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2006-06-30

〔イラクから〕 「華氏911」の勧誘曹長 戦死

 英紙、タイムズの報道によると、マイケル・ムーア監督の映画、「華氏911」に、米ミシガン州フリントのスーパーで若者を軍に勧誘するリクルーターとして登場していた、米海兵隊のレイモンド・プロウハール曹長が6月26日、イラクのアンバール郡で戦死した。30歳だった。
 乗っていた車両を狙って、ロードサイド爆弾が爆発した。
 1995年に海兵隊に入隊。親類の男性に腎臓を提供したあと、4年間、現役を退いていた。
 フリントでは60人以上の若者を入隊させたという。
 父親のレイモンドさんは、「いまわれわれがイラクから逃げ出したら、息子の死は意味のないものになるし、私自身、おかしくなってしまうだろう」と語った。


http://www.timesonline.co.uk/article/0,,11069-2250131,00.html

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2006-06-29

〔NEWS〕 新たなる中東戦争?? ガザからのレポート ライラさんの日記 「発電所が破壊された」

 イスラエル軍がガザ地区に再侵攻し、戦車やミサイルなどによる攻撃を激化させている。 
 その現地の模様を、ガザ地区に住み、現在、米国に滞在しているパレスチナ人女性ジャーナリストが、自身のブログで報告している。
 米国からガザ地区の人々に連絡し、実情をレポートしているのだ。

 「アルジャジーラ・ネット」に記事を書いている、ライラ・エル・ハダドさん。
 彼女のブログの名は、「ユースフを育てる:占領下の生きる母親の日記」。
 ユースフさんとは息子さんの名。
 ブログは英語で書かれており、ガザ地区の内部から、そこで起きている真実を伝えるブログとして、世界的に注目されている。

 6月27日付けの彼女のブログの中身を紹介しよう。

 ガザの友人、家族は、わたしにこう言った。最善を祈りつつ、最悪の事態を迎えていると。かつてイスラエル軍の怒りに何度もふれ、以前、16000人のパレスチナ人が装甲ブルドーザーによって家を失った、ラファのパレスチナ難民キャンプでは、人々はいま、生命の危険に怯えながら家のなかに閉じこもっている。
 
 イスラエル軍は、ラファの検問所や空港を含む国境地帯を支配下に収めた。わたしが米国の北東部を一緒に講演で旅した同僚であり、友人である活動家のフィーダ・キシュタは、エジプトに向かっている。ガザを封鎖したイスラエル軍の許可が下りるまで、エジプトに止まらなければならない。
 そんな彼女を、わたしは心配でなからなかった。彼女はラファの人間だから。
 わたしは、ロンドンの空港から必死になってかけてきた、彼女の電話を受けた。搭乗する便に遅れが出たので、エジプトで亡命生活を送ることにしたという。
 ほかの同僚のジャ-ナリストたちによれば、エルサルムのCNNやBBCのクルーもまた昨日、エレズ検問所からのガザ入りを拒否されたそうだ。

 〔続報〕
 イスラエル空軍のF16機がガザの大橋を爆撃した。わたしの父親の農場のすぐ隣。北部ガザと南部ガザをつなぐ橋だ。イスラエル軍はガザでただひとつの発電所を破壊してしまった。その結果、ガザの電気の大半がストップしてしまった。わたしはたったいま、カーン・ユニスにいる祖母と話をしたところ。祖母の話で、ガザ地区全域が闇に底に落ちたことを確認できた。人々は食糧などの備蓄に走っているという。もちろん、病院や診療所も停電している。自家発電機がどれくらい持つか、わたしにはわからない。

 以上が27日付けのブログの拙訳である。

 ガザでまた、戦争が始まった。

 新たなる中東戦争の幕開け、か?

 以下に掲げるライラさんのブログを、こんごとも注目することにしよう。


http://a-mother-from-gaza.blogspot.com/

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2006-06-28

〔イラクから〕 戦争難民 130万人に

 国連のバグダッド駐在部は6月27日、イラクの戦争難民が130万人に達している、とする声明を発表した。
 難民化は、ことし2月のサマワのアスカリーア・モスク爆破事件が引き鉄をひいた宗派対立のなかでさらに加速し、この4カ月間に新たに15万人が住み慣れた居場所を失っている。
 AP通信が報じた。


http://www.thestate.com/mld/thestate/news/world/14915280.htm

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2006-06-27

〔イラクから〕 米軍、ラマディーに侵攻開始

 米軍のラマディー侵攻が6月25日夜から始まった。
 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版、27日付け)によると、米軍250人、イラク政府軍150人の計400人が市内西部から中心部に向かって進撃を開始し、占拠した住宅地の一画に前線基地を置いた。
 同紙によれば、ラマディーを包囲している米軍は、市内への侵攻に慎重な姿勢を見せている。2004年11月のファルージャ侵攻時のように一気呵成ではなく、時間をかけ制圧地を広げていく考え。
 27日の月曜日には、武装勢力1人を殺害したが、若い米軍兵士を迫撃砲弾で失った。
 現地に3週間前送り込まれた、「第一装甲師団第一旅団」の兵士で、同旅団のラマディーでの戦死者はこれで6人目。
 迫撃砲弾の破片を胸に受けた米兵は野戦病院に運ばれたが、亡くなった。
 同紙は、道路に転がる、その兵士の血まみれブーツの片方の写真を載せた。


http://www.nytimes.com/2006/06/27/world/middleeast/27ramadi.html

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2006-06-26

〔いんさいど世界〕 ワタダ中尉 イラク行きを拒否 日系の28歳 「イラク戦争は不正義の戦い」 

 小泉首相の訪米で「日米同盟」の結束の強さがアピールされるなか、米国ではいま、ひとりの日系軍人(士官)の、勇気ある「闘い」に注目が集まっている。
 イラク戦争を「不正義の戦い」と言い切り、出征命令を拒否している、「サムライ」のような若者がいるのだ。

 イラク行きの命令に従わなかったのは、ワシントン州の「フォート・ルイス」に駐留する米陸軍ストライカー旅団のアーレン・ワタダ中尉(28歳)。
 6月7日、駐屯地に近いタコマの教会で、信者仲間に対して決意を語り、翌8日に記者会見を開いて、正式に意志表示した。

 ワタダ中尉はハワイ出身の日系アメリカ人。地元のハワイ・パシフィック大学を卒業後、2003年3月、米陸軍に志願、韓国に駐留したあと、昨年夏、日本への司令部移転が決まっている「フォート・ルイス」に配置された。

 イラクで部隊を率いる指揮官をなるよう命じられたワタダ中尉は、イラクのこと、イラク戦争のことを、猛烈に勉強した。
 その結果、知れば知るほど、イラク戦争はモラルなき不正義の戦争であるとの確信が募り、命令拒否を決意するに至った。

 地元紙のシアトル・ポスト・インテリジェンサー、シアトル・タイムズの両紙によると、タコマでの記者会見でワタダ中尉は、次のように語っている。

 ・「合法的でない戦争に参加せよとの命令は、それ自体、合法的ではありません。わたしは、ひとりの指揮官として、指揮命令系統のトップレベルにおける意図的な過ちに対して反論することが義務であると考えます」

 ・「わたしは沈黙することを拒否します。わたしは、大統領がわたしたちに決まったとおりにせよと告げるなか、諸家族が壊されていくのを目の当たりにすることを拒否します。わたしは、わたしたちが侵略するのに値することを何ひとつしなかった人々に対する、非合法で不道徳な戦争の一部となることを拒否します。わたしはここに残って、友軍とともにありたいと思います。最善の道は、砲弾を落下させる手伝いをして死と破壊をもたらすことではありません。それは、この戦争に反対し、すべての兵士が帰還できるよう、戦争を終えることです」

 そんなふうに語ったワタダ中尉の「命令を拒否する論理」は、「反戦・平和」を希求するといった個人的な心情にもとづくもの、というより、国際法の法理から導き出された、非の打ち所のない、実にロジカルなものだ。
 それは、ナチス・ドイツを裁いた「ニュルンベルク裁判」で打ち立てられた、「人道に対する罪」をおかせと迫る、上層部からの命令を拒否する義務(権利)にもとづく、軍人としての決断である。
 
 つまり、ワタダ中尉の今回の命令拒否は、戦争一般に背を向ける「良心的兵役拒否」ではなく、あくまでも「イラク戦争という不正義の戦争」に限定したものであり、中尉としては、アフガニスタンでの戦闘であれば、いつでも喜んで軍務に就く考えでいる。

 そんなワタダ中尉に対する、イラク行き部隊への出頭命令の期限は、22日の午前3時。
 ワタダ中尉はその場で命令を拒否、軍法会議を待つ身となった。

 こうしたワタダ中尉の決断に対して、タコマの教会は全面支持を表明し、全米の反戦運動団体も支援に回っている。
 27日には全米で、ワタダ中尉を守る集会、デモなどが一斉に行われた。

