモに参加したことで捕まった」
 「ヤンゴンで最近降った雨は偽ものの雨である。軍が雨爆弾を投下したのだ」
 「このブログを書いていることで、わたしはたぶん捕まらないと思う。でも……どうなるかわからない」

 同じくヤンゴンの「ミャ」さんは、こうブログに書きました。

 「お坊さんがひとり、わたしたちのところへ来てこう言いました。『われわれは恐れていない。犯罪を犯しているわけではないから。祈りを捧げ、デモに参加しているだけだ……』」

 こんなブログが他にも5ヵ所ほどあるようです。
 ブログには「記事」だけでなく、血まみれのサンダルを写した「写真」も。

 アメリカのビデオ・サイト、YouTubeには、デモの現場を撮影した手振れでゆれる生々しい映像がポスティングされました。

 CNNテレビには、同放送の市民ジャーナリスト・プロジェクトの「ireport」システムを通じ、65本の記事や映像が集まったといいます。

 ビルマ語サイトと放送を持つ英BBCも、現地の市民にネットを通じ、レポートを寄せるよう呼びかけています。

 BBC、CNNもさることながら、インドのデリーに本拠を置く、亡命ミャンマー人ジャーナリストの団体、「ミジマ・ニュース」や、ノルウエーのオスロを拠点とした「ビルマ民主の声」、さらにはタイで発行されている雑誌「イラワジ」編集部といったミャンマー人の国外組織も、現地の市民レポーターの協力で、「ヤンゴン発」の情報を発信し続けています。

 情報を発信しているのは、ヤンゴンやマンダレーといった都市に住む匿名の個人。最初のころはインタネット・カフェからの発信もありましたが、ミャンマー軍政当局がネットのアクセスを遮断したことで、27日以降、流出する情報量は激減したそうですが、衛星電話を利用した発信、当局のブロックを「迂回」しての発信などで、ミャンマーの市民レポーターの報道はなお健在だそうです。

 パリに本部を置くジャーナリスト団体、「国境なきレポーター」によると、ミャンマー軍政は中国政府よりも取り締まりが厳しい、悪名高きインターネット警察を持っていて、「ネット報道管制」を強化していたそうですが、今回の「サフラン革命」では市民レポーターたちが「壁」を突き破って、「真実」を世界に告げました。

 「イラワジ」誌の編集人、アング・ザウさんはこう語っているそうです。「彼らが情報を抑圧すれはするほど、情報は外に出て来る」と。

 ミャンマー現地で奮闘する「市民レポーター」たちに声援を送りたいと思います。 

Posted by 大沼安史 at 10:42 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2007-09-27

〔イラクから〕 希望のハーモニー イラク国立交響楽団 

 イラク戦争の最中にあって、「イラク国立交響楽団」が演奏活動をなお、継続しているという。

 ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版、9月23日付け)のバグダッド特派員が、「イラク・フィル」の苦闘ぶりを報じているので、紹介しよう。

 「イラク・フィル」が練習を続けているのは、バグダッド市内中心部にある「バレエ音楽院」のスタジオ。

 そこに毎週、火曜日と土曜日に楽団員が集まり、公演(そう、その通り!、楽団は公演活動も続けている!!)のリハーサルを続けている。

 音楽監督のカリム・ワスフィさんは4ヵ月、某所に身を隠したあと、ようやくリハーサルに復帰した。イスラム過激派に命を狙われているからだ。

 迫害を恐れ、団員25人が国外に脱出、その穴を若者たちが埋めているという。

 いま、第1オーボエ奏者を務めるのは、14歳のドゥーア・ムーサさんだ。

 ドゥーアさんが奏でるオーボエは、ロサンゼルスのミュージシャン(男子高校生〔17歳〕)がモールで演奏会を開くなどして稼いだ金でプレゼントしてくれたものだ。

 ピアノを弾くのは、これも音楽院学生の、スハール・スルタンさん(16歳)。イラク戦争開戦の頃、両親を亡くした。

 「音楽をやっていて、わたしたちは幸運です。悲しいときも、幸せなときも、音楽を通して自分を表現できるから」と、彼女は語る。

 いま、練習しているのは、1965年に当時の東ドイツの作曲家が、「イラク・フィル」のために書き上げた「わたしも守るものをなく」という作品。イラクの伝統音楽を採り入れたものだ。

 その公演は2週間後(10月半ば)に予定されている。

 練習の模様を、タイムズ紙の特派員(サム・エンリケス記者)は、こんな風に書いていた。
 指揮者のエザートさんがタクトを挙げたとき、その瞬間、「驚くべきことが起きた」と。

 「驚くべきこと」とは、「サイレンス(静けさ)」。
 爆発、轟音、銃声、叫びのバグダッドでは、サイレンスは貴重なレアものであるのだ。

 イラク・フィルが演奏を始めようとする、その瞬間に生まれたサイレンスとは、音楽を成立させる素地であり、それによって「交響」が初めて可能となる、静けさの舞台とでも呼べるものだろう。  
 サイレンス、それは交響を実現する平和。

 武満徹さんが生きていてこの話を聞いたら、イラク・フィルのため、きっと作品を書くだろうな、と思った。


http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-music23sep23,1,6473471.story

