〔NEWS〕 ジョン・アーヴィング氏がギュンター・グラス氏を擁護
米国の作家、ジョン・アーヴィングが、戦時中、ナチスの武装SSの隊員だったと告白してバッシングを浴びるドイツの作家、ギュンター・グラス氏を擁護する文章を、英紙ガーデイアン(電子版、8月19日付け)に発表した。
「あまりにも多くの、いわゆる知識人たちが、彼らの攻撃目標に狙いを定める、あの、嗚呼、あんなにも臆病な、後知恵の視点からの、案の定、いかにも殊勝気な、グラスの人生と作品崩しが続いている」
「グラスは15歳で兵士になった。志願したのは主に“家出したかった”からだと言っている。わたしは、グラスを批判する人々が自分自身、15歳だったときのことをほんとうに覚えているのか、と不思議でならない」
「グラスはいまなおわたしの英雄だ。作家としても、道徳的な磁石としても。彼の勇気は、作家としてもドイツ市民しても模範的である。その勇気は、彼の最近の告白によって、弱まるどころか、さらに強まった」
(大沼・注)
何があっても、それがどうであっても、それでも&だからこそ、自分=歴史を、他者=世界のなかで絆をたいせつにしながら生きていく……そんな自伝的小説、「ガープの世界」を読んで以来、ジョン・アーヴィングのファンであるぼく(大沼)としては、共感できる「グラス氏擁護論」だった。
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http://www.guardian.co.uk/commentisfree/story/0,,1853745,00.html
Posted by 大沼安史 at 11:22 午前 | Permalink
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» 78歳の夏、グラスの一石 トラックバック Wein, Weib und Gesang
昨年の総選挙前の取っておいた新聞記事に目を通した。ギュンター・グラス氏が都合五回の演説会をエスペーデーのために行っていて、その旅の途上同行して記事としている。
グラス氏は、SPDから脱党して十年以上経っている。1969年には百回と言う驚異的な選挙遊説運動をこなしている。
遅すぎた告白については、ヴァレサ元連帯代表をはじめ政治家や文化人からも批判が一通り出た。ヴァレサ氏の批判は最も厳しいものの一つでダンチッヒ名誉市民�... 続きを読む
受信: 2006/08/20 16:44:02