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2006-12-29

〔がんばれ、シンディー!〕 ブッシュ牧場で抵抗 逮捕さる

 「平和の母」ことシンディー・シーハンさんが12月28日、テキサス州クロフォードのブッシュ大統領に牧場に続く路上で抗議行動を行い、他の4人とともに逮捕された。
 シンディーさんはブッシュ政権がイラク増派を検討しているのに抗議、プロテストを行った。


http://news.yahoo.com/s/ap/20061229/ap_on_re_us/peace_mom&printer=1

Posted by 大沼安史 at 10:46 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 ナディアさんの夢 「パトリックの村」 ヒマワリの少女

 カリフォルニアの新聞に、ナデイア・マカフレーさん(61歳)の「夢」が紹介されていた。イラクで死んだ彼女の長男、パトリックさんの名前を冠した「復員兵の村」をつくる「夢」だ。

 目処はまだ立ってはいない。土地もなければ、金もない。
 けれど、彼女はその村をきっとつくる。

 記事を読んで、そう確信させられた。
 彼女の「夢」には一筋の、鋼(はがね)の芯が通っている。

 数年のうちに彼女が拓くその「村」には、平和があり、緑の大地があるだろう。そこへ、イラクから、アフガンから、戦闘に明け暮れた兵士が帰って来る。
 その村で、戦争の傷跡を癒し、自分を、世界を取り戻すのだ。

 カリフォルニア州兵、パトリック・マカフレー軍曹(34歳)が8発もの銃弾を浴びて死んだのは、2004年6月22日。
 イラクのバラドでの出来事。
 パトリックさんが訓練していたイラク人のグループに武装抵抗勢力がまぎれこんでいた。

 3人の父親のパトリックさんが州兵に志願したのは「9・11」のあとだった。止むにやまれぬ気持ちからだった。

 が、そんなパトリックさんの胸に「イラク戦争」に対する疑念が膨らむのに、そう長い時間はかからなかった。
 息子の思いは母親であるナディアさんのものでもあった。

 「戦死」の報を受けて、ナディアさんは怒りを爆発させた。
 サクラメントの空港に息子の棺が帰ってくると知って、マスコミの人たちに招待状を送った。
 ブッシュ政権が隠し通そうとする「無言の帰国」の現実を、みんなに知ってもらいたかった。

 その年の暮れ、ナディアさんは他の遺族らとともにヨルダンへ向かった。イラクのファルージャで米軍の侵攻で難民化した人びとと連帯し、救援の品を贈るためだった。イラク入りしようとしたが、果たせなかった。

 次の夏、テキサスのブッシュ牧場近くでの反戦行動に参加した。

 ナディアさんはフランスの生まれで、少女の頃、毒ヘビに噛まれ、「臨死」を経験した。
 そんなこともあって、成人してからはホスピスで働くなど、死と直面する人びとに寄り添う活動を続けて来た。

 そんな彼女が思い描く「パトリック・復員兵士の村」は、こんなイメージだ。
 瞑想ができて散策ができて、オーガニック農園では作物を育てることができる……。

 戦場での心的外傷(PTSD)は、そうして癒されるのだ。

 ナディアさんがネットにつくった、パトリックさんを偲ぶホームページにはヒマワリ畑と大輪のヒマワリの花があしらわれている。
 なぜ、ヒマワリか?

 パトリックさんの遺品の中にに、死の前日、バラドで撮った一枚の写真があった。
 イラクの少女がパトリックさんにヒマワリの花を届けてくれたときの写真だった。
 記念のポートレートだった。

 パトリックさんが亡くなったバラドには黒土の道があって、ヒマワリの花が咲いていた。
 パトリックさんが歩いた、そのイラクの田舎道は、ナディアさんがこれからつくる「復員兵の村」に続く道である。

 ナディアさんは「パトリックの村」で、きっとそれを育てるはずだ。
 イラクに平和が訪れたそのとき、バラドのヒマワリ畑を訪ね、写真の少女からイラクのヒマワリの種子をわけてもらい、それを持ち帰って、アメリカの大地で育てるはずだ。

 ナディアさんは、北バークリーの小さな教会でこう語った。
 「パトリックは死んではいません。彼の魂はたしかに生きていて、わたしやわたしたちのなかにいるのです」

 戦争よ、死よ、驕るなかれ!
 ナディアさんの「村」の実現を祈ろう!    


http://www.thestate.com/mld/mercurynews/news/local/16326604.htm

http://patrick-mccaffrey.memory-of.com/

Posted by 大沼安史 at 01:06 午前 | | トラックバック (0)

2006-12-28

〔イラクから〕 戦場のメリークリスマス ファルージャ2006

 ロサンゼルス・タイムズ紙のトニー・ペリー記者がファルージャに飛んで、米軍駐屯地のクリスマス・イブの模様を伝えて来た。
 キャンプ・ファルージャ、2006年の聖夜である。
 どんな様子だったか、見ることにしよう。

 イブの夜、キャンプの講堂に、海兵隊員や水兵、兵士ら数百人に集まり、従軍牧師の説教を聞いたそうだ。
 ミッシシッピー出身の南部バプチスト派の牧師である、ラス・キイズ海軍中尉はこう語った。「喜びなさい。歩哨に立てるときも、鉄条網の外にあるときも。羊飼いもまた野に戻らなければならないのです」
 説教を受けた兵士たちは「聖し、この夜」を歌ったそうだ。
 
 ケンタッキー出身のひとりの兵士は言った。「神の存在をここに感じる」

 ファルージャの効外の米軍検問所。人造の小さなツリーにはM16自動小銃の弾倉と、イラク人から没収した偽造証明書が飾られていた。

 そんな陣地を海兵第5連隊の司令官、ニコルソン大佐が巡回し、葉巻を配って歩いた。
 「一生、忘れられないクリスマスになるな」と、大佐は声をかけた。

 「それは今晩、どうなるか次第さ」と、ファルージャ周辺で最も危険なカルマーでの任務に出かけるクレイグ・ウィルソン伍長(21歳)は言った。

 カンサスから来た27歳のジョシュ・フォスター軍曹の元へ、知らない少女からクリスマス・カードが届いた。
 「メリー・クリスマス! 死なないで」とあった。

 米国の反戦サイトの集計では、クリスマスの25日の犠牲者はイラク人83人と米兵6人が死亡、イラク人46人と米兵5人が負傷した。

 米兵諸君、これ以上、人を殺さず、生きて帰ってくれよ。
 日本のわたしからも一言、「メリークリスマス&ハッピー・ニュー・イヤー!!」  

 

http://www.antiwar.com/updates/?articleid=10220

http://www.latimes.com/news/la-fg-iraqxmas25dec25,1,5624558.story

Posted by 大沼安史 at 12:04 午前 | | トラックバック (0)

2006-12-25

〔いんさいど世界〕 時代精神(Zeitgeist) 2006

 2006年が暮れてゆきます。この年、いろんなことがありました。アメリカの「イラク敗戦」がハッキりしました。日本では「硫黄色の過去」が復活、ヒトラーと手を握った松岡洋右&元満州国産業部次長・東条内閣商工大臣・元A級戦犯ながら、なぜか巣鴨から釈放され、「鬼畜アメリカ」との安保条約を強化した岸信介のDNAを持つ安部晋三氏が「首相」となり、欧州知識層に衝撃を与えました(ル・モンド・ディプロマティーク誌)。

