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2006-04-25

〔いんさいど世界〕 「学校」に平和を! コロンバイン7周年 未遂事件相次ぐ

 「コロンバインの悲劇」を覚えていますか?
 1999年4月20日、米国・中西部、コロラド州リトルトンのコロンバイン高校で起きた、例の事件です。
 学校に恨みを持った生徒2人が教師や生徒12人を射殺したあげく、銃で自殺したあの事件。
 マイケル・ムーア監督が『コロンバインへ向かってボウリング』というドキュメント映画にした、あのリベンジ・テロ。
 早いもので、あれから7年という月日が流れました。

 リベンジ、復讐。
 「師弟愛」と「友情」を育むべき「学校」で、なぜ、このような事件が起きるのか?
 ひょっとしたら、「学校」という組織がレベンジを育てる土壌になっているのではないか?
 そんな疑問さえ浮かぶ、悲劇的な事件でした。

 教訓は生かされたか?
 7年後の今年、答えは「ノン」と出ました。
 米国のカンサス州とアラスカ州で、「コロンバインの悲劇」を想起させる同じようなリベンジ計画が摘発されたのです。
 それも、7周年という節目のその日に相次いで。

 きょうはその未遂事件を報告したいと思います。

 カンサス州のリバートンという町では、4月20日、自分たちの通う高校で、コロンバインと同じような殺戮を企てていた少年5人が警察に逮捕されました。
 4月20日という日は、コロンバイン事件の記念日であるばかりか、ナチス・ドイツの狂信リーダー、ヒットラーの誕生日。
 その重要な日にテロを実行すると、インターネットの掲示板に書き込んでいたことから足がつき、一網打尽に遭いました。

 アラスカ州のノースポール(北極の意味)という町ではその日、中学校に通う、13歳の少年6人(第7学年生=日本でいう中1)が、教師や同級生たちを銃なナイフで殺害しようとしたとして逮捕されました。
 動機はリベンジ。学校生活のなかで恨みを抱き、復讐を誓ったといいます。

 この「ノースポール」、アラスカの中心都市であるフェアバンクスの近くにある、人口1650人の小さな町ですが、「北極」という町名の入った郵便スタンプで世界の愛好家に知られ、クリスマスの時季には、スタンプつきの「サンタの手紙」を出す町としても有名なところだそうです。

 オーロラも出現する、そういうメルヘンの町で、あわや流血の大惨事が起きるところだったわけです。

 日本でも学校での陰湿ないじめなど、教育の場にあってはならないことが後を絶ちませんが、北極圏の中学校でも同じようなことがあるんですね。

 わたし(大沼)は以前、北欧の国、ノルウェーでの「いじめ対策」に関する本と読んだことがありますが、同年齢のこどもを囲い込み、強権的な画一教育を行い、競争を強いると、どうもおかしなことになるらしい。
 「学校」のプレッシャー下で起きる「いじめ」が、「自殺」や「リベンジ」を招いている……どうもそんな構図になっているようなのです。

 こうれはもう「学校」を、恨みとかルサンチマンとかに無縁の、個々人の尊厳を重く見る、デモクラティックな場に作り変える必要がありますね。

 「コロンバイン7周年」のことを調べようと、コロラドの地元紙、「デンバー・ポスト」(電子版)を見ていたら、昨年(2005年)9月12日付けの、「コロンバイン卒業生、ファルージャで死す」という記事が出ていました。
 あの悲劇的な事件を経験したコロンバイン高校の卒業生が米軍の兵士としてイラクに送り込まれ、激戦地のファルージャで戦死したという記事です。
 それも21歳の若さで。

 こういう記事を見ると、ほんとうにやり切れませんね。
 
 どうして世界は、平和であることができないのか?

 コロンバイン高校では6月16日に、クリントン前大統領も出席し、慰霊碑(メモリアル)の起工式が行われるそうです。

 ノーモア・コロンバインは、ノーモア・ファルージャ、ノーモア・リベンジにつながらなければなりません。
 コロンバインの悲劇から7年。
 地元の人々とともに、わたしたちもまた、平和への祈りを祈ることにしましょう。  
 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

Posted by 大沼安史 at 01:19 午後 1.いんさいど世界 |

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