Posted by 大沼安史 at 10:05 午後 | | トラックバック (0)

2007-09-25

〔コラム 机の上の空〕 風立ちぬ 回れ、平和の風車

 九月もそろそろ、終わり。秋風が、高原から平野に舞い降りて来ました。
 静かな秋、祈りの秋。

 秋風に運ばれ、アメリカから、うれしい「便り」が……。

 「平和の風車(かざぐるま)」を回す運動が広がっているというニュースです。

 Pinwheels for Peace。平和のための風車。
 平和を願う人びと、手づくりの風車が、9月21日の「国際平和デー」に、アメリカを中心に全世界2500ヵ所で回ったそうです。

 ジョージア州のゲインズヴィル中学校では第6~8学年の全員が、「マイ・平和の風車」を校庭に植え込んだそうです。

 いろんな色、いろんなデザインの風車が、クルクルと回り続けたそうです。
 「戦争」よ、「破壊」よ、風とともに去れ、と。

 地元紙によると、風車の羽根には子どもたちの願いが書き込まれたそうです。
 「イマジン(想像しなさい)……回る平和を!」とか「毎日が平和でありますように」とか。

 フロリダのある田舎町では、2つの小学校で270個の風車が回ったそうです。
 「脅かさないで」「わたしのオモチャで遊んでね」――
 風車に書き込んだ、そんな1年生たちの「お願い」が、地元紙に紹介されていました。 

 こんな「平和の風車」運動が広がっているなんて、知りませんでした。
 フロリダ州のココナッツ・クリークという町から広がったもので、ことしで3年目だそうです。

 呼びかけ人は、ココナッツ・クリークの美術教諭の、アン・エイヤーズさんとエレン・マクミランさん。
 彼女たちが始めた「平和の風車」プロジェクトはまさに、風に乗る勢いで北米各地、全世界に拡大し、ネット上に運動のサイトができるほどになりました。

 サイトの「ギャラリー」には、写真がいっぱい載っていて、まるで「風車写真博物館」といった感じです。

 眠る赤ちゃんを見守る風車があれば、お店の正面に立てた特大の風車もあります。

 そのサイトに、アンとエレンさんのメッセージが載っています。彼女たちはなぜ、平和の風車プロジェクトを始めたのか?

 それは、子どもたちが、テレビやビデオゲームで、戦争を重要視する映像の猛爆を受けている、という危機意識に駆り立てられたから、ということだそうです。

 「子ども期のシンボル」の「風車」で、いまや子どもたちの生活の一部と化した「暴力」を鎮めようと、運動を思い立ったそうです。

 しかし、「政治的な運動ではない」と彼女たちは断っています。それはあくまでも、シンプルで楽しくて、しかも平和な時間を思い出させるものであり、あとは風と創造力(想像力)があればいい、それだけで「何か」が回り始めるものであると。

 平和を求める心の中心には、素朴な願いがあればいい、そこから全てが回り出すのだ、と彼女たちは言おうとしているようです。

 「風車」は日本の秋の風物詩でもあります。
 アンさんとエレンさんの呼びかけに応え、日本の学校でも、子どもたち手づくりの「平和の風車」が回り始める日が来るといいですね。 

 回れ、平和の風車。「戦争」も「いじめ」も、どこかに飛んで行け!!! 


 http://www.pinwheelsforpeace.com

Posted by 大沼安史 at 06:21 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2007-09-14

〔イラクから〕「バグダッドの壁」で抗議行動 数百人 「壁」の撤去を求める

 英BBC放送(電子版)が9月12日に報じたところによると、バグダッド市内のスンニ、シーア派居住区域を隔てる「壁」で11日、数百人の市民たちが「壁」の撤去を求めて抗議行動を行った。

 BBC電子版の記事には、「壁」の上で気勢をあげる人びとや、壁の下で大きな「イラク国旗」を広げる市民を写した現場写真が添えられている。

 この、「壁」の撤去を求める市民の声は、現場に持ち込まれた「イラク国旗」が示すように、宗派を超えた「イラク・ナショナリズム」の「健在」ぶりを物語るもので、今後の広がりが注目される。

 デモ・集会が行われたのは、シューラ区とガザリーヤ区を分ける「壁」の周辺。
 集まったスンニ、シーア派の住民たちは、イラク政府が宗派対立を煽っていると抗議の声を挙げた。 


http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6991448.stm

Posted by 大沼安史 at 04:36 午後 | | トラックバック (0)

2007-09-13

〔NEWS〕 安部首相陣辞任 英BBC放送が問うWHY?

 安部首相はなぜ、政権を投げ出したか?

 日本のマスコミは政界とあれだけベッタリしているにもかかわらず、「答え」を示していない。読者も視聴者も、何がなんだか「羅生門」状態である。

 そんな中、英BBC放送(電子版)が簡潔な解説記事を載せ、辞任の謎解きに挑戦した。

 それを読んで、なるほど思った。

 BBCによると、考えられる理由は3つ。

 安部首相の盟友(コリーグ)の間で、安部はもう邪魔だ、という見方が広がったのではないか、ということが一つ。
 
 二番目は、病気説だが、オーストラリアではピンピンしていたではないか、とBBCは疑問を投げかける。

 三つ目の「真打ち」は、とんでもない「スキャンダル」が発覚寸前となり、慌てて逃げを打ったという見方だ。

 日本の週刊誌が追及しているという「相続税脱税疑惑」は、これなのか?

