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2006-07-29

〔がんばれ、スザンヌ! 英紙女性記者 レバノン殺戮地帯レポート〕 チョコレート屋の悲劇

 英紙ガーディアンの女性記者、スザンヌ・ゴールデンバーグさんが、またレバノン南部からレポートして来た。
 7月29日付け、同紙の電子版に載ったのは、スザンヌ記者の、住民2人に対するインタビュー記事。
 そのうちの1人、ティエールの町のチョコレート屋さんの記事を紹介しよう。

 スザンヌさんがインタビューした人は、ジャバル・アマル病院の向かいで、チョコレートを開いていたリアズ・ジマーさん。
 リアズさんは店を閉めて、もう11日間も病院の地下室に寝泊りし、仕事を手伝っている。

 リアズさんは7月17日、愛妻のラヤンさんと、長女のアリスちゃん(6歳)、次女のセリナちゃん(2歳)を、イスラエル軍の空からの攻撃で失った。

 一家そろってティエールの効外、ホシュの親類宅に出かけたときのこと。リアズさんは攻撃の数分前、家から出て無事だった。

 リアズさんは病院で、サングラスとタバコの煙で悲しみを隠し、地下の公衆衛生のデスクに座っている。
 この病院がリアズさんの避難所だ。
 自分の家には戻っていない。「思い出が多すぎるから」
 
 病院は「第二の我が家」だ。リアズさんの悲しみを、病院の医師たちはわかってくれる。

 国連のスタッフが、リアズさんの家から写真を一枚、持って来てくれた。
 ラヤンさんの青い目が笑っていた。24歳だったときの写真。

 昨日(7月28日)、ようやく、ホシュの現場にブルドーザーが入り、瓦礫の下から、奥さんと娘さんの遺体を収容した。
 
 そこにも、リアズさん足を運べなかった。
 耐え切れないことだった。

 戦争が終わったら葬る、と、リアズさんは言った。

 同じスザンヌ記者の記事には、90歳の母とともに取り残された、57歳のレバノン人女性の話も出ている。

 殺戮地帯にとどまり、現地の実情を伝え続けるスザンヌ記者、がんばれ!
 日本のテレビレポーターのように「現場からは以上です」などと言わず、取材を続行するスザンヌ記者、がんばれ!

 現地の人はあなたの報道に希望をつなぎ、世界のわたしたちはあなたのレポートを待っている!
 


http://www.guardian.co.uk/syria/story/0,,1832904,00.html

Posted by 大沼安史 at 05:07 午後 |

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