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2007-08-13

〔いんさいど世界〕 巴里は自転車に乗って 好調「ベリブ」 市民、ツーリストの「足」に

 「ベリブ」、ベロ(自転車)とリベルテ(自由)の合成語です。訳して「自由自転車」。
 この「自由自転車」が、パリ市民やツーリストの間で、いま大人気で、新しい街の風物詩になっているそうです。
 パリは自転車に乗って……花の都は「ベリブ」がお似合いのよう。

 「ベリブ」がパリ・デビューを果したのは、7月15日のことでした。
 市内750ヵ所の専用パーキングロットに、1万600台が配置され、貸し出しが始まった。

 そう、「ベリブ」はパリ市役所の交通局が始めた、公営貸し自転車。

 でも、ふつうの貸し自転車と違うのは、レンタカーのように行き先で乗り捨てることができる、その名通りの「自由」さにあります。つまり、借りたところに返す必要がない。だから便利。
 
 たしかに自転車ではありますが、特徴的です。明るいグレーの車体。自転車というより、おしゃれなバイクのようなデザイン。それでいてハンドルの前に、ちゃんとカゴがついている実用性……。
 耐久性も抜群で、アンチ・パンク・タイヤを装備しているそうです。

 どうしたら、これを利用できるか?
 パリ市民でなくとも、外国人でも――ということは日本人観光客でも利用できます。

 カードがあればいい。電話ボックスのような、銀行のキャッシュディスペンサーのようなところで手続きすれば、誰でも使えるんだそうです。
 フランス語が読めなくてもOK。ちゃんと日本語を含む外国語7ヵ国語で使用法が表示されているのだそうです。

 カードで前払いして予約する。そうすると、データが入力された「ベリブ・カード」がもらえます。その「ベリブ・カード」を、パーキングロットの「ベリブ」に挿入すれば、ロックが外れ、乗り回すことができる。

 お値段は「1日パス」が「1ユーロ」(日本円で166円前後)で、「1週間パス」が5ユーロ(830円)、「1年間パス」だと29ユーロ(5800円)かかります。

 これさえ払えば、1回につき30分以内なら、何回乗っても「無料」です(これを超えると超過料金を払わなければなりません)。

 つまり、けっこう安い。
 専用のパーキングロットは、300メートル間隔で設置されていますから、目的地の近くまで乗って行って、そのまま乗り捨てれきる。用件を済ませたら、また乗って、別の場所に回る。

 安いし便利ですよね。

 この公設貸し自転車のシステムを開発したのは、「J・C・デコー」という広告会社でした。
 パリ市役所のPR掲示板、1628ヵ所の使用と引き換えに、自転車から何からすべてを用意して、市役所に「話に乗りませんか」と持ちかけたわけです。

 市役所の負担はゼロ。おまけに、市内の交通渋滞の緩和も期待できる……とあって、デラノ市長も乗り気になり、一気に実現しました。

 といって、パリが実験の先頭を切ったわけではありません。
 実はフランス国内では、「J・C・デコー」というフランスの広告会社と、「クリア・チャンネル」というアメリカ系の広告企業が先をあらそって、地方都市を舞台に「公営貸し自転車」システムの売り込み合戦を続けて来たのです。

 レンヌというフランス西部の町では、1998年から実施され、リヨンでは2005年5月からスタートしている。

 まるでツール・ド・フランスのように全国で広がり、ついにパリでも始まった、というのが現実の姿です。(参考まで言うと、マルセイユではことし9月から、トゥルーズでは来年1月からスタートします)

 つまりで地方で成功したのを、パリでも始めた。2匹目、3匹目のドジョウ、というわけです。
 パリ市って、けっこうしたたかですね。「事故」など考えられない、ただ乗りの“安全運転”を始めたわけですから……。

 で、利用状況はどうかというと、やっぱ好調です。ベリブ1台あたり、一日平均9回の利用がある。
 「平均」の中には雨の日も入っているはずですから、これはもう、かなりのものですね。
 まさに「乗っている」というか「乗りまくられて」いる。

 ルモンドという新聞(8月11日付け)には「争いがたい大成功」と出ていました。

 この「公営貸し自転車」、パリなどフランス各地でなぜ、成功したのか?

 ヨーロッパでは実は1968年、オランダのアムステルダムで、同じような乗り捨て方式の「自由自転車」システムが鳴り物入りで始まり、見事に失敗したことがあります。
 自転車がみんな盗まれちゃったんですね。

 ところが、それから40年ほど経ったいま、フランスではうまく行っている。

 その秘密は、カードを使った決済と一元的なデータ管理にあるといいます。
 つまり、自分のカードで自分の身元を明かさなければならない。それに「ベリブ」はふつうの自転車とは違ったスタイルをしているので、目立ってしまい、盗めないんですね。

 この「自由自転車」システム、フランス国内ばかりか、スペインのバロセロナ、セルビア、ドイツのベルリン、ノルウェーのオスロへと今後、飛び火して行く見通しだそうです。

 ということは、遅かれ早かれ、日本に上陸することはまず間違いのないところで、いずれ、宮城県にもやってきそうな感じがします。

 仙台市では一度、同じような実験が試みられたことがあるようですが、市役所の交通局あたりが率先して、導入に向け、検討を始めてもらいたいところですよね。

 ところで、気になるのは、この「ベリブ」でパリのタクシードライバーのみなさんが悪影響を受けていないか、という点ですが、ルモンドによると、「相補的」で共存に成功しているのだそうです。

 短距離はベリブ、中距離以上はタクシーという具合にすみわけができているんですね。

 これからパリ観光に行かれる方は、これはもう、一見の価値ありというか、一乗の価値ありで、ぜひベリブに乗って来ていただきたいですね。「これはいい」の実感が積み上がれば、市役所や広告会社が動いて、案外早く、実現するかも知れません。

 その場合の愛称として、「ジデ」なんてどうかしら?
 「ジデ」……そう、「自由自転車」の略称――!!!??? 
 
 

Posted by 大沼安史 at 06:00 午後 1.いんさいど世界 |

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