〔いんさいど世界〕 時代精神(Zeitgeist) 2006
2006年が暮れてゆきます。この年、いろんなことがありました。アメリカの「イラク敗戦」がハッキりしました。日本では「硫黄色の過去」が復活、ヒトラーと手を握った松岡洋右&元満州国産業部次長・東条内閣商工大臣・元A級戦犯ながら、なぜか巣鴨から釈放され、「鬼畜アメリカ」との安保条約を強化した岸信介のDNAを持つ安部晋三氏が「首相」となり、欧州知識層に衝撃を与えました(ル・モンド・ディプロマティーク誌)。
そんな2006年が終わりに近づいています。
そこで今日は、2006年に「世界」は何に関心を寄せたか、この年、世界の人びとは何に注目し、何を知ろうとしたか、振り返ってみたいと思います。
ちょっと前までは、「世界」の人たち(あるいは日本の人たち)が何に関心を寄せているかなど、知る由もありませんでした。
なんとなく想像するしかなかった。
でも、いまは違うんですね。ちゃんと分かるようになった。
そのひとつの方法が、グーグル(Google)です。この世界的な検索エンジンが「時代精神」、ドイツ語で「Zeitgeist」という統計データをとるようになって、わかって来たんです。世界(日本)の人たちが、何に関心を寄せたか、ということが……。「検索」の件数分析でわかるわけです。
で、2006年の「世界」の「関心事ベスト10」を見てみると、なるほど、世界はこう動いているんだなってことがわかります。
早速、「ベスト10」を発表することにしましょう。
第一位は、bebo。みなさん、何のことかわかりますか? わたしも分からないで調べてみました。
これって「ソーシャル・ネットワーキング」の「次世代」サイトなんだそうです。ソーシャル・ネットワーキングといえば、日本では「ミクシー」が有名ですよね。これって世界的には「マイ・スペース」って言うのが有名ですが、その上をいくサイトが誕生して、人気を呼んでいるそうです。
この「ベボ」、アメリカのサンフランシスコに拠点を置いており、「学生時代の友だち」とコンタクトを取りつづけることができるのが売りなんだそうです。
それ以上のことは、ちょっと分かりません。
で、この「ベボ」に続く第2位が、さきほど触れた元祖ソーシャル・ネットワーキング・サイトである「マイ・スペース」。
こうしてみると「世界」の人びとはことし、ネット上でヒューマンなつながりを求める「ソーシャルイ・ネットワーキング」へと関心を集中させたことがわかります。
ネットが世界中の人びとを繋ぐ時代になったわけですね。
3位以下は、③worldcap④Metacafe⑤radioblog⑥wikipedia⑦video⑧rebeide⑨mininova⑩wiki―の順。
3位の「ワールドカップ」とか7位の「ビデオ」はわかりますが、ほかは何だかよく分かりませんよね。
で、ちょっと調べてみると、4位の「メタカフェ」とか、5位の「ラジオブログ」とか、9位も「ミニノバ」というのは、ネットのビデオとか音楽のダウンロード・サイトなんですね。8位の「レバイド」もラテン・アメリカ系の同じようなサイト。
世界のビジュアル(映像)アート・音楽アートは、いまやネットを通じ、世界的にむすびつているわけですね。
6位のウィキペデアも10位のウィキも、ネット上で有名な、自分たちで書き込める「ネット百科事典」および、情報共有に関する書き込みスキルのこと。
世界中の人びとがネットに知識を書き込み、共有する時代が来ているわけですね。いや、すごいことになりました。
それでは、2006年の日本の関心事は何か、グーグルの「時代精神」分析を見てみると、最新データであることし11月の「ベスト15」はこんな状況です。
1位はau。これはもう説明しなくてもいいですよね。
以下、②デスノート③ps3④ユニクロ⑤時のオカリナ――の順。 これまた、説明しなくてオッケーですよね。
ベスト15も顔を覗かせている、タレントさん、3人について、下の方から見ると、⑮に「長澤まさみ」さんが入っています。そのひとつ上、⑭は「藤原紀香」さん。お笑い芸人と一緒になった、あの人ですよね。
それから⑧には「新垣結衣」さん。
この人、愛称はガッキー。とっても可愛らしいタレントさんです。
時代はこの人、ガッキーこと新垣結衣さんの時代になっているんですね。知りませんでした。
ところで、「グーグル」って米西海岸、ポートランドに大拠点施設を設けて、まさに日の出を勢いIТ企業ですが、サイト検索だけでなく、最近は「地図検索」にも乗り出し、すごい人気なんです。
そしてこんどは、NASA(米国航空宇宙局)と契約して、「月面地図」の映像で見れりようにするんだそうです。
「グーグル」はまた、世界の大学図書館の蔵書を、ロボットを使ってデータベース化する作業を続けており、ネット上に全世界、古今東西の「活字情報」が「保存・活用」される日も近づいています。
ネットでもって世界は変わる。
2007年にはどんな「予想外」のことが起きるか、楽しみですね!!