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2006-12-08

〔いんさいど世界〕 「歳末宇宙3大噺」 月・火星・ホーキング博士の夢

 2006年も残すところわずか。あっという間の1年でした。

  まさに光陰、矢の如し。時間は時速で過ぎていった!

 そんな、年忘れのきょうの話題は、「宇宙」。
 最近、「宇宙」がらみの、「うん、これは」といったニュースが「3連発」で流れたので、「歳末宇宙3大噺(ばなし)」として紹介することにしましょう。

 まず、最初の「噺」は、米国航空宇宙局(NASA)による「月面基地建設プロジェクト」。
 そう、NASAが月に人間が暮らせる恒久基地と建設する計画を進めている、という話です。
 NASAが12月4日に計画を正式発表、プロジェクトの全容が判明しました。

 ワシントン・ポスト紙に報道によると、月面生活者の第一陣(4人)がお月様に送り込まれるのは、西暦2020年(ということは13年後)。月の南極に建設した、持続生活可能な「入植地」に降り立ち、とりあえず1週間、暮らして地球に引き揚げる計画です。
 その後、第2陣、第3陣と後続チームを派遣、滞在期間を延ばしながら施設を充実。最終的には2024年に「永住」が可能なかたちに持っていきたい考えです。
 
 そこで、いろいろ疑問が湧くわけですが、どうして南極かというと、月の南極って、ほかの場所と比べ、条件的にいいんだそうです。
 「白夜」というか、日照時間が長い。太陽発電が可能なわけですね。

 つぎに、永住地の「基地」の規模ですが、ショッピング・モール並みのサイズになるといいます。けっこう広いわけですね。
 気密式のランドローバーも配備され、宇宙服を着ないで、月面ドライブも楽しめるとか。

 問題は「水」ですが、月面で水素と酸素を採取してつくるそうです。
 地球にはあまりない「ヘリウム3」というガスも採取し、原子力発電に利用する。鉱物資源も開発し、ロケットの燃料もつくる……なんか、本格的な計画なんですね。 

 この月面基地建設は、「アレス・ロケット」と「オリオン・カプセル」という新しい機材を使って、2009年から開始するんだそうです。

 なぜ、米国が月面に永久基地をつくるかというと、月面探査ということもありますが、もっと凄いことを考えているからです。
 人間による火星探査の中継基地にする、という構想です。

 月を足ががりにして火星へと飛んでいく……夢みたいな話ですね。

 でも、気になることがあります。

 ポスト紙によると、米国としては世界各国と協調しながら、計画を進めたい考えで、これまで世界11ヵ国の宇宙開発当局と話し合い、今回発表した「月面基地建設構想」を練り上げたそうですが、その「11ヵ国」のなかに、「日本」が入っていないのですね。
 中国、韓国、オーストラリア、ロシアは入っていても「日本」は入っていない。
 これはどういうことなのでしょう。H2型ロケットの失敗がたたっているのかな?

 さて、「宇宙3大噺」の2つめは、「火星」をめぐるお話です。
 「火星」の表面の「水流」が「確認」されたという、世紀の大ニュースです。
 火星の軌道を周回しているNASAの探査衛星による衛星写真を解析した結果、火星の2箇所で「水の流れ」が確認されたそうです。
 英紙ガーディアン(12月7日付け)の報道によると、発見したのは、米カリフォルニア州サンジエゴの「マリン・スペース・サイエンス・システム」の研究者たち。

 発見場所は火星の南半球の2地点で、水量もそれぞれ、「プール5~10杯分」に達していた!

 地下水が隕石の衝突かなにかの拍子に地表に飛び出したようです。

 これがもし事実だとすると(液化した二酸化炭素ではないかという説もあります)、これは大変なことですね。
 「水」があれば「命」もある(かもしれない)ということになるわけですから。

 「発見」された「水流」ですが、地表を流れたあと、しばらくして消えたと見られています。
 というのも、火星の表面の気温は摂氏マイナス8度から同100度で、水分はすぐ沸騰し、蒸発してしまうんだそうです。

 でも、地下には地下水が大量にある可能性は高い。
 火星もまた昔は水の惑星だったらしく、表面には湖の跡が残っている。
 われわれ人類、火星に行けば水もあるので、暮らしていけるかも知れません。

 「3大噺」の最後は、車イスの宇宙物理学者、あの英国のホーキング博士に関する話題です。
 ホーキング博士って言えば、アインシュタインが気に入った仙台が気になって、一度お忍びで車イスで来て、一番丁で目撃されたこともある人ですが、11月の30日、ロンドンで、英国の最高科学勲章である「コプリー・メダル」というのを受章しました。その授賞式でホーキング博士が、記念の講演でこんな発言をしたそうです。

 人類の未来世代は種の持続のため、この地球をあとにし、生活可能な他の惑星に移住しなければならない、と。

 つまり、あのホーキング博士が「地球脱出」の必要性を強調したんです。

 博士はBBC放送のインタビューにも出て、そのためのに必要な宇宙旅行のテクノロジーは、「物質・反物質」の衝突から生じる消滅放射のエネルギーを利用したものになるだろうって予言もしました。

 このテクノロジーを使うと、次の惑星に辿り着くまで、最低でもふつう50000年かかるところを、6年間で行ってしまうんだそうです。

 そう予言するホーキング博士自身、英国に富豪にスポンサーになってもらって、地球大気圏外の宇宙旅行をするんだと意気込んでいるだそうです。

 あの不自由なからだで、すごい気力ですね。まさに気宇壮大。

 わたしたちも、下ばかり見て歩いていないで、新年こそ、大空を見上げながら、夢と希望を胸に歩いていきたいものですね。
 

 

Posted by 大沼安史 at 01:28 午後 1.いんさいど世界 |

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