 中尉の出身地、ハワイのホノルルでは、父親のボブさんがいち早く、断固たる連帯の声をあげ、父親として息子の名誉を守る活動を開始した。

 父親のボブさんは、長年、ホノルルで選挙違反の取り締まりにあたり、不正に目を光らせていた、地元の有名人。
 AP通信の取材に対して、こう答えている。

 ・「息子はネルソン・マンデラ(南アの黒人解放運動指導者)が25年間、獄中にあったことを知っています。息子はローザ・パークス(白人専用のバスの座席に座り続けた黒人女性)が身柄を拘束されたことを知っています。息子はマーチン・ルサー・キング牧師が獄中にあったことも、ガンジーが監獄に囚われたことを知っています。これまで、多くの人たちが立ち上がり、そうしなけれならないなら、刑務所にも行く用意がある、と言い続けてきました。わたしはいま、息子とともに立つことができて、非常に嬉しい」

 この父親にして、この息子あり、ということか。

 ひとりの日系の若い中尉の果敢な決断と行動に、そして息子に全幅の信頼を寄せ、闘いに立ち上がった父親の勇気に、敬意を表したいと思うのは、筆者であるわたし(大沼)だけではないだろう。

 プレスリーの大ファンをもって任ずる、かの国の宰相にも、知ってもらいたいことである。
 
 ワタダ中尉は、「戦争の犬」としてイラクには行かない、と命令を拒否した。

 「ハウンド・ドッグ」(猟犬)になることを拒否した日系男子、28歳の決断の重みを、プレスリー好きの宰相もまた、知らねばならない。

Posted by 大沼安史 at 01:58 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-06-24

〔NEWS〕 鳥インフルエンザ 初の人体間感染を確認 WHO

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版、6月24日付け)が報じたところによると、WHOはインドネシアの鳥インフエルエンザ集団感染で、初の人体間感染を確認したと発表した。

 4月下旬、インドネシア・スマトラ島で起きた一家7人(うち6人死亡)の集団感染を調査した結果、わかった。

 鳥インフルエンザの遺伝子は、10歳の男子から父親へ感染する段階で変異していたという。
 


http://www.nytimes.com/2006/06/24/health/24flu.html?_r=1&oref=slogin&pagewanted=print

Posted by 大沼安史 at 09:28 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 日本 米国のイラン制裁、同調へ FT紙が報道 

 フィナンシャル・タイムズ紙(電子版、6月23日付け)は、日本がイランの銀行預金を凍結するなど、米国主導による対イラン制裁に同調することを、ブッシュ政権に伝えた、と報じた。

 (大沼・注)
 小泉首相の米国訪問の「手土産」が、これだとは。
 日本の国家的プロジェクトだったはずのイラン石油開発(アゼデガン油田開発)は、これによりほぼ絶望的となった。
 代わって、中国がその利権を引き継ぐ。
 
 それにしても、こうした重要ニュースをFT紙に抜かれるとは。

 FT紙に対して、「複数の日本政府高官」が言明しているのである。

 日本のマスコミよ、お前たちは、どんな取材の努力をしたというのだ。
 君たちは、いまいったい何が問題なのか、わかっているのか?


http://www.ft.com/cms/s/73bb864a-02e4-11db-9231-0000779e2340.html

Posted by 大沼安史 at 09:08 午後 | | トラックバック (0)

2006-06-23

〔NEWS〕 福井日銀総裁 辞任の可能性  FT紙が報道

 フィナンシャル・タイムズ紙(電子版、6月22日付け)は、福井日銀総裁が「日本銀行のトップの仕事を明け渡さざるを得なくなる」可能性がある、と報じた。

 (大沼・注)
 世界的な権威ある経済紙による、事実上の辞任勧告と受け取るべきだろう!


http://www.ft.com/cms/s/1d24176a-01d2-11db-a141-0000779e2340.html

Posted by 大沼安史 at 01:09 午後 | | トラックバック (0)

2006-06-21

〔イラクから〕 「ブッシュ政権は無計画」 誘拐され殺害された米兵のおじ、怒り、ぶつける

 何者かに誘拐され行方不明になっていた米兵2人が6月20日、バグダッドの南、ユスフィアのゴミ捨て場で、遺体となって発見された。
 クリスチャン・メンチャカさん(23歳)とトーマス・タッカーさん(25歳)。
 英紙ガーディアンによれば、拷問されたうえ斬首されていた模様だ。

 クリスチャンさんのおじのケンさんは、NBCテレビの番組で、こう言ってブッシュ政権を批判した。
 「政府がまともな計画を立てていないから、おれの甥っ子は自分の命で支払わなければならなかった」
 
 (In Brownsville in Texas, Pte Menchaca's uncle, Ken Mackenzie, blamed the Bush administration for his nephew's death. "Because the US government did not have a plan in place, my nephew has paid for it with his life," he told NBC television.)

 (大沼・注)

 クリスチャンさんはテキサス州(トーマスさんはオレゴン州)の出身。
 おじのケンさんは同州の田舎町、ブラウンズヴィルに住んでいる。

 テキサスはブッシュの出身地。そういうところからも草の根の怒りが噴き出したことに注目したい。

 今回の米兵殺害、またしても「イラクのアルカイダ」の仕業、とか。
 ザルカゥイ殺害後、米国人の敵意をあおるキャンペーンが、またしてもグッドタイミングで始まった。
  

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1802211,00.html

Posted by 大沼安史 at 02:21 午後 | | トラックバック (0)

2006-06-19

〔A Happy New Life!〕 飲みすぎで肝臓が気になる人に「頼もしき友」 その名は「コーヒー」

 新聞記者を始めたころ、急性でお酒が飲めるようになって(強制的に飲まされて)、以来、小生もまた、いっぱしの「酒のみ」。
 還暦まで残すところわずか、飲酒暦35年の長きに思いをはせながら、今もって晩酌を欠かさない毎日を過ごしている。
 その一方で、「酒とバラの日々」ならぬ「酒とバカの日々」のなか、酷使し続けてきた肝臓の行方が、ようやく気になり出した今日この頃。

 そんな小生の酔眼に、先日、思いもかけぬ「朗報」が飛び込んで来た。
 肝臓をアルコールのダメージから守る「強い味方」の存在が確認された、という大ニュース。

 これを同病相憐れむ「のみ助」仲間に伝えない手はない。ともに祝杯をあげつつ、そのビッグな「吉報」を分かち合おうと、同輩のOを居酒屋に誘った。

                      ◇

 で、まず、その「朗報」「吉報」だが、英国の高級紙、ガーディアン(電子版、6月13日付け)に掲載されたもの。つまりは、封が切られたばかり。開けたてのワインのような新鮮な情報である。

 世界にその名を轟かす、信頼度抜群のガーディアン紙によれば、アメリカの医療機関である「カセール・パーマネンテ」の研修チームによって、のん兵衛諸君なら誰しも快哉を叫ぶであろう衝撃の新事実がつい最近、確認された!

 ついに明らかになった驚きの事実とは、飲みすぎでしまいには肝硬変・肝臓ガンになり、あの世へと旅立つ、我ら、酒飲みオヤジどもの悲しき運命に関することである。

 な、なんと、あるカンタンなことをするだけで――より正確には、あるものを飲むだけで、肝硬変になる確率が大幅にダウンするといういうのである。
 こ、これは、た、大変なニュースではないか!

 そ、その(こういう書き方、もういい加減します!)あるものを飲むの飲むものとは、酒をもって酒を制する「迎え酒」ではなく、なんとコーーヒー。
 コーヒーを「1日1杯」飲むだけで、肝硬変になる確率が20%もダウンするのだそうだ。
 
 「1日2、3杯」ではどうかというと、これがなんど「40%」ものダウン、「1日4杯以上」となると「80%」の減、にもなるという。

 こ、これは(また始まった!)なんともすごい発見である。

 えっ、ホント? 信じられなーい、などと首を傾げることなかれ。
 ガーディアン紙によれば、この研究、実に22年以上の歳月をかけ、12万5000人の人々を対象に行われてもので、信憑性はきわめて高いという。
 実はこの、コーヒーが呑み助どものアルコール性肝硬変を抑えるらしいということは、実は1993年に、同じチームによって発見されていたが、今回の研究はこれを追認する、人類史上最大規模のリサーチだったという。

 そこで次なる疑問が――。コーヒーの何が、酒飲みの肝硬変を抑えるか?
 これについては、コーヒーに含まれる「カフェイン」ではない、ことが今回の研究で確認された。
 コーヒー同様、カフェインを含む「紅茶」についても調べたところ、1日に何杯飲んでも、肝硬変を抑止しないことがわかったのだ。

 紅茶の国、英国の高級紙らしく、ガーディアン紙の記事は、紅茶については、悔しさというか失望を隠しつつ、「ノー・エフェクト(効果なし)でした」などと、素っ気無く書いているところが、なんとなくザマミロだが……。

 とまれ、そうなると、紅茶にはないコーヒー特有のものが肝硬変を抑える働きをしていることになるが、これについては、どういうメカニズムになっているのか、いまのところまったく不明。
 こんごの研究に待つほかない。

 まぁ、原因はなんであれ、コーヒーが酒飲みの肝臓にいいことがわかっただけ、われら呑み助どもには朗報であるが、研究チームのリーダーであるクラッキー(グロッキーではなく!)博士は、「だからといって過度の飲酒を奨励しているわけではありません。コーヒー、飲めばいいんだから、みんなもっと飲もう飲もう、ということではありません」と警告している。
 アルコール性の肝炎にならないためには節酒もしくは断酒がもっとも確実な道である、とクラッキー博士はいいたいのだ。

