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2006-10-29

〔NEWS〕 超国家権力と化した「CIA」 拷問者空輸でドイツを「沈黙」させる

 英紙ガーディアン(電子版、10月26日)が国際政治の内幕を暴露するスクープ記事を放った。

 米国のCIA(中央情報局)による「テロ容疑者空輸」に対し、ヨーロッパで批判の声が高まった際、CIAがドイツ政府に対し、モロッコで拘束しているドイツ国籍を持つアルカイダ容疑者へのアクセスを認める交換条件として、批判の高まりを抑えるよう働きかけていた。

 ことし2月の、ドイツ連邦議会への秘密報告文書によると、ドイツ政府は同容疑者へのアクセスに成功している。

 このドイツ人容疑者は2002年、モロッコで逮捕・拘束されていたが、CIAの航空機でシリアに移送された。
 このあとシリア政府は、ドイツ国内で脅迫罪に問われていたシリア情報部員の釈放をドイツ政府に要求、ドイツ政府は訴追を取り下げてもいる。

 ガーディアン紙によれば、CIAが取引をドイツ政府に持ちかけたあと、EU諸国はほぼ足並みを揃えて「批判」の大合唱をトーンダウンさせた。

 CIAが国家を上回る権力・影響力を持つにいたっている姿を暴露した、果敢な調査報道である。

 同じ同紙の記事に、CIAが自らの支配下におく「エア・アメリカ」などの航空機を利用し、「容疑者」を移送していたと出ていて、「やはり」と思った。
 「エア・アメリカ」とはたしか、戦後間もない頃、CIAがアジアを舞台に、主に麻薬の輸送を行うため、設立した航空会社だったはず。
 それが、いまなお「活躍」している、ということは……。


http://www.guardian.co.uk

Posted by 大沼安史 at 10:36 午前 |

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