 そんな2006年が終わりに近づいています。
 そこで今日は、2006年に「世界」は何に関心を寄せたか、この年、世界の人びとは何に注目し、何を知ろうとしたか、振り返ってみたいと思います。

 ちょっと前までは、「世界」の人たち(あるいは日本の人たち)が何に関心を寄せているかなど、知る由もありませんでした。
 なんとなく想像するしかなかった。
 でも、いまは違うんですね。ちゃんと分かるようになった。
 

 そのひとつの方法が、グーグル(Google)です。この世界的な検索エンジンが「時代精神」、ドイツ語で「Zeitgeist」という統計データをとるようになって、わかって来たんです。世界(日本)の人たちが、何に関心を寄せたか、ということが……。「検索」の件数分析でわかるわけです。

 で、2006年の「世界」の「関心事ベスト10」を見てみると、なるほど、世界はこう動いているんだなってことがわかります。

 早速、「ベスト10」を発表することにしましょう。
 第一位は、bebo。みなさん、何のことかわかりますか? わたしも分からないで調べてみました。
 これって「ソーシャル・ネットワーキング」の「次世代」サイトなんだそうです。ソーシャル・ネットワーキングといえば、日本では「ミクシー」が有名ですよね。これって世界的には「マイ・スペース」って言うのが有名ですが、その上をいくサイトが誕生して、人気を呼んでいるそうです。
 この「ベボ」、アメリカのサンフランシスコに拠点を置いており、「学生時代の友だち」とコンタクトを取りつづけることができるのが売りなんだそうです。
 それ以上のことは、ちょっと分かりません。

 で、この「ベボ」に続く第2位が、さきほど触れた元祖ソーシャル・ネットワーキング・サイトである「マイ・スペース」。
 こうしてみると「世界」の人びとはことし、ネット上でヒューマンなつながりを求める「ソーシャルイ・ネットワーキング」へと関心を集中させたことがわかります。
 ネットが世界中の人びとを繋ぐ時代になったわけですね。

 3位以下は、③worldcap④Metacafe⑤radioblog⑥wikipedia⑦video⑧rebeide⑨mininova⑩wiki―の順。
 3位の「ワールドカップ」とか7位の「ビデオ」はわかりますが、ほかは何だかよく分かりませんよね。

 で、ちょっと調べてみると、4位の「メタカフェ」とか、5位の「ラジオブログ」とか、9位も「ミニノバ」というのは、ネットのビデオとか音楽のダウンロード・サイトなんですね。8位の「レバイド」もラテン・アメリカ系の同じようなサイト。

 世界のビジュアル(映像)アート・音楽アートは、いまやネットを通じ、世界的にむすびつているわけですね。

 6位のウィキペデアも10位のウィキも、ネット上で有名な、自分たちで書き込める「ネット百科事典」および、情報共有に関する書き込みスキルのこと。
 世界中の人びとがネットに知識を書き込み、共有する時代が来ているわけですね。いや、すごいことになりました。

 それでは、2006年の日本の関心事は何か、グーグルの「時代精神」分析を見てみると、最新データであることし11月の「ベスト15」はこんな状況です。

 1位はau。これはもう説明しなくてもいいですよね。
以下、②デスノート③ps3④ユニクロ⑤時のオカリナ――の順。 これまた、説明しなくてオッケーですよね。

 ベスト15も顔を覗かせている、タレントさん、3人について、下の方から見ると、⑮に「長澤まさみ」さんが入っています。そのひとつ上、⑭は「藤原紀香」さん。お笑い芸人と一緒になった、あの人ですよね。

 それから⑧には「新垣結衣」さん。
 この人、愛称はガッキー。とっても可愛らしいタレントさんです。

 時代はこの人、ガッキーこと新垣結衣さんの時代になっているんですね。知りませんでした。

 ところで、「グーグル」って米西海岸、ポートランドに大拠点施設を設けて、まさに日の出を勢いIТ企業ですが、サイト検索だけでなく、最近は「地図検索」にも乗り出し、すごい人気なんです。

 そしてこんどは、NASA(米国航空宇宙局)と契約して、「月面地図」の映像で見れりようにするんだそうです。

 「グーグル」はまた、世界の大学図書館の蔵書を、ロボットを使ってデータベース化する作業を続けており、ネット上に全世界、古今東西の「活字情報」が「保存・活用」される日も近づいています。

 ネットでもって世界は変わる。
 2007年にはどんな「予想外」のことが起きるか、楽しみですね!!

Posted by 大沼安史 at 09:40 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-12-23

〔NEWS〕 パトリック・コクバーン氏の『イラク占領』、邦訳決定 

 英インディペンデント紙の中東特派員、パトリック・コクバーン氏の最新刊、『イラク占領』の日本語版刊行が決まった。
 原書の著作権を持つ同氏が中東の取材先から、邦訳に同意したもの。
 翻訳は、わたし(大沼)があたり、近日刊行を目指す。
 
 コクバーン氏はイラク情勢を現場から報じ続けた、第一線のジャーナリスト。同書は、「イラク戦争」を、イラクの側から捉え返した、イラク戦争報道の名著である。
 乞う、ご期待! 

Posted by 大沼安史 at 09:26 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イラク出征拒否のワタダ中尉 ハワイに帰省 教会で演説 日系社会 スタンディング・オーベーション

 米ハワイの地元紙、ホノルル・スター・トリビューン紙(電子版、12月20日付け)が報じたところによると、イラク出征を拒否、軍事法廷で裁かれるハワイ出身の日系アメリカ人、アーレン・ワタダ中尉がハワイに帰省、モイリーリの教会で演説し、聴衆総立ちの喝采を受けた。

 ホノルル生まれのワタダ中尉は年明けに、ワシントン州の陸軍基地で軍事裁判にかけられる。有罪となれば最大6年の懲役刑に処せられる。

 演説のなかでワタダ中尉は、アメリカの民衆はブッシュ政権に「嘘をつかれ、騙され、裏切られた」と指摘、イラク戦争は「合衆国憲法に対する犯罪だ」と弾劾した。

 ワタダ中尉はまた、「自分の部隊と離れることは苦しいことだったが、この狂気を止めるには何かをしなければならなかった」と語った。

(大沼・注)
 トリビューン紙の記事についていた、日系人に励まされるワタダ中尉の写真は、すべてを物語って余りある。
 なにより表情が美しい。
 ワタダ中尉を生み出した、ハワイの日系社会こそ「美しい国」と呼ばれるにふさわしいと思った。
 安部首相よ、あなたも政治的打算を離れ、ワタダ中尉に連帯のメッセージを贈り、中尉のような「いい顔」になってみないか?
 松岡洋右、岸信介のDNAを持つ、あなたが「変身」することで、日本は歴史的転回を果たしうる。
 安部晋三氏よ、「美しい国」を言うなら、ワタダ中尉の支援に立ち上がりたまえ!
  