                        ◇

 で、Oと待ち合わせた横浜・野毛のなじみの居酒屋。

 「ゴタクはもういい、うるせぇ。じゃんじゃん飲もうぜ」
 「からだに悪いぞ。飲みすぎだぞ」
 「ああ、わかってる。なら、こうしてやる。マスター、焼酎、お代わり、頼む。ついでに缶コーヒーも一緒にな」
 「な、なにするつもりだよ?」
 「焼酎のコーヒー割りだ。いいこと聞いたからな、おれはこれからコーヒー割りにするぜ。でも、自分でいちいちつくるのも面倒だ。お前さん、宝酒造に知り合い、いるんだろ? 缶コーヒー・チューハイっての、つくれって頼んでおいてくれ」
 「こら、O、缶(ママ)違いするなよ。そろそろ家に帰って、風呂にでも入って、ビール飲まずに、『夜更けのコーヒー』でも味わって、ぐっすり寝んねしな」
 (酔いが回ったらしく急に萎れて)
 「わかった、そうする。でもな、お前こそ、カラダに気をつけろよな」
 「ああ、そうするとするか。2回に1回は飲み屋をやめ、あの学生の頃を、70年の頃のサ店を思い出しながら、コーヒー片手に、熱く、政治を、変革を、語り合ってみるか?」
 (なぜかとたんに元気になって)
 「賛成だな。そいうするか。そろそろ愚痴と酒びたりの生活はやめにして、もういちど、あの頃の学生街の喫茶店に戻ってみるか」

 どうだい? そうしてみないか? 大酒飲みのご同輩諸君!!!  
 


http://lifeandhealth.guardian.co.uk/health/story/0,,1796538,00.html
   

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

Posted by 大沼安史 at 04:01 午後 | | トラックバック (0)

2006-06-16

〔URGENT 緊急 重要NEWS〕 「国家安全保障」の名目があれば対象企業の「情報不開示」も可能に ブッシュ大統領が国家情報長官に権限付与 経済破局への対応策か

 ブッシュ大統領がネグロポンテ国家情報長官に「国家安全保障」上の理由があれば、株式上場企業に財務・経営情報の「不開示」を認める権限を与えていたことが、米誌ビジネス・ウイーク(電子版、5月23日付け)のスクープ報道で明るみに出た。

 5月5日付けでブッシュ大統領が権限を委譲していたのは、1934年証券取引法に基づくもので、これを国家情報長官に与えていた。

 ネグロポンテ国家情報長官は、CIAのほか、米国内で違法な通信傍受活動をしていたNSA(国家情報局)を束ねる「情報の皇帝」。権限が委譲された5月5日は、NSAの傍受活動が暴露されていた時期に重なる。

 (大沼・注)

 「国家安全保障」上の名目で上場企業に「情報不開示」を認めるという大統領覚書が出された理由は何か?
 答えとして考えられるのは、米国経済のカタストロフ(破局)がいよいよ現実のものになって来た、ということである。
 企業情報の不開示を認めるのは、ひとつは経営実態の隠蔽であり、もうひとつはマネーの海外移転を秘密裏に行うためである。

 最近の株価暴落の背景には、こうしたカタストロフを予期し、「不開示」に守られ、訴追されることなく思うままに危険の分散、企業防衛、資産のヘッジに走り始めた、米国の経済・政治権力の動きがある、と見るべきである。

 米経済の破局は日本にも及ぶ。

 「警戒警報」、ついに発令!

   

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.businessweek.com/bwdaily/dnflash/may2006/nf20060523_2210.htm?campaign_id=rss_daily,

Posted by 大沼安史 at 10:35 午前 | | トラックバック (0)

2006-06-15

〔イラクから〕 「イラク人の恋人の家族を皆殺し」 海兵隊伍長(23歳)が自作の歌 「ジョーク」と釈明

 米海兵隊の伍長(23歳)が昨年9月、駐留先のイラクでキャンプの舞台に上がり、ギター片手に自作の歌を歌う場面のビデオがネット上で流れ、問題視されている。

 イラク人の家族をM16自動小銃で皆殺しにするという歌詞。
 現在、米国内ノースカロライナ州に帰還している当人は「ジョーク」と釈明しているが、イスラム関係者から非難の声が上がっている。

 同州ジャクソンビルの地元紙、デイリー・ニューズ(電子版、6月14日付け)が、当人にインタビューして報じた。
 それによると、「ハディジ・ガール」という歌を自作自演したのは、ジャソンビル出身のジョシュア・ベリー伍長。
 同紙によると、伍長の自作の歌の歌詞は以下のような内容だ。

 ♪ 若い海兵のオレはね、イラク人の女性と恋仲になったんだ。彼女と一緒に家に行くと、恋人はその場で親に撃ち殺されてしまう。海兵は恋人の妹を盾にとるが、その妹も「両目の間から血を噴き出し」て死んでしまった。オレは狂ったように笑い、冷蔵庫のかげに隠れてM16ライフルを装填してぶっ放し、ヤツラを「永遠へと」送り込んでやったのさ。

 ビデオは下記の同紙の記事の最後の部分をクリックすることで視聴できるが、会場には伍長の演奏の間、仲間の歓声と笑いが響き渡っていて、海兵たちがこの歌を楽しんでいたことがわかる。
 
 海兵たちには「楽しい歌」だろうが、聴けばきくほど、「悲しくなる歌」だ。
 

http://www.jacksonvilledailynews.com/SiteProcessor.cfm?Template=/GlobalTemplates/Details.cfm&StoryID=42520&Section=News

Posted by 大沼安史 at 03:44 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 サマワの妊婦殺害は米兵の背後からの狙撃 新証言をIPSが報道

 インター・プレス・サービス(IPS)がバグダッド発で6月13日に伝えたところによると、5月3日、サマワで、産気づいた35歳のイラク人女性が車で病院に向かう途中、米軍に撃たれて死亡した事件は、米兵の狙撃によるものとわかった。

 バグダッドにいるアメリカ人ブログ・ジャーナリスト、ダール・ジャマイル氏らに、イラク人権団体の調査員が明らかにした。

 女性は後部座席に乗っており、車の後方から狙撃され、頭を後ろから撃ちぬかれていたという。
 車を運転していた女性も同様に、背後から頭部を撃たれていた。

 この証言により、近づいて来る不審な車両に対し、米軍がその前方から射撃を加えたとの米軍のストーリーは崩れた。 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.ipsnews.net

Posted by 大沼安史 at 09:24 午前 | | トラックバック (0)

2006-06-14

〔NEWS〕 ロスのコミュニティー農園を守れ 樹上に「篭城」プロテスト 女優のダリル・ハナさんらを警官隊が排除

 米国ロサンゼルス市の南部の「コミュニティー農園」に立つ一本の胡桃(クルミ)の大木の樹上から、農園を守れと篭城していた人々が排除された。
 6月13日早朝の出来事。
 樹上には当時、女優のダリル・ハナさんらがいたが、梯子をかけた警官隊の手で下ろされた。

 現場は「南部中央農園」と呼ばれる、14エーカーのコミュニティー農園で、350人ものヒスパニック系農民たちが10年間にわたって、ハーブやサボテンを育てる「コモンズ」として使って来た。
 もともとは市有地で、1992年の「ロス暴動」のあと、地域の「食糧バンク」が借り受け、コミュニティー農園として共同利用されていたが、3年前、民間人に払い下げられ、それがデベロッパーに転売され、農園で作物を育てている人たちに退去命令が出ていた。

 5月24日にはジョン・バエズさんが現場で、We Shall Overcome.の替え歌を、スペイン語を交えて歌うなど、農園を守る抗議行動が続いていた(本ブログ既報参照)

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http://www.latimes.com/news/local/la-061306farm,0,1020672.story?coll=la-home-headlines

Posted by 大沼安史 at 03:42 午後 | | トラックバック (0)

〔For the Record〕 「ザルカウィも人間。人の死をどうして喜んでいられよう」 息子のニコラスを斬首された父、マイケル・バーガー氏が哀悼の意 

 2004年5月8日、イラクのバグダッド市内の路上で、首のない死体が発見された。ユダヤ系アメリカ人である青年実業家、ニコラス・バーグ氏(当時、26歳)の遺体だった。その3日後、マレーシアのイスラム系サイトにロンドンから何者かがビデオ・クリップをアップした。ビデオには、ニコラス氏の「斬首」(死後に切断の疑いが濃厚)の場面が写っていた。
 そして、ニコラス氏を殺害したものは、ザルカウィである、とのキャンペーンが張られた。
 
 それから2年後、米軍による、そのザルカウィの殺害。

 ニコラスの父親であるマイケル・バーグ氏が6月7日、CNNに登場し、インタビューに答えた。
 そのインタビューの内容が、ミネソタの有力紙、スタートリビューンに収録されていたので、一部を記録としてとどめておきたい。

 マイケル氏は、ザルカウィの死について意見を求められ、以下のように述べた。

 ■ 「そうですね。私の反応は、人が死んだときはいつでも残念な気持ちになります。ザルカウィも一人の人間。彼にも家族があり、私たちがニック(ニコラスさん)を殺されたときと同じように反応しているはずです。それが辛い。」

 (Well,my reaction is I'm sorry whenever any human being dies. Zarqawi is a human being. He has a family who are reacting just as my family reacted when Nick was killed, and I feel bad for that.)

