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2006-09-29

〔NEWS〕 イラク反戦で「平和宣言」グループ 議員の地元事務所に座り込み 少年2人を含む7人逮捕

 全米のキリスト教信者でつくる「平和宣言」組織のメンバーが9月27日、オハイオ州シンシナチの連邦下院議員地元事務所に座り込みし、7時間後に7人が逮捕された。

 逮捕された7人のなかには未成年者2人が含まれているという。 


http://www.thestate.com/mld/mercurynews/news/special_packages/iraq/15629808.htm?template=contentModules/printstory.jsp

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〔NEWS〕 英軍、“勝手にシンドバッド” 最後の作戦行動 英軍上層部から「イラク撤退」の声

 イラク南部、バスラに駐留する英軍が「シンドバッド作戦」なる掃討・浄化作戦を展開しているのだそうだ。
 「犯罪者」や「汚職者」を一層する狙いで、来年2月まで続行する見通し。
 現地の最高指令官によれば、これがイラクのおける「最後の大作戦」になるかも知れないという。

 「最後」だって?

 イラク駐留英軍は少なくとも来年の早い時期まではイラクにとどまることになっているが、当の英軍内部ですでに「撤退・アフガン転進論」が出ているそうだ。
 それも、英軍のトップの中から。

 当面の間、イラク駐留を続行するとのブレア政権の基本方針に真っ向から異議を唱える「撤退論」が出るあたり、効果なき駐留の実態を示すものだが、こうした既定戦略に対して、英軍(英国防省)内部から批判が噴き出ることは異例のことだそうだ。

 それにしても、「シンドバッド作戦」とはふざけた物言いだ。
 バスラの港に降り立ったシンドバッドは肩に鸚鵡をのせていたが、進駐した英軍兵士は自動小銃を肩に担いで乗り込んできた。

 船乗りでもないくせに……。

 英軍よ、君らはたんに、ブッシュの片棒担ぎに過ぎない。

 悪乗りはやめにして、とっとと国へ帰れ!


http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1883784,00.html

Posted by 大沼安史 at 06:21 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-28

〔NEWS〕 キリスト教信者がイラク反戦で抗議行動 連邦上院のビルに“侵入”して祈り 35人が逮捕

 米国のクリスチャンがイラク反戦に立ち上がった。ユダヤ教徒も抗議運動に加わっている。9月26日には首都ワシントンの連邦上院のビルのひとつに立ち入り、輪になって祈りを捧げたあと、35人ほどが逮捕された。

 ワシントン・ポスト紙(電子版、9月27日付け)によれば、「平和宣言」というアンブレラ組織に参加する信者たちで、逮捕者になかには、プレスビテリアン教会の全米指導者や、シカゴの本拠をエピスコパル教会の平和団体トップ、さらにはユダヤ教のラビでフィラデルフィアの宗教間対話センターの代表を務める人も含まれているという。

 現場の上院ハート・ビルでは、We Shall Overcome の合唱も響き渡ったという。

 ワシントンではこの日(26日)、連邦上院ビル以外でも反戦を訴える人々が35人、逮捕された。

 先週、21日の木曜日には、同じく「平和宣言」の人びとがホワイトハウス前で抗議行動、34人が逮捕されている。

 (大沼・注)
 ついに宗教者たちも「反戦」に決起した。
 非暴力による直接行動に出た、アメリカのクリスチャンたち。

 戦争屋のブッシュ政権に対する包囲網が築かれ、その輪が狭まって来ている。


http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/09/26/AR2006092601359.html

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/09/27/AR2006092701255.html

Posted by 大沼安史 at 07:03 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-25

〔NEWS〕 イラク戦争での米兵戦死者 2700人台に

 AP通信が伝えた9月24日現在のイラク戦争における米兵戦死者数は2701人に達した。米国防総省の集計より6人多い。
 同日、アンバール州で海兵隊員2人が戦死し、2700人の大台に乗ったそうだ。

 アメリカはどこまで戦死ラッシュに耐えることができるのか?


http://news.yahoo.com/s/ap/20060924/ap_on_re_us/iraq_us_deaths

Posted by 大沼安史 at 05:18 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕ビン・ラディン 死亡説に続き重体=死亡説 米誌TIME(タイム)が報道 

 ビン・ラディンの生死をめぐるスクープ報道が相次いでいる。
 仏紙ルモンド(電子版、9月23日付け)によると、フランスのロレーヌ地方の地域紙、レスト・レピュブリカンが9月21日に仏対外情報部(DGSE)筋の情報として、ビン・ラディンが腸チフスで死亡した模様と報じたのに続き、米誌タイム(電子版、9月23日付け)がサウジ筋の話として「死亡した可能性も高い重体説」を流した。

 レスト紙の「死亡説」は米政府当局などの「否定」されるなど黙殺に近い扱いを受けたが、間髪を入れずタイム誌が「死亡説に近い重体説」を伝えたことで、その信憑性に再び注目が集まっている。

 ルモンドによると、レスト紙の情報は、フランスのDGDEがサウジ情報筋から入手したもので、「ビン・ラディンが死亡したとの確信を得た」という。
 しかし、その死亡情報はDGSEが持っている情報と一致しない、とレスト紙は報じている。

 これに対して、タイム誌の報道は、サウジ当局者は「過去数週間の間に、複数の信頼できる報告として、「水によって感染する病気」にかかっており、同誌の情報源となったサウジ筋としては「かなり高い可能性で死亡している」と信じている――という内容。

(大沼・注)
 ビン・ラディンの「死」はもしかしたら、最近ではなく、とっくの「昔」のことなのかも知れない。

 「死せるビン・ラディン」が「生きている」ことは誰の得になったのか?

 死んだビン・ラディンをゾンビーとして蘇らせ、国際テロの黒幕とし続けなければならない理由があるとしたら、それは何なのか?

 答えはさほど難しいものではない。


http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3216,36-816037@51-801453,0.html

http://www.time.com/time/world/printout/0,8816,1538569,00.html

http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20060924/K2006092401220.html

http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/kokusai/20060923/20060923i412-yol.html?C=S

Posted by 大沼安史 at 05:04 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-20

〔NEWS〕 国連本部前でイラク反戦デモ 2千人が参加

 ニューヨークの国連本部前で9月19日、大規模なイラク反戦デモが行われてた。

 世界各国の指導者が集まるのに合わせ計画されたデモで、ロイター通信によると、約2000人が参加、ブッシュ大統領の国連演説が始まる30分前から、反戦スローガンを叫び続けた。


http://today.reuters.com/news/articlenews.aspx?type=newsOne&storyID=2006-09-19T192403Z_01_N19414583_RTRUKOC_0_US-IRAQ-USA-PROTEST.xml

Posted by 大沼安史 at 05:53 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 若者たちが刻む平和のリズム 「ピースジャム(PeaceJam)」10周年 世界大会 コロラドのデンバーにノーベル平和賞受賞者が結集 「10億の平和行動」を誓う

 米コロラド州に誕生し、世界に広がる「ピースジャム(PeaceJam)」運動の10周年記念大会が9月15日から17日までの3日間、地元のデンバーで開かれた。

 南アフリカのツツ大司教やダライ・ラマ14世、地雷廃絶運動のジョディー・ウイリアムズさんらノーベル平和賞受賞者10人が参加し、世界31ヵ国から集まった3000人の若者たちと「平和」実現を目指す取り組みについて話し合った。

 その結果、こんご10年間に、世界各地で「10億」の「平和行動」を繰り広げることで一致した。

 「ピースジャム」、平和のジャム。
 食べるジャムではなく、考え、共鳴し、行動するジャムである。そう、集まった仲間が即興で奏でるジャズの自由演奏。「平和」を世界に届ける、高校生世代を中心とした、若者・子どもたちの運動だ。1996年の生まれ。場所はロッキー山脈を望むコロラド高原の都市、デンバー。

 創始者は、イヴァン・スバンジエフさん、ドーン・エンゲルさんカップル。ともに現在、59歳だから、49の年に始めたことになる。
 2人はつまり、あのカウンター・カルチャーの世代。60年代に青春時代を送った「フラワー・チルドレン」である。