http://starbulletin.com/2006/12/20/news/story11.html

Posted by 大沼安史 at 09:10 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-22

〔NEWS〕「無実プロジェクト」 188人目は「終身刑」の男性

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版、12月22日付け)に、うれしい記事が出ていた。米国で冤罪を晴らす運動を続ける、NPO「無実プロジェクト」の手で、殺人の罪でニューヨーク州内の刑務所で終身刑服役中のロイ・ブラウン氏が獄中から救出される見通しとなった。
 DNA鑑定などでブラウン服役囚の無罪が確定した。
 ブラウン氏は1991年にソーシャル・ワーカーの女性を殺害したとして逮捕され、有罪判決を受けていた。
 同氏は同プロジェクト188人目の無罪確定者になる。

(大沼・注)
 タイムズ紙の記事には書いていないが、「無実プロジェクト」とは、ノースウェスタン大学のジャーナリズム大学院のデービッド・プロテス教授が院生たちと始めた、濡れ衣晴らしの活動だ。

 わたしが1月に出す、「教育再生プロジェクト小説」、 『緑の日の丸』 (本の森)は、このプロテス先生のプロジェクトをモデルのひとつにしている(それで、上記の記事を読んでうれしくなった!!)。

 フリースクール「自由が丘サドベリー・スクール」のスタッフ、子どもたちが「無罪探偵団」を結成、近くの公立中学での「100万円蒸発事件」、卒業式の「日の丸蒸発事件」を解決。それがきっかけになって教育界における「構造腐敗」が発覚、日本が「緑の国づくり」に進むモーメンタムを生み出す、というストーリーである。

 「日の丸」はなぜ「赤」でなく「緑」でなければならないか?
 それは読んでのお楽しみに!!

〔近刊案内〕
 
 ●       『緑の日の丸』                   ○
         大沼安史著 1600円 本の森 刊

         卒業式の「日の丸」が消えた! 「緑の学校」が日本を救う!
  
 ●○ 詳しくは⇒ http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/891.html ○●


http://www.nytimes.com/2006/12/21/nyregion/21brown.html?_r=1&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 09:53 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-21

〔NEWS〕 バーモントの反戦おばあちゃん ローズマリーさん 州最高裁で無罪判決

 米バーモント州ベニントンに住む、平和運動家のローズマリー・ジャコウスキーさん(69歳)が、さきごろ州最高裁で無罪判決を勝ち取った。
 ローズマリーさんは2003年3月20日、ベニントン市内の交差点で、イラク戦争に反対し、ほかの11人の仲間を抗議行動を行い、逮捕された。
 交通を妨害したとして1審で有罪となったが、州最高裁に上告したところ、11月22日、無罪判決を言い渡された。
 彼女は「交通を妨害したのではなく、イラク戦争に反対しただけ」と語った。
 一緒に逮捕された他のメンバーは罪を受け入れたが、彼女だけは「何も悪いことをしていない」と拒否していた。
 彼女は元教師。現在はジャーナリストとして活動している。
 身長145.6センチの小柄なおばあちゃんだが、一本、筋金が通っている。

(大沼・注)
 バーモントからは先の中間選挙で、米国史上初の社会主義上院議員が生まれた。
 「リンゴと蜂蜜にリベラリズム(?)」……おもしろい州である。


http://news.yahoo.com/s/ap/20061218/ap_on_re_us/peace_activist_2

Posted by 大沼安史 at 10:35 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-20

〔For the Record〕 ブッシュ大統領、初めて「イラク戦争」「勝ってはいない」認める

 ブッシュ大統領は12月19日、ワシントン・ポスト紙とのインタビューで、初めて「イラク戦争」で「勝ってはいない」ことを認めた。

 大統領はしかし、「負けてもいない」と強弁し(We're not winning, we're not losing.)、さらに「われわれの軍とリセットする必要がある」と、イラク投入兵力の規模を拡大する考えを示した。

 一方、ニューヨーク・タイムズ(電子版、12月20日付け)によれば、米軍の中東現地司令官のひとり、アビザイード将軍が、米軍の「イラク増派」に抵抗している。

 短期間にはたしかに効果はあるかもしれないが、結局はイラクの人びとに拒絶される「毒」にすぎない、との主張だ。

(大沼・注)
 ブッシュ大統領がワシントン・ポスト紙との会見で、「イラクでは、勝ってはいない」と表明したのは、あくまで米軍の増派のための理由づくりである。
 米軍トップの「抵抗」を、ポスト紙との「会見」だけで突破できるのか?
 情勢の推移をなお見守る必要があるだろう。


http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/12/19/AR2006121900880.html

http://www.nytimes.com/2006/12/20/world/middleeast/20abizaid.html

Posted by 大沼安史 at 07:03 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-19

〔NEWS〕 米軍(統合参謀本部) ホワイトハウスの「イラク増派」計画 「明確な作戦目的」に欠けると批判

 ワシントン・ポスト紙(電子版、12月19日付け)が報じたところによると、ホワイトハウスが検討の俎上にのせているイラクへの米軍増派について、当の統合参謀本部自体が「明確な作戦目的(ミッション)を欠いたものであると認識していることが、関係筋の証言で明らかになった。
 同筋はまた、統合参謀本部はまた、イラク増派計画について「選択肢の少なさ」による「執着」と見ていると指摘した。
 米軍のトップが「イラク増派」に対して厳しい態度をとっているのは、それが「イラク侵攻以来、最も重大な決定」となるため。
 同紙によれば、ペンタゴン(国防総省)は先週のブッシュ大統領への定ブリーフィングで、短期的な増援は、イラク戦争の終了時において、米国に「より大きな諸問題」を引き起こしかねないと警告したという。

(大沼・注)

 最高司令官(大統領)に対する、米軍の「反乱」が始まった???

 

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/12/18/AR2006121801477_pf.html

Posted by 大沼安史 at 06:48 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-18

〔NEWS〕 パウエル前国務長官 「イラク敗戦」 来年半ばからの撤退開始を提言

 パウエル前米国務長官は12月17日のテレビ番組に出演、長い沈黙を破り、「イラク戦争」について見解を明らかにした。
 18日付けのワシントン・ポスト紙によると、パウエル前長官は「イラク情勢は“重大かつ悪化”している。われわれは勝っていない。負けいている」と、「イラク敗戦」の認識を明らかにした。
 前長官はまた、米軍の増派では状況を変えることができないと指摘、来年2007年半ばからの撤退開始を求めた。


http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/12/17/AR2006121700494.html?nav=hcmodule

Posted by 大沼安史 at 07:10 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-17

〔For the Record〕 「社会的ビジネス(social business)」が世界を救う モハマド・ユヌス氏、かく語りき ノーベル平和賞 受賞演説 

 「グラミン銀行」の創始者、バングラデシュのモハマド・ユヌス氏が12月10日、同銀行の9人の代表(借り手)とともに、ノーベル平和賞を受賞した。

 ユヌス氏は、ノルウェーのオスロで開かれた授賞式での記念演説のなかで、利潤の最大化ではなく、公正な社会の実現を目指す「社会的ビジネス(social business)」こそが、貧困にあえぐ世界の人々を救い、この世に平和をもたらすものだと強調、貧困を「博物館」の中だけの過去の遺物とするよう、全世界の人々の決起を促した。