 「脱税」となると、出所は「財務省」の可能性が強い。

 本間阪大教授のスキャンダル暴露のときと同様、日本の「官庁の中の官庁」が、「官の支配」死守のため牙をむいたのかも知れない。

 日本のマスコミの真相究明に期待する。


http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/6991545.stm

Posted by 大沼安史 at 08:48 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「麻生首相」で「日本売り」続く フィナンシャル・タイムズ紙がコラムで予想

 世界的に権威ある経済紙、フィナンシャル・タイムズ紙は9月12日付け(電子版)のLEXコラムで、①安部首相の後継に麻生氏が選ばれれば、日本は「小泉以前」に戻る②世界の投資家の「日本売り」は当面続くだろう――との予想を明らかにした。


http://www.ft.com/cms/s/1/a8e4d5ca-610b-11dc-bf25-0000779fd2ac.html 

Posted by 大沼安史 at 08:30 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 「荒野の7人」の2人、バグダッドに死す

 英紙ガーディアン(電子版)が9月13日に報じたところによると、ニューヨーク・タイムズ紙に連名で告発の寄稿(本グログ既報)を行った駐イラク米軍(陸軍)の下級兵士7人のうちの2人が、12日、バグダッドで、乗っていたトラックの横転事故で死亡した。

 オマール・モラ軍曹(28歳)とヤンス・ゲイ曹長(26歳)の2人。

 7人の寄稿は軍規違反の恐れがあり、軍当局の出方が注目される矢先の出来事だった。


http://www.guardian.co.uk/usa/story/0,,2167859,00.html
 

Posted by 大沼安史 at 08:19 午後 | | トラックバック (0)

2007-09-12

〔コラム 机の上の空〕 「戦後レジーム」の黄昏 安部首相の辞任

 「9・12」の夕方、散歩に出て西空を飽かず眺めた。斜陽・日本の、見事な日没の絵巻だった。水平に、いくつもの薄雲の層が重なり合い、しだいに深紅に染まりながら、黒い闇の中に溶けて行った。

 「美しい国」の日の入り。
 散歩の帰り、居酒屋に寄ると、テレビの解説者たちが「安部首相、突然の辞任」について、声高に話していた。

 安部氏の「無責任」を非難する人がいた。首相の器ではなかったと指摘する人もいた。
 個人の気質、資質を問題にする意見が多かった。

 美しい夕焼けを見てしまったわたしは、安部首相の辞意表明で、「歴史が暮れた」と思った。安部氏の言葉で言えば「戦後レジーム」が、いよいよ黄昏を迎えたのだ。

 安部氏という戦後生まれの史上最年少の首相であっても、つるべ落としの勢いには勝てなかった。地球の向こうの闇の中に、一気に落下していく「日の丸」を、止めることができなかった。

 安部氏は「日本帝国」を日の出の勢いで「大東亜」に押し出した岸信介の孫だった。敗戦を生き延びた「祖父の国」は、三代目で行き詰った。

 安部氏がどんなに有能でも、初めから無理なことだった。
 日没の時は、変えることはできないのだ。

 これは安部氏でなくとも、「日の丸」のコースを定め、そこに乗りかかっていた戦後日本の権力をほしいままにしてきた支配層の人間なら誰でも、そうである。

 彼らこそ、落日そのものであったのだから……。

 「年金」問題で地獄の釜の蓋が開いた。「官の支配」の真実が覗いた。
 「国民」の暮らしなど、ほんとうはどうでもいい、かつて国民を戦争に動員した「1940年体制」のゾンビが尻尾を見せた。
 「国民」は、もはやこの国に平安な余生がないことを知った。

 「財政」も破綻した。「官」に食いつぶされた国家財政は、もはや死の宣告を待つばかり。借金地獄のさなかにあって、「政策」どころのさわぎでなくなっていた。

 財源がないから、まともな「政治」ができなくなっていた。
 生活保護を取り上げ、餓死に追いやる自治体が出た。介護地獄は介護する老人を親殺しに導いた。

 「教育」も「再生」しなかった。「ゆとり」退治に狂奔し、「学テ」ではカンニングする教委まで現れた。

 「経済」も行き詰った。「いざなぎ超え」のはずの景気は上げ底景気で、GNPはついに失速、またも縮み始めた。

 要は、この国から、すでに「内政」は失われていたのである。

 「外交」ではどうか? 

