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2007-01-15

〔NEWS解説〕 米「対イラン・イラク国内戦線」開く バグダッド制圧へ布石 サドル・シティー攻撃へ 来日するチェイニーに、安部首相は「自重」を求めよ!

 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版、1月15日付け)に、D・サンガー記者による、「新たな戦線を開く―イラク国内イラン人に対して」と題する「ニュース分析」が掲載された。

 米国、「対イラン・イラク国内戦線」構築――というわけだが、別に新しい視点ではない。
 たとえば、英紙インディペンデントなどは12日付けの紙面で、同紙の外交エディターが、「ブッシュの強行戦術はイランに対する“宣戦布告”である」との指摘を行っている。

 米軍はイラク国内で「イラン人狩り」を始めている。クルド人の都市、北部アルビルの空港で、イラクの外交官(革命防衛隊員との見方も)5人を拘束するなど、イラク国内へのイラン政府の影響力排除に動き出している。

 なぜ、こうした動きに出ているのか?

 ひとつはクルド人陣営の一部を長年にわたって支援して来たイランの影響力を切断。北部クルディスタンを安定化させたうえで、クルド人部隊をバグダッドに投入、サドル・シティーなどシーア派居住区の制圧を図る狙いが、米軍サイドにあるからだ。

 バグダッドはシーア派が着々と勢力を拡大し、米軍は本丸の「グリーンゾーン」以外、コントロールできない状態に追い込まれている。
 
 こうした状況を逆転する(改善する)……これが米軍の短期的な狙いである。

 もうひとつは、「核施設攻撃」を名目に掲げて行う、「対イラン攻撃」への布石である。
 ベトナム戦争を内部告発したダニエル・エルズバーグ博士は昨年暮れ、ストックホルムでの授賞セレモニーで、米国のイラン攻撃を予言する警告演説を行っている。

 もしかしたらブッシュ政権は、事態打開の切り札をして「イラン攻撃」を、すでに決断しているのかも知れない。

 とすれば、チェイニー副大統領が近々、来日するのは、その通告と協力依頼が目的であろう。

 ならばチェイニーは、安部政権に対し、対イラン戦のため、①「円=フリーマネー化」の維持(日銀の利率据え置き)②対イラク借款未放棄部分の放棄③自衛隊の協力強化④軍事費の分担――などを求めるはずだ。

 しかし、イラク国内ではイランに近いシーア派だけが問題なのではない。スンニ派も、サダムの「殉教」の後、過激化し、男性全員のムジャヒディン化など強行姿勢を打ち出すようになっている。

 米軍にとって本来の「敵」はシーア派でもなければスンニ派でもなく、自分自身なのだ。
 自らの占領軍としての存在自体が、イラク人の武装抵抗を呼び寄せている。

 安部首相にいま、「世界平和」「イラクの復興支援」の面で果たしうる役割があるとすれば、それはチェイニーに対して自重を求めることだろう。

 イラクを「美しい国」に戻せ、米軍を引け、イランを攻撃するな、と、事実上のアメリカ大統領であるチェイニーに断固、申し入れるべきである。

 「米国のポチ」にならない――それが安部首相が進むべき、「戦後レジームからの脱却」の道である。
   

http://www.nytimes.com/2007/01/15/washington/politicsspecial/15strategy.html?_r=1&oref=slogin

http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-sunnis15jan15,0,2880562,print.story?coll=la-home-headlines

Posted by 大沼安史 at 08:26 午後 |

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