 アーチストのイヴァンさんが「ピースジャム」を思い立ったのは、12年前、1994年のこと。
 デンバー市内北部の通りで、銃を持った10代の少年グループに囲まれた。
 やりとりのなかで、ギャング・グループの少年たちは現職のアメリカの大統領の名前さえ言えないが、南アフリカでアパルトヘイト反対運動を闘った、ツツ大司教やネルソン・マンデラのことはちゃんと知っている、ことがわかった。

 少年たちは、イヴァンさんにこう言ったという。
 「ああ、知ってるぜ。大司教のデズモンド・ツツだろ。それにマンデラ。ツツはアパルトヘイトの銃口の前に立ったのさ。そして刑務所に入れられた。でも、銃は決して持たなかったぜ。非暴力の平和行動。それがすべてだったのさ。そしてあの国に平和をもたらしたのさ」
 それを聞いてイヴァンさんはこう切り返した。
 「だったら、ツツみたいになってみないか? どうして銃なんか持っているんだよ」
 イヴァンさんはそう言って少年たちを追い払ったという。
 
 それがイヴァンさんの心に、「ピースジャム」の夢が芽吹いた瞬間だった。若者たちが、彼ら・彼女らが「平和」の担い手、伝道者として育っていく運動を広げようと思い立った時だった。

 イヴァンさんは、ワシントンの連邦議会上院でスタッフをしていたドーンさんに相談した。
 ドーンさんは、ノーベル平和賞を受賞した、ダライ・ラマの世話をしたこともある人。
 意を決して2人がダライ・ラマに会いに行くと、あっさり「協力」を約束してくれた。そして、「ほかのノーベル平和賞受賞者にも呼びかけたらいい」と、アドバイスをしてくれた。

 こうして、ダライ・ラマらノーベル平和賞の受賞者の賛同を得て、デンバーの街角に始まった「ピースジャム」運動だが、世界の平和運動の「スーパー・スター」たちの“お話を聞く会”に終始したわけではない。この10年、毎年、1、2名の受賞者を呼んで開く「会議」とは別に、幼稚園児から高校生(年代の若者)までの子どもたち・若者たちがそれぞれ「平和活動」を実践する、草の根運動を続けて来た。学校の教師や大学生らが指導者(メンター)になって、「ピースジャム・カリキュラム」というプログラムで、「平和教育」を続けて来た。
 運動の輪は米国内、国外に広がり、現在、国内10に支部、国外に9支部。
 この10年間に「ピースジャム」の「平和教育セッション」に参加した子どもたち・若者は全世界で50万人に及び、そのひとりひとりがトータル「45時間30分」の「平和活動」を行ったという。

 そうして迎えた「10周年」大会――。
 会場のデンバー大学では開会を前に、「ピースジャム」立ち上げのなかで結ばれた、イヴァンさん、ドーンさん夫妻が記者会見した。
 産みの親である夫妻は「わたしたちの運動の誕生日を祝うためにノーベル賞受賞者が集まるわけではない。世界のため、何事かをなすために、この大会は開かれる」と述べ、「これは歴史だ。いま歴史が生まれようとしている」と宣言した。

 それではこの歴史的な「10周年大会」で、どのようなことが起き、何が決定されたか?
 まず、「ピースジャム」創立の立役者のひとり、ダライ・ラマについて見ることにしよう。
 (コロラドの地元紙、デンバー・ポストとロッキーマウンテン・ニューズの両紙が詳しく報道しているので、その記事を要約するかたちで紹介したい)

 ダライ・ラマは16日の土曜日、デンバー大学のアリーナに姿を見せた。数千人の若者たちの立ち上がってシャウトした。まるで「ロックスター」を迎えるように。
 栗色の僧衣をまとったダライ・ラマは、「ピースジャム」の若者たちに、以下のように語りかけたという。

 「この瞬間、2006年において、今世紀(21世紀)の大半は君たち若者の手の中にある」
 「いまや国境はない。全世界がひとつのボディーになろうとしている。こういう環境下にあって、戦争は時代遅れであると、わたしは思う……周りを破壊することは、わたしたち自身を破壊することである」(以上は、新聞記事での「引用」)

 ダライ・ラマはこう語ったあと、若者たちに挫けるな、すべての戦争を止めるなんてできない、などと決して思うな、と迫ったそうだ。自分たち自身の勇気と力を信じろ、と。

 ダライ・ラマは会場からの質問にも答えた。
 そんな答えのひとつが新聞に引用されていた。
 「数千年にわたって人々は神に、仏陀に祈り続けて来た。しかし、苦しみはなお続いている。問題はまだあちこちにある」「わたしたちの行動とクリアなビジョンは祈るよりも重要なことだ」

 ダライ・ラマは「ピースジャム」の若者たちに(そして世界の若者たちに)言ったのだ!
 ビジョンを持って行動せよ、と。

 翌日、17日の日曜日、ダライ・ラマはヨルダンのノール女王とともにヘリコプターで、レッドフェザーレイク近くにある「シャンバーラ・マウンテン・センター」を訪れた。
 2500人の聴衆がチベット語による祈りを聞き、自分たちの祈りを祈った。アラビア語、ヘブライ語、(地元先住民の)ラコタ語で。
 宗教原理主義とは無縁の、エキュメニカルな「平和の祈り」だった。

 デンバーに戻ったダライ・ラマは市内のセンターで開かれた公開講演会に臨んだ。1万5000席のチケットはすべて売り切れ、満員の盛況だった。
 ダライ・ラマは言った。
 「9・11以来、わたしはひとりの仏教徒として、イスラムの擁護者となった」
 「テロとの戦い」を続け、「文明の戦い」を標榜するに至ったブッシュ政権への批判ともとれる言明だった。 

 高齢をおして駆けつけた南アフリカのツツ大司教も17日朝、2700人の「ピースジャム」の若者たちに呼びかけた。

 「わたしたちノーベル賞受賞者は天から浮遊して降りてきたわけではない。わたしたちにもあなたがたと同じ時があった。わたしはこの言葉を今週、なんどもなんども言って来た。そう、わたしはあなたがたを尊敬していると。わたしはこれまでになく真剣に、そう思っている。諸君はすばらしい若者たちである」
 
 昼食後、ツツ大司教と話し合う機会を得た、テネシー州メンフィスから来た高校生のグループが言った。ホームレスを救う自分たちの活動が、ツツ大司教の存在を通して、世界のなかに位置づけられた、と。

 デンバーに集まったノーベル平和賞受賞者は、ほかに8人。受賞者の発言は必然的に、米国のブッシュ政権批判となって続いた。

 地雷廃絶運動家のジョディー・ウイリアムズ:「1日2ドル以下で人々が生活しているイラクやアフガニスタンに戦費を支出することは許されることではない」

 アルゼンチンの人権活動家、アドルフォ・ペレス・エスキバル:「テロリスト攻撃で3000人の命が奪われたあの9・11の日、世界では3万5000人の子どもたちが飢えて死んだ。それをわたしは、経済テロと呼ぶ」

 イランの人権活動家、シリン・エバディ:「世界の富の80%が1%の人の手にあるとき、どうしてわたしたちは平和を期待できるのか?」

 
 「ピースジャム」10周年大会はこのように進み、3日間の日程を終えたが、女性参加者のひとりは地元紙のデンバー・ポストのブログで、こんなシンプルで力強い総括してみせた。
 「ピース・ジャム」のこれまでの10年は「(個々の)人生を変える(life changing)」10年だったが、これからの10年は「世界を変える(world changing)」10年になる、と。

 今回の10周年記念大会では、グローバル規模で幼稚園児ら年少の子どもたちのための平和教育プログラムを展開することと、こんご10年間に世界中で「10億」の「平和行動」を行うことが決まった。
 もちろん「10億」とは、マキシマムではなくミニマム。
 それは、若者や子どもたち以外の世代による「プラスアルファー」を排除するものでもないだろう。

 「ピースジャム」運動の、日本での広がりもまた、期待される。
 「世界を変える10年」――その大事な時間を、またしても、あの「失われた10年」にしてはならない。
  

Posted by 大沼安史 at 12:47 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-09-19

〔NEWS〕 イラク戦争 負傷米兵 2万人の大台に

 UPI通信(電子版、9月18日付け)が驚くべき数字を報じていた。
 イラク戦争で負傷した米兵が、同日現在、20113人に達するそうだ。

 戦傷者2万人を突破!
 戦死者の数も2678人に達する。

 もう、やめろ、イラク侵略!!