 「国連常任理事国入り」の「花火大会」が、撃ちてし止まんで終わったあとは、「対米従属」の海を漂流するだけ。
 
 「世界」が見放したブッシュ政権のサポーターになることが「国際貢献」だと思い込み、「拉致」問題では頼みのブッシュにも突き放されてしまった。

 そしてあの「慰安婦」問題での体たらく。

 「対外援助」も先細りで、国際社会における存在感はますます影の薄いものになって来た。

 「世界経済」に対しても、爆発寸前の巨大赤色(?)矮星のように、「格安マネー(円)」を「大放出」し、世界中にバブルをつくって、民衆の恨みを買った。 

 一言で言えば、安部首相の「美しい国」は、国の内外において空洞化が救いがたいほど進んでいたのである。

 それが破局の一点に向かって、一気に進み出したのが、今の日本の姿だろう。

 その意味で、安部首相の今回の辞任表明は、戦後の歴史の「臨界点」だったかも知れない。体制崩壊の負の連鎖反応が一挙に拡大し、「美しい国」の日暮れを赤く染め上げたのだ。  

 わたしは、居酒屋でひとり飲みながら、「暮れてよかった」と思った。

 軽い酔いの中で、自ら潔く、「美しい国」の幕を引いた安部氏を称賛したい気にもなった。 
 
  
 歴史が夜つくられるのであれば、「9・12」の日本の夜は、歴史の初夜ということになる。

 暮れた日はまた昇る……いや昇らなければならない。

 しかし、昇るのは、古い日の丸か、新しい日の丸か……

 居酒屋を出て見上げた横浜の空はどんよりとして重く、半そでシャツの身に夜風がすこし肌寒かった。

 

Posted by 大沼安史 at 09:25 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2007-09-11

〔コラム 机の上の空〕 ブッシュ政権 「情報操作」攻勢 「9・11」背景に「イラク増派」成功キャンペーン(に失敗)

 イラク駐留米軍のペトレイアス司令官が9月10日、米連邦下院公聴会で証言、米軍の軍事目的はほとんど達成されているとして、来年の7月までに、ことし1月以降、イラクに増派された30000人に近い規模の米軍を撤退・削減できる、と語った。

 30000人近い兵士を帰還させることができますと、米軍の最高司令官であるブッシュ大統領に勧告する、というのである。

 ペトレイアス、そう語りき。
 そう、駐留軍司令官はたしかに「語った」。

 でも、ただ、それだけのこと。

 なのに、釣られて日本の新聞(たとえば、11日付け「朝日」夕刊)の1面にも、「イラク米軍3万人減 現地司令官議会に提言 来年夏までに」の4段見出しが踊り出た。

 米軍の増派効果が出て、イラク現地の混乱は収まっている。いよいよ撤退開始だ!……と期待を煽るような、ブッシュ政権も大喜びのヨイショ「提灯記事」ではある。

 アメリカ現地の報道ぶりは、とニューヨーク・タイムズの電子版をのぞいてみると、「ペトレイアス イラク早期撤退に警告」というそっけない見出し。

 「イラクの状況は依然として複雑、困難で、時に心底、不満を募らせるものだ」など、現地司令官の「本音」を覗かせる証言をちゃんと引用している。

 タイムズ紙は、「3万人削減」計画など、その場しのぎのカタリに過ぎないことを、ちゃんと見抜いているのである。

 「9・11」の前日に、まるで「イラク戦争」に「勝利」しているかのようなキャンペーンをせざると得ないブッシュ政権の手詰まりを、しっかり見透かしているのだ。

 イラク現地の実態はどうか?

 われらがパトリック・コバーン記者(英紙インディペンデント)のレポートを読むだけで、ペトレイアスの証言の虚しさがはっきり分かる。

 11日付けの同紙電子版のコバーン記者レポートの見出しにあるように、「米軍の“攻勢(サージ)”は流血のこう着状態の改善に失敗」しているのである。

 イラク内務省の「発表」によると、8月のイラク人の犠牲者(死者)はわずか「1011人」だが、同省筋が米紙に明らかにしたところによると、実際は「2890人」。

 コバーン記者は「歪曲するどころか誤ったイラク像を産み出すために、ホワイトハウスは数字と事実を操作している」と手厳しく批判している。

 そんなイラク軍現地司令官の「楽観レポート」と一緒にステップを踏んで、テロの親玉、「ビン・ラディン」のビデオなるものがまたも流れた。

 今夏2度目の登場。

 「ホンモノ」説が飛び交う中、付け髭をしている、との米情報筋の見方も紹介された。報じたのは、例によって、英紙インディペンデント。  

 「ホンモノ」だとしたら、病気(腎臓病)と老化で、付け髭をしなければならないほど、やつれているのだろう。

 ビデオでは例によって「9・11」の聖戦士の戦いぶりを称賛しているらしいが、「世紀の謀略」の「駒」に使われただけ、と知ったら、驚きのあまり、付け髭を落としてしまうに違いない。

 「ゾグビー・インターナショナル」の世論調査によると、「9・11」がらみで米国民の51%が、ブッシュ・チェイニーに対する調査を望んでおり、30%以上が即時弾劾を望んでいるそうだ。