 演説(ノーベル・レクチャー)の冒頭、ユヌス氏は、700万人に及ぶ「グラミン銀行」の借り手を代表して9人の仲間が同氏とともに授賞式の場に臨んでいることを紹介。

 この日の「受賞」が世界中で苦闘する数億人の貧しい女性に対し「最高の栄誉と尊厳」をもたらしたと述べ、この日が彼女たちにとって「歴史的な瞬間」であると指摘した。

 そのうえでユヌス氏は、「貧困は平和に対する脅威」であるにもかかわらず、世界の所得分配の極端な偏りを見せ、「世界の所得の94%が全人口の60%に行き渡り、残る6%だけが40%の人々に配分されている」現状を批判。
 
さらに、国連が2000年に採択した「2015年までに世界の貧困を半減させる」目標はどこに消えたかと述べ、世界の指導者の関心が「貧困」から「テロとの闘い」にシフトしている現実を厳しく指弾した。

 ユヌス氏は「不満・敵意・怒り」を呼び覚ます「貧困」は、「あらゆる人権の不在」を意味すると主張、大多数派である貧しい人々に対して「機会を創造すること」が、過去30年間のグラミン銀行の活動だったと語り、同銀行の歴史を振り返った。

 1974年にバングラデシュを襲った飢饉を尻目に、大学の教室で「エレガントな経済理論」を講義することができなくなった同氏が、最初に行った個人的な融資の総計は、米ドルでたった27ドル。それで、「金貸し」にすがり、「奴隷労働」を続けざるを得ない周囲の貧困者、47人を助けることができたという。

 そうして始まったユヌス氏の活動は1983年、「グラミン銀行(村の銀行)」のかたちに結実。いまや700万人の借り手(その97%が女性)を擁する大銀行へと成長した。預金残高は貸付残高の1.43倍。返済率は99%。借り手の58%が「貧困線」を突破、自立の道へと進んだという。

 物乞いの女性85000人にも、無利子、あるとき払いで融資し、すでに5000人が行商などで実を立てているそうだ。

 ユヌス氏の「グラミン銀行」は、ICT(インターネット通信テクノロジー)に活かした貧困撲滅にも取り組み、携帯電話の「グラミン・テレフォン」を設立、現在、30万人の女性が融資をもとに携帯電話のオーナーとなり、地元の村でレンタル事業を営んでいる。

 ユヌス氏は「グラミン銀行」の歴史と現状をスケッチしたあと、「市場経済」について「市場の自由の強化」に賛意を示しながら、「市場のプレーヤー」に対して、「利潤の最大化」を求める「一次元的な人間」でしかないとの「概念的な制約」が加えられていると批判。

 「利潤」最大化のビジネスではない、「世界」そして「民衆」に目を向けた「社会的なビジネス」もあり得べきであり、そうした「新しいビジネス」によって、世界の社会・経済問題のほとんどに対処できると語った。

 ユヌス氏は「グラミン銀行」もまた、そうした「社会的ビジネス」であるとしたうえで、その傘下の「社会的ビジネス」として新たに「ヨーグルト工場」と「眼科チェーン」を展開していると報告。

 こんごの「社会的ビジネス」が取り組むべき課題として①「社会的株式市場」の創設②「社会的なウオール・ストリート・ジャーナル」の創刊③「社会的ビジネス」の多国籍的展開――などの夢を語った。

 こうしたうえでユヌス氏は、貧困は貧しい人々によってつくられたものではなく、「貧しい人は盆栽のようなものだ」との喩えを引きながら、「人間のキャパシティーを過小評価する」「理論的な枠組み」や「経済・社会システム」によって産み出されたものだと批判。

 「グラミン」は同氏に対して、「人間の創造性に対する揺るぎのない信念」をもたらしたとして、貧しい人々の「エネルギーと創造性の解放」で世界の貧困を撲滅し、貧困を博物館送りしようと呼びかけた。


http://nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/2006/yunus-lecture.html

Posted by 大沼安史 at 06:24 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-15

〔新刊案内〕 ● 教育再生マニフェスト小説 『緑の日の丸』新年1月刊行!! ●

         『緑の日の丸』
         大沼安史著 1600円 本の森 刊

         卒業式の「日の丸」が消えた! 「緑の学校」が日本を救う!
  
 ●○ 詳しくは⇒ http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/891.html ○●

Posted by 大沼安史 at 04:37 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「ぼくは、民衆の思考をコントロールする権力者の敵になった」 ホリエモンがFT紙で「逆襲」会見

 ホリエモンがフィナンシャル・タイムズ紙(電子版、12月14日付け)の会見に応じ、「古い日本の嫉妬深いエリート」に対し「逆襲」を試みた。
 ホリエモンがFT紙のような権威あるメディアのインタビューを受けたのは、保釈後、初めて。
 
 以下は、彼の「発言」のハイライト部分。

 「ぼくが有名になるにつれ、彼らがぼくを捕まえる気になっていることがはっきりしてきた。ぼくは、民衆の思考をコントロールする権力者の敵になった。政府より強大な検察当局の敵になった。そのふたつの力のおかげでいまのぼくがいる」

 「ぼくは若者たちに夢を与えた。しかし、そうした夢は官僚機構にとって危険なものだった」

 「ぼくはまだ日本を変えたいと思っている。豊かな国にしたいと思っている。しかし、塀のなかからそうしたいとは思わない」  


http://www.ft.com/cms/s/be791252-8baf-11db-a61f-0000779e2340.html

Posted by 大沼安史 at 04:35 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米軍 イラクへ35000人増派を検討

 バグダッドを訪れたジョン・マッケイン米上院議員は12月14日、現地司令官らと会談後、イラクに対して最大10個旅団、3万5000人を増派することが検討されていることを明らかにした。 
 ニューヨーク・タイムズ紙が15日に伝えた。

(大沼・注)
 どこまで続く、ぬかるみぞ。
 イラク戦争はむしろ、日中戦争に似てきた!


http://www.nytimes.com/2006/12/15/world/middleeast/15iraq.html?_r=1&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 04:21 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 パレスチナの子どもたちにとって2006年は最悪の年のひとつ 123人が死亡 ユニセフが報告

 パレスチナの子どもたちにとって、2006年が最悪の年のひとつになったことが、ユニセフの発表で明らかになった。
 ことしは紛争で123人が死亡したが、これは昨年(05年)を倍も上回る数。
 その一方でなお、約340人の子どもたちが拘束施設に抑留されているという。


http://wafa.ps/english/body.asp?id=8807

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〔イラクから〕 米軍 ファルージャ総合病院を「襲撃」

 インター・プレス・サービス(IPS)がファルージャ発で報じたところによると、米軍は12月7日、ファルージャの総合病院を襲撃、医師やスタッフを逮捕、医療活動を妨害した。
 米軍の病院襲撃は、米海兵隊員が銃撃に遭い、負傷したことに端を発したらしい。
 米兵は病院内に侵入すると、医師、看護師らスタッフを中庭に集め、未明まで院内の捜索活動を続けた。
 