http://www.upi.com/SecurityTerrorism/view.php?StoryID=20060918-040404-8267r

Posted by 大沼安史 at 09:16 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 実りの秋 畑のクラスター爆弾

 収穫の秋を迎えたレバノン。畑に、果樹園に、数百万発のクラスター爆弾が散乱するなか、農作業を強いられるレバノンの農民たち――そんな厳しい実態を、英紙インディペンデント(電子版、9月18日付け)が現地から報じていた。

 同紙が伝えるモニター報告によれば、イスラエルが戦闘最後の3日間に撃ち込んだクラスター爆弾のミニ爆弾により、停戦後、少なくとも83人が死亡しているそうだ。
 そう、死亡した人が少なくとも83人。
 それは、それ以外に負傷した人が、おそらくそれ以上の数に達することと意味する。

 記事に70歳の農民、アリ・アハマドさんのことが出ていた。
 ヨモール村のアハマドさんはオレンジの木の手入れをしていてクラスター爆弾を踏んだ。
 意識不明の重体。ナビティエの病院のベッドで昏睡状態に陥っている。

(大沼・注)
 11月にジュネーブで、非人道兵器禁止条約の見直し会議が開かれるという。
 日本政府(外務省)は、クラスター爆弾禁止に向けてイニシアチブをとってもらいたい。 


http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article1616665.ece

Posted by 大沼安史 at 09:09 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-18

〔いんさいど世界〕 GE米が流通 ヨーロッパ 揺れる「食の安全」

 実りの秋、収穫の秋。
 首都圏にも東北の新米が出回っています。

  先日、家の近くのスーパーで、宮城県産米を買い込みました。米どころ・古川産の「ひとめぼれ」。さっそく炊いてテンコ盛りにしていただきました。
 つやつや、粒々の銀シャリ。おいしかったです。

 というわけで、きょうはお米の話題を紹介したいと思います。
 場所はヨーロッパ。
 ヨーロッパでもけっこう、お米が消費されているんですね。スパゲッティーを細くしたようなバーミチェリとか、加工食品としても食卓にのぼっている。
 そんなヨーロッパでいま、「GE米(ライス)」問題が持ち上がり、大ニュースになっているんです。

 GE米(ライス)のGEとは、「遺伝子操作された(genetically engineered)」って意味の英語の頭文字。つまりGE米(ライス)というのは「遺伝子操作米」のことなんです。
 わがふるさと、宮城の新米、とは似て非なるGE米(ライス)……瑞穂の国、日本の「お米」と区別する意味で、「ジー・イー・ライス」と、カタカナ言葉で言った方がいいと思いますが、このGEライスが最近、ヨーロッパ各地で見つかって、たいへんな騒ぎになっています。

 国際的な環境保護団体である「地球の友(フレンズ・オブ・アース)」や「グリーンピース」が欧州市場の監視を続けているのですが、今月(2006年9月)5日、ベルギーのブリュッセル発で「フランス、ドイツ、イギリスの3ヵ国で、GEライスが発見された」というニュースが流れました。
 米粒そのものではなく、米の加工品、5つのサンプルから、GEライスが見つかったそうです。
 たったそれだけ、なら平気じゃん、とお思いになる方もいるでしょうが、もちろん、テストで引っかかったのは、「氷山の一角」。
 米の加工品って、ベビーフードから、なんとヨーグルトにまで含まれているそうで、「これはヤバイ」ってことになったわけです。

 このGEライスについては、欧州委員会が先月(8月)23日に、GEライスが混じっていないかどうか、日本でいう「外米」の、米国原産長粒種(なぜ米国原産種が問題かは後述します)のテストを義務付けたばかり。
 つまり、欧州連合(EU)として、GEライス侵入阻止の水際作戦に打って出た矢先に「もう出回ってる」ことが分かったわけで、それだけ「発見」の衝撃度は高かった。

 これに追い討ちをかけるように、今月11日にはドイツで、米国企業(ドイツの企業がその後、買収)が開発した「LLライス601」というGEライス、発見のニュースが流れました。ドイツの大手スーパーが扱っていた「半煮えライス」が、このGEライスだったと判明したわけです。特定の品種が、たったの1種類ではありますが、はっきり絞り込まれたわけです。

 さて、こうしたGEライスがどこからヨーロッパに流入したかというと、その震源――というか、栽培地はなんと中国。
 中国では一時、試験栽培が認められ(現在は商業栽培は禁止だそうです)、その後、種子会社などが非合法を承知でGEライスの種(籾)の販売を継続、それがヨーロッパへと流れ込んでいるらしいのです(「グリーンピース」の調べ)。

 で、なぜこうしたGEライスが広がるかというと、ひとつは除草剤に強いです。つまり、除草剤を効かせることができる。
 ふたつめは、害虫を寄せ付けない物質を分泌するので、この点でも育てやすい。
 結局、手間隙かけず、安上がりに収穫増を期待できるわけです。

 しかし、これが環境や人体にどういう影響があるかは不明。
 どんな結果になるか、わからないから使わないが、疑わしきは食べずが鉄則ですが、マウスを使った実験では、GEライスの「Cry1Ac」というタンパク質が「アレルギーのような引き起こす」というマイナス面も報告されています。
 ご飯を食べると「アレルギー」になり、(まさかこんなことにはならないとは思いますが)下手するとショック死するというのではたまりませんね。

 GEライスがもつもうひとつの深刻な問題点は、「お米たちにもよくない」ってことです。
 世界中にはいろんなお米があって、なんと113ヵ国で栽培されている。
 そういうその土地固有のお米がGEライスにとって代わられる――というのは、1万年以上にわたって、それぞれの土地で栽培されてきた、お米たちに対する冒涜でもあるわけです。

 このGE米、ベータカロチンが豊富な「ゴールデン・ライス」として、中国ばかりかインドなどでも盛んに売り込まれているそうですが、わが「瑞穂の国」ではどうなのでしょう。
 精米として流通していなくても、加工品として入っていることは十分、考えられます。
 農林水産省や県庁では、対策をとっているのかしら?

 GEライスは「ひとめぼれ」や「ササニシキ」のいわば天敵。
 少なくとも、オラが宮城の米どころには、1粒たりとも入れたくありませんね。

Posted by 大沼安史 at 12:40 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-09-17

〔NEWS〕 牧師が「反戦演説」 カリフォルニアのリベラル派教会に連邦政府が圧力 IRS(歳入庁)が書類提出命令

 米カリフォルニア州パサディナの「オール・セインツ・エピスコパル教会」に対し、連邦政府の歳入庁(IRS)が2004年の大統領選挙に関し、候補者(政治家)がらみの書類、Eメールを提出するよう命令を発していたことが、ABC放送電子版(9月16日付け)に掲載されたAP電でわかった。ロサンゼルス・タイムズ紙も伝えた。

 同教会は、第2次大戦中、日系アメリカ人の不法抑留に対して反対の声を挙げたことでも知られる、有名なリベラル派教会。

 2004年の大統領選挙の際、前牧師のエド・ベーコン師が、「反戦」の説教をしたのではないか、との疑いが持ち上がっている。

 かりに同教会が政治キャンペーンに介入していたとなると、「免税」の地位を失うそうだ。

 こうした免税の取り消しは、過去に一度だけ、1992年の大統領選で、ニューヨーク州の教会に対して行われたことがあるという。

(大沼・注)
 いくらキリスト教右派を支持母体とするからといって、ここまでやるとは……。
 ブッシュ政権よ、恥を知れ!