 「9・11」が史上空前の陰謀ではないか、との疑惑はますます募るばかりだ。

 そんな折、米国の著名な神学者、デイビッド・レイ・グリフィン氏による、「9・11」疑惑のポントを総ざらいした本の邦訳がついに出版された。

 『9・11事件は謀略か』というタイトル(邦題)で、版元は拙訳の、パトリック・コバーン著『イラク占領』を出してくれた緑風出版。

 グリフィン氏はマニアックな一部の陰謀論者と違って、「9・11」をめぐるさまざまな疑惑をひとつひとつ検証し、それが新たな戦争を開始するための(米国民の怒りを結集、動員するための)「21世紀の真珠湾奇襲攻撃」に等しいものだと、冷静に分析している。

 原書は全米のマスコミが完全シカトするなか、10万部以上も売れ、隠れたベストセラーになっている。

 著者のグリフィン氏は高齢をおして各地の教会などで講演を続けており、そんな氏の地道な活動から、「9・11」をめぐる疑惑の波紋があちこちで生まれ、世論を動かすまでになっているらしい。

 「イラク戦争」がますます泥沼化し、ブッシュ政権への反発が強まれば、「9・11」の真相解明を求める世論の圧力もますます強まるだろう。

 ブッシュ政権が、一時逃れを重ねた挙句、最後に直面するもの――それはおそらく、「イラク撤退」という結末だけでないだろう。

 口を閉ざしていた証言者らが名乗り出て、「9・11」の真相が明かされる、驚天動地のフィナーレが、来る。   


http://comment.independent.co.uk/commentators/article2950301.ece

http://www.nytimes.com/2007/09/11/washington/11policy.html

http://www.asahi.com/international/update/0911/TKY200709110140.html 

http://www.911truth.org/article.php?story=20070906103632686

http://www.amazon.co.jp/9%E3%83%BB11%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AF%E8%AC%80%E7%95%A5%E3%81%8B%E2%80%95%E3%80%8C21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E6%B9%BE%E6%94%BB%E6%92%83%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E6%94%BF%E6%A8%A9-%E3%83%87%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3/dp/4846107132/ref=pd_bbs_sr_1/503-3783931-6223118?ie=UTF8&s=books&qid=1189519907&sr=8-1

Posted by 大沼安史 at 11:46 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2007-09-10

〔コラム 机の上の空〕 ワシントンのシュールリアリズム 米兵7人 バグダッドからニューヨーク・タイムズに寄稿

 イラクから眺めると、ワシントンでの政策議論は超現実(シュールリアル)なものにしか見えない――バグダッドに駐留する米陸軍の下級兵士たちが、こんな内容の告発文を連名でニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した。〔8月19日付け〕

 第82空挺師団のウェズリー・スミス軍曹やヤンス・グレイ曹長ら7人が、全員実名で告発した。

 イラク戦争が抑え込み可能であるかのようなニュース報道に抗議し、戦地の実情を兵士の目で報告したものだ。

 「数日前の夜」、こんなことがあったという。

 彼らは米兵1人が死亡し、2人が負傷する場面に遭遇した。(安全なはずの)イラク政府軍検問所と警察の検問所の間で、車両の装甲を貫通する爆弾が炸裂したそうだ。

 周辺のイラク住民の話ではイラクの警察官と政府軍の将校が爆弾の敷設を手引きしていたという。住民たちが事前に通報しなかったのは、知らせれば家族皆殺しに遭うからだ……。

 警察と政府軍といえば、米軍の味方のはずである。結局のところわれわれは、そんな疑わしい「盟友」と、断固たる敵(武装抵抗勢力)の中で作戦行動を余儀なくされている――7人はイラクの実情を指摘する。

 敵と味方の区別もなく、味方が敵であるイラクの戦場。
 味方(政府軍・警察)は米軍の盟友であることを前提とするワシントンの議論が、現実とは無縁のシュールなものにならざるを得ないのは当然のことである。

 7人はバグダッドの米軍が置かれた苦境を説明する一方、「日常生活を営むことが死を恐れぬ行為となっている」一般のイラク人の窮状にも触れている。

 そして彼らは結論として次のように語る。
 われわれ米軍の駐留は、イラクの人びとは独裁者から解放されたかも知れないが、イラク人の自尊心をも奪っていることは確かだ、と。

 イラク駐留米軍には、このように語る兵士たちがいる(そして、その寄稿を掲載する新聞がある)!

 これは実に勇気付けられる話である。

 不条理がまかりとおる戦場にあって正気を守り通し、真実を訴えかける兵士たちがいるのだ。
 新聞に寄稿するガッツのある連中がいるのだ。

 米軍兵士よ、立ち上がれ! 
 立ち上がって、ワシントンの狂気に抵抗せよ!
 戦闘を中止して、撤退を開始せよ!  

