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2006-07-31

〔NEWS〕 「カナの大虐殺」 住民避難の民家にイスラエルの爆弾 地下室らの60人以上が死亡 うち34人は子ども 英紙ガーディアンが現場ルポ

 英紙ガーディアン(電子版)によると、レバノン南部のカナで7月30日未明、住民が避難していた3階建ての民家をイスラエル軍機が空爆、地下室にいた60人以上が死亡した。ティエールに脱出できなかった人々で、うち34人は子どもたちだった。

 生存者の証言によると、爆弾が投下されたのは同日午前1時ごろ。大人の何人かはまだ起きており、深夜のお茶を飲んでいるところだった。

 爆弾は2発。最初の1発に続き、数分後にもう1発が爆発した。

 生存者のひとり、ムハメド・カシム・シャルハウブさん(38歳、男性)は、妻と子ども5人を失った。

 「大きな爆発音があって、わたしは意識を失った。気がつくと床に横たわっていた。わたしは壁に頭を打ちつけていた。沈黙があたりと覆っていた。しばらくの間、何も聞こえなかった。そのあと突然、悲鳴が上がった」

 「わたしは、“アラー・アクバル(神は偉大なり)、おびえるな、わたしは必ず現れる”と唱えた。わたしの顔は血にまみれていた。血を拭って、息子を探した。見つけることができなかった。4歳になる甥と、少女とその妹の3人を連れて外に出、救いを求めて叫んだ。男が3人に来て家のなかに入って行った。まわりは砲声だらけ。イスラエル軍機が飛び交っていた。わたしは疲れきり、家に引き返せなかった」

 殺された人々は地下室で「抱き合って死んでいた」という。
 壁のそばで。たぶん、そこなら大丈夫と思って。
 「かわいそうに」と、捜索隊のリーダーは言った。

 瓦礫のなかに家族の写真が散乱していた。その一枚を手にした男が行った。「彼ら(イスラエル軍)は、この家に子どもたちがいることを知っていたはずだ。無人偵察機がいつも上空を飛んでいて、30人以上の子どもたちが家の外で遊んでいたのだから」
 
 何の変哲もない3階建ての民家を襲ったのは、キヤムの国連監視哨に命中したのと同じ、精密誘導弾だった。
 現場に散らばった濃緑色の爆弾の破片にこう記されていた。

 GUIDED BOMB BSU 37/B

 カナでは10年前にもイスラエルによる虐殺があった。
 国連施設に避難していた数百人の一般住民がイスラエル軍の砲撃で殺害された。

 こんどは米国製の精密誘導弾で繰り返された「カナの大虐殺」。

 中東史にまた悲劇がひとつ刻み込まれた。

 同紙によれば、今回のイスラエル軍の攻撃で、750人を超すレバノン人が死んでいるという。そのほとんどが一般の民衆である。


http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,,1833884,00.html

Posted by 大沼安史 at 12:46 午後 |

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