 キリスト教的な言辞を政治に利用しているのは、君たちではないのか。
 


http://www.abcnews.go.com/US/print?id=2452447

http://www.latimes.com/news/printedition/front/la-me-allsaints16sep16,1,7277168.story?coll=la-headlines-frontpage

Posted by 大沼安史 at 06:10 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イラク行きを拒否 ワタダ中尉の訴因を追加

 イラク行きを拒否して身柄を拘束された米陸軍の日系アメリカ人、ワタダ中尉(28歳、ホノルル出身)に対し、新たな訴因が付け加わったことが、米紙USAツデー(電子版、9月16日付け)掲載のAP電でわかった。

 陸軍のスポークスマンによれば、新しい容疑は、ワタダ中尉が8月にシアトルで開かれた、「平和のための復員兵」全米大会で行ったスピーチに関して付け加えられた。

 支援グループによると、ワタダ中尉は演説のなかで「不法で不正義の戦争を止めるために、兵士は戦闘の中止を選ぶことができる」と語った。

 ワタダ中尉が軍事法廷で裁かれるかどうかはまだ決まっていない。

 すべての訴因で有罪となると、最大8年の刑を受けることになる。

(大沼・注)
 下記の記事にワタダ中尉とご両親が写った写真が添えられている。
 「不正義の戦い」への拒否権を訴え、イラク行きを拒否したワタダ中尉と、中尉を支えるワタダ家の人々。
 ガンバレ、ワタダと、ぼくも声援を送る。


http://www.abcnews.go.com/US/print?id=2452447

Posted by 大沼安史 at 05:46 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-16

〔NEWS〕 バグダッドを取り囲む塹壕で防衛 武装勢力の侵入を阻止

 英紙インディペンデント(電子版、9月16日付け)に、バグダッドの周囲に塹壕を巡らせ、武装勢力の市内侵入を阻止する計画が進み出している、との記事が出ていた。
 ]

延長80キロ。完成には数ヵ月、かかるので、その間は28の検問所以外、市内に通じる数百の道路を閉鎖して、武装勢力の侵入を防ぐのだそうだ。
 内務省の高官が英BBCとのインタビューで明らかにした。

 今週、バグダッド市内に遺棄、発見された死体は200体に及び、内戦状態は激しさを増している。
 それを防止するのが狙いらしいが、これはもうバグダッドを要塞都市化するもので、バグダッドの都市としての機能の喪失を意味するものだ。

 イラクから切り離された「首都」バグダッド!
  


http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article1603899.ece

Posted by 大沼安史 at 04:33 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-14

〔NEWS〕 バグダッド 死の街

 バグダッドが死の街と化している。。

  「9・11」で始まった「テロとの戦い」5年後の無残な姿。

 いったい、なんだ、これは?

 9月13日付けのニューヨーク・タイムズ紙(電子版)のバグダッド電、「またも、暗い日に。バクダッドではいたるとことに死体が」を読んで、怒りを覚えた。

 イラク内務省の発表によると、バグダッドでは11、12の2日間だけで90人近くが殺害、もしくは死体で発見された。

 米軍当局は「その半分ぐらい」と言っているが、バグダッド市内のモルグ(死体検視所)の統計はより正確な実態を伝えている。
 8月の1ヵ月間にモルグに運び込まれた死体は1533体。1日平均、50体のペース。
 これは前月、7月の1日60体よりペースダウンしたが、それでもすさまじい数。
 
 イラク全体ではどうかというと、国連が7月に出した報告書によると、1日100人以上の割合で死者が出ている。

 バグダッドの2日間の死者のほとんどが、目隠しをされ、後ろ手に縛られ、頭を撃ち抜かれていた。
 市内西部のスンニ派居住区で集中的に見つかったという。

 炎暑のバグダッドの地獄絵。

(大沼・注)
 スンニ、シーア派の対立を煽って「内戦」に持ち込む……。そうしておいて、軍事占領の永続化をもくろむ。
 「悪魔のシナリオ」通りの展開に。 


http://www.nytimes.com/2006/09/14/world/middleeast/14iraq.html?pagewanted=print

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〔NEWS〕 マイクロ波兵器 鎮圧で国内試用後、戦場へ――米空軍トップが言明

 CNN.comが伝えたAP電(9月12日付け)によると、米空軍のマイケル・ウィン長官(セクレタリー)は同日、ハイパワー・マイクロ波兵器をはじめとする非致死性の新兵器は、まず米国内で群集コントロールに試用後、海外の戦場に持ち込むべきだ、との考えを明らかにした。

 米国内でテストした方が海外で実験するより、「質問」を回避しやすいため。

(大沼・注)
 マイクロ波兵器など、いわゆる「エネルギー兵器」が実戦使用の段階にあることを示唆する記事である。

http://www.cnn.com/2006/US/09/12/usaf.weapons.ap/index.html

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2006-09-12

〔コラム 机の上の空〕 下駄を鳴らして来た阿部謹也さん 

 新聞(9月10日付け朝刊)に、阿部謹也さんの訃報が載っていた。驚いた。
 あの、いつまでも、どこまでも若く、シャープな阿部謹也さんが、こんなにも早く亡くなるなんて。
 
 ぼくが謹也さんと会ったのは、1975年(か76年の夏)だったように記憶している。場所は小樽商科大学。
 商大の卒業生で、地元で就職していた親友のO・Sが、「キンヤさんに会いに行こう」と、ぼくを誘ってくれたのだ。

 当時、ぼくは小樽で、駆け出し5年目の新聞記者をしており、絵描きのO・Sとは飲み仲間だった。
 O・Sは、謹也さんが顧問をしていた商大山岳部の出身で、ある暑い昼下がり、ふと思い立ち、地獄坂を登って商大の研究室まで、アポなしで会いに行った。

 ドイツ語を教えていた謹也さんの研究室をのぞくと、大学に来てはいるらしいが誰もいない。
 ふたりしてどうしたものかと迷っていると、廊下の奥の方から、「おい、S(悪友の名前)、お前、どうした」と、甲高い声がした。
 こっちに向かって廊下を歩いて来る、謹也さんの声だった。

 白いワイシャツ姿。
 しかも、なぜか下駄履き。

 偉ぶらないその姿が、夏休みで閑散とした校舎の廊下で白く輝き、決まっていた。
 サマになっていた。

 ベストセラー、『ハメルンの笛吹き男』を書いて学界、読書界にある種のカルチャーショックを与えたばかりの謹也さん(当時、40歳。商大の助教授だった)は、実に若々しく、澄んだ目をした快活な人だった。

 ぼくらを研究室に引き入れてくれた謹也さんが何を話してくれたか、何も覚えていない。しかし、その澄んだまなざしと、話し方が幾何学的なほど明晰だったことは、いまでもよく覚えている。

 当時のぼくは26歳。「一流の知性」とはこういう人のことを指すのだな、と、大きな両の目を見ながら思ったことは、30年という月日が過ぎたいまになっても、ぼくの記憶のなかにくっきり、残っている。

 謹也さんはそのあと東京の大学に移ってしまったので、それきりになってしまったが、謹也さんがときどき顔を出していた、「オリエンタル」というスナックには、O・Sとなんどか飲みに行った。
 その店は商大山岳部の根城で、顧問をしていた謹也さんは部員のツケを自腹で払っていた。
 謹也さん自身は酒を飲まない(飲めない?)人だと聞いた。

 
 計算すると、それから28年後の2003年の夏、ぼくは甲州・八ヶ岳山麓にある清春白樺美術館を訪ねた。そこで、『智恵子抄』の高村智恵子の絵を見たぼくは、もう一度、その絵を見たくなって、翌年もその高原の美術館に出かけた。

 広い美術館の敷地に、風変わりな洋館が建っていた。東京の暑さを逃れ、泊り込んで仕事に専念できる、避暑地のアトリエだった。

 そこに謹也さんがその何年か前にやって来て、ひと夏かふた夏をすごしたことがあることを、昨年出た『自伝』を読んで知った。

 そこへ夏場にまた行けば、もしかしたら会えるかもしれない、と想像を巡らせた。
 そこに行けば、白いワイシャツ姿の、下駄履きの先生に、もしかしたら「再会」できるかも知れないと。

 清春の、あの「蜂の巣」という、たしか6角形の赤い木造建物のひと部屋は、その西洋的な趣と、文化的な気骨において、謹也先生にはお似合いの仕事場であっただろう。
 透明な目で日本の社会を深く見つめた、謹也先生の「世間」論の一部は、満点の星の下、虫の声の囲まれながら、夜風の流れ込む、あの清泉のあの場所で書かれたに違いないと思う。

 畏友、O・Sはその後、小樽で画業に専念し、ぼくは新聞記者を辞め、東京に流れた。
 一途、一徹な彼は修行僧のように交際を絶って絵を描き続け、ぼくはぼくで、サラリーマンのエスカレーターを中途退職で降り、自己流の自由の迷い道を、とにかくいまだに歩き続けている。

