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2006-04-13

〔コラム 机の上の空〕  「私の名前はレイチェル・コリー」 ロンドンで上演

 英国のロンドンで、一人芝居「私の名前はレイチェル・コリー」の公演が始まった。劇団「ロイヤル・コート・シアター」による3回目の上演。3月30日から、プレイハウス劇場で始まった舞台は、6週間続く。

 90分のモノローグ。
 レイチェル・コリーを演じている女優は、メガン・ドッヅさん。

 舞台は、レイチェル・コリーさんのホームタウン、米国ワシントン州オリンピアの彼女の自宅の「自室」から始まる。ベッドの上で、「世界」を夢見る少女時代のレイチェル……。
 大学を出て、非暴力・平和運動に身を投じる彼女。
 そして23歳になった彼女の身に振りかかる、2003年3月16日、ガザ地区での悲劇。
 パレスチナ人の住宅破壊に身を挺して抗議する彼女に向かって突進する、イスラエルのブルドーザー……。

 悲劇のヒロインの実像に迫ったこの一人芝居、実は3月22日から、同劇団の手で、ニューヨークのイーストヴィレッジにある「ニューヨーク・シアター・ワークショップ(NTW)」で上演することが決まっていた。
 それを、劇場側がドタキャン、「無期限の上演延期」を決めたことから、急遽、ロンドンでの再演となった。

 「NTW]が上演を無期延期した背景には、この芝居が一方的にパレスチナ人サイドに与し、イスラエル側に対する配慮がまったくないことが指摘されている。

 NWTは、ユダヤ人サイドからの「公平ではない」とする批判が出るのを恐れた。ニューヨークはユダヤ人が多い街で、そのこともまた、上演キャンセルの決断に少なからず影響を与えたようだ。

 そうしたNTWの弱腰に、世界中から非難の声が上がった。
 ノーベル賞を受賞した劇作家のハロルド・ピンター氏や、女優のバネッサ・レッドグレーブさんらが一斉にNTWの姿勢を批判した。

 ワシントン・ポスト紙の劇評家は、ナチスに殺されたユダヤ人少女、アンネ・フランクの「日記」を「一方的」と批判しないなら、レイチェル・コリーの「独白」も同じように考えるべきだ、といった主張を紹介した。

 たしかにNTWのドタキャンは嘆かわしいこと、批判されるべきことに間違いないが、それによって「私の名前はレイチェル・コリー」に対する、世界的な関心が生まれたのは、歓迎すべきことである。

 ロンドンの「ロイアル・コート・シアター」に対して、ニューヨークのオフ・ブロードウェーから、公演許可を求めるオファーが寄せられているという。

 芝居の原作は出版されていて、わたし(大沼)も一読したが、英紙ガーディアンの書き手らがまとめただけあって、質の高い作品に仕上がっている。政治的なプロパガンダ色など微塵も感じられない。
 
 日本での上演を望む。
 
 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

http://theater2.nytimes.com/2006/03/31/theater/reviews/31rach.html

http://arts.guardian.co.uk/critic/feature/0,,1744421,00.html

Posted by 大沼安史 at 04:33 午後 3.コラム机の上の空 |

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