(大沼・注)
 死者が出なかったのが救いだ。
 クリスマスを前に、病院を襲撃する米兵ら。その絶望と苛立ち。
 これまた悲しい話である。

http://www.antiwar.com/jamail/?articleid=10165

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2006-12-14

〔イラクから〕 米海兵隊 女性少佐 戦死

 イラクのラマディーで12月6日、路肩に仕掛けられていた爆弾が爆発、米軍のトラックに乗っていた海兵隊少佐、メガン・マクラングさん(34歳)が死亡した。
 米紙が12日に報じた。
 米海軍兵学校卒。
 イラクで戦死した女性兵士のなかで、位は最も高い。広報を担当していたという。
 トライアスロンの選手でもあった。
 

http://www.usatoday.com/news/world/iraq/2006-12-12-marine-mcclung_x.htm

Posted by 大沼安史 at 04:20 午後 | | トラックバック (0)

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Posted by 大沼安史 at 02:04 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米軍撤退あればスンニ派武装勢力を支援 サウジ国王が表明

 ニューヨーク・タイムズ(電子版、12月13日付け)の報道によると、サウジアラビアのアブドラ国王は、2週間前にサウジを訪問したチェイニー米副大統領に対し、米軍がイラクから撤退した場合、サウジとしてスンニ派に対して資金援助を行うことがありうるとのメッセージを伝えていたことがわかった。

 同紙は情報源として、米政府筋とアラブ外交筋を挙げている。

 アブドラ国王はチェイニー副大統領に対し、イラク・スンニ派への資金援助は、シーア派勢力とのいかなる「戦争状態」においても実施することがありうると伝えた。

(大沼・注)
 イラクからの米軍撤退は当面、ありえないというブッシュ政権のスタンスを「強化」するリークではある。
 出所はチェイニーのオフィスか?
 

http://www.nytimes.com/2006/12/13/world/middleeast/13saudi.html?_r=1&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 01:42 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 イラク石油法を視野に ISG オイリー・ダメコン報告

 ベーカー元国務長官による「イラク・スタディー・グループ(ISG)」の報告なるものが、12月6日に発表された。
 主流メディアの目は、当初「2008年の第一四半期における米軍撤退」にばかり注がれていたが、ここに来て、ISGの提言のほんとうの狙いが明らかになってきている。
 「米軍撤退」に加え、シリア・イランとの協議、パレスチナ問題への言及など「柔軟姿勢」をちらつかせながら、新石油法の年内成立を図る――これが、ベーカー氏の狙いである。
 ターゲットはあくまでも、埋蔵量世界第2位のイラクの石油。
 今回のISG報告とはつまり、ブッシュ政権のずさんな戦争計画による破局のダメージ・コントロールを図る一方、「石油確保」という、米国のイラク軍事侵攻の理由を明確化させた、「オイリーなダメコン報告」以外の何ものでもない。

 米紙ロサンゼルス・タイムズの報道(電子版、12月8日つけ)によれば、ISG報告の79項目に及ぶさまざまな「勧告」のうち、たとえば「第63勧告」に、ベーカー氏らの意図が透けて見える。
 同勧告は、米政府(ブッシュ政権)に対し、イラクの政府指導者たちに国内石油産業を民間の事業として再編成することを支援させ、国際社会及び、「国際エネルギー企業」による投資を促進させる、ことを求めている。
 
 イラクの石油産業は1972年に国営化されており、それを抜本的に見直す新石油法案の検討作業は現在、大詰めを迎えている。
 ISG勧告は、その法案を早期に成立させ、イラクの石油権益を石油メジャーに売り渡す後押しをせよ、とブッシュ政権に求めているわけだ。

 ISG報告にはほかにも、石油がらみで驚くべき勧告が盛られている。
 たとえば「第62勧告」。
 米国の平和運動家、トム・ヘイドン氏の指摘によれば、同勧告は、ブッシュ政権に対して、「投資のために金融と法的な枠組み」を創設する石油法の条文整備にについて「支援すべきである」と言い切り、IMFとともにイラク・エネルギー資源に対する統制撤廃を進めるよう求めている。
 露骨すぎるほど露骨な「勧告」である、といえよう。

 ベーカー長官がイラク戦争開始後、日本を含む世界19ヵ国(パリ・クラブ)に対するイラクの対外債務1200億ドルの80%を帳消しにするのと引き換えに、イラクの経済運営をIMFの管理下に置く工作をした当事者である。
 IMFによる縛りをかけておいて、イラクの石油利権を確保する……借金、棒引きはそのための布石だったわけだ。

 それでは、現在、米国の圧力下、法案整備が進められている「新石油法」の中身とは、どんなものか?
 フィナンシャル・タイムズ(FT、電子版、12月7日つけ)によれば、「生産サービス協定(PSA)」を柱とした「歴史的」なものになるのだそうだ。
 石油を国営化した現行法を完全に覆し、石油開発を長期にわたって外国資本の手に委ねる――それが「PSA」である。

 新石油法とは、石油メジャーを潤す「PSA=ネオ植民地主義協定」(注・FT紙の表現ではありません)を軸とする新法であるわけだ。

 イラクの石油は地表に近いところにあり生産しやすく、しかも硫黄分の少ない「最も甘い」ものだという。それが手付かずのまま、地下に眠っている! だから、サダムの手から、それを奪う!

 言うまでもなくベーカー長官は、石油資本の代弁者であり、ブッシュ大統領、チェイニー副大統領と政治基盤を同じくする人物だ。
 そのベーカー氏がまとめたISG報告とはつまり、ブッシュ政権を追い込むものではなく、その場しのぎの「助け舟」に過ぎない。

 イランやシリアにいい顔をしながら、とりあえず新石油法さえ通せばいい。それが、このタイミングでISG報告が出されたほんとうの意味である。

 主流メディアがこぞって報じた「2008年初めの撤退」にしても、引き揚げるのは戦闘部隊だけであって「防護の兵力」は残すと言っている。

 米軍は何を「防護」するため残留するのか?

 答えははっきりしている。石油関連施設――それだけは間違いなく、半永久的に守り抜くはずである。
 

 

Posted by 大沼安史 at 11:15 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-12-10

〔NEWS〕 生活保護「母子加算」廃止? NHKよ、お前はジャーナリズムなのか? 責任者よ、大臣よ、出て来い!

 居酒屋でNHKテレビ゙の夜7時のニュースを見て唖然とした。「厚生労働省」が生活保護の「母子加算」を廃止する「方針」だという。

 怒りが込み上げた。

 「厚生労働省」が「決めた」というなら、どうして「大臣」に突っ込みをいれないんだ?
 省の責任者は「大臣」だろうが?
 どうして、「大臣」のコメントを求めないんだ?

 もしも、政治家=大臣抜きで、厚生労働省の事務方レベルで決めたというならから、どうして君らの「ニュース・ソース」を明らかにしないのか?

 せめて「厚生労働省高官」と、なぜ、言えなのか?

 君たちはなぜ、「厚生労働省」が「決めた」と、「方針」決定を、「組織責任に転嫁=非人間化」し、「当事者責任」をあいまいにするのか?
 「決めた」なら。「決めた」人間=官僚は誰なんだ?
 大臣はOKしたのか?
 決めた官僚の責任者は誰なんだ?
 それこそが問題だろうに。そこを取材したのか。君たちは?

 NHKよ。恥を知りたまえ!

