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2007-06-03

〔いんさいど世界〕 ヨドク(耀徳)、忘れまじ 北朝鮮・政治犯強制収容所 脱北者の悲劇 明らかに

 軍事独裁の全体主義国家……いまの北朝鮮は、戦時中の「美しい国(=日本)」そっくりです。「天子様」を頂く支配のピラミッドの底で、民衆の人権は踏みにじられ、飢えに苦しんでいる……。
 「北朝鮮」はわたしたち日本人にとって、「美しい国」の「過去」を映し出す「鏡」のような存在です。

 先日、英字国際紙、IHT紙(インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙、電子版、5月31日付け)に、脱北者に関するソウル発の特電が載っていました。英国のインデペンデント紙も“おっかけ”の記事(電子版、6月2日付け)を載せ、この問題に対する欧米の関心の強さを浮き彫りにしました。

 IHT紙の記事で、いまから7年前、国連が介入して救おうとした、北朝鮮からの脱北者7人の、その後の運命がわかったからです。

 7人はロシア政府の手から中国政府の手へ引き渡され、最後には北朝鮮に送還されていた。

 北朝鮮は7人のうち、5人は故郷に戻し、年少者は学校に通わせると、国連に約束していたのですが、実はそうではなかった。
 あの悪名高き政治犯強制収容所、「ヨドク(耀徳)管理所」などに送られ、地獄のような日々を送ることになりました。7人のなかの唯一の女性などは管理所に着いて2週間後に亡くなったそうです。

 こんな7年前の真実がなぜ、いまごろになって明るみに出、IHT紙を通じ、全世界に報道されたか?

 それは7人のなかの最年少者、当時、14歳だったイル少年が、その後、脱北の成功、自分の悲惨な過去を隠しながら、いま21歳の青年となって韓国の大学に通っていることが、もうひとり、韓国入りを果たした、6歳年上の脱北者仲間、チュルさん(27歳)と韓国内の人権擁護団体によって確認され、当時の状況を語り始めたからです。

 チュルさん、イルさんを含む7人が北朝鮮を逃れ、中国東北部の延吉市に潜伏したのは、1999年の秋のことでした。
 一行のなかにはパンさんという女性と、その夫のヘオさんが含まれていました。
 飢えに耐えかね、食べるものを見つけるための脱北でしたが、パンさんとヘオさんの場合は、駆け落ちでした。ヘオさんは北朝鮮軍を不名誉除隊させられており。パンさんの親が結婚に反対していたのです。

 延吉のキリスト教会にかくまわれていた7人は、韓国人の口車に乗り、その男に金を払って、その年の11月10日、国境線の鉄条網をくぐり、黒龍江省からロシアに逃れます。しかし、結局はロシアの官憲につかまり、ウラジオストクへ。

 ロシアのテレビ報道でこれを知った全世界の人権団体が7人の釈放を要求、国連も7人を難民に認定し、ロシア外務省も出国査証を発行するところまで行ったのですが、そこで北朝鮮政府が巻き返しに出ます。

 ついに7人は全世界の人権団体の猛烈な抗議になか、ロシアから中国に引き渡され(このとき実は、最年少のイルさんだけは逃亡に成功しましたが、その後、北朝鮮に戻ったところを逮捕されました)、ついで中国政府の手で北朝鮮に送還された。
 このことは当時、日本でも報道されたことなので、覚えている方も多いことでしょう。

 このとき北朝鮮政府は国連に対し、パンさんとヘオさんだけを盗みを放火の疑いで逮捕したが、ほかは全員、故郷に返し、学校に戻す、と約束していたのです。

 それが嘘だとバレた。最年少のイルさんだけは浮浪児の収容施設を転々としますが、残る6人はピョンヤンの北東110キロにある、ヨドクの強制収容所に送られました。

 女性のパンさんは拷問で「犬のように体で」担架で収容所に運び込まれたそうです。彼女と再会したヘオさんは自分の食べ物を食べずに、それをキャンディーに変え、彼女になめさせていたそうです。その彼女が2週間後に亡くなったとき、ヘオさんは狂ったように泣いて、精神に変調をきたしたそうです。
 
 また、逃亡仲間の男性のひとりは、ヨドクのなかでも最悪の「特別管理所」に入れられてしまったそうです。入ったら最後、2度と出て来れないところだそうです。

 ヨドクに入れられたチュルさんは、そこで3年間の重労働に耐え、昨年、韓国への逃亡に成功しました。
 最年少のイルさんは一足早く、いまから5年前に韓国に逃れ、過去を隠して生きて来た……。
 
 ロシア官憲から中国当局に行き渡される際、唯一、逃亡に成功したイルさんは郷里に戻ったところを逮捕されますが、北朝鮮の治安当局は、イル少年に、熱く焼いた鉄板の上に正座させる拷問を加えたそうです。

 米国務省によると、北朝鮮では20万人もの「政治犯」が、ヨドクをはじめ各地の強制収容所で過酷な重労働を強いられているそうです。戦前の日本の言葉で言えば「非国民」ですね。

 北朝鮮は自分の国のことを「地上の楽園」と呼んでいたそうです。「美しい国」だと言ったかどうかは知りませんが……。
  
 ヨドクなど国内の強制収容所に「拉致」されている北朝鮮の人びと……。
 わたしたちはこうした「拉致」問題にも注目していかなければなりません。

 全体主義国家、北朝鮮の抑圧のシンボルとしての、ヨドク、忘れまじ!!!


http://www.iht.com/articles/2007/05/31/asia/refugees.php

Posted by 大沼安史 at 11:00 午前 1.いんさいど世界 |

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