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2006-08-12

〔NEWS〕 英テロ計画 「アルカイダ」が関与 容疑者の兄弟1人をパキスタンで逮捕 ガーディアン紙報道 

 英紙ガーディアン(電子版、8月11日付け)は、テロ計画で逮捕された英国内在住24人の容疑者のうちの1人の兄弟(1人)が、英当局による強制捜査以前に、アフガン国境に近いパキスタン国内で逮捕されていた、と報じた。

 パキスタン当局に逮捕されていたのは、ラシッド・ラウフ容疑者。

 パキスタンのシェルパオ内相が11日夜、同紙に明らかにしたもので、ラウフ容疑者はアルカイダとつながりがあるという。

 シェルパオ内相は、「われわれは彼を(アフガン)国境地帯で逮捕。その供述をもとにわれわれは栄当局と情報を共有し、それが英国での一連の逮捕につながった」と語った。

 一方、英国の情報当局者(複数)によれば、最初の「警報」は1年以上前、英国在住の、ひとりの情報提供者(インフォーマント)からあった。その情報提供者は英国内のイスラム信者のコミュニティー出身者と見られている。
 その「警報」と、ラウフ容疑者の逮捕、さらにはパキスタン国内から英国への通信の傍受)が、一連の逮捕に結びついたという。

 また同紙によると、英国内での家宅捜査で「殉教者テープ」などが発見されていたことも、10日時点で明らかになった。
 さらに11日には、ロンドンの東部で逮捕された容疑者のうちの少なくとも1人が、米国がアルカイダのリクルート機関とみている、タビジル・ジャマートの運営する「イスラム・キャンプ」に定期的に参加していたことがわかった。
 英国の反テロ当局者(複数)によれば、逮捕者のうちの数人が2ヵ月前にパキスタン入りしていたとされる。

 (英夕刊紙の報道では、容疑者の1人が米国行きの航空券を持っていたとされるが)ガーディアン紙のこの記事では、容疑者は誰ひとりとして航空券を買っておらず、テロがほんとうに行われる予定だったかはっきりしていない、という反テロ当局者(複数)の見方を紹介している。

 同紙がつかんだところによると、容疑者らが航空機爆破に使おうとした液体化合物は、「TATPをベースにしたPEROXIDE(過酸化物)」だった。

(大沼・注)

 昨年の「7・7」地下鉄テロ事件とは大違いの、ものの見事な「事前摘発」。

 「テロとの戦い」をすべての「正当化根拠」とする英米当局にとっては、これは「すばらしい戦果」である。

 だから言っただろう、テロを根絶しなくちゃならないって……

 胸を張って、そう言える(?)格好の「未遂事件」が、ポンと目の前に現れたのだから。

 イラクで行き詰まり、アフガンで苦戦し、こんどはイスラエルに肩入れして、米英に対する国際的な非難が高まっている、絶好のタイミングで。

 「英テロ未遂事件」の行方を、本ブログでも追いかけることにしよう。

 使用する「テキスト」は、ぼくの信頼する「ガーディアン」と「インディペント」に限定していきたい。 

http://www.guardian.co.uk/terrorism/story/0,,1843057,00.html

Posted by 大沼安史 at 08:31 午前 |

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