 そんなマイケル氏に対して、CNNのアンカーは、こんな質問を浴びせた。
 「でも、みんな考えることだけど、『あいつが死んで嬉しい、息子を殺した男が死んで』って思う瞬間ってないんですか?」

 これに対するマイケル氏の答え――。

 ■ 「いえ、ありません。ほかの人が死んで、人は喜ぶことができるのでしょうか?」

 ( No. How can a human being be glad that another humann being is dead? )

  マイケル氏はイラク戦争に批判的であることを理由に、米国内のタカ派サイトで非難されたこともある人だ。
 そうしたマイケル氏の反戦的な言辞が、息子のニコラスさん謀殺の背景にある、との見方もある。(この点については、大沼著、『戦争の闇 情報の幻』(本の泉社)参照)

 CNNのアンカーの挑発にのらず、冷静に、ヒューマニステックな態度を貫き通したマイケル・バーグ氏に敬意を表する。

 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.startribune.com/562/story/482031.html

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2006-06-13

〔イラクから〕 ザルカウィを米兵がなぶり殺し イラク警察官幹部も証言

 米ロサンゼルス・タイムズ(電子版、6月11日付け)が報じたところによると、ザルカウィが死亡した当時、現場にいたイラク人警官幹部が、米兵によるザルカウィなぶり殺しを証言した。
 それによると、現場に駆けつけたイラク警官隊はザルカウィを発見し、担架で救急車に運び込んだ。しかし、米兵らが担架から引きずり下ろし、地面に倒した。
 米兵のひとりがザルカウィを尋問しようとしながら、何度も胸を踏みつけた。
 その結果、口や鼻から血が噴き出た。

 警察幹部は匿名を条件に同紙に証言した。

 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-zarqawi11jun11,1,6975879.story

Posted by 大沼安史 at 01:10 午後 | | トラックバック (0)

〔A Happy New Life!〕 50歳代で母親に 成長するわが子とともに余生を過ごす幸せ 少子化対策になるかも?

 50代で母となる――そんな新しい流れが欧米で胎動している。
 えっ、そんな、ウソォーッ? 

 いやマジでホント。
 英国の高級紙、ガーディアン(電子版)が6月3日付けで報じています。

 論より証拠。まずは統計データから。
 米国の最新の統計、2003年のデータによると、その年(いまから3年前)、50歳から54歳の女性からなんと323人の赤ちゃんが生まれた。これはその6年前、1997年の144人の倍以上の数。

 英国ではいまや年に20人を超す赤ちゃんが、50歳以上の女性に授かっている。
 そしてそこでは間もなく、63歳の女性精神科医が出産するっていうんです。

 次に統計ではなく、具体的な例を。
 実際、どんな女性がどんなふうに子どもを生み育てているか、という事例を同紙の記事から紹介しましょう。

 ガーディアン紙が取材した「超高齢ママ」は2人。
 ひとりは米国人、もうひとりは英国人女性。

 マリリン・ノーレンさんは、現在61歳。6年前(200年3月)、55歳のときに双子の男の子を産んみました。
 マリリンさんは実はバレーボールの選手。アメリカ代表として1968年と1972年のオリンピックにも出場した人です。
 その後、ながらく、セントルイスの大学で女子バレー部のコーチを務めていましたが、42歳のとき、7歳年下のカレと出会って結婚。
 ママを夢見て子づくりに励んだものの、うまくゆかず、養子をとることも考えても縁に恵まれず、結局、若い女性の卵子の提供を受けてめでたく「妊娠」に成功、念願の子宝を、それもダブルスコアで得ることができました。

 マリリンさんはさすがに恥ずかしかったらしく、大学同僚にも「妊娠」を隠していましたが、6ヵ月目になって告白したそうです。おなかの線が膨らんで、もう隠し切れなくなったんですね。

 出産後、マリリンさんはコーチの仕事を辞め、育児に専念するようになりました。
 子どもが3歳になると、牧師さんの夫とともに、セントルイスから、環境のいいテキサスの田舎町へ移住して、人生のラストスパートに入っています。

 車で幼稚園への送り迎えなどをするなかで地元の人々と親しくなったマリリンさんですが、最初のうちはは「お孫さんですか」と、よく「おばあさん」に間違えられたそうです。

 一日が終わると近所の仲良しと、ワインを飲むなど充実した毎日。
 同紙の記者に、「わたしって、世代というものを伸ばしているのね(I do span the generations.)」と、マリリンさんは笑って答えたそうです。
 旦那さんのランディーさんも子どもが授かって大喜び、「こんなに子どもにタッチする夫婦ってほかにいないよね」と言ってるそうです。

 同紙が紹介するもうひとりの「シルバー・ママさん(?)」は、1996年に――50歳の年に、お嬢さんのサラちゃんを生んだ英国人女性、ジュディー・バーシャクさん(60歳)。
 旦那さんは20歳も年下、フィットネスのエクササイズを出産当日まで続けたジュディーさんらしく、彼女の場合は、自前の妊娠だったようです。

 元教師のジュディーさんはサラちゃんを産むやいなや、大学進学の学費を貯めはじめたそうです。生命保険にも入って、投資活動もはじめました。
 それもこれも、自分に万一なにかあった場合に備えてのことです。

 こうした超高齢出産、医学的にはもちろんリスクもあるそうですが、産みの親である彼女たちにとっては、子どもは神様からのプレゼントであり、幸せの源泉なんだそうです。

 これって少子化に悩む日本にも参考になりそうな話ですね。
 人生の最終段階を、わが子を育てながら、わが子の成長を見ながら過ごす……。

 人生の節目を迎えたあなた、50歳からの子づくりに挑戦してみませんか???

Posted by 大沼安史 at 12:32 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 米軍 ラマディーを包囲 市民 脱出を開始 第2のファルージャの恐れ

 米ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版、6月11日付け)によると、スンニ派武装抵抗勢力の拠点、ラマディーに対する米軍の攻撃が近く開始される模様だ。
 米軍は現地に1500人を増派し、イラク政府軍とともに包囲を終えており、掃討作戦はすでに始まっている可能性もある。
 この点に関して、米軍当局者は肯定も否定もしていない。

 こうしたなかで市民がラマディーから脱出する動きが出ている。
 ファルージャのような悲劇の二の舞を恐れているのだ。

 アルアンバール州の州都である人口40万のラマディーは、武装ゲリラが公然と活動するレジスタンスの拠点。
 前州知事のガウード氏は同紙の取材に対し、「状況は破局的だ。行政サービスも電気も水もない」「ラマディーの市民はふたつの悪疫にとらわれている。それは武装勢力と米軍・イラク政府軍だ」と語った。
 
☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.latimes.com/news/printedition/la-fg-ramadi11jun11,1,1577717.story

Posted by 大沼安史 at 09:33 午前 | | トラックバック (0)

2006-06-12

〔イラクから〕 米兵がなぶり殺し 「ザルカウィ」暗殺に新たな目撃者

 ザルカウィ暗殺をめぐり、新たな目撃者が現れた。
 バグダッド発のAP電(6月9日付け)によると、目撃したのは、モハメドと名乗る近所に住むイラク人男性で、

 ■(負傷した)ザルカウィに似たひげ面の男が灌漑用水のそばに横たわっているのを村人が発見、救急車に乗せた。
 ■ そのあと米軍の兵士がやってきて、男を救急車から引きずり出し、腹を殴打してから頭に服をかぶせ、死ぬまで胃や胸の上に乗って踏みつけた。男は鼻から血を出した。

 ――と証言した。

 AP電ではこのひげ面の男がザラカウィとは断定していないが、11日付けのワシントン・ポスト紙は、「アーメド・モハメド」という村民が証言で、重傷を負ったザラカウィを、現場に駆けつけた米兵が、名を名乗るよう要求しながら、殴るけるの暴行を加えたという。

 一方、カナダのオタワ大学の教授で、「グローバル・リサーチ研究所」の代表をつとめるマイケル・チョスドフスキー氏は11日、米軍がザラカウィのアジトに投下した誘導爆弾にふれ、最初の1発は「GBU-12」型というもので、レーザー誘導型。誤差8メートル以内という精度を誇る。2発目は「GBU-38]で、こちらは衛星によって目標に導かれるタイプ。2発とも500ポンド爆弾で、「その破壊力」のすさまじさで知られている、と指摘した。
 
 そんなトンデモない爆弾を浴びながら、まるでベッドの上で息をひきとったようなザラカウィの死に顔。
 米軍発表は、にわかには信じがたいトンデモ・ストーリーである。

 ところで、APに証言したモハメドの目撃が事実であり、先に本ブログで紹介したニューヨーク・タイムズ電の中身が本当なら、次のようなストーリーが考えられる。

 ● 米軍は地上部隊がまず、ヘリや戦闘機の支援を受けてアジトを攻撃し、交戦状態となった。
 ● ザラカウィは負傷しながら包囲網を突破して脱出を試みたが、灌漑用水のところで力尽き、身動きできずに倒れた。
 ● それを村人たちが見つけ、救急車に乗せて救おうとした。
 ● それを知った米兵がザラカウィをその場でなぶり殺しで殺害した。
 ● その殺害が終わったあと、米軍のF16戦闘機が2機現場に飛来し、誘導爆弾を2発、投下し、命中させた。
 ● バクダッドの在イラク米軍は、その「空爆」でザラカウィは死亡と、いったんは発表。翌日、(おそらくは目撃者がいたことから)ザラカウィが空爆後、虫の息で生きていたと発表を訂正して、辻褄を合わせようとした。
 
 つまり米軍は最初からザラカウィを生け捕ることを考えていなかったわけである。

 それはなぜか?

