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2007-05-29

〔イラクから〕 「戦争ですべてを失った。誇りさえも」 売春に追い込まれる難民イラク人女性

 イラクの地獄からシリアに逃れた女性たちのなかに、売春に追い込まれる者が数多くいるという。その数、「数千人」(支援活動家)。夫をテロで失うなど大黒柱をなくした難民母子家庭が、新たな逆境にあえいでいる。

 米紙ニューヨークタイムズ(電子版、5月29日付け)のシリア発の記事を読んで胸が痛んだ。
 とりわけ、まだ16歳のヒバの話には。

 ヒバの父親は糖尿病の合併症を患っていて、彼女が「ナイトクラブ」で稼いで一家を支えている。

 ヒバの一家はバグダッドから、この春、シリアに逃れて来た。バグダッドにいたころ、ヒバは敬虔なイスラム教徒で、夜明け前に起きて祈りを捧げ、ヒジャブ(スカーフ)をかぶって学業にもいそしんでいた。

 いまナイトクラブで、彼女は肩をむき出しにしたピンクの絹のドレスをまとっている。

 ヒバの母親が言った。「戦争ですべてを失った、誇りさえも」

 ダマスカスで支援活動にあたるカトリックの尼僧は最近、義理のイラク難民3姉妹に会った。3人とも母子家庭を支える“シングルマザー”。交代で売春に出て、稼ぎを分け合い、子どもたちに食べさせている。

 売春ナイトクラブの駐車場の半分はサウジ・ナンバーの車だ。自国で禁止された「酒」と「女」を求めてやってくる。

 
 難民イラク人女性らが売春で命をつないでいるのは、シリアの首都ダマスカスの近郊、マラバ地区の通称「カジノ」といわれるナイトクラブ(ギャンブルは行われていない)などが舞台。

 ダマスカス市街の路上でも、イラクなまりのアラビア語で「お茶しない」と誘う女性の姿が見られるという……。

 記事を読み終え、とくに日本の国会の与党女性議員たちの「感想」を聞きたくなった。あなたがたが「賛成」した「イラク戦争」が、こんな悲劇を引き起こしているのですよ、と。どう思いますか?――と。

 安部首相なら、こんなコメントを返すのだろうか?
 「狭義の強制性はありませんから……」


http://www.nytimes.com/2007/05/29/world/middleeast/29syria.html?_r=1&hp&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 07:03 午後 |

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