 7人の兵士は自分たちを「コミットする(責任を持って対処する)兵士」であると書いていた。

 米軍当局は彼らを軍規違反に問うてはならない。
 
 彼らこそ、正義を守る「荒野の7人(Magnificient 7)」である。
 
 

Posted by 大沼安史 at 01:29 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2007-09-07

〔イラクから〕 占領米軍 イラク戦争最多の16万8000人に

 豪紙ヘラルド・サン(電子版)が9月7日に報じたところによると、米国防総省当局者はイラク駐留米軍が史上最多の16万8000人に達していることを明らかにした。

 ブッシュ大統領はAPECS会議のため、オーストラリアの向かう途中、イラクに立ち寄り、「削減」を口にしたが、在イラク米軍がイラク戦争開始後、いつの間にか最多レベルに達していることは明らかにしていなかった。

 増強を重ねてもレジスタンスに遭い続ける米軍。

 袋小路を脱却する道は限られている。

〔大沼・注〕
 たとえばいま、安部首相がかりに、アメリカに対して①米軍の早期撤退②イラン攻撃の中止③石油の安定的な管理――を呼びかけたら、世界の運命は変わるだろう。

 アメリカはイラク・イランの石油資源確保の意図をあからさまにしているが(そしてその証拠が、今回明らかになった168000人と言う数字だが)、ブッシュのクソ頭に冷や水をかぶせるのは、同盟国=日本の義務である。

 安部首相よ、それこそが「集団的安全保障」、というものではないか?


http://www.news.com.au/heraldsun/story/0,21985,22377964-5005961,00.html

Posted by 大沼安史 at 10:39 午後 | | トラックバック (0)

2007-09-05

〔イラクから〕 スンニ派、シーア派 フィンランドで秘密和平交渉

 英紙ガーディアン(電子版)が9月4日に報じたところによると、イラクのスンニ、シーア両派の代表団が北欧のフィンランドで4日間にわたる秘密交渉を行い、12項目の和平案で合意した。

 交渉はアメリカのマサチューセッツ大学マコーミック政策研究大学院が主催したもので、前フィンランド大統領のアーティザリ氏が組織した。

 交渉は北アイルランドの宗教紛争を解決した経験をもとに、両派の宗派対立を乗り越えようというもので、北アイルランドのカトリック、プロテスタントの代表もオブザーバー出席した。

 交渉の席にはまた、アパルトヘイトを乗り越えた南アフリカの代表も参加したという。

 合意した12項目の和平案は、①交渉中の武器使用の禁止②外国の干渉排除③人権の擁護、などを基本原則として掲げている。

 〔大沼・注〕

 スンニ・シーア両派の提携、共闘は、アメリカの「イラク占領」を終結させる上で、最も重要な問題で、その成否が「イラク和平」実現の鍵を握っている。

 それだけに、今回の和平交渉の主催者には敬意を表したい。

 しかし、それにしても、この種のイニシアチブを、日本はどうしてとれないものか?

 スンニ、シーア派の代表がたとえば、蔵王の森の中で温泉に浸かりながら、裸の付き合いをして相互の信頼関係を再構築する。

 主宰するのは、日本の誇るアラビスト、伊達・白石藩、片倉小十郎の末裔、元イラク大使、片倉邦雄氏……。

 勝手な夢なのか、これは???

 イラク問題での日本の国際貢献は、教育改革同様、フィンランド方式をモデルにすべきである。 


http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,2162037,00.html 

Posted by 大沼安史 at 09:48 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 中国人民解放軍ハッカー集団 「大雨男」 イギリス政府機関にも侵入

 英紙ガーディアン(電子版)が9月5日、報じたところにょると、中国の人民解放軍のハッカー集団、通称「大雨男(タイタン・レイン)」と見られるグループが、英国の、外務省その他、主要政府機関に対する「攻撃」を続けている、と報じた。

 英国では昨年、議会・下院のコンピューターがダウンし、当初、ハッカーの個人的な犯行とみられていたが、その後、中国の「組織ハッカー集団」によるものと判明したという。

 中国人民解放軍の「サイバー戦士」による攻撃は、ドイツ政府機関などでも明るみ出ているが、英国の専門家は、中国軍部が中国共産党大会の開催を前に、自らの力を誇示しているのではないか、との見方を示している。
 


http://www.guardian.co.uk/technology/2007/sep/04/news.internet

Posted by 大沼安史 at 08:52 午後 | | トラックバック (0)

2007-09-04

〔NEWS〕 中国人民解放軍ハッカー 米国防総省のコンピューター・ネットワークに侵入 ゲイツ国防長官のPCも被害に? FT紙が報道

 世界的な権威ある経済紙、フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)は9月3日、米国防総省のコンピュター・ネットワークに6月、ハッカーが侵入したと報じた。

 ゲイツ国防長官のPCを含むネットワークへの侵入で、ペンタゴンがこれまで受けた中では「最も成功した」サイバー攻撃だったという。

 ハッカーがどれだけ機密情報を入手したか、分かっていない。

 FT紙に対しアメリカの関係筋は、中国の人民解放軍が攻撃の発信源である可能性が極めて高いを述べた。

 FT紙は記事の見出しに「中国軍 ペンタゴンに侵入」と明記している。


http://www.ft.com/cms/s/0/9dba9ba2-5a3b-11dc-9bcd-0000779fd2ac.html

Posted by 大沼安史 at 02:45 午後 | | トラックバック (0)

2007-09-03

〔いんさいど世界〕 「大雨男」が進化して攻撃開始? 中国人民解放軍ハッカー ドイツ政府機関コンピューターに侵入 スパイウエアを仕込ンで データ奪取を企てる 

 中国の人民解放軍に所属するとみられるハッカー・グループがドイツの政府機関コンピューターにスパイ・ウエアを仕込み、データの奪取を企てていたことが、ドイツ誌「シュピーゲル」の報道で明るみに出ました。