 ここに事件を解くかぎがある。

http://globalresearch.ca/index.php?context=viewArticle&code=CHO20060611&articleId=2630

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/06/10/AR2006061000528.html

Posted by 大沼安史 at 01:52 午後 | | トラックバック (0)

2006-06-11

〔NEWS〕 グアンタナモで3人が抗議の自殺

 英紙サンデー・タイムズ(電子版、6月11日付け)が報じたところによると、キューバのグアンタナモにある米軍の強制収容所で10日、サウジアラビア人2人、イエメン人1人の計3人がそれぞれの独居房で自殺しているのが見つかった。
 米軍南部司令部の声明では、3人は発見時にすでに死んでおり、蘇生を試みたがだめだった。
 声明は3人がどのように死んでいたか、については明らかにしていない。(その後のAP電で首をつっていたと判明)

 3人は合意の自殺を遂げたらしい。

 グアンタナモには米軍が世界各地から拉致してきた460人が収容されており、過去1年間にわたり100人を超す収容者がハンガーストライキを行っている。
 現在ハンスト中の者は18人。


http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2089-2220604,00.html

Posted by 大沼安史 at 08:54 午前 | | トラックバック (0)

2006-06-10

〔NEWS〕 きれいだったザラカウィの死に顔 「血を拭き取ったから」と米軍少将

 英紙インディペンデント(電子版、6月10日付け)によると、在イラク米軍のコールドウェル少将は、空爆されたザラカウィの死に顔がなぜきれいだったか、との疑問に対し、「われわれが血を拭き取ったから」と答えた。

 (大沼・注)
 米軍が発表した「ザラカウィの遺影」なる顔写真は、500ポンドの誘導爆弾を2発も浴びた男とはとても思えないポートレートだった。
 

http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article754407.ece

Posted by 大沼安史 at 06:33 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕空爆時 ザルカウィは「生きていた」 米軍、発表を「訂正」

 「ザルカウィは空爆で死んだ」という発表を在イラク米軍が「訂正」した。
 空爆のあと、現場に到着した米軍の特殊部隊が、まだ生きているザルカウィを発見、担架で運んだが、その後、死亡した――という話の流れに変わった。

 本来なら生け捕りにすべきザルカウィのような者に攻撃を加えた場合、生死の確認は最初に行うべき最重要事項である。
 信じがたい話だ。

 アジトを包囲して生け捕る作戦をとらなかった米軍。 それは、なぜ???
 


http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1794462,00.html

Posted by 大沼安史 at 06:16 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 立ちあがったチリの高校生たち 参加する教育改革を要求

 地球の反対側、南米のチリで、公立高校生たちが立ち上がり、3週間に及んだ抗議行動の末、バシェレ大統領から教育改革の約束を勝ち取った。
 フランスのリセの生徒に続く、高校生らによるプロテストの勝利。
 世界の対極にあるチリを舞台に、教育崩壊のさなか、無気力と無関心の淵に沈む、日本の高校生たちにはない、勇気と連帯による「世直し」が、10代の若者の手で成し遂げられた。

 ニューヨーク・タイムズ紙が首都、サンティアゴ発で伝えた一連の報道によると、高校生たちの抗議行動は5月半ばに始まった。
 サンティアゴの公立高数校で生徒たちが授業をボイコットし、教室から出るプロテストが起きた。運動はさらにエスカレートし、高校生たちが校舎を占拠して、泊り込みを続ける事態にも発展。生徒の親が食事の差し入れをする場面さえ見られるようになった。
 運動はさらにチリ全土に広がって、70万人を超す生徒たちが抗議行動に参加し、サンティアゴなど各都市で街頭デモが始まった。
 
 そんな高校生たちの決起は社会的な共感を生んで、大学生や労組ばかりか、チリ政府の文部省の役人までもが連帯の意志を表明した。
 制服姿の高校生が警官隊の放水、催涙ガス弾を浴びる姿は民衆の怒りに火をつけ、警察の責任者を罷免へと追い込んだ。

 高校生たちが掲げた要求は、人権抑圧と圧制を続けたピノチェット将軍による軍事政権が、まるで最後っ屁のように残していった、公教育の解体=民間企業の参入を進めたネオリベ路線(新自由主義教育路線)に決別し、公教育の再生を目指すものだった。それが民衆の支持を引き寄せた。

 高校生たちの要求は、①教育政策づくりへの生徒・父母・教師の参加②貧困家庭の生徒に対する財政的な支援③公教育の地域格差の解消④学級規模の縮小と大学入試検定料の無料化―などだった。

 これに対して、ピノチェット政権下の弾圧を生きのび、南米初の女性大統領としてこの3月就任したバチェレ大統領は、高校生の声に耳を傾ける柔軟な姿勢を示した。
 5月29日には、貧困な生徒への無料ランチ(給食)の実施や大学入試検定料の無料化、1200校の校舎改修など、来年度に向けて総額2億ドル相当の追加支出を行うことを約束した。

 このバチェレ大統領の大幅な譲歩に対し、高校生たちは黙って引き下がらなかった。「要求はまだ完全に受け入れられていない」として6月4日には60万人(政府発表)が参加する全国ストライキを実施。サンティアゴでは一部の過激な生徒が街頭に出て、警官隊と衝突する事態となった。

 こうしたなか、高校生たちの間で、交渉による事態収拾を図る動きが生まれ来た。
 バチェレ大統領が高校生12人を含む、73人のメンバーによる教育改革評議会の発足を決めたことから、その場を通じて政策づくりに参加できる道が拓けたからだ。

 高校生たちが政府の公教育改革に参加する!
 さすがピノチェットの圧制を耐え抜き、デモクラシーの花を再び開花させたチリのことではある。

 当事者の参画による公教育の再建。
 統制教育をやめようとしない日本の文科省に、ぜひとも見習ってほしいところだ。  

Posted by 大沼安史 at 05:54 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2006-06-09

〔いんさいど世界〕 「ザルカウィ殺害」のミステリー 「空爆前に米軍がアジトを包囲、銃撃」 村民が目撃証言 NYT紙が報道 ブッシュ政権 「口封じ」と「政治ショー」に利用か?

 「ザルカウィ容疑者殺害」が「大ニュース」として流れ、日本の新聞各紙の9日付け朝刊の紙面を飾った。
 大きな扱い、派手な見出し。

 テロとの戦い「勝利」と称賛―米大統領
 「一歩前進だ」小泉首相
 「聖戦士」支持失う

 これは「朝日」の記事についた見出しの例である。
 まるで世界が「テロとの戦い」に勝利したかのような、あの大本営発表を思わせる報道ぶり。
 日本の新聞にとって、過去の「大本営発表」は、いまや「ホワイトハウス発表」にとってかわったらしい。

 「朝日」の報道によると、現地時間7日午後6時15分ごろ、イラク中部バクバの北約8キロにある民家に、米軍の戦闘機2機(大沼注・F16と米軍が発表)が精密誘導爆弾(同・500ポンド爆弾)2発を投下。

 その結果、ザルカウィ容疑者の死亡が確認された。

 この報道は、イラク駐留米軍の「発表」通りで、その限りでは「誤りはない」が、米軍が発表した「攻撃は空爆だけ(地上戦はなかった)」に対して、実は疑問の声が上がっていることに触れていない。
 
 米紙ニューヨーク・タイムズ(下記⇒参照)によれば、現場近くに住む、モハメド・イスマエルというイラク人村民が一部始終を目撃していたのだ。

 同紙に対するイスマエルさんの証言によると、当日午後5時半ごろ、3台の車両が問題の民家に向かって走っていった。
 それから1時間後、村は米軍のハムビー装甲車両とイラク政府軍兵士、イラク人警察官による占領下に置かれ、上空をヘリやジェットが飛ぶようになった。
 
 イスマエルさんの話では、民家の内部と取り囲む米軍との間で「なんらかの銃撃戦」が起きたように見えた。
 それから間もなくして、2機の軍機が爆弾を投下した。

 「村中が足元で揺れました」とイスマエルさん。
 爆撃後、米軍とイラク人警察官らは近くの別の民家の攻撃を始めた。

 以上が、ニューヨーク・タイムズ紙が掲載したイスマエルさんの目撃証言である。

 この証言によれば、米軍の「ザルカウィがそこにいるとの情報を得たので、すかさず空爆した」との説明は虚偽の発表ということになる。
 F16の空爆前に、米軍はすでに現地に到着し攻撃を始めていたからだ。

 ここでひとつ、重大な疑惑、不可解な謎が浮かんで来る。
 米軍はなぜ、空爆しかしていない、ザルカウィは空爆で死んだのだ、と言い張る必要があるのか?

