〔NEWS〕 イスラエル軍 救急車をミサイル攻撃
レバノン南部に踏みとどまり、レポートを続ける英紙ガーディアンの女性記者、スザンヌ・ゴールドバーグ記者が、殺戮地帯を化した現地の実情を伝えて来た。
7月25日付けの同紙電子版で、彼女がタイル発で新たに報じたのは、23日の日曜日の夜の、イスラエル軍のヘリによる、レバノン赤十字社の救急車2台に対するミサイル攻撃。
救急車はいずれも赤十字旗を照明でライトアップしながら走行していたにもかかわらず、イスラエル軍は上空からミサイルを狙い撃ちした。
これにより救急車は2台とも全壊、救急隊員6人が負傷、救急車で運ばれていたファザスさん一家の3人も攻撃を受けた。
ファザスさん一家の3人は、点滴をうちながら搬送される、80歳になるジャミアおばあちゃんと、その息子である一家の主人、アーメドと、そのまた息子で、ジャミアさんからみれば孫にあたる、14歳のモハメド君。
アメードさんはミサイルの破片を腹部に受け、片足も吹き飛んだ。モハメド君も足の一部を失い、ジャミアさんも体中に破片を浴びた。
現場からの無線で、救急隊員からの「ミサイル攻撃を受けた」との知らせは、タイルのレバノン赤十字の入ったのは、午後10時ごろのこと。ミサイル被弾から2分後のことだった。
早速、詰め所から救急車が出動し、現場で負傷者らを収容し、タイルに戻った。
その時点ですでにアーメドさんは意識不明の重態に陥っていた。
全員がボランティアで救援活動にあたるレバノン赤十字社の救急車は、イスラエルの退去期限が切れた22日夜以降、レバノン南部に取り残された人々の最後の頼みの綱となっていたが、その道も今回の無差別攻撃で閉ざされた。
負傷した救急隊員のひとりはこう言った。
「赤十字の救急車を、それも2台も誤認するわけはない」
(大沼・注)
ボランティアで決死の活動にあある救急隊員らとともに、現場に残って報道を続けるスザンヌ記者の健闘と無事を祈ろう!
Posted by 大沼安史 at 11:57 午前 | Permalink