Posted by 大沼安史 at 07:47 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-09

〔イラクから〕 イラク脱出難民 増加の一途 すでに180万人にも 史上最大規模のエクソダスの恐れ

 ワシントンに本部を置く「難民インターナショナル」が、イラクの国外脱出難民について、史上最大規模のエクソダスになりつつあると警告していることが、英紙ガーディアンの報道でわかった。
 同紙電子版の記事内のリンクで接続される、「難民インターナショナル」の報告によると、11月時点ですでに180万人が国外に流出している。
 イラク国内難民も50万人に達しており、イラク戦争による生活破壊のエスカレートぶりを物語っている。
 現在、イラクの脱出難民が向かっているのは、門戸開放政策を崩していないシリアで、毎月4万人以上が押し寄せている。
 ヨルダンは難民受け入れ拒否に転じ、在留許可の延長も拒むようになっている。
 国際社会による支援策が求められいる。


http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1966333,00.html

Posted by 大沼安史 at 10:46 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-08

〔いんさいど世界〕 「歳末宇宙3大噺」 月・火星・ホーキング博士の夢

 2006年も残すところわずか。あっという間の1年でした。

  まさに光陰、矢の如し。時間は時速で過ぎていった!

 そんな、年忘れのきょうの話題は、「宇宙」。
 最近、「宇宙」がらみの、「うん、これは」といったニュースが「3連発」で流れたので、「歳末宇宙3大噺(ばなし)」として紹介することにしましょう。

 まず、最初の「噺」は、米国航空宇宙局(NASA)による「月面基地建設プロジェクト」。
 そう、NASAが月に人間が暮らせる恒久基地と建設する計画を進めている、という話です。
 NASAが12月4日に計画を正式発表、プロジェクトの全容が判明しました。

 ワシントン・ポスト紙に報道によると、月面生活者の第一陣(4人)がお月様に送り込まれるのは、西暦2020年(ということは13年後)。月の南極に建設した、持続生活可能な「入植地」に降り立ち、とりあえず1週間、暮らして地球に引き揚げる計画です。
 その後、第2陣、第3陣と後続チームを派遣、滞在期間を延ばしながら施設を充実。最終的には2024年に「永住」が可能なかたちに持っていきたい考えです。
 
 そこで、いろいろ疑問が湧くわけですが、どうして南極かというと、月の南極って、ほかの場所と比べ、条件的にいいんだそうです。
 「白夜」というか、日照時間が長い。太陽発電が可能なわけですね。

 つぎに、永住地の「基地」の規模ですが、ショッピング・モール並みのサイズになるといいます。けっこう広いわけですね。
 気密式のランドローバーも配備され、宇宙服を着ないで、月面ドライブも楽しめるとか。

 問題は「水」ですが、月面で水素と酸素を採取してつくるそうです。
 地球にはあまりない「ヘリウム3」というガスも採取し、原子力発電に利用する。鉱物資源も開発し、ロケットの燃料もつくる……なんか、本格的な計画なんですね。 

 この月面基地建設は、「アレス・ロケット」と「オリオン・カプセル」という新しい機材を使って、2009年から開始するんだそうです。

 なぜ、米国が月面に永久基地をつくるかというと、月面探査ということもありますが、もっと凄いことを考えているからです。
 人間による火星探査の中継基地にする、という構想です。

 月を足ががりにして火星へと飛んでいく……夢みたいな話ですね。

 でも、気になることがあります。

 ポスト紙によると、米国としては世界各国と協調しながら、計画を進めたい考えで、これまで世界11ヵ国の宇宙開発当局と話し合い、今回発表した「月面基地建設構想」を練り上げたそうですが、その「11ヵ国」のなかに、「日本」が入っていないのですね。
 中国、韓国、オーストラリア、ロシアは入っていても「日本」は入っていない。
 これはどういうことなのでしょう。H2型ロケットの失敗がたたっているのかな?

 さて、「宇宙3大噺」の2つめは、「火星」をめぐるお話です。
 「火星」の表面の「水流」が「確認」されたという、世紀の大ニュースです。
 火星の軌道を周回しているNASAの探査衛星による衛星写真を解析した結果、火星の2箇所で「水の流れ」が確認されたそうです。
 英紙ガーディアン(12月7日付け)の報道によると、発見したのは、米カリフォルニア州サンジエゴの「マリン・スペース・サイエンス・システム」の研究者たち。

 発見場所は火星の南半球の2地点で、水量もそれぞれ、「プール5~10杯分」に達していた!

 地下水が隕石の衝突かなにかの拍子に地表に飛び出したようです。

 これがもし事実だとすると(液化した二酸化炭素ではないかという説もあります)、これは大変なことですね。
 「水」があれば「命」もある(かもしれない)ということになるわけですから。

 「発見」された「水流」ですが、地表を流れたあと、しばらくして消えたと見られています。
 というのも、火星の表面の気温は摂氏マイナス8度から同100度で、水分はすぐ沸騰し、蒸発してしまうんだそうです。

 でも、地下には地下水が大量にある可能性は高い。
 火星もまた昔は水の惑星だったらしく、表面には湖の跡が残っている。
 われわれ人類、火星に行けば水もあるので、暮らしていけるかも知れません。

 「3大噺」の最後は、車イスの宇宙物理学者、あの英国のホーキング博士に関する話題です。
 ホーキング博士って言えば、アインシュタインが気に入った仙台が気になって、一度お忍びで車イスで来て、一番丁で目撃されたこともある人ですが、11月の30日、ロンドンで、英国の最高科学勲章である「コプリー・メダル」というのを受章しました。その授賞式でホーキング博士が、記念の講演でこんな発言をしたそうです。

 人類の未来世代は種の持続のため、この地球をあとにし、生活可能な他の惑星に移住しなければならない、と。

 つまり、あのホーキング博士が「地球脱出」の必要性を強調したんです。

 博士はBBC放送のインタビューにも出て、そのためのに必要な宇宙旅行のテクノロジーは、「物質・反物質」の衝突から生じる消滅放射のエネルギーを利用したものになるだろうって予言もしました。

 このテクノロジーを使うと、次の惑星に辿り着くまで、最低でもふつう50000年かかるところを、6年間で行ってしまうんだそうです。

 そう予言するホーキング博士自身、英国に富豪にスポンサーになってもらって、地球大気圏外の宇宙旅行をするんだと意気込んでいるだそうです。

 あの不自由なからだで、すごい気力ですね。まさに気宇壮大。

 わたしたちも、下ばかり見て歩いていないで、新年こそ、大空を見上げながら、夢と希望を胸に歩いていきたいものですね。
 

 

Posted by 大沼安史 at 01:28 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-12-03

〔NEWS〕謎のイタリア人、スカラメラ「教授」 毒物症状現れず

 ロンドン発のAP電(12月2日付け)が報じたところによると、毒殺されたリドビネンコ氏とロンドンのスシ・バーで接触したイタリア人「教授」、マリオ・スカラメラ氏に毒物症状が出ていないことがわかった。

 同氏は1日時点での検査で「ポロニウム210」の陽性反応が出ていたが、入院先のロンドン大学付属病院の医師たちは、極めて低レベルの「ポロニウム210」にさらされただけ、との見方を示している。