 そんなぼくにとって、一度だけでも謹也さんと会えたことは、光源ともいうべき生涯の宝である。

 あのごまかしのない澄んだまなざしと、あの気さくさと、あの明晰な論理。
 それはぼくにとって、到達することの叶わない、遠い目標として、ずっとこれまであり続けて来たし、これからもそうであるだろうと思う。

 阿部謹也さんの死を、ぼくはぼくとして悼む。
   

Posted by 大沼安史 at 07:40 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 「植物人間」とのコミュニケーションに成功! 医師の求めに応じて、「テニス」「部屋巡り」を「イメージ」

 東北大学の川島先生が唱える「脳トレ」がブームを呼ぶなど、「脳」に対する関心がますます高まっています。
 心の中枢である「脳」って、まさに「神秘」そのもの。まるで宇宙の全体が詰まっているような奥深さがあります。
 ぼくなんか、よく、こどものころ(も今も)、「お前はバカだ」とか「頭が悪い」なんて言われた(ている)ものですが、「脳の神秘」を考えれば、それって「脳に失礼」ですよね。「身のほど知らず」というか、「身の脳ほど知らず」というか……。
 
 きょうは、そんなわたしたちの「脳」に関する「常識」なり「無知」を正す、最新の「脳科学」の「発見」を紹介したいと思います。

 今月8日付けの米国の科学誌、『サイエンス』に驚くべき研究結果が発表されて、世界中の関係者にショックを与えました。衝撃波が広がった。そう言っていい、と思います。

 その衝撃の研究結果(日本では共同通信が記事を配信したようですが、あまり注目されなかったようです)を、英紙ガーディアンの記事を引くかたちで紹介しますと、英国のケンブリッジ大学とベルギーのリージェ大学の神経科学者チームが、「継続的植物状態(PVS)」にある女性患者に対して、ある実験を行ったところ、驚くべき「事実」が確認された――ということです。

 では、その「衝撃の新事実」とは何か?

 まず被験者である「PSVの女性」について申し上げますと、昨年(2005年)7月――ということは1年以上前――、交通事故に遭い、いわゆる「植物人間」になった人です。現在、「23歳」。若い女の人、なんですね。
 ガーディアン紙によると、この「PVS(継続的とか遷延性植物状態、訳されてます)」って、睡眠-覚醒のサイクルを繰り返し、目を開けてもいるのですが、「完璧に反応」のない状態を指す、医学用語だそうです。

 さて、この女性に対して、研究チームの脳科学者らはどんな実験を行ったかというと、「fMRI(機能的磁気共鳴画像)」という装置を使って、「話しかけ(スピーチ)」に対して反応するか、反応する場合、それはどんな反応になるのか――を確かめたそうです。

 事故から5ヵ月経った時点から始まったこの実験の結果、何が確かめられたか、というと、PVSの女性が表面上、完璧に無反応なのにかかわらず、研究チームの「話しかけ」に対し、彼女の「脳」はまさに正しく反応していた!
 
 具体的には、「テニスをしているところを想像してください」とか「自分の家(アパート)の部屋をひとつひとつ訪ねてみてください」という「話しかけ」に対して、彼女(の脳)はなんと、健康で意識のあるボランティアたちの「想像」と同じ反応をした!

 研究チームの「fMRI」はその「衝撃の新事実」をハッキリ、とらえていたそうなんです。
 これまでの常識を覆す、「世紀の発見」とも言える新事実!

 で、なぜ、これが大変なことかというと、これって人間の「生と死」に、もろに関係することだからです。

 昨年の初め、米国のフロリダ州で、テリー・シアーヴォさんというPVSの女性をめぐって、世論を2分する出来事がありましたよね。栄養・水分補給のチューブ(管)を外す・外さないで、連邦議会まで動きだす事態になった、あの事件です。

 テリーさんは26歳のとき事故にあって脳に損傷を受けて植物状態に陥り、その後、15年に及ぶ計14回もの裁判ののち、フロリダの裁判所の最終決定でチューブを外され、13日後、昨年(2005年)3月31日に、41歳でお亡くなりになりました。

 このテリーさんと、今回、「話しかけ」に反応した女性の状態がどこまで重なり合うかわかりませんが、かりにこの研究結果がテリーさんの裁判の最中に発表されていたら――ということは、「発見」が1年半、早かったなら――、テリーさんの運命は変わったかも知れないわけです。
 テリーさんを今回の研究チームがもしも「fMRI」で「診断」していたなら、チューブを外す決断はなかったかも知れない……。

 
 ところで、ガーディアン紙によれば、ケンブリッジ大学医学研究会認知・脳科学班などによる今回の研究結果に対しては、オックスフォード大学のポール・マシューズ教授から「患者が(実験に)協力しようとしたことを確定するものではない。刺激に対する反応は、反応の決断を示す証拠を提供するものではない」といった批判も出ており、学問的な「定説」の地位を獲得したとはいえない状況にあるようです。
 つまり、これから「追試」を重ねるべき「新説」が登場した、というのが現状なわけですが、ことは人間の「生と死」に関係することだけに、ここは世界中の脳科学者たちにがんばってもらいたいところですね。

 それにしても、わたしたちの「脳」って、なんと神秘的でパワフルなものなのでしょう。
 植物人間化したあとも、それがたとえ「刺激に対する反応」に過ぎないにせよ、テニスのプレーを想像し、自宅の部屋を思い描くことができる、だなんて!

 「脳力」という言葉に、「脳の奥底に眠る、神秘的なパワー」を加える必要がありそうです。 
  
 


http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/313/5792/1402?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&andorexacttitleabs=and&fulltext=Adrian+Owen&andorexactfulltext=and&searchid=1&FIRSTINDEX=0&resourcetype=HWCIT

http://www.guardian.co.uk/print/0,,329571745-117780,00.html

http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20060908/20060908a3490.html

Posted by 大沼安史 at 12:15 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-09-10

〔いんさいど世界〕 「9・11」5周年Ⅱ 「信じざる人々」から真相究明を迫る声 波紋広げる、神学者、グリフィン氏の「陰謀説」 

 あの「9・11」から5周年。今回も前回に引き続き、「同時多発テロ」事件を」めぐる「陰謀説」に焦点を当ててみたいと思います。

 前回のこのコラムでは、「9・11陰謀説」――すなわち、ブッシュ政権の「やらせ」ではないか、という見方が、いわゆるオタク的なサークルを越え、前政府当局者や学者グループなど専門家の間に広がり始めている現状をレポートしました。

 今回はその続きであるわけですが、先日、9月8日の金曜日に、米国を代表する高級紙のひとつ、ワシントン・ポスト紙(電子版)に「信じざる人々(The Disbelievers)」という見出しの記事が掲載されました。サブ見出しは、「9・11陰謀説を唱える理論家たちが、グラウンド・ゼロから連邦政府に反対する主張を打ち立てている(9/11 Cinspiracy Theorisuts Are Bilding Their Case Against the Government From Ground Zero)」。

 ここでいう「グラウンド・ゼロ」とは、航空機による体当りテロ攻撃を受けたあとに突如、崩壊した、あの「世界貿易センター(WTC)」ビルを指します。
 そのWTC跡地がいわゆる「テロとの戦い」の引き鉄をひく「爆心地(グラウンド・ゼロ)」になった……。
 その、いわば原点に立ち返って、「9・11」をめぐる「公式見解」に疑義を差し挟む人々、すなわち「信じざる人々」が、ブッシュ政権による「やらせ陰謀」説を採り始めている、という記事が、ワシントン・ポストという、米国を代表する一流紙に登場したわけです。

 前回のコラムでは、サンフランシスコ・クロニクル紙が「陰謀説」と取り上げたと言いましたが、こんどはついにワシントン・ポスト紙までが……。
 それだけ、「9・11」に対する疑惑のまなざしが強まって来ているわけです。

 ポスト紙が今回、報じたのは、〈「9・11の真実」運動〉という学者・知識人らによる真相究明の動きです。

 ではその運動に、どんな「信じざる人々」が加わっているか、というと、ブリガム・ヤング大学のスチーブン・ジョーンズ教授(物理学)、ミネソタ大学のジェームズ・フェッツアー教授(哲学)、前イリノイ大学の経済学部長、ダニエル・オール氏、レーガン元大統領の補佐官を務めたバーバラ・ホネガー氏、第1次ブッシュ政権で連邦労働省のチーフ・エコノミストを務めたモーガン・レイノルズ氏、同じく第1次ブッシュ政権で連邦住宅局の副長官を務めたキャサリン・フィッツ氏――といった、社会的な評価のある、錚錚たる人々。

