〔いんさいど世界〕 「エネルギー兵器」 許すまじ
(注・本稿は本ブログ既報に加筆したものです)
ことしもヒロシマ、ナガサキの夏が近づいています。原子爆弾がはじめて、都市の住民に対して投下されてから61年。
「核兵器」の恐怖は忘れてはならなし、忘れられるものでもありません。
ヒロシマに原爆が投下されたとき、当時に日本の新聞は、「新型爆弾」と書きました。当時の日本の指導部は、当然、それが原子爆弾だとわかっていたはずなのに……。
きょう、お話しするのは、現代の「新型兵器」のことです。米軍によって「核兵器」ではない、新型兵器が開発され、イラクで試験的に使われたのではないか、という疑惑が出ているのです。
その名は「エネルギー兵器」。イラク駐留米軍がその「エネルギー兵器」を実験使用した疑いが最近になって浮上し、世界的な問題になっているのです。
疑惑を報じたたのは、イタリアのTV。
あのファルージャ戦での米軍による「白リン弾」使用を追及・暴露したイタリアのRAIテレビのチームが、今回新たにドキュメンタリー番組を制作し、告発しました。
ドキュメンタリーのタイトルは「イラクでのスターウォーズ」。
米国の放送局、「デモクラシー・ナウ」が7月25日、全米に放映し、映像はネットを通じて世界の視聴者に届けられました。
驚くべき映像レポートでした。
それによると、謎の新兵器、「エネルギー兵器」はイラク国内で、少なくとも2度、いずれも2003年に、イラクの民衆に対して使用された疑いがあるそうです。
そのうちの1件はバグダッド空港の近くで、乗客3人が乗ったバスに対して。
信頼すべき目撃者の証言によると、バスの車体はまるで濡れた布のように縮み、フォルクスワーゲンのサイズに縮小したそうです。乗客3人のからだもまた、背丈が1メートルほどに縮み、頭部だけが燃えて、歯だけが残るかたちで死んでいたそうです。
銃創や爆発物による損傷はまったく見られませんでした。
もう1件は、バビロンに近いヒラの町から、キフィルというところへ向かっていたバスに対して使用されました。
途中の米軍検問所でUターンを命じられ、ヒラに戻ろうとしたときに。
発射音は聴こえず、砲弾など物体も飛んでこなかった。
乗客は25人で20人が死亡、運転手だけが無傷でした。
生存者の治療にあたたヒラ総合病院の外科医の証言では、犠牲者のからだには銃弾や砲弾の破片はまったく見つからなかったといいます。
乗客のなかには頭部だけなくなった人も。手足や腹部など、からだの各部が切断されていました。
銃・砲弾やミサイルなど物体を高速で当てて破壊する、いわゆる「力学的(キネティック)兵器」ではない、「エネルギー兵器」が使用されたのではないか、というのが、制作チームの辿り着いた結論です。
エネルギーを放射する新タイプの兵器については、米軍も研究・開発に取り組んでいることは認めています。
ではその「エネルギー兵器」とはどういうものか?
番組のなかで、(原爆を開発した)米ロスアラモス研究所の前プログラム・ディレクターは、制作チームのインタビューに対し、「ダイレクト・エネルギー兵器」には、①遠距離を射程として電子を撃ちだす、いわゆる「光速」といわれるもの②短い射程で使うレーザー兵器③マイクロ波兵器――の3種類があると言明しています。
このうち、③のマイクロ波兵器は、(これはRAIの番組には登場していまんが)米カリフォルニアの民間研究所、「カリフォルニア戦略研究センター(CCSS)」によると、「死の光線」と呼ばれているもので、わたしたちの台所にある電子レンジと同じ仕組みだそうです。
CCSSはまた、ほ「苦痛光線」というミリ波を照射する新型兵器も開発されていて、これを2秒照射されただけで皮膚の温度が摂氏54度達する、と指摘しています。
こういうものが開発されている。そして、イラクの戦地で「実験」が行われた! 事実だとしたら大変なことです。
いま、事実だとしたら、と書きましたが、RAIテレビの番組では、米国の軍事雑誌2誌が、こうしたタイプの兵器のうちの少なくとも3種類がイラクで使用されたことがある、とい報じているという点にも触れています。
これを考え合わせると、エネルギー兵器の「使用」は「事実である」可能性がきわめて強いといわざるを得ません。
さらに言えば、米国内ですでに「エネルギー兵器」が実地に使用されたという疑惑もあります。あの「9・11」のあと、ブッシュ政権が議会で通そうとした「愛国者法」に批判的なミネソタ州選出の民主党上院議員搭乗機に対して、同州内で使用された、との疑惑です。
「核」に続いてこんどは「エネルギー兵器」。
「核」だけでなく「エネルギー兵器」の禁止運動も盛り上げねばなりませんね。