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2006-04-28

〔NEWS〕 イラク反戦 「平和のおばあちゃん」ら、無罪放免

 Yahooニューズが伝えたロイター電によると、昨年10月、イラク戦争に反対し、ニューヨークのタイムズ・スクエアで抗議行動中、逮捕された「平和のおばあちゃん」たち18人が4月27日、無罪放免された。
 ニューヨークの裁判所の判事が判決を下した。
 無実を勝ち取ったのは、「平和のおばあちゃん旅団(The Granny Peace Brigade)」の、59歳から91歳までのメンバーたち。
 裁判所前にはこの日、約100人の支援のおばあちゃんたちが集まり、「黙りません、わたしたちは」のシュプレヒコールを繰り返し、「ゴッド・ブレス・アメリカ」の替え歌、「ゴッド・ヘルプ・アメリカ」を合唱した。
 勝訴を勝ち取り、杖を振りながら意気揚揚と法廷から引き揚げて来たメンバーのひとり、74歳のジョアンおばあちゃんは、「おばあちゃんに、なんでも聞くんですよ。一番よく知っているのは、おばあちゃんなんだから」と語った。
  

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://news.yahoo.com/s/nm/20060427/us_nm/iraq_grandmothers_dc&printer=1;_ylt=AqxibPwOYIMPmUPvt31g.BwXIr0F;_ylu=X3oDMTA3MXN1bHE0BHNlYwN0bWE-

Posted by 大沼安史 at 02:46 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イスラエルが対イラン監視衛星を打ち上げ 「ショーア(ホロコースト)記念日」に

 仏紙ルモンド(電子版、4月26日)によると、イスラエルは「ショーア(ホロコースト)記念日」の25日、極東ロシア・アムール地区からロシア製ロケット「トポル」を使って、対イラン監視衛星の打ち上げに成功した。

 「D3エロスB1」と名づけられた衛星は、地上70センチの物体を識別できる。
 すでに監視にあたっている「エロスA」衛星とともに、イランの核開発の動向を探る。

 イランのアメディネジャド大統領が24日に「イスラエルの詐欺師体制は存続できない」と語ったことに対する、イスラエル側の「回答」。
 
 同紙が引用する「外国筋」によれば、イスラエルは核爆弾200発とその運搬手段を保有している。
 
 

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Posted by 大沼安史 at 10:50 午前 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ロシア、東方回帰 西側離れ イランなどにミサイルを輸出

 ロシアが「西側」接近路線を転換し、本来(?)の「東」のポジションへ回帰しようとしている。
 そんな中身の記事を、英ガーディアン紙のトム・パーフィット記者が書いていた(電子版、4月27日)。 

 パーフィット記者によると、マレーシアのクアラルンプールで開かれた「兵器バザール」で数日前、ロシアの国営兵器メーカーの担当者が口を滑らせたそうだ。
 ロシア製「イスカンダルE型」ミサイルの売却交渉が間もなくまとまる見通しだと。

 イスカンダルE型ミサイルは、湾岸戦争に際、イスラエルなどを襲った「スカッド」と同じ中距離ミサイルだが、精度はより高く、パトリオット迎撃ミサイルをかわす能力に優れているという。

 問題は、ロシアがこの高性能ミサイルをどこに売り渡すかだが、パーフィット記者は、シリアもしくはイランではないか、と指摘している。

 この取引について同記者は「アメリカやイスラエルが目を剥いて怒」りそうな、ロシアの西側離れの、新たな兆候としているが、ことはイスカンダルE型ミサイルに限らない。

 ロシアはまた、ワシントンからの圧力を跳ね返し、イランへの「トールM1」地対空モーバイルミサイル29基の売却を決めたそうだ。

 その一方でロシアは、エネルギー供給を武器に、新たな欧州への影響力拡大を企てている。米国の支配下に入った隣国、ウクライナへの天然ガス供給を一時停止したことは、われわれの記憶にまだ新しい。