 このうち、スチーブン・ジョーンズ教授は、爆破実験を行うなど「WTCの崩壊」の原因究明に乗り出し、1000ポンドの高性能爆薬での爆破が最も説明のつく原因だと断定し、航空燃料による梁の溶解が原因とする「公式見解」に疑問を投げかけている物理学者。
 バーバラ・ホネガー氏は、ペンタゴン(米国防総省)にアメリカン航空77便(あるいはそうではない何か)が突っ込んだ「約6分前」に爆弾が爆発している、との「新事実」を突き止めた、米海軍大学校(大学院)の軍事専門ジャーナリスト。
 キャサリン・フィッツ氏は連邦住宅局の「予算流用」問題を告発したことで知られる、元米政府高官です。

 このようなキラ星のごとき人々から、さまざまな「疑惑」の指摘や手厳しい批判が続出しているのが、米国の現状なわけですが、そうした〈「9・11の真実」運動〉の中心にいる、極めつけの人物がこの人――知る人ぞ知る、デービッド・レイ・グリフィン氏です。

 グリフィン氏は、プロテスタントの神学者であり哲学者でもある人物(クレアモント大学のポスト・モダン研究センターの創始者だそうです)。カリフォルニア在住の65歳、「著名なリベラル派の神学者」であると、ポスト紙は紹介しています。
 
 グリフィン氏は、10万部も売れた隠れたベストセラー、『新しい真珠湾(The New Pearl Harbor)』の著者です。
 日本軍の真珠湾攻撃が米国の対日参戦の引き鉄をひいたように、「9・11」も「新しい真珠湾」となって米国を「テロとの戦い」に引きずり込んだ。
 あの「真珠湾」もそうであったように、「9・11」も参戦の口実をつくる壮大なる「やらせ」だったといった内容の本です。
 そういういわば「トンデモ本」を、ほかならぬグリフィン氏が書いたことで、「疑惑」の信憑性が一気に高まったわけですが、具体的にどういうことが書かれているかというと、WTCが「インサイダーの仕業」である、など、内容はこれまでいろんな人々が唱えてきた、さまざまな「陰謀」説を裏付けもので、〈「9・11の真実」運動〉のバイブル的な書物になっています。

 グリフィン氏は昨年、全米を講演旅行して歩き、連邦政府に対し真相究明を迫るよう呼びかけました。ポスト紙によれば、秋のある雨の夜、コネチカット州(の高級住宅地である)ウェスト・ハートフォードで開かれた講演会には、医師や弁護士、教師、ソーシャルワーカーなど中流(の上流を含む)階級の人々を中心に400人もが集まったそうです。

 「9・11陰謀説」と唱える人たちって、ともすれば声高に叫ぶラジカルな人たちってイメージがしがちですが、グリフィン氏の「説教」は物静かなだけに、聴く人々の心を開きながら、「真実」を求める草の根の声となって、着実に波紋の輪を広げて来た。
 そしてついに、ワシントン・ポストなど、いわゆる「メーン・ストリーム(主流)」のジャーナリズムも取り上げざるをえない事態を切り拓くまでに至ったわけです。

 グリフィン氏はこの『新しい真珠湾』のあとも、「9・11独立調査委員会」報告書を点検し矛盾やごまかしを抉り出した本などを出版するなど、精力的な活動を続いて来ましたが、本来は神学・哲学の専門家で、思弁的な世界に住んでいた、「神を信ずる人」のひとり。
 本音をいえば、ほんとうは俗事になどかまけず、「自分の世界に戻りたい」んだそうです。
 
 それがなぜ「9・11」にこだわり続けるかというと、「ほとんどあらゆるものを可能とする富と支配への欲望に焦点化した米国の政治」のあり方を座視できないからだといいます。

 グリフィン氏の登場で、一気に権威と正統性を帯び始めた「9・11」の真相究明を求める運動――。
 その、米国の「草の根(グラスルーツ)」から生まれた運動はインターネットという知を共有するツールを武器に、「ネットの根ざした(ネットルーツな)」形で、米国内ばかりか、フランスなどグローバルな規模で広がっており、「テロとの戦い」の「虚構」を崩す、「平和のためのコラボレーション」的な様相を強めています。

 後世の歴史家によって「9・11」5周年は、「真相究明・元年」に位置づけられるかも知れません。

 そう、これからが本番!
 グリフィン氏の鳴らす警鐘とともに、いよいよ真相究明の本格「ラウンド」の幕が切って落とされたかたちです。
   

 

Posted by 大沼安史 at 03:40 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イスラエル軍 レバノンの石油タンクを攻撃 「毒雲」が発生

 英紙インディペンデント(電子版、9月10日付け)によると、レバノンのサラフ環境相は同紙との会見の中で、イスラエル軍がベイルート南方の発電所の石油貯蔵タンクを意図的に攻撃した結果、貯蔵した燃料が12日間にもわたって燃え続け、それに伴い鉛や水銀、PCBを含む毒雲が発生、レバノンの国土の3分の1を覆った、と述べた。
 イスラエル軍の石油タンクへのロケット攻撃は7月13日に行われた。レバノン側は被害を修復したが、その攻撃の2日後、またもロケットで攻撃された。
 その結果、タンクが炎上して「毒雲」が発生する一方、400万ガロンの石油が沿岸に流れ出し、環境が破壊された。
 サラフ環境相はイスラエル軍がタンクに狙いをつけた攻撃を「故意に行った」として、イスラエル政府を非難した。
 


http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article1433338.ece

Posted by 大沼安史 at 02:40 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-05

〔NEWS〕 ガザで「説明のできない負傷者」 イスラエル軍 白リン弾 エネルギー兵器使用か WHO現地事務所が予備調査

 イスラエル軍が再侵攻したガザ地区で、イスラエル軍が得体の知れない非通常兵器を使用した疑いがあらためて浮上している。

 英紙インディペンデント(電子版、9月4日付け)によると、ガザ地区の医師らから、「説明のできない負傷」例の報告が出ている。
 
 負傷のタイプは2種類。
 ひとつは「骨まで焼ける火傷」で、もうひとつは銃・砲弾などを一切受けていないにもかかわらず内蔵が破裂しているケースだ。
 
 シファ病院のジュマ・アルサッカ医師がイタリアの医師に相談したところ、「非常に奇妙」な負傷の一部は、白リン(弾)によるものではないかとの示唆を受けた。

 これらの事例報告は先週末、現地入りした「イスラエル 人権のための医師団(PHR)」に対し、ガザの医師たちから伝えられた。PHRでは負傷者からサイプルを採取し、病理検査のため持ち帰った。

 WHO(世界保健機関)の現地事務所(ヨルダン川西岸・ガザ地区担当)のアンブロジオ・マネンテ博士は、予備的な調査を済ませており、ジュネーブの本部に対し、問題を提起している、と語った。

 (大沼・注)

 米軍がイラクで使用している「白リン弾」と、これも米軍がイラクで実験的に使用したとされる「エネルギー兵器」(本ブログ既報)が、イスラエル軍によって使われている疑いがあらためて浮上した。
 WHOによる徹底した究明を望む。


http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article1359830.ece

Posted by 大沼安史 at 06:24 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イラク行き米軍機の離陸を阻止 英軍基地侵入の英国活動家2人 裁判所に出廷

 英紙デイリー・テレグラフ(電子版、9月4日付け)によると、英国ブリストルの裁判所で同日、反戦活動家2人に対する公判が開かれた。
 出廷したのは、マーガレット・ジョーンズさん(57歳9とポール・ミリングさん(60歳)の男女2人。

 法廷で2人は2003年3月、英国北部グロセスターシャーのフェアフォード英空軍基地に侵入し、器機を損壊したことを認めた。
 2人はしかし、その行為は、イラクにおける民間人の命を守るためのものだったと正当化した。

 起訴状によると、フェアフォード基地に侵入した2人はハンマーやボルトカッターを使って、燃料給油車や牽引車を動かなくした。2台の牽引車については、燃料タンクには砂を投入、ケーブルを切断したとされる。

