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2007-07-30

〔イラクから〕 サッカー・アジア杯 「メソポタミアの獅子」が制覇 イラク・チーム主将 優勝インタビューで「アメリカは出て行け」

 対サウジ戦生中継後の、ジャカルタからの優勝インタビューで、アルジャジーラ衛星放送のカメラの前に立ったのは、ユーニス・マームード選手だった。

 ユーニス選手はイスラム教スンニ派のイラク・トゥルクメン人。

  クルド人のチームメートの絶妙のコーナキックをドンピシャ、ヘッドで合わせ、1-0の勝利を決めた、チームの主将だ。

 その彼がテレビカメラに向かって、こう言った。
 
 「わたしはアメリカに出て行ってほしい。今日、それでなければ明日、あるいは明後日に。とにかく出て行ってくれ。アメリカ人にはイラクを侵略してほしくなかった。間もなく終わることを願っている」

 同時生中継のインタビューは、そのままイラク中のテレビに流れた。

 アジア・カップを勝ち進む中、イラク人の心を、宗派・民族対立を超えた「イラク民族主義」へと結集した、「メソポタミアの獅子」たちのフィールドからのメッセージは、「アメリカよ、出て行け」だった。

 サウジ戦でイラクのイレブンは、黒のアームバンドをして試合に臨んだ。3日前の準決勝、対韓国戦で勝利した際、街頭で喜びを爆発させるサッカーファンを狙って自動車爆弾が爆発、50人が亡くなったことを悲しみ、全員が腕に巻いた。

 テロで亡くなったイラクのサッカーファンのなかに、男の子がいた。その母親が、この子はイラクチームが優勝するために犠牲になったと、地元のテレビ局に語った。

 ユーニス選手は言った。「それを聞いて、わたしたちはこの試合に勝たなければならないと思った」と。

 ジャカルタのスタジアムでは大きなイラク国旗とともに、イラク人サポーターたちが、アラビア語で「イラクに平和を」と書かれた横断幕を広げた。
 テレビカメラを通じて、祖国に贈るメッセージだった。

 北部クルディスタンのクルド人たちも、クルドの旗の代わりにイラク国旗を振って喜びをあらわにした。
 バグダッドの新聞は、「獅子」たちの活躍をたたえる詩を掲載した。

 スンニ、シーア派、アラブ、クルド、トゥルクメン人と、イラクを構成するあらゆる要素がチームプレーで勝ち取った、奇跡とも言える劇的な勝利。

 ブラジル人のビエイラ監督は、「わたしはこの息子たちをとても誇りに思う。彼らはとてつもないパワーを持っていた」と、選手たちの奮戦を讃えた。
 
 

Posted by 大沼安史 at 09:09 午後 |

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