 ベルリンの中国大使館は当初、「でっちあげ」だと事実を否定していましたが、温家宝首相はこのほど北京を訪問したメルケル首相に対し、「根絶」を約束、中国軍が「サイバー攻撃」を仕掛けたことが確認されました。

 中国軍ハッカーが行っていたのは、ネットを通じた「経済スパイ」攻撃で、水面下で進む「サイバー戦争」の実態をのぞかせた形です。

 ドイツの権威ある週刊誌、「シュピーゲル」がオンラインの電子版でこの問題をスクープ報道したのは、メルケル首相の訪中直前の8月25日のことでした。

 「中国の〈トロイの木馬〉スパイ・ウエアが首相府のパソコンに」という見出しの、すっぱ抜き報道。
 ドイツ国内はもちろん、全世界に衝撃波を広げました。

 それによりますと、スパイ・ウエアを仕込まれていたのは、ベルリンの首相府ばかりか、ドイツ政府の経済、研究、外務の各省の多数のコンピューター。
 これを、連邦憲法擁護庁と連邦情報テクノロジー安全局が確認したということです。

 仕込まれた「トロイの木馬」スパイ・ウエアは、コンピューター内のデータをこっそり盗み出すもので、連邦憲法擁護庁などは160ギガ・バイト分の情報流出を阻止したそうです。

 しかし、これはあくまで「阻止」に成功した分であり、実際それまで、どれだけの情報が奪取されていたかは不明。

 具体的にどんな「情報」が狙われたかについても明らかにされていません。

 問題は誰が「トロイの木馬」を仕込んだか、ですが、憲法擁護庁などの調べて、中国の人民解放軍に属するハッカーによる仕業と分かりました。

 「シュピーゲル」誌の続報(電子版、8月26日付け)によれば、ハッカー攻撃の発信源は、中国の広東、蘭州、北京の3ヵ所だそうです。

 このうち、蘭州は中国の核・宇宙開発の拠点で、この最先端のハイテク研究拠点からハッカー攻撃が行われたことは記憶にとどめてよいことかも知れません。

 では、中国軍の「赤いハッカー」たちが何をねらったかというと、ドイツ政府の「経済情報」ではないか、と見られています。
 
 でも、実は中国の赤いハッカーたちには米軍の軍事研究施設にサーバー攻撃を加えたとみられる「前科」があり、もしかしたら経済情報ばかりか軍事情報などを奪取しようとしていたのかも知れません(「シュピーゲル」も、ここまでは踏み込んでいません)。

 中国のハッカーによる米軍研究施設攻撃は、いまから2年前、2005年11月に明るみに出ました。
 当時の「シュピーゲル」誌の報道によると、アリゾナ州のフォート・フアチュカにある米陸軍情報システム・エンジニアリング司令部など数施設に対し、およそ20の中国ハッカー・グループによって、サイバー攻撃が仕掛けられました。

 米軍はこのハッカー・グループを「タイタン・レイン(大雨男)」と名づけ、監視活動を強めていますが、2004年の1年間に1300件の「低リスク」の「侵入」に成功しただけで撃退された経緯があります。

 今回、ドイツで発覚したコンピューター侵入事件の犯行グループは、もしかしたらこの「大雨男」の仕業かもしれません。2年前よりもさらに進化を遂げ、攻撃を続行しているのでしょうか。

 「シュピーゲル」誌の報道によれば、中国ハッカーによる対ドイツ政府機関攻撃をドイツ当局が察知したのは、ことし5月だそうですが、実はドイツの民間企業――とくに電子産業のハイテク企業に対しても、同時にスパイウエアによるデータ奪取攻撃が行われており、これまた見逃せない事態になっているといいます。

 同誌によれが、民間企業への中国のハッカー攻撃は、スパイ・ウエア攻撃全体の6割を占めているといいますから、ただ事ではありません。

 中国政府は訪日したメルケル首相に対し、温首相が早速「根絶」を約束する潔い態度を見せました。
 ベルリンの中国大使館が「事実無根のでっちあげ」と全面否定していただけに、この温首相の率直さは、全世界から驚きをもって迎え入れられています。

 メルケル首相は北京から東京に立ち寄り、安部首相と会談しましたが、日本政府やハイテク企業は中国軍ハッカーたちの攻撃に、まったく曝されていないのでしょうか?

