〔ジャック・天野の目が点丼〕 えっ、米軍再編「3兆円」 出所は防衛庁の役人、だって?!
忘れかけたころにやって来る、畏友、ジャック・天野の「目が点メール」。今回、届いたのは、URGENTの至急電だった。
「大沼よ、ひどい、ひどすぎる、このメールをお前のブログに載せて、天下に警鐘を鳴らしてくれ。頼む」
親友の頼みとあっては断れない。
以下に転載する。
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おいおいおい、大沼よ、見たか? 今朝(5月31日付け)の新聞。
朝日だよ、朝日。
朝刊に出てたろ、「米軍再編 見えぬ負担 日本に『3兆円』、軽減は望めず」って見出しのついたやつ。
これ読んでオレ、目が点になっちゃった。
見出し、見ただけで驚くだろ、「3兆円、軽減は望めず」、だって。
ふざけすぎじゃないか、この記事。
アメリカは米軍再編経費の「3兆円」をまけてくれそうもない。国民のみなさん、仕方ないから払いましょ、って記事じゃない?
提灯持つにもほどがあるよな、なぁ、大沼。
「朝日」は防衛庁の広報誌なのかよ。
目が点になったあと、本文を読んで、オレこんどは気絶しそうになったぜ。
覚えてるか、大沼、ローレンスとかいう国防副次官がワシントンで記者会見して、「3兆円」って請求書をちらつかせてすごんだときのことを。
あれは4月末のことだったよな。
ローレンスが記者発表したとき、小泉首相も安部官房長官も「なんだ、それ? 知りません」って、否定してたよな。
首相も官房長官も「知らない」ってことは、「日本政府が知らない」ってことだけど、今朝の「朝日」によると、「首相」が知らないことを、防衛庁の小役人は「知っていた」、というんだから、チョーあきれるぜ。
記事に、ちゃんとこう書いてある。
● 守屋武昌・防衛事務次官も4月の講演で「グアム移転費を除き、2兆円かかる」と語った。 ●
2兆円にグアム移転費の日本側負担分7000億円を足せば、ざっと「3兆円」。
やっぱ、ローレンスの言う通りじゃん!
記事によれば、時系列的にも、守屋発言の方が先。
となれば、ローレンスのネタ元は、防衛庁とみるのが自然だ。
防衛庁って、ペンタゴンの日本分局のようなものだから、首相官邸より先に、きっとペンタゴンにご注進してたんだろう。
「3兆円、負担させていただきますよ、ご主人さま(アメリカ)」ってね。
それにしても、せっかく「守屋発言」をつかんだのに、どうして「朝日」は、その点に突っ込みをかけないんだ? 事務次官なる小役人を追及しないのだ?
「国民不在」、首相官邸にも知らせず、勝手に「3兆円」を約束した防衛庁の責任を追及することこそ、ジャーナリズムの責務だろうよ。
君たちはジャーナリストじゃなかったのか?
CMで流している「ジャーナリスト宣言」って、あれ、何なんだ?
えっ、「その事の依ってきたる所以を別として、軽減は望めないから、3兆円は払いましょう」だって?
おいおいおい、それじゃまるで、あの諸君の大先輩が書いた、「60年安保」のトンデモ宣言じゃないか。
「3兆円」のよってきたるゆえんを明らかにする。
それがジャーナリズムの使命。
忘れちゃいかんぜよ。
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Posted by 大沼安史 at 05:15 午後 | Permalink | トラックバック (0)