〔いんさいど世界〕 世界最速 女性F1ドライバー ダニカ・パトリック ことしも「インディ500」で健闘 8位に食い込む 一時は3位に ピットイン後の雨で無念の涙
日本では競馬の日本ダービーが開催され、牝馬のウオッカが優勝した5月27日(日曜日)、米国のインディアナポリスでは、世界3大レースのひとつ、「インディ500」が行われ、アメリカの女性F1ドライバーの果敢な「走り」に、全世界のカーレース・ファンが熱い声援を送りました。
女性ドライバーによる「インディー500」初優勝の期待も高まっていましたが、残念ながら、結局、8位に。
一時は3位まで順位を上げる果敢な「攻め」を見せましたが、ピットインしたあと雨がふたたび降り始め、無念の涙を流しました。
惜しかったですね。
でも、「インディ500」の「8位「は、もちろん胸を張って誇れる成績〔ちなみに日本人ドライバー(男性)の最高は、松浦孝亮選手の16位でした〕。
次回こそ「優勝」、の呼び声は高まるばかりです。
「インディ500」は言うまでもなく、F1モナコGPとルマン24時間耐久レースと並ぶ、世界のカーレースの最高峰。1週2.5マイルのコースを200周、500マイル(800キロ)走行するものです。最高時速350キロ以上、平均でも240キロ以上で突っ走る、一瞬たりとも集中力を切らしてならない超過酷なレースです。
そんなことしの「インディ500」で、「優勝」の期待を背負っていた女性ドライバーは、ダニカ・パトリックさん(25歳)。
実績に加え、女優やモデル顔負けの美貌とスタイルの持ち主とあって、世界のレージング・ファンの憧れの的になっている人です。
155センチ、45キロの小柄な体つき。
2005年の「インディ500」で彗星のようにデビュー、いきなり4位に食い込んで、世界のトップレーサーの仲間入りを果たしました。
そのとき、彼女が予選で記録した最高速度はなんと369.957キロ。よほど勇気と度胸のある方なんですね。
2006年のシーズンはすこし調子を落として、「インディ」は8位の成績に終わりましたが、各レースで着実に上位をキープ(9位以内の入賞、なんと11回)。3年目の今シーズンへの期待が膨らんでいました。
ことし2007年の「インディ500」は2度目の降雨のため、8位のポジションにつけていた165週目に入ったところでレースは打ち切られました。
一時は3位まで順位を上げ、先行車を射程にとらえ、2位をうかがおうとするところまで行ったときに最初の降雨で中断。その後、ピットインして追い上げようとしたとき、2度目の雨になってレース終了が宣言されたそうです。
雨が降らなければ、「優勝」もありえたわけですね。
ことしのレースにはダニカさんのほか、女性ドライバーが2人、参加しましたが、もともとF1レースの世界は、男の世界で、女性には無理を思われていました。男性レーサーと比べ、ヒップが大きな女性には、FIレーサーとしての適性がないと考えられていたそうです。
ダニカさんはその常識を打ち破ったわけですが、男勝りのドライブテクニックを身に着けるまでには、元レーサーの父親による、子どものころからの厳しい特訓(ゴーカートのレースから始めたといいます)と、16歳で英国に渡って始めた、欧州での「カーレース武者修行」での実戦訓練、自己鍛錬がありました。
ダニカさんはつまり、F1界の「サラブレッド」(牝馬)だったわけですね。
ダニカさんの活躍で、女性ドライバーの持つ、あるアドバンテージ(有利さ)が見直されてもいるそうです。つまり、男に比べ、体重が軽い……。ということはそれだけマシンの速度が上がる可能性があるわけです。
こうなると、そのうちF1界でも「男女逆転」が起こり、「女性優位」の時代が来るかも知れませんね。
さて、ダニカさんの「インディ」初優勝の可能性は、ほんとうのところ、どこまで現実的なものなのでしょうか?
この点について、「インディ」の伝説的な存在であるマリオ・アンドレッティさんは、「彼女はやるよ。勇敢だから」と、太鼓判を捺しています。
ダニカさんのこれからの「走り」に、わたしたちも声援をおくることにしましょう。
http://www.latimes.com/sports/la-sp-danica24may24,1,6776623.story
http://www.latimes.com/sports/la-spw-hinton26may26,1,492078.story
Posted by 大沼安史 at 06:17 午後 1.いんさいど世界 | Permalink
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