 考えうるひとつの答えは、誘導爆弾のピンポイント攻撃によって、ひとたまりもなくザラカウィは死んだ、という「真実」をでっち上げるためだ。
 本来なら「生け捕り」して尋問し、これまでの「犯罪行為」を追及すべきなのに、米軍はザルカウィを確実に殺す「死体化」にこだわったわけである。

 (しかも、奇妙なことに、爆撃の現場から、きれいな死に顔のザラカウィが発見されている。ピンポイントの爆撃を浴びながら、この死に顔!)

 ここで、次の疑問が浮かぶ。
 それは、アジトを包囲していたのに、米軍はどうして「生け捕り」しようとしなかったのか、という疑いである。

 これに対する答えは、たぶん「口封じ」であるだろう。
 米軍にはザルカウィに喋られては困る事情があったのだ。
 だから一緒に行動していた「女性と子どもを含む身元不明の4人」ともども消し去った。
 (空爆は「全員死亡」を納得させるものでもある!)

 かりに生け捕りにされていたら、ザルカウィは、きっとこういって叫んだことだろう。

 香田さんという日本人なんか知らない、ニコラス・バーグなんてユダヤ系アメリカ人の首だっておれは斬っていない、おれはただ金で動いていただけだ、おれなんてヨルダンのけちなゴロツキだよ、そんなおれに「メソポタミアのアルカイダ」をつくれるかよ。

 米軍はこんなふうに喋られるのがいやだったのだ。
 つまり、このチンケなヨルダン人の流れ者が、情報機関の操り人形だったことがバレるのを恐れた……。

 それにしても、今回のザルカウィ必殺爆撃暗殺は、ブッシュ政権にとって、タイミングがよすぎるほどよすぎた。
 「ハデサ事件」などで米軍、ブッシュ政権に対する国際的・国内的非難が湧き上がり、「イラク戦争」の正当性に対する疑念が広がりだしたその矢先の、この「テロの黒幕を殺害」の発表。

 日本のマスコミは、「政治ショー」を仕組んだホワイトハウスの尻馬に乗って、浮かれ騒いでばかりいてはならない。 

 

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http://www.nytimes.com/2006/06/08/world/middleeast/08cnd-raid.html?hp&ex=1149825600&en=60593089c6adbc01&ei=5094&partner=homepage

Posted by 大沼安史 at 12:33 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 「ハデサ事件と同じような虐殺事件は、ほかにもまだ蓋されたまま、たくさんある」 イラク人医師の証言

 「ハデサ事件」が起きた昨年11月当時、ハデサにいたイラク人医師のサラム・イシュマエル氏が、インター・プレス・サービス(IPS)の取材に対し、「ハデサ事件と同じような虐殺事件は、ほかにもまだ蓋されたまま、たくさんある」と証言した。
 IPSが6月7日に報じた。
 
 それによると、ハデサは虐殺が起きた当時、米軍によって電気、水道がカットされ、病院、薬局も攻撃を受けた。
 病院は3度、攻撃され、昨年11月には米軍とイラク政府軍によって7日間、占拠された。
 「これはジュネーブ条約に違反する行為だ」と、イシュマエル氏は語った。

 同氏によると、米軍兵士は病院に実弾を撃ち込んで来た。医師全員に手錠をかけ、薬品の在庫をすべて破壊した。挙句の果てに米兵は、ベッドに横たわる患者を1人、射殺して行った。

 同氏はバグダッド医療市民病院に医師として勤務のあと、北部の都市、モスルで米軍の医療通訳としても働いたことがある。現在、「イラクのための医師」のプロジェクト・マネージャー。 

  
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http://www.commondreams.org/headlines06/0607-02.htm

Posted by 大沼安史 at 10:38 午前 | | トラックバック (0)

2006-06-08

〔NEWS〕 CIA秘密収容所はポーランドとルーマニアに 欧州評議会が調査

 米ワシントン・ポスト紙(電子版、6月8日付け)によると、人権国際機関である欧州評議会の委嘱で、米国のCIA(中央情報局)による拉致、移送問題を調査していたスイス人弁護士、ディック・マーティー氏は6月7日、CIAがポーランドとルーマニアの2ヵ国に秘密収容所を置いていた、との調査結果をまとめた。
 マーティー氏はまた、ほかに少なくとも7ヵ国がCIAと結託して、テロ容疑者の身柄を拘束し、秘密裏に移送していたことも突き止めた。
 
 さらに同氏は、

 ①スウェーデン、イタリア、英国、トルコ、ドイツ、ボスニア、マケドニアの7ヵ国が、特定個人の人権侵害に責任を負うべき疑いがある。
 ②スペイン、キプロス、アイルランド、ギリシャ、ポルトガルの5ヵ国は、CIAの輸送機の通過、着陸を見て見ぬふりしていた。

 と指摘した。

 

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http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/06/07/AR2006060700505.html

Posted by 大沼安史 at 03:18 午後 | | トラックバック (0)

2006-06-07

〔イラクから〕 「びっこのハシム」が殺された! ハムダニア村の虐殺 

 バグダッド発のワシントン・ポスト電(電子版、6月5日付け)が住民、親族らの話として伝えたところによると、ことし4月26日未明、バグダッドの西、アルグレイブのそばのハムダニヤ村で、「びっこのハシム」と呼ばれる、足の不自由な52歳の男性が、米海兵隊に家から引きずり出され、顔を4回撃たれて殺された。

 ハシムさんの息子、ナシールさん(26歳)の同紙に対する証言によると、同日午前2時ごろ、海兵隊が家のドアをたたき、応対に出たハシムさんを綿のローブのまま連れ出した。
 それから30分も経たないうちに家の外で射撃音が響いた。

 ナシールさんらは夜が明けてから、ハシムさんを探しに出た。
 家から400メートルほど離れた道路わきに大きな穴が掘ってあった。現場は血にまみれ、プラスチックの手袋が捨てられていた。

 ハシムさんを探す家族に村人は、米兵がハシムさんの遺体を警察署に運んだことを告げた。

 ハシムさんの遺体は最終的に、アルグレイブの病院で見つかった。

 海兵隊はハシムさんの殺害したあと、別の村人からライフルとシャベルを借りて、ハシムさんの遺体のそばに置いていた。
 ハシムさんを、ロードサイド爆弾を仕掛けた者にでっちあげる工作だった。

 ハシムさんを射殺した海兵隊員は取り調べに対し、ハシムさんが家の近くで爆弾用の穴を掘っていたので射殺したと言っている。

 ハシムさんの家族によれば、事件後、海兵隊員がやってきて、金を出すから口裏を合わせてくれ、と頼んだという。

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http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/06/04/AR2006060400797_pf.html

Posted by 大沼安史 at 02:57 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 ファルージャ化するラマディー

 バグダッドの西100キロの都市、ラマディーが、第2のファルージャと化している。インター・プレス・サービス(IPS)がヨルダンのアンマン発で伝えた。
 現地の様子を見たイラク人がアンマンに来て次のように証言した。

 ・ラマディーのメーンストリート沿いの建物は破壊されている。建物の屋上にはテントが張られ、そこに狙撃兵(米兵)がいる。戦闘が始まったら、身を隠す。車は止める。動くものはみな狙撃される。
 ・アメリカの狙撃兵は民間人と戦闘員を区別しない。動けば撃つ。ダーティーなやり方だ。おかげでたくさんの市民が殺された。
 
 米軍はラマディーで立ち入り禁止区域を設定している。しかし、その場所がどこなのか知らないものもいる。知らないで立ち入って撃ち殺されている。
 そんな区域のひとつがメーンストリートだ。
 その通りを直進することはできない。右か左に曲がるしかない。

 ・メーンストリートはコンクリートのブロックではなく狙撃兵で閉鎖されている。立ち入り禁止の標識もない。地元の人は知っていても、バグダッドから来た人は知らない。数メートル、進んだ先で狙撃されることを。

 アンマンでIPSに証言したイラク人は、ラマディーに数日間、滞在してやって来た。
 証言によれば、ラマディーの街のかなりの部分を武装抵抗勢力が支配下においているという。

 ・彼からは地域を支配している。そしてとても自信を持っている。マスクで顔を隠そうともしない。アメリカ人は彼らから距離をおいている。アメリカ人は白兵戦では勝てない。それで圧倒的な空軍力を動員し、爆撃を行っている。