(大沼・注)
 こうなると、リトビネコ氏に出ていた「自作自演(=ポロニウム自殺)説」は、スカラメラ氏のためにあるようなものではないか。
 スカラメラ氏=エージェント説が強まる所以である。
  

http://news.yahoo.com/s/ap/20061202/ap_on_re_eu/britain_poisoned_spy

Posted by 大沼安史 at 05:17 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 文科省、教育基本法改正案に「国家統制強化条項」を「挿入」  「構想日本」が指摘「やらせ」理由が判明

詳しくは⇒ https://app.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=15469480&blog_id=184076

Posted by 大沼安史 at 04:50 午後 | | トラックバック (0)

2006-12-02

〔NEWS〕 マリオ「教授」 リトビネンコ氏に「暗殺」を警告 実行グループのリーダーは柔道有段者(特殊部隊出身)、黒髪のロシア人 警告の「Eメール」にKGBのOB組織「尊厳と名誉」のリーダー、ヴェリチコ元KBG将軍の名前

 英紙ガーディアン(電子版、12月2日付け)の報道で、イタリア人、マリオ・スカラメラ氏が11月1日、ロンドン市内のスシ・バーで、リトビネンコ氏に対し、両氏を含む5人に対する暗殺計画が進んでいることを、ロシアから受信した「Eメール」を示して警告していたことがわかった。

 スカラメラ氏の「警告」内容は、以下の通り。

 ① 暗殺計画のターゲットになっているのは、リトビネンコ、スカラメラ氏のほか、
   ・リトビネンコ氏のパトロンでロンドン亡命中のロシア人富豪、ベレゾフスキー氏
   ・ロンドンへのロシア人亡命者、ウラジミール・ブコフスキー氏
   ・リトビネンコ氏と連係してKBGスパイ活動の解明にあたるイタリア国会の上院議員  で「ミトローキン調査委員会」委員長のパウロ・グザンティ氏

   ――の計5人

 ② 暗殺の特別作戦を指揮しているのは、ロシア軍の特殊部隊「スペツナーズ」出身の柔道家(黒帯マスター)で、英語とポルトガル語を流暢に話す、黒髪の細身の男。右足を引きずっている。セントペテルブルクの拠点を置くヒットマン組織を運営。

 ③ スカラメラ、グザンティの両氏に対する「行動計画」には、ヴァレンチン・ヴェリチコ元KGB将軍が関与の疑い(Eメールで名指しされている)。同氏はKGBのOB3000人が結集する「尊厳と名誉」のトップ。「尊厳と名誉」はモスクワ郊外に本拠を置き、24以上もの会社を経営(ボディーガード会社、銀行などを含む)。

 スカラメラ氏がこの「警告」を告げると、リトビネンコ氏は「映画みたいだな」と一笑に付し、取り合わなかったという。

 スカラメラ氏が受信した「Eメール」は、FSB(連邦保安庁、KGBはその前身)のエージェントの息子と見られる。
 リトビネンコ氏はそのエージェント(もしくはその息子)を信じておらず、取り合わなかったらしい。

 しかし、リトビネンコ氏はスカラメラ氏の警告に対して、情報をチェックし返事をすると、その場で約束した。

 スカラメラ氏はリトビネンコ氏と情報交換で度々会っており、スカラメラ氏によれば、リトビネンコ氏からの情報で、聖書をくり抜いた空洞に手榴弾と起爆装置を入れ、イタリアに持ち込もうとした、キエフから来た6人組を、イタリア司法当局が逮捕したこともあるという。
 このグループは、グザンンティ上院議員暗殺を狙っていたとみられるという。
 

http://www.guardian.co.uk/print/0,,329651168-103610,00.html

Posted by 大沼安史 at 12:24 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 マリオ「教授」も「ポロニウム210」汚染 尿検査で判明 12月1日夜 ロンドンの病院に入院 リトビネンコ氏と同時期に毒を盛られた可能性 リ氏、致死量の100倍を摂取 リ氏の妻も汚染

 英紙ガーディアン(電子版、12月2日付け)によると、毒殺されたリトビネンコ氏とロンドンのスシ・バーで接触した、謎のイタリア人、マリオ・スカラメラ氏が同市内での尿検査の結果、「ポロニウム201」に汚染されていることがわかり、12月1日夜、市内の大学病院に入院した。
 マリオ氏の摂取量は「致死量になるうる」ものだが、症状は現れていない。

 同紙によれば、新たにリトビネンコ氏の妻、マリナさんも微量ながら「ポロニウム210」に汚染されていることがわかった。

 一方、同紙の取材で、毒殺されたリトビネンコ氏は致死量の100倍もの「ポロニウム210」を盛られたいたことがわかった。価格でいえば、2000万ポンド(20億円)に相当する量だという。


http://www.guardian.co.uk/russia/article/0,,1962354,00.html

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2006-12-01

〔NEWS〕 毒を盛られたガイダル氏 (続報) リトビネコ毒殺 ロシア諜報機関内不穏分子の仕業か? サッカー観戦ファンに混じって5人以上の実行犯グループがロンドン入り

 英紙ガーディアンは12月1日、リトビネンコ氏が死亡した翌日、アイルランドで毒を盛られた、ロシアのガイダル元首相について、モスクワ特派員らによる取材結果を報じた。

 それによると、ガイダル氏(50歳)の意識が朦朧としはじめたのは、ダブリンの西、マイヌースの大学での講演を終えようとしていたときだった。(その後、30分以上、床に倒れれ鼻から出血し、血を吐いたのは、フィナンシャル・タイムズ紙の報道を同じ)

 ガイダル氏はモスクワに戻って入院し、現在、容態は安定しているが、体重は半減したという。

 入院中のガイダル氏に対して、プーチン大統領は電話で見舞ったという。

 ダブリンのロシア大使館では「胃腸病による」との見方を示しているが、側近によれば、ガイダル氏は健康で、ジョギングもしていたという。

 一方、同じガーディアン氏は同日、リトビネンコ氏の毒殺について、英国の情報機関がロシアの諜報機関(秘密警察)内の「不穏分子」による犯行との見方を強めている、と報じた。
 実行犯グループは5人もしくはそれ以上で、11月1日、ロンドンで行われたロシア・サッカーチームの対アーセナル戦観戦ファンに混じってロンドン入りし、すぐ帰国したという。

 英国情報機関はしかし、プーチン政権による「公式」の関与については否定しているという。
 


http://www.guardian.co.uk/russia/article/0,,1961549,00.html

http://www.guardian.co.uk/russia/article/0,,1961546,00.html

Posted by 大沼安史 at 05:56 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 メリーXマス! レアナ・ニシムラ軍曹! ある日系シングルマザー兵士の帰還

 そろそろ、ことしもクリスマスである。

 先日、ワシントン・ポスト紙の電子版を見ていたら、去年の暮れに、「一日遅れのクリスマス家族再会」を果たしたシングルマザー兵士の話が出ていた。イラクの戦場から戻った日系の女性兵士が、3人の子どもたちとともに、生活を始める話である。

 素晴らしい記事だった。感動して涙が流れた(57歳ともなると、涙腺が緩んでしまって……)。
 筆者のドナ・セント・ジョージ記者に敬意を表しつつ、記事の中身の概略を紹介したい。

