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2007-05-15

〔NEWS〕 『イラク占領』 日経新聞でも書評 高橋和夫氏「米国の傲慢が生む無数の悲劇」

 日本経済新聞(5月13日付け)に、パトリック・コバーン著、『イラク占領 戦争と抵抗』(緑風出版)の書評が掲載された。

 高橋和夫・放送大学準教授によるもので、コバーンの本の存在価値を、その「手織り絨毯」のような「叙述」「詳述」による、「イラクの現代史」の直接的な「現場経験」感覚であると指摘し、「コバーンが達意の文章で織り上げた絨毯に浮かび上がっているデザインは、アメリカの無謀、無知、無能であり、傲慢さである。その傲慢さが無数の悲劇を生み出し、それがイラク人のアメリカへの怒りの源泉となっている」と述べている。

 コバーンの本の価値をその核心において端的に示す、見事な「評」である。訳者(わたし)が原著者(コバーン)になりかわることはできないことが、それでも、やはり嬉しい。

 先日、「朝日」に載った酒井啓子氏の力のこもった書評は、多くの読者の心を揺さぶり(その「読者」のなかにはもちろん、わたしも含まれている……)、ネット書店の「アマゾン」では掲載当日、同書がランキングの上位に突然、急浮上した。

 高橋氏の「書評」からも、同じような、こころ揺さぶられるものを、わたし自身、感じた(と同時に、小さな勇気のようなものも頂戴した……)。

 「本」と「読み手」を結んで、ひとつに織り上げる、書評のチカラ、というべきものを、あらためて「体感」した。

Posted by 大沼安史 at 09:03 午前 |

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