 家々は破壊され、住民サービスも途絶えた。

 ・発電所や浄水場、水道が爆撃された。自家発電している家もある。住民サービスは完全に破壊された。

 ラマディーに入る、ユーフラテス川にかかる橋では米軍が検問している。4時間も待たされる。
 陸の孤島と化しはじめたラマディー。

 ・電話局も攻撃された。建物ごと完全に破壊された。駅もそうだ。100%、破壊された。くる日もくる日も、F16が爆撃した。

 そんなラマディーでは、いろんな部族がいる街なのに、住民たちの間で秩序は保たれている。

 アンマンで証言したイラク人は、ラマディーで、ひとりの少年が撃ち殺されるところを目の当たりにした。

 ・朝の8時ごろのことだった。教科書を持って、学校へ行こうと通りを横断していた。突然、倒れた。足の具合が悪くて転んだのかなと思ったけれど、いくら経っても動かない。わたしは分かった、というか感じていた。狙撃兵が男の子を撃ったということを。
 ・ハイサムという少年のきょうだいの一人が救い出そうと、2歩、進んだところで撃たれた。狙撃はわずかにハイサムを外した。路上に倒れた少年は数時間もそのまま放置されていた。頭を撃たれていた。

 
 別のラマディー住民がIPSに証言したところでは、5月にその住民の家に米軍が押し入り、屋上を占拠した。狙撃するためだ。家族は1階の部屋に押し込められてた。
 その住民は言った。

 ・屋根から狙撃する射撃音がときどき聞こえてきた。やつらはおれの家を殺人の道具にした。

 (大沼・注)
 こんなラマディーの様子を伝えてくれた、世界の民衆に足場をおく通信社、IPSに敬意を表する。
 米軍同行取材ではない、その草の根からの報道に期待したい。
 本ブログでも、IPSのイラク・レポートを報じていくつもりである。

 
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http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=33496

Posted by 大沼安史 at 02:22 午後 | | トラックバック (0)

2006-06-05

〔イラクから〕「イシャキ事件」  虐殺された住民の写真を報道

 米国のネット新聞、RAWSTORYは「イシャキ事件」の犠牲者たちの写真を掲載した。


http://www.rawstory.com/news/2006/Graphic_photographs_show_bodies_of_civilians_0602.html

Posted by 大沼安史 at 04:01 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米国防総省 ジュネーブ条約捕虜条項の無視を決定

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は6月4日、米国防総省(ペンタゴン)がジュネーブ条約の捕虜条項を無視する決定を下した、と報じた。

 ペンタゴン内部での決定で、新たな「ガイドライン」として近く発表される。

 このペンタゴンの動き対して、米国務省は「再考」を求め、抵抗を続けているが、決定は覆りそうもない。

 ジュネーブ条約は捕虜条項で、「侮辱的かつ下劣な処遇」を明確に禁じている。 

(大沼・注)
 戦争では、捕虜に対する人道的処遇はありえない――ペンタゴンはこう考え、実行しようとしている。
 いや、すでにイラクで実行済みのことを「追認」するだけのことか?
 
 そんなペンタゴンと組んでいるわが防衛庁の見解や如何に?
 

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http://www.latimes.com/news/nationworld/nation/la-na-torture5jun05,0,7975161.story?coll=la-home-headlines

Posted by 大沼安史 at 03:43 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 「ハデサ事件」の海兵隊 規律「完全崩壊」 海兵の妻が英紙に証言

 「ハデサ事件」を引き起こした米海兵隊のキロ中隊に所属する兵士(曹長)の妻が、英紙ガーディアン(電子版)に対し、同中隊の規律が昨年11月の事件当時、「完全崩壊」の状態にあり、薬物・アルコール依存の問題も起きていた、と証言した。

 証言によると、規律が崩壊したのは、同中隊の部隊がイラク戦争最大の激戦地、ファルージャから転進した昨年初め以来のこと。

 ハデサ事件で住民を虐殺した海兵たちについて妻は、「(薬物の)スピードか何かを服用していた可能性が高い」と語った。
 
 (大沼・注)
 薬物に頼らなければならない、アメリカの若い兵士たち。
 不正義の戦いだからこそ、規律が「完全崩壊」したのだろう。
 無残な話ではある。 

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http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1790499,00.html

Posted by 大沼安史 at 09:52 午前 | | トラックバック (0)

2006-06-04

〔いんさいど世界〕 愛・裏切り・死 パレスチナ難民キャンプの悲劇 イスラエルの脅迫で密告者に

 ヨルダン川西岸、ナブルス近郊のパレスチナ難民キャンプ、バラタの中心部の路上で、公開処刑が行われた。
 目隠しされて引き立てられてきたのは、25歳になるパレスチナ人男性。
 集まった人々に、パレスチナの武装組織、「アル・アクサ殉教者旅団」のメンバーが、男性の自白の内容を告げ、立ち上がって逃げようとした男をその場で射殺した。
 5月30日のことだった。

 それから約1時間後、同じバラタの病院前の広場で、4人の子を持つ27歳の女性が家族の手で射殺された。
 家族の名誉を守るために、パレスチナの大義を裏切ったその女性を、自分たちで処刑した。

 男と女は、イスラエルの密告者だった。

 この話は日本の新聞にも出ていたが、詳しいいきさつを英紙ガーディアン(電子版)で知って、辛さが増した。

 不倫の仲だった2人、それを知ったイスラエルの軍諜報部員による脅迫。
 アル・アクサ殉教者旅団の幹部だった女性の夫の、イスラエルによる暗殺。

 男女の愛さえも手段化される、パレスチナ・イスラエル紛争の冷徹・無残な実態を知って、胸が痛くなった。

 ガーディアン紙によれば、悲劇の種子は2年前に播かれた。

 公開処刑された男性は、ジャハルというバラタの名門の出身。
 ある日、ジャハルはそのシスター(おそらくは妹)から、「会って、昼食を食べてほしい人がいる」と頼まれた。
 その男はパレスチナ人で、ジャハルが会ってみると、男は妹と恋仲であると言う。
 それだけならよいものを、男は写真を取り出してジャハルに見せ、これをばら撒いていいのか、ばら撒かれたくないなら、言うとおりにしろ、イスラエルに情報を提供する密告者になれ、と脅迫した。
 妹との性的行為を撮影した写真だった。

 家族をスキャンダルから守るため、ジャハルが同意すると、その男はジャハルと、「アル・アクサ殉教者旅団」の幹部、イシュタイの妻、ウェダドが不倫の仲であることを、ジャハルの妹から聞いて知っているといい、ウェダドにイシュタイの所在を探らせろ、と迫った。

 ウェダイの夫のイシュタイは、自爆テロさえ辞さない「アル・アクサ殉教者旅団」のバラタの幹部で、2年前、イスラエル軍がバラタ難民キャンプを攻撃した際、イスラエルの司令官らを殺害し、以来、地下に潜伏していた。

 ことし初めのことだった。不倫をばらすと脅されたウェダイは、ジャハルとともに、「アゼール」という名のイスラエル軍大尉の指揮下に入り、イシュタイらの秘密のアジトの所在を確認すると電話で密告した。
 ウェダイとジャハルは、イシュタイさえいなくなれば、一緒になることができる、と思い、密告を決断した。

 ウェダイが食糧を届けていた先の住宅には、秘密の部屋があり、ジャハルの手引きで現場に到着したイスラエル軍は、最初のうち、イシュダイらを見つけることができなかった。イスラエル軍の指揮官は秘密の部屋をついに発見し、なかにいたイシュダイら3人を射殺する前、「おれたちをバカにするつもりか」と、ジャハルをなじったそうだ。

 秘密のアジトを、イスラエル軍はなぜ、ピンポイントで知ることができたか? それも、そこにそのとき、イシュダイらがいるということを含めて。

 「アル・アクサ殉教者旅団」が、ジャハルとウェダイの関係を知るまで、そう時間はかからなかった。
 ジャハルは旅団の取り調べを受け、自供の模様をビデオに撮影された。
 それを見たガーディアン紙の記者は、「彼が裏切りがどのように始まったか自白を始めたとき、彼はすでに死者だった」と書いた。

 バラタの難民キャンプの中心部で行われたジャハルの公開処刑には、ジャハルの裏切りでイスラエル軍に殺された旅団幹部の家族らも立ち会った。
 幹部の母親のひとりは、集まった人々にお菓子を配った。
 ジャハルが撃たれると、人垣のなかから1人の男が飛び出し、遺体に蹴りを加えた。

 病院前の広場でウェダイは観念したようすだった。ジャハルの処刑を知らされていたからだ。
 旅団の武装ゲリラが、ウェダイの兄弟に「どうすべきか分かっているよな」と念を押した。
 いよいよ処刑となったとき、ひとりの男が「ウェダイの子どもたちの見ている前で殺されないでくれ」と嘆願した。

 それが聞き入れられたかどうか、ガーディアン紙の記事は何も書いていない。
 書いていないということは、おそらく聞き入れなかったということだ。

 ウェダイの4人の子どもたちは、裏切り者の母親の子ではなく、「英雄」である父、イシュダイの子ととして育てられる。


http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,,1789633,00.html
 
 
 

Posted by 大沼安史 at 12:27 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-06-02

〔イラクから〕 「日常的な現象」 イラク首相 米軍の住民虐殺で指摘

 イラクのマリキ首相は6月1日、米軍によるイラク住民の虐殺は「日常的な現象」で、「イラク人を尊敬していない」米軍だからできることだと、厳しく指摘した。
 住民への「習慣化した攻撃」を非難した首相コメントを伝えたのは、2日付けのニューヨーク・タイムズ紙(電子版)。
 首相はまた「米軍は車で突っ込み、疑惑があるというだけで(住民を)殺している。これはまったく受け入れられないことだ」と語った。

(大沼・注)
 「ハデサ事件」や「妊婦射殺」は、イラク戦争の終結を速めるものになるかも知れない。
 イラクの宗派対立を超えた「反米ナショナリズム」の行方に注目!
  

