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2007-08-30

〔イラクから〕 サドル師 シーア派内戦回避で停戦宣言 P・コバーン記者が「イラク報道」再開

 英紙インディペンデントのバグダッド特派員で、「イラク報道」の第一人者であるパトリック・コバーン氏が記者活動を再開した。

 再開の「第一報」は、同紙(電子版、8月30日付け)掲載の、シーア派指導者、サドル師による、29日の「停戦宣言」に関する記事。

 それによると、サドル師は、シーア派の聖地、カルバラで起きた、同師率いるマハディ軍団と、現地の警察・治安部隊を統轄する、同じシーア派の「イラク・イスラム革命評議会(SIIC)」傘下の武装組織、「バドル旅団」との間の戦闘を含む衝突で52人が死亡した事態を受け、マハディー軍団の活動を最大半年間、停止すると宣言した。

 コバーン記者による、ほぼ一ヵ月ぶりのイラク報道。
 そのバグダッド特派員電が途絶えていたので、戦火・事件に巻き込まれたのでは、と心配していたが、どうやら休暇をとっていたようだ。
 (コバーン記者の現地報告、『イラク占領』(緑風出版)を邦訳したわたしとしては、実は心配でならなかった。無事と知って、ほっとした)

 コバーン記者の指摘(教示)で、次の二点に興味を覚えた。

 ① コバーン記者は、サドル師が現時点ではSIICならびにアメリカと事を構えることを望んでいないことが明らかになったと指摘している。なぜ、そうなのか? サドル師はマハディー軍団を「リハビリ」するため、としているが、コバーン記者はその「リハビリ」の意味するところがよくわからないと言っている。同感だ。ブッシュ政権による対イラン攻撃の恐れが現実味を増す中で、シーア派の統一と団結を再構築する(と見せて、アメリカを牽制する)。これがサドル師の狙いではないか、というのが、わたしの見方だ。

 ② これはまたもコバーン記者に教えられたことだが、シーア派の信者の中に、第12代イマームのマーディがすべての暴君を退治し、地上の正義を打ち立てるため、この世に復活すると信じている者がいる、という事実である。
 今回のカルバラでの事件は、このマーディの誕生を祝う巡礼者がカルバラに集まったとき、起きたものだそうだ。

 シーア派のパワー(宗教的な底力)と、同派の分裂回避に動いたサドル師のしたたかな現実主義。
 コバーン記者の久々の記事から、イラク情勢の底流に流れるものを、またまた教しえられた気がした。
    


http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article2906339.ece
 

Posted by 大沼安史 at 11:39 午後 |

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