 米軍(メリーランド州兵)の通信部隊の軍曹としてイラクの戦場で任務に就いていた、日系の女性兵士、レアナ・ニシムラさん(29歳)が、米国東部メリーランド州トーソンの基地に、生き残った部隊の仲間ととも帰還したのは、昨年11月初めのことだった。

 ニシムラさんが送り込まれていたのは、バグダッドの北にあるティクリット。スンニ派の武装抵抗勢力が活動する、サダム・フセインの出身地だった。
 ニシムラさんも常にM16自動小銃を携行、通信兵として危険な任務についていた。

 生還したニシムラさんたちのバスが、黄色いリボンの基地に到着すると、1人の兵士が降車するなり地面にキスをした。そこには同僚の家族が待っていて、帰還した夫(父)、妻(母)にかけより抱きついた。

 その場に、ニシムラさんを待つ家族の姿はなかった。
 夫とはすでに離婚、7歳の長男、T・Jを頭とする3人の子は、ハワイの祖母(シンシア・ニシムラさん)の元に預けていたからだ。

 帰還の日はもちろん、わかっていたが、戦地から仕送りを続けていた彼女に、3人の子をハワイから呼び寄せるだけの余裕はなかった。 
 
 ニシムラさんはイラクに派兵されるまで、学校の教師としており、チアリーダーのコーチでもあった。州兵に登録していたのは、3人の子を抱えたシングルマザーとして、少しでも収入を増やすためでもあった。

 イラク戦争は、そんな彼女を戦地に駆り出した。
 イラク、アフガニスタンに送り出された米軍女性兵士は、ドナ・ジョージ記者によると、実に15万5000人に上る。そして、そのうちの1万6000人が、ニシムラさんのようなシングルマザーだ。
 
 ティクリットに送り込まれた2年前、ニシムラさんは、枕に3人に子どもたち(T・J=当時7歳、2男・ディラン=6歳、長女・シャイアン=3歳)の「顔」を縫い付けてて、一緒に眠るようになった。基地を離れるときはダッフルバッグに入れ、持ち歩いた。

 帰還した彼女に、教職への復帰の道は閉ざされていたが、州兵組織にフルタイムの仕事を得て、なんとか暮らしを立てれるようになった。

 新しい勤務先は、トーソンから90マイル離れたアーブル・ド・グラースの州兵基地。
 借家を借りて、電話を引くのが精一杯だった。離婚に至る経過のなかで経済状態が悪化し、クレジット・カードも持てないでいた彼女に、もう余裕はなかった。

 そんな彼女をみかねて、手を差し伸べてくれる人が現れた。向かいの教会の牧師と信者が食料品を差し入れてくれた。職場の上司が子ども用のベッドを届けてくれた。近くに住むクロフォード夫妻が食品や衣類を持って来てくれた。

 ハワイの子どもたち、新しい家から電話をした。
 1日に早い再会を願って、「オペレーション・ヒーロー・マイル」というプログラムを利用し、航空チケットをゲットしようとした。申し込んだら、戦傷者とその家族向けの援助プログラムだった。
 彼女に寄贈を申し出る人もいたが、有資格者ではないと使えないとわかった。

 クリスマスが近づいていた。それまでに、なんとしても子どもたちに会いたい、再会し、一緒に暮らしはじめたい、と彼女は願った。

 上司のひとり、ティモシー・ムレン少佐が動いた。復員兵の団体や教会に手紙を書いて、義捐金を募ったのだ。
 3人の子どもたちと祖母のシンシアさんの4人をハワイから呼び寄せる格安クリママス航空チケット代(1500ドルを切る額)が集まったのは、クリスマスの12日前のことだった。

 子どもたちとシンシアおばあちゃんがハワイから着いたのは、昨年12月26日の朝。クリスマスの1日後だった。安いチケットは、そうでもしないと手にできなかった。
 1日遅れのクリスマスの再会だった。

 人びと善意に支えられ、一家4人の生活が始まった。彼女と子どもたちに幸せが戻って来た。
 もう安心していいはずなのに、そんなニシムラさんを悪夢が襲うようになった。夜、眠られなくなったっり、突然、涙を流すようになった。
 
 こんな夢を見た。爆弾が炸裂する中、2番目の子どもを背負って匍匐前進する夢を。
 子どもたちを、探しても、探しても見つけることができない夢を見た。

 カウンセラーに相談すると、PTSD(後心的外傷ストレス障害)だと言われた。

 家族再会から8ヵ月経ったことし夏のことだった。勤務先の州兵基地で、彼女のイラクからの帰還を祝う式典があった。
 制服を着た彼女を見て、長男のT・Jが泣き叫び、膝に抱きついて離そうとしなかった。
 式典は彼女なしに行われた。

 最近、ニシムラさんは配置転換で、従軍牧師のアシスタントに就いた。

 ついこの間、11月半ば、長男のT・Jが参加する「ボーイ・スカウト」の集まりで、イラクの話をした。
 イラクの戦場にいる兵士に、クリスマスの贈り物を送る集まりだった。

 そこで彼女は、スカウトの子どもたちに、「どこに行くにもM16(自動小銃)を抱えていたわ」と言った。
 初めての打ち明け話。
 T・Jが目を大きく見開いて聞いていた。

 ニシムラさんがスカウトの子どもたちに「(わたしの子どもたちのように)1年間も、パパやママに会えなかったら、どんな気がする?」と聞いた。
 一人が答えた。「さびしい」
 もう一人が「クレージーになっちゃう」と言った。
 T・Jが立ち上がって言った。
 「ぼくはいっぱい泣いちゃった」

 T・Jは、ほかの男の子と一緒に、イラクへ送るクリスマス・カードにメッセージを書き込んだ。母親に書いた手紙と同じメッセージだった。

 Come back safely!   そう書かれていた。

 ――以上が、ドナ・ジョージ記者の長文記事の要約である。
 ことしはニシムラさん一家にとって家族が再会し、初めて迎える「1日遅れ」ではない、本当の「クリスマス」だ。T・Jたちにもきっと、サンタがプレゼントをするだろう。
 ニシムラさん一家の幸せを、わたしたちも祈ることにしよう。
 一足早い、「メリー・クリスマス!」をレアナ・ニシムラさんとその家族へ! お幸せに!!
 

 
    

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/11/23/AR2006112301236.html

Posted by 大沼安史 at 12:54 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 米軍 少女5人を殺害 生き残った1人 治療を拒否

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版、11月29日付け)が報じたところによると、イラク西部、ハマニヤーで11月28日、戦車の砲撃を含む米軍の攻撃により、少女5人(そのうちの少なくとも1人は女の赤ちゃん)と少年、もしくは成人男性1人の5人が殺された。

 ほかに少女もしくは若い女性1人が負傷して生き残ったが、米軍の治療を拒否したという。

 米軍は武装抵抗勢力を掃討中の出来事だったと説明している。

 (大沼・注)
 少女5人、そのうち少なくとも1人は女の赤ちゃんと見られる?
 遺体の損傷がよほど激しいから、こういう表現になっているのだろう。

 むご過ぎる。もう、やめてくれ!


http://www.nytimes.com/2006/11/29/world/middleeast/29iraq.html?_r=1&oref=slogin&pagewanted=print

Posted by 大沼安史 at 09:59 午前 | | トラックバック (0)