 なんだか心配です。

 日本のお役所のコンピューターは、実は「大雨男」に荒らされまくっていて、機密・特許情報がどんどん流出している……なんてことで、なければよいのですが、「霞ヶ関」の体たらくを見るにつけ、不安でなりません。


http://www.spiegel.de/ 

Posted by 大沼安史 at 06:41 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2007-09-02

〔コラム 机の上の空〕 戦争の意味を問う一枚の写真 「海兵の結婚」 花嫁の視線の先にあるもの

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)に、イラク戦争で負傷した米兵の「写真集」が掲載されている。
 ニューヨークの女性写真家、ニナ・バーマンさんが撮影したものだ。

 11枚の「スライド・ショー」。

 6枚目の写真を見て、息をのんだ。

 結婚式の記念写真。新郎と新婦、ふたりきりの。

 写真のタイトルは「海兵(マリーン)のウェディング」。

 写真右手に立つ新郎は、ティ・ジーゲルさん(24歳)。左手の新婦は新婦のレニー・クリネさん(21歳)。

 昨年、アメリカ中西部の田舎で撮影されたものだ。

 軍服姿の新郎の左の胸には勲章がいくつか。
 どれがどれだか見分けはつかないが、そのうちのひとつが戦傷者に贈られる「パープル・ハート」勲章だという。

 海兵隊員だった新郎は2年前、イラクの戦地にいた。自爆攻撃で乗っていたトラックが炎上し、顔面を含む頭部を焼かれた。

 テキサスの病院に運ばれ、整形手術を十九回、受けた。
 頭蓋骨はプラスチック製に代わり、顔面から「目鼻立ち」と「表情」が消えた。

 その新郎のそばにたたずむ新婦の「表情」に微笑みはない。

 口を結んだまま、大きく目を見開いて、左前方へ視線を向けている。

 怖いものを見たような彼女の視線は、写真を観る者の前を過ぎり、かすかに上昇しながら一直線に画面の右手に飛び出して行く。

 その視線の先にあるものを、新婦を横から見ている(らしい)新郎もたぶん、知らない(花嫁に向かって、何を見てるの?と聞いているにも見える)。
 知っているのは、花嫁ただひとり。

 しかし、写真を観る者は、新婦が見ているものを想像することはできる。彼女はおそらく、その場の空間の一点に、ふたりの「運命」を決定付けたものを見て取り、直視しているのだ。

 「イラク戦争」を決定し、夫が「戦傷」する舞台を用意したものの姿を、彼女はその真っ直ぐな視線で、見極めようとしている。

 「スライド・ショー」の解説記事の中で、タイムズ紙の記者は、ふたりの姿は「あまりに孤独」(と見えるかも知れない)だ、と書いている。

 戦場で戦傷した者の帰還は「生還」ではなく「死を携えての帰還」である。迎える者の喜びの中に死の影が射し込むのは、如何ともしがたいところだ。

 が、タイムズ紙の書くところによれば、二人の結婚式は、喜びに満ちた、祝福されたものだったという。

 
 生よ竦(すく)むなかれ、死よ驕(おご)るなかれ!

 白と黒のコントラストが鮮明な二人の写真は、死と生、苦難と希望、戦争と平和の区分を明確化する現代世界のポートレートのようにも見える。
  
 花嫁のウェディング・ドレスと、花婿の正装の腹帯、首から上の「白」は、ふたりして生き抜こうとする決意の色であり、戦争を告発してやまない正義の色であるだろう。

 二人の写真は、イラク戦争の終結へ向けた、ささやかで、しかしながら決定的な記念碑的な一枚である。

 その写真に向かって、わたしも声をかけることにしよう。

 おめでとう、お幸せに、と。


http://www.nytimes.com/2007/08/22/arts/design/22berm.html?ex=1188878400&en=e6914b3204d55b58&ei=5070

http://www.nytimes.com/slideshow/2007/08/21/arts/20070822_BERMAN_SLIDESHOW_10.html
 

Posted by 大沼安史 at 05:16 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米軍が対イラン「3日間戦争」を作戦計画 英紙サンデー・タイムズが報道

 英紙サンデー・タイムズ(電子版)は9月2日、アメリカの国家安全保障問題専門家の話をして、米国防総省が対イラン「3日間戦争」の作戦計画を策定した、と報じた。

 攻撃目標は1200ヵ所で、核施設にとどまらず、イラン軍の全面的な壊滅に追い込む作戦という。
 
 〔大沼・注〕  いよいよキナ臭くなって来た。

 ブッシュ大統領がこのところ「ハイ」状態にあるのは、すでに対イラン攻撃を命令しているからかも知れない。

 要注意である。

 ⇒
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article2369001.ece

Posted by 大沼安史 at 03:34 午後 | | トラックバック (0)

2007-09-01

〔イラクから〕 SOS! イラク北部でコレラ蔓延 

 イラク北部の都市、スレイマニアでコレラが蔓延している。

  コレラはキルクークにも広がっており、クルディスタンの政府当局は救援を求めている。

 英紙インディペンデントのバグダッド特派員、パトリック・コバーン記者が8月31日の同紙(電子版)で報じた。

 すでに5000人が罹患しているが、薬が不足しており、治療は進んでいない。

 コレラ流行の原因は、安全な飲料水が供給されていないことで、スレマニアでは住民の3割しか、安全な飲み水を口にしていない。

 水道水が出ないことから浅井戸を掘っている人も多いという。

 〔大沼・注〕コレラは「大量破壊菌」である。人命を奪う「生物テロ」である。

 安部政権が「人道支援」を言い、「テロ対策」を言うなら、国連機関を通じ、早急に「支援」するべきだ。

 日本の「貢献」の道は、ここにある。


http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article2914413.ece
 

Posted by 大沼安史 at 10:36 午前 | | トラックバック (1)