〔いんさいど世界〕 Wi-Fi(ワイファイ)に「電磁波スモッグ」の危険 欧州で学校での設備禁止の動き
Wi-Fi(ワイファイ)……聞いたこと、あります? 正確の言うと、「ワイアレス・フィデリティー」(これはたぶん、ハイ・フィデリティーから来たコトバです。信頼性が高い、って意味の)の略。かんたんに言うと、ワイアレスの無線LANのことだそうです。
パソコンって、コード(ワイヤ)で接続するのが、これまでの常識でしたが、いまは無線でつなぐのがフツー。
日本ではまだまだ普及していませんが、英国では小学校の半分、中学校の4分の3に設備され、パソコンを使った学習・教育活動に役立っているそうです。
時代物のパソコン、「期限切れ」のOSを使っている日本の公立学校とは大違いですね。
その英国の高級紙、「インディペンデント」が先頃(電子版、4月22日付け)、「ワイファイ:〈電磁波スモッグ〉の危機に立つ子どもたち」という記事を掲載し、ワイアレス無線接続に警告を発しました。
「電磁波スモッグ(electronic smog)」とは、日本ではおなじみ(?)の「光化学スモッグ」の電磁波版っていったところ。人体に悪影響を及ぼす、電磁波によるスモーク(煙)のようなフォッグ(霧)という意味の新造語。
欧州ではこれまで、携帯電話による「電磁波スモッグ」の、とくに子どもたちへの影響が取り沙汰されていましたが、同じ危険が「ワイファイ」にもある、調査に乗り出すべきだという声が高まっているそうです。
同紙によれば、オーストリアの医学協会ではワイファイの学校への設置反対活動を行っており、モーツァルトの音楽祭で有名なザルツブルクでは市当局が各学校に設置見送りを勧告、将来的には設置禁止に踏み切りそうです。
英国ではバッキガムにある「ストウ校」という有名校で「ワイファイ」を設置後、撤去しました。その学校で28年間、「古典」を教えている校長先生が、設置後間もなく、頭痛や吐き気に悩まされるようになったからです。
2000年5月、携帯電話の電磁波の子どもに対する影響に警鐘を鳴らす、「スチュアート報告」を発表した、英政府「健康保護局」(局長=ウイリアム・スチュアート卿)も、「ワイファイ」に対する関心を強めており、英国内の小中学校の現場の状況をモニター(監視)する方針を固めているそうです。
ところで、日本でのすっかりフツーになった、このワイヤレス無線接続、英国では家庭とか職域を越えて、地域ぐるみ導入する方向に進んでいます。
ノルウックという市では市役所を中心に半径4キロを「ワイファイ」化し、誰でも「1時間まで無料通信」を楽しんでいるそうです。ブライトンという保養地の街は来年、全市ワイファイ化する予定で、マンチェスターも220万市民に無料アクセスを提供する計画を立てています。前述の通り、小学校は2校に1校、中学校は4校のうち3校がすでに設置済み。
つまり、英国では国中、すごい勢いでワイアレス化が進んでいるわけです。それだけに、ワイファイに“副作用”に対する警戒心も高い。
携帯電話について言えば、最近、フィンランドで出た研究発表によると、携帯を10年以上、使い続けた人は、脳の受話器を当てた側に40%、脳腫瘍ができる恐れがあることが判明したそうです。スウェーデンのルンド大学の研究者は、携帯による電磁波が脳細胞を破壊し、携帯世代の若者たちは40代、50代で老化してしまう、と警告を発しています。
欧州で点った「電磁波スモッグ」に対する赤信号……。
これって、他人事じゃありませんね。
日本政府、研究機関の「追試」のリサーチが求められるところです。
⇒
http://news.independent.co.uk/uk/health_medical/article2472133.ece