〔NEWS〕 CIA秘密収容所 ポーランドとルーマニアに 欧州評議会が調査報告書 タイも開設を受け入れ
「テロ容疑者」とされる人物を拘禁、尋問する米国CIA(中央情報局)の秘密収容所が、2002年から2005年の間、ポーランドとルーマニアに開設されていたことが、6月8日公表の欧州評議会調査報告書で確認された。
仏紙ルモンド(電子版、8日付け)によると、欧州評議会の調査に当たっていたのは、スイスのディック・マーティー上院議員。
マーティー議員の調査の結果、CIA秘密収容所はポーランドのズィマニーと、ルーマニアのスタレキエクティ両空軍基地に、両国政府首脳の承認の下、設置されていたことがわかった。
このうちズィマニー基地の施設では「9・11」テロの「頭脳」とされる、ハーリド・モマメド容疑者が拘束されていた。
このCIA秘密収容所は、ブッシュ大統領が「9・11」後、2001年9月27日に秘密大統領令に署名して承認された。
これを受けて、NATO同盟国(ポーランドを含む)と加盟希望国(ルーマニアを含む)が翌月、2001年10月4日に対応を協議。
米国の援助に頼らざるを得ない「経済的な弱さ」を抱えた両国が、設置国に選ばれた。
報告によると、タイとディエゴガルシアも同様の施設を受け入れたという。
〔大沼・注〕
CIAの不法活動が、欧州評議会という、権威ある国際機関の公式調査でついに暴かれた!
このことの持つ意味は大きい。注目点は2つ。
ひとつは、米国がグローバルなかたちで「影の帝国」支配を広げ、違法な活動を続けていたことが正式に確認されたこと。
もうひとつは、ヨーロッパが米国の「無法」に対して、ささやかな「反旗」を翻したことだ。(ヨーロッパは米英主導の「エシェロン」にも反発したことがある)
「アメリカ帝国」の、「終わりの始まり」(のひとつ)を示すものかも知れない。
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http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3222,36-920487@51-919940,0.html
Posted by 大沼安史 at 08:18 午後 | Permalink