 ロシアが「東」の自陣へと戻り、新たな「極」として再登場したことの持つ意味は、小さなものではないだろう。
 ロシアは中国とともに、米国による「世界一極支配」の暴走を制御する「バランサー」の役割を果たしていくことになるかもしれない。

 米(日)と中・露、それに欧州を加えた「4極」による、新たな世界地図。
 パーフィット記者の記事を読んで、そんな近未来予報図が目に浮かんだ。 

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http://www.guardian.co.uk/elsewhere/journalist/story/0,,1762953,00.html

Posted by 大沼安史 at 09:58 午前 | | トラックバック (1)

2006-04-27

〔コラム 机の上の空〕 「平和には勇気がいる」 アラバマの少女の訴え

 米南部アラバマ州にすむ15歳の少女が、インターネットを通じ、イラク戦争反対のメッセージを世界に発信している。
 アヴァ・ロウリーさん。

 彼女のサイト、「平和には勇気がいる(Peace Takes Courage)」を知って、さっそくアクセスしてみた。

 サイトには、写真と音楽と言葉による、彼女の映像作品が4本、掲示されていた。
 4本、すべてを、観た。涙が流れた。彼女に、戦争の無残さと平和の尊さを、一から教えてもらった気がした。

 4本のうちの1本、ことし(2006年)4月8日に彼女が発表した「ノーモア約束違反(No More Broken Promises)」は、イラクに出征した米軍兵士の家族の記録である。
 トレーシー・チャップマンの「プロミス」という歌に乗って、悲劇の映像が次々と映し出される。
 別れのキス、棺のそばにたたずむ妻、父親の葬儀でテディーベアを手に泣きじゃくる男の子……。
 記録写真が、イラク戦争の惨さを、米軍の家族の視点から描いていく。

 もう1本、今月(4月)2日に掲示された作品は、「WWJD」。
 男の子が歌う「イエスはわたしを愛している(Jesus loves me.)」に乗って、イラクの子どもたちの写真27枚が次々に映し出されていく。
 流血の路上に倒れた3人の男の子、小さな棺のなかの少女の死体……。

 あのWWD(大量破壊兵器)を思わせるWWJDとは、What would Jesus do? (これを知ったなら、イエスは何をし給うか?)の略である。

 作品の制作者であり、サイトの開設者でもあるアヴァさんは、イラク反戦運動のリーダーである「平和の母」こと、シンディー・シーハンさんの「新しい友だち」だそうだ。
 息子のケイシーさんをイラク戦争で失ったシンディーさんの戦いに、ひとりのアラバマの少女が加わった。

 平和には勇気がいる!
 ヘイト・メールの脅迫にもめげず、戦い続けるアメリカの少女の勇気を、わたしたちも譲り受けることにしよう。

 アヴァさんの作品を観る運動を、日本にも広げようではないか!
 このブログを読んでくれたみなさんにお願いする。 

  

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http://peacetakescourage.cf.huffingtonpost.com/

http://www.commondreams.org/views06/0426-22.htm

Posted by 大沼安史 at 12:31 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2006-04-26

〔コラム 机の上の空〕 ある反戦牧師の死

 ニューヨークでひと夏、暮らしたことがある。

  ダウンタウンの安宿をねぐらに、会いたい人に会い、行きたいところに行く、気ままな1ヵ月を過ごした。
 1980年代半ば。

 当時のアメリカは、1985年9月の「プラザ合意」で日本を経済属国化して息を吹き返す直前の頃で、不況の真っ只中。ホテルのロビーには、初夏なのに分厚い靴をはいた娼婦がいて、いつもタバコを吸っていた。

 アッパー・ウェストサイドの「ドーム・プロジェクト」という公立のフリースクールに通ったのも、そのときのこと。子どもたちと一緒に、車でキャッツキルというところにある刑務所見学に連れて行ってもらったりした。

 そのときのことだった。
 ヴァンのハンドルを握