« 〔追悼〕 サリー・リリエンソールさん 死去 87歳 平和運動家・彫刻家 | トップページ | 〔NEWS〕 米国の有力軍事紙、「アーミー・タイムズ」が国防長官辞任を要求 »

2006-11-05

〔A Happy New Life!〕 救世主ならぬ救生酒? 赤ワイン 自然成分に延命・カウンター飽食効果

 ボージョレ・ヌーヴォーの季節ですね。ワイン党にはうれしいシーズンがやって来ました。
  肉料理には赤ワイン。
 別に凝らなくて大丈夫です。
 スーパーで値引きの豚肉なんかを買って茹でて、それをオカズに、お手ごろ価格の「赤」を飲む。
 ぼくのような独り者には、これで十分です。
 気合ですよ、気合。レストランに行った気分に、無理矢理、なっちゃえばいいだけのことです。

 というわけで、さしぶりに肩の凝らない、ワインに関する話題をひとつ。
 今月(11月)2日に、世界中に広がった「うれしいニュース」を紹介したいと思います。
 実はこれ、ワイン党にはすごい「朗報」。世界各地で、グラスを合わせる「乾杯」の音が生まれ、人生を愛でる福音のように響き渡っています(大げさですね)。

 レスベラトロール(resveratrol)――聞いたこと、ありますか?
 これって、赤ワインに含まれる自然成分だそうです。

 この「レスベラトロール」というのが、実にすごい働きをすることが、米国のハーバード大学医学大学院の研究チームによって確認されたそうです。
 論文は、世界的な権威を誇る科学雑誌、「ネイチャー」に掲載されました。

 その論文のキモの部分を紹介しますと、実験はマウスの群れ、2グループに対して行われたそうです。
 
 一方の群れには、高脂肪(ハイ・ファット)の食事を与え続けて、観察を続けました。
 1食あたり、クリームケーキ1個分。これを毎食、食べさせた。

 その結果、マウスたちはどうなったかというと、肥満して心臓疾患や肝臓障害を起こし、マウスの平均寿命に届かないうちに早死にしてしまったそうです。

 まあ、これはわかりますよね。
 人間で言えば、ステーキを連日、毎食、死ぬまで食べ続けるようなものですから。

 これに対してもう一方のマウスの群れには、クリームケーキ1個分の高脂肪食に加え、葡萄から抽出した「レスべラトロール」の投与を続けた。

 その結果、どうなったかというと、マウスたちは飽食のせいで肥満はしたものの、健康状態は悪化せず、平均的なマウスとほとんど区別がつかないほど、寿命をまっとうしたそうなのです。

 「レスベラトロール」が効いたのですね。飽食のマイナス効果を「中和」してくれたわけです。

 この「レスベラトロール」、哺乳動物のSIRT1という大事な遺伝子を活性化し、寿命を延ばすとされる酵素の体内生産を促すそうです(これ、自信満々に書いているわけではありません。念のために)。それが飽食マウスたちの健康を守ってくれた。

 これまでの研究の結果、このレスベラトロールがイースト菌や、芋虫とかハエ、魚の寿命を延ばすことはわかっていましたが、マウスのような高等動物でも効果があるとわかったのは今回が初めてだそうです。

 なんだ、マウス(ネズ公)の実験じゃねぇか、それがドシタッテんだ?、などと言うなかれ。

 もう、おわかりの方はおわかりでしょうが、人類もマウスと同じ哺乳動物、日頃飲みつけの赤ワインにはレスベラトロールがたっぷり入っている……となれば、結論はひとつなんですね。

 肉料理のような「高脂肪食」を食べ続けても、赤ワインでレスベラトロールを補給しておけば、心臓や肝臓をそんなにやられなくとも済むわけです。
 ま、平均寿命は行っちゃう。

 この研究結果を報道した英国の新聞の記者さんが、これで「フレンチ・パラドックス」の謎が解明された、なんて興奮気味に書いていますけど、その気持ち、分かりますよね。
 フランス人は美食を続けているのに、なぜ?――という謎が解け、ヨッシャー、俺もってな気になれたわけですから。

 これでワイン党の方々には、なみなみ注いでぐいっとグラスを傾ける大義名分が生まれたわけですが、もちろん、なにごとにも行き過ぎは禁物。
 飲みすぎ(食べすぎ)には注意しましょう。

 これは研究を発表したグループからの「警告」でもあります。

   

Posted by 大沼安史 at 05:32 午後 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〔A Happy New Life!〕 救世主ならぬ救生酒? 赤ワイン 自然成分に延命・カウンター飽食効果:

» _●ワインだけじゃない、焼酎 トラックバック お酒ブログ情報トラックバックセンター
11月16日(木)が今年のボジョレ−解禁日!銀座三越では、ワインはもちろん、焼酎や日本酒のヌーヴォーを揃えたフェアを11月7日(火)から開催。 続きを読む

受信: 2006/11/07 1:28:38