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http://www.nytimes.com/2006/06/02/world/middleeast/02iraq.html?hp&ex=1149307200&en=803814ac058b8fe6&ei=5094&partner=homepage

Posted by 大沼安史 at 03:06 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 米軍による新たな虐殺事件 「イシャキ事件」が発覚 BBCが現場のビデオを入手 

 米軍による住民虐殺事件がまた明るみに出た。
 ことし3月15日、バグダッドの北100キロにあるイシャキ(Ishaqi)で起きた事件の現場ビデオを、英BBC放送が入手して報じた。

 米軍は、重砲火で住宅が倒壊し、アルカイダ支持者の容疑者1人と2人の女性、こども1人の4人が死亡したと発表していたが、イラク警察は、米軍が家のなかにいた、婦女子を含む住民11人を射殺したあと、建物を爆破した、としている。

 下記(⇒)のBBCが編集したビデオには、虐殺の様子が映し出されており、11人の遺体のなかには「75歳の祖母と生後6ヵ月の赤ちゃんも含まれており、頭や腹を撃たれて死んでいた。殺されたあと、爆破された」とのイラク警察官の証言がナレーションで紹介されている。

 BBCがネットで公開しているこのビデオには、サマラでの妊婦射殺事件の映像も含まれている。

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http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/5039420.stm

Posted by 大沼安史 at 02:46 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 戦争にモラルはあるのか? 

 「イラク駐留米兵にモラル・トレーニング」――英紙ガーディアンの電子版に、こんな記事が出ていた。
 「ハデサ事件」や、サマラでの妊婦撃ち殺しを反省し、米兵たちに2日間の道徳教育を施すのだという。

 道徳教育の実施を命じたのは、在イラク米軍の最高司令官、ケイシー将軍。
 自分はぬくぬくとバグダッドのグリーンゾーンの安全地帯にでもいるくせに、よくも言えたものだ。

 前線で日々、死線をさまようGIたちはきっと、そんなに道徳教育をやりたいなら、戦闘の現場に来て、実際に戦闘に従事してからやんなよ、と、お偉いさんらに言い返したい気持ちだろう。

 流血、苦悶、不安、恐怖、復讐、憎悪、狂気、残虐――戦場には常軌を逸したもののすべてがある。
 そしてそこには、それ以外のものは何もない。
 安心も、平和も、連帯も、友愛も。
 市民社会では許されない「殺人」が奨励される場所、それが前線なのだ。

 その戦場のどこに道徳がありうるのか?
 「白リン弾」を射ち込み、「劣化ウラン弾」を乱射している在イラク米軍の最高司令官に、そもそも「道徳」をうんぬんする権利はあるのか?

 戦場での道徳とは、不可能性のことである。戦場で不可能な道徳を可能とするものがあるとすれば、それは「平和」だろう。つまり、戦闘=戦争をやめる、ということである。

 前線の兵士が真に道徳的であろうすれば、それは銃を捨てることでなければならず、ケイシー将軍が道徳的であろうとすれば、現地の最高司令官としてイラク戦争の終結と撤退開始を宣言しなければならない。

 同じガーディアン紙の電子版に、「ハデサ事件」を素材とした風刺漫画が載っていた。 
 漫画の見出しにいわく―― So what else is new? (別にいつものフツーのことじゃん)

 前線の米兵に道徳教育だと? So what? (それがなんなんだよ)  
 
  

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http://www.guardian.co.uk/cartoons/0,,337484,00.html

http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1788028,00.html

Posted by 大沼安史 at 12:53 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2006-06-01

〔イラクから〕 米軍 産院に向かう臨月のイラク人妊婦を射殺 

 ひどいニュースが、イラクから伝わって来た。
 ニューヨーク・タイムズ(電子版、5月31日付け)が掲載したバグダッド発のAP電によると、5月29日、バグダッドの北にあるサマワで、産気づき車で産院に向かう途中のイラク人女性、ナビーハ・ニサイフ・ジャシムさん(35歳)が米兵に撃たれて死亡した。

 出産するはずの産院では、夫と二人の息子が先に来て待っていた。

 ナビーハさんの遺体は産院に運ばれ、医師らはおなかの赤ちゃんを取り出そうと懸命に努力したが、無駄だった。

 悲しい話だ。
  

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http://www.timesonline.co.uk/newspaper/0,,173-2205982,00.html

Posted by 大沼安史 at 03:34 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 サマラでも住民虐殺 生き残った一家の主、ロイター通信に証言

 「ハデサ事件」に続き、サマラでことし5月4日に起きた住民虐殺事件が、ロイター通信の報道で明るみに出た。
 妻と2人の子を米軍に殺された一家の主が、同通信社の取材に対し証言した。

 証言したのは、ゼダン・カラフ・ハビビさん(66歳)で、妻のジャスミンさん(60歳)と、知恵遅れの息子のカーリドさん(40歳)、そして20歳になる娘のアナムさんの3人を米兵に殺された。

 ハビビさん自身、米兵が部屋に突入してきた際、腕を撃たれた。
 部屋には、近くで起きた銃撃戦から逃げてきた15人が集まっていた。

 生き残ったハビビさんの娘の話によると、米兵はカーリドさんのそばに銃をおいて写真撮影して引き揚げていったという。

 サマラはバグダッドの北にある、スンニ派の拠点都市。
 現地を管轄する米軍(第101空挺師団)のスポークスマンによると、「(米軍に対する)攻撃を計画していた家のなかで、氏名不詳の2人の男と1人の女性を殺した」としている。
 (攻撃を計画していたから殺した、というとんでもない説明である―大沼)

 一方、米軍との調整作業にあたる「合同調整委員会」のイラク側現地委員、ファディヒル・モハマド大佐は5月6日、声明を発表し、「5月4日午後7時、部隊が民家に侵入し、3人を殺害、2人を負傷させた」と述べ、死者を「殉教者」と表現した。この表現は罪もないのに殺された民間人に対し、使うものだという。

 (大沼・注)
 「サマラ事件」とも呼ぶべき住民虐殺が発覚した。
 これまた、氷山の一角であるに違いない。

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http://today.reuters.com/news/newsArticle.aspx?type=newsOne&storyid=2006-05-31T145905Z_01_MAC149206_RTRUKOT_0_TEXT0.xml&WTmodLoc=NewsArt-L1-RelatedNews-3

Posted by 大沼安史 at 02:58 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「老斥里(ノグンリ)事件」 難民虐殺 米政府上層部も関与 事件暴露の元通信社記者らが確認

 朝鮮戦争のさなかの1950年7月、ソウルの南東160キロにある老斥里(ノグンリ)の鉄橋で起きた、米軍による避難民虐殺事件、いわゆる「老斥里事件」が、難民(民間人)の射殺を容認する現地の軍などの方針によるもので、それをワシントンの米政府上層部も承知していたことが、明らかになった。

 同事件は1999年9月、AP通信のチャールス・ハンリー記者らによって暴露され、世界の知るところとなった悲劇だが、そのハンリー氏らが、英紙インディペンド(電子版、6月1日付け)に寄せた記事のなかで、当時のソウル駐在米国大使から、ラスク国務次官あての書簡を紹介し、米政府上層部が「虐殺方針」を知っていた事実をあらためて示した。

 ハンリー氏らによると、「書簡」は米第7騎兵連隊が京釜線の鉄橋で、難民となって逃れてきた韓国人民間人の群れに対して銃撃を加えた1950年7月26日の前夜、ソウルで開かれた、ハイレベルの会議の結果を報告したもの。
 そのなかで米国のソウル駐在大使は、「米軍の前線に向かって北から難民が現れたなら、威嚇射撃を受けることになるだろう。それにもかかわず前進を続けたなら、撃たれることになる」と、ラスク国務次官に報告している。

 老斥里の虐殺では、婦女子を中心に100人から400人の民間人が犠牲になった。
 ベトナムのミライ事件、そして今回のイラクのハデサ事件のさきがけとなる、米軍による住民虐殺事件である。  
 

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http://news.independent.co.uk/world/politics/article621826.ece

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%81%E6%96%A4%E9%87%8C%E4%BA%8B%E4%BB%B6

Posted by 大沼安史 at 02:26 午後 | | トラックバック (0)

〔イラクから〕 バスラに戒厳令

 英紙ガーディアン(電子版)によると、英軍が駐留するイラク南部の都市、バスラに5月31日、戒厳令が敷かれた。

 バスラでは5月、ロードサイド爆弾などで英兵9人が死亡、民間人も140人が犠牲になっている。

 バスラには英軍8000人が展開しているが、戒厳令に伴う治安維持活動はイラク兵(第10師団)が主に担当する。

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http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1787259,00.html

Posted by 大沼安史 at 01:16 午後 | | トラックバック (0)