 検察官は、2人が現場で取り押さえられたとき、マーガレットさんが「米国はこの基地を戦争犯罪の出撃基地に使っている。最善の力を尽くしてそれを阻止するのがわたし目的だ」と語ったと、法廷で述べた。
 ポールさんも「英国と米国はこの基地を不法で不道徳な戦争行為に使っている。それを防ぐため、わたしのできることは何でもする」と陪審に向かって語った。

 法廷の外では50人の支援者が集まり、気勢をあげた。

(大沼・注)
 フェアフォード英軍基地は、今回のイスラエル軍レバノン侵攻の際も、米国がイスラエル向けの精密誘導爆弾緊急空輸に使用した中継基地である。

 テレグラフ紙の記事に、でマーガレットさん、ポールさんの写真が添えられていた。
 2人は、「イラクでの罪もない死者を思いだせ」という、小さな垂れ幕を掲げていた。

 57歳と60歳。
 英国のベビーブーマー。

 日本の「団塊の世代」も、時代の転換点にあたり、何事かを思い出さなければならない。
 ベトナム戦争に反対して街頭に出たあのころのことを。 


http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2006/09/04/uairbase.xml

Posted by 大沼安史 at 05:47 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ブレア英首相 「辞任」へ 雪崩れ 労働党国会議員が「辞任勧告書簡」

 英国のブレア首相の「辞任」に向け、雪崩れが起ころうとしている。

 英紙ガーディアン(電子版、9月5日付け)によると、労働党国会議員の大多数が署名する、ブレア首相のあての「辞任勧告書簡」が起草されている。

 書簡が発送されたかどうかは4日現在、明らかではない。

 (大沼・注)
 ブッシュ大統領とともに「テロとの戦い」を続けてきたブレア首相への辞任の圧力がますます高まっている。
 ブレア首相はなぜ、「汚辱」にまみれなければならなかったのか?

 その答えのなかに「テロとの戦い」の真相が隠れている……。


http://politics.guardian.co.uk/labourleadership/story/0,,1865108,00.html

Posted by 大沼安史 at 11:22 午前 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 不条理の根源としての「グラウンド・ゼロ」 史上最大の「やらせ」作戦? 「9・11」 5周年 真相究明を求める声、高まる 

  「9月11日」がまたやって来ます。「9・11」5周年。

 あれからもう5年が経ったのですね。

 「同時多発テロ」の次の年(2002年)の9月、ぼくはニューヨークに出かけ、「WTC(世界貿易センター)」の跡地を訪ねました。「グラウンド・ゼロ(爆心地)」と呼ばれる現場です。
 そこには、ぼくが初めてニューヨークに行った1983年の春、たしかに聳えていたWTCのタワーはなかった。
 何もない空間があっただけ。

 不思議な感じがしました。
 ぼくがかつて中に入り、エレベーターに乗ったWTCの超高層ビルが、ほんとうに跡形もなく、そこから消えていたのですから。
 
 フェンスで囲まれた跡地近くの道路わきには、犠牲者たちの遺影が飾られていました。
 それを見てぼくは、はじめて「9・11」というものを「体感」したような気がしました。

 WTCは、テロ攻撃をうけた「グラウンド・ゼロ」ではありますが、その後、ブッシュ政権がイラク戦争に突入したことで「テロとの戦い」の「起点」、というか「震源地」ともなりました。
 

 米国のCNN放送によると、「9・11」で亡くなった犠牲者は、実行犯をのぞくと、2973人になるそうです。

 それでは「9・11」が引き鉄が引いた「テロとの戦い」で、どれだけの米国人(米兵)が死んでいるのか?
 答えは、2974人(9月2日現在。イラクで殺害された米国籍の民間人を含む数字です)。

 つまり、ブッシュ政権の「テロとの戦い」の米国人死者が、この時点で「9・11」犠牲者を1人、上回った。
 「9・11」の悲劇をなくすための「反テロ戦争」が、それ以上の悲劇を生んでいる……。
 やりきれませんね。そんなバカな、と言いたい気持ちです。

 そんなやりきれのなさは、もともと「9・11」そのものに発しています。どうもおかしい、なんかヘン。世界を包みこむ、この不条理感の淵源(グラウンド・ゼロ)には、あのWTCの、不自然なまでに空虚な、何もない空間があるような気がします。

 ご承知のように「9・11」には、さまざまな「陰謀説(コンスピラシー・セオリー)」がくすぶり続けています。疑惑の炎は弱まるどころ、強まるばかり。米国の一般国民の間にも、「あれはテロリストたちの単独犯行」というブッシュ政権の「公式セオリー」を疑う見方が広がっています。

 米国の通信社、「スクリップ・ハワード」とオハイオの大学が共同で実施した「9・11」に関する世論調査の結果が先日、発表されました。実に驚くべき「結果」でした。

 「中東で戦争を始めるために、米政府の高官らが9・11の攻撃を側面から支援、もしくは見て見ぬふりをした」と考える人が、なんと36%もいることがわかった。

 つまり、「9・11」の実行犯はテロリストだとしても、それを「やらせ」たのはブッシュ政権の当事者だ、と考えている人が、「3人に1人強」もいる!
 ぼくも実は「やらせ」説を採る1人ですが、同じ考えのアメリカ人がこんなにもいるとは驚きでした。
 それだけではありません。
 WTCが倒壊した真の原因は、「秘密裏に仕掛けられていた爆発物」によるものと信じている人が16%(7人に1人強)もいる。
 「9・11」ではワシントン近郊の米国防総省(ペンタゴン)にもハイジャック機が突っ込んだことになっていますが、これを「米国の軍部による巡航ミサイル攻撃」と思っている人が12%(10人に1人強)も。
 あれから5年経っても、これだけの人があの「9・11」を「疑惑の目」で見ているわけです。

 「9・11」を「史上最大の陰謀」だとみる人々はもちろんまだ少数派ですが、オタク的なサークルを超えて、社会的に影響力のある人々のなかにも広がっています。
 
 その代表格は、ロバート・ボーマン氏。
 フォード、カーター政権時代に、いわゆる「スター・ウォーズ」開発計画に携わった米空軍の元高官(中佐で退役)で、カリフォルニア工科大学から航空工学と原子力工学の博士号(Phd)を授与された研究者肌の人物です。(ボーマン氏はレーガン政権の時代になって、「スター・ウォーズ」が先制攻撃に使用される恐れが強まったと、自ら率いた「スター・ウォーズ」開発計画を批判したことで知られています)

 そのボーマン氏の意見・主張を、3日付けのサンフランシスコ・クロニクル紙が掲載していました。

 ボーマン氏は「9・11」に関してどんな疑惑を指摘しているか?

 4つあります。
 それはひとつは、「なぜ米軍はハイジャック機を迎撃できなかったか?」という謎です。
 (クロニクル紙は、そういえば、1999年に起きたプロ・ゴルファー、ペイン・スチュアート氏の乗った小型機の場合はすぐスクランブルをかけたのに、「9・11」ではどうして?―と、疑問を投げかけています。)
 ふたつめは、ムサオイという男がWTOにハイジャック機ごと体当たりすると再三にわたって警告しているのに、FBI(連邦捜査局)はなぜその警告を無視したか、という謎。
 みっつめは、なぜペンタゴンは国防総省ビルに突っ込んだとされるアメリカン航空77便のコッゥピット内録音テープを公開しないのか?
 よっつめは、なぜブッシュ政権はテロ攻撃後、間もなく。19人の実行犯の身元を特定し写真まで公開できたのか?

 これらのミステリーを列挙したうえでボーマン氏は、チェイニー副大統領をはじめとするブッシュ政権の高官が「イラクの石油の長期安定的支配」とイラクを「中東全域を支配する戦略的ハブ」とすることを狙って、「9・11」を実行させたのではないか、との見方を示しています。
 
 現職の副大統領が「9・11」の背後にひかえた「黒幕」かも知れない!
 こう米軍の元高官が語っている!
 サンフランシスコ・クロニクルという有力紙の紙上で、公然と、堂々と!
 真相究明のため、再調査を行え!と。

 ――これが「9・11」から5年経った米国の実態なんです。
 終わっていないのです。「9・11」は。
 たしかに「9・11」後、「独立調査員会」なるものが結成され、「報告書」が出ていますが、委員会の委員となった人間のほとんどがブッシュ政権の息のかかった者ばかり(抗議して辞任した委員がひとりいます)。
 「真相」はなお闇の中、謎は山積しているのが現実の姿です。

 (クロニクル紙は、そんな謎の一例として、「WTC」の「第7棟」はなぜ、ハイジャック機に直撃されてもいないのに、タワー2棟と同様、なぜ倒壊したのか?――という疑問を提起しています。その「第7棟」は47階建てで、CIA、シークレット・サービス。米国防総省が入居していました)

 「9・11の真実」に迫る動きは、アカデミズムの中にも広がっています。
 昨年(2005年)12月には「9・11の真実を知るための学者連合」という組織が発足、疑惑の解明に乗り出しています。
 まさに追究の火の手があがった、というところですね。

 そんななかで心配なのは、米国における「9・11」追究の第一人者と目されるマイケル・ルパート氏のことです。(「ルビコン河を渡って」という本を書き、「陰謀」の全体像を描き切った人です。)
 ルパート氏はカリフォルニアを拠点に、世界に分析情報を発信しているのですが、先日、事務所が荒されました。
 以前にも何者かがコンピューターに侵入し、データを破壊されたことがありますが、こんどは事務所のなかをメチャメチャにされた。ルパート氏はこれを「暗殺予告」と受け取り、国外に脱出しました。

 「知りすぎた」ルパート氏に、おそらくは「これ以上、知られては困る」「知らせられては困る」その筋の魔手が伸びた!

 「9・11」の闇はかくも深きものなのですね。
 だからといって――いや、だからこそ、真相究明への努力を止めてはなりません。

 「9・11」の真実を求め、その「核心(グラウンド・ゼロ)」に迫り始めた包囲網。
 「5周年」は真相が明らかになる、現代史の分水嶺になるかも知れません。

  

Posted by 大沼安史 at 11:00 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2006-09-04

〔NEWS〕 英軍の戦闘力 もはや限界 英軍トップが証言

 英国陸軍のトップ、リチャード・ダネット卿は英紙ガーディアン(電子版、9月4日付け)の単独インタビューにこたえ、英軍の戦闘能力が限界に達している、との見解を明らかにした。

 英軍は現在、イラクに7200人、アフガニスタンに3300人が駐留している。
 アフガニスタンではこの2日、英軍の情報収集の偵察機が墜落、英兵14人が死亡したばかり。
 (タリバンは「撃墜した」と発表したが、英国防相はこれを否定)

 会見のなかでダネット卿は「われわれは懸命に戦っている。たしかに、懸命に。状況に対応しきれているか、ですと? ぎりぎり目いっぱいで」と語り、「テロとの戦い」に対する英軍の戦闘能力が限界点に到達、こんごは英軍の資源再配分を議論すべきところまで来ていることを明らかにした。

 (大沼・注)
 もうこれ以上は戦えない!
 英軍のトップが本音の吐いた!
 「テロとの戦い」は、「負け戦」に傾き出している……。 


http://www.guardian.co.uk/military/story/0,,1864263,00.html

Posted by 大沼安史 at 03:16 午後 | | トラックバック (0)

2006-09-03

〔For the Record〕 「わたしたちは沈黙しない」 米国ソルトレークシティー アンダーソン市長 ブッシュ氏らを迎え、痛烈な反戦演説

 ブッシュ大統領が在郷軍人会での演説のため、ライス国務長官、ラムズフェルド国防長官とともにソルトシティー入りした8月30日、2002年冬季五輪が行われたユタ州のこの街のロッキー・アンダーソン市長がブッシュ政権の戦争遂行政策を痛烈に批判する演説を、同市のワシントン広場で行った。

 「われらに真実を!」を3唱するアンダーソン市長の「わたしたちは沈黙しない」演説は、歴史に残るべき名演説である、といえる。

 アンダーソン氏は2000年1月、弁護士から同市長に当選し、全米で最も先進的な都市環境政策を進めるなど、進歩的な市長として知られる。

                           ◇

 アンダーソン市長の演説はまず、「愛国主義とは悪しき指導者に対する盲目的な信頼ではない」としたうえで、「愛国者とは、国のことを真剣に憂慮する民衆に対し、ひたすら座視し沈黙せよと告げるものではない。それは礼儀や良きホストであるために意見を控えよ、と告げるものでもない。愛国者とは、不正直で好戦的な人権違反の大統領に対して、奴隷的で盲目的な服従と敬意を示せ、と告げるものでもない(Blind faith in bad leaders is not patriotism.A patriot does not tell people who are intensely concerned about their country to just sit down and be quiet; to refrain from speaking out in the name of politeness or for the sake of being a good host; to show slavish, blind obedience and deference to a dishonest, war-mongering, human-rights-violating President. )」と述べ、愛国者であればこそ批判の声を大にして叫ばなければならないと宣言。

 続いて、セオドア・ルーズベルト大統領(共和党)の「大統領はただ単に数多い公僕のなかの最も重要なひとりに過ぎない。大統領はまさにその良き行いや悪しき行い、アメリカ国民全般に対し、忠誠心があり、有能で不偏不等な奉仕(サービス)を成す上で効率的であるか不効率であるか、でもって、その程度に応じ支持されもすれば反対されるべきものである(The President is merely the most important among a large number of public servants. He should be supported or opposed exactly to the degree which is warranted by his good conduct or bad conduct, his efficiency or inefficiency in rendering loyal, able, and disinterested service to the Nation as a whole. )」の言葉を引用、

 「であるからこそ、(このアメリカには)大統領がその行為に関して真実を告げる政治的自由がなければならない(Therefore it is absolutely necessary that there should be full liberty to tell the truth about his acts,)」と指摘し、「わたしたちは今日、ここに真実を告げるものとして集まっている。わたしたちはここに、こう要求すべく集まった。真実をわれらに! 真実をわれらに! 真実をわれらに!(We are here today as truth-tellers. And we are here to demand: "Give us the truth! Give us the truth! Give us the truth!" )」と、繰り返し求めた。

 そのうえでアンダーソン市長は、「わたしたちの長年にわたる同盟国は、わたしたちに同情的でありわたしたちを支えてくれた。しかし、われわれの大統領(ブッシュ大統領)はその支持を、アメリカに対する国際的な軽蔑に変えてしまった(Our long-time allies were sympathetic and supportive. But our President transformed that support into international disdain for the United States, )」と批判して、「なぜイラクを侵略し占領しているのか?(Why invade and occupy Iraq?)」と根底的な疑問を提起。

 アンダーソン市長はさらに、「わたしはショックを受けた。ここにイラク戦争に反対するわたしたちを批判し続けて来た男がいる。その男はイラク戦争を正当化するのに使った、その根拠となる諸事実において完璧に間違っている(I was shocked. Here is a man who has criticized us for opposing the war in Iraq--and he is completely wrong about the underlying facts used to justify this war. )」と、ブッシュ大統領を糾弾した。

 続けて市長は、「わたしたちは愛国者である。わたしたちは深く憂慮している。そしてわたしたちはいますぐ、変革を要求する(We are patriots. We're deeply concerned. And we demand change, now. )」としたうえで、「ライス国務長官に、彼女とブッシュ大統領が9・11の前に、テロリストたちが航空機で建物に突入する可能性を警告されていたかどうかについて、これ以上、嘘をつかせるな(No more lies from Condoleezza Rice about whether she and President Bush were advised before 9/11 of the possibility of planes being flown into buildings by terrorists.)」と述べ、「もう嘘はたくさん」とブッシュ政権の世論誘導を批判。

 そのうえで、「人間を拷問するなかれ(No more torture of human beings. )」「憲法違反の盗聴とするなかれ(No more unconstitutional wiretapping of Americans. )」など、30に及ぶ「もうたくさん、もう御免だ(ノーモア)を列記。

 アンダーソン市長は最後に、マーチン・ルサー・キング牧師の「わたしたちの生は、大事な事柄について沈黙を始めたその日に終わる(Our lives begin to end the day we become silent about things that matter.)」との言葉を引用し、演説を終えた。
 


http://www.commondreams.org/views06/0901-28.htm

Posted by 大沼安史 at 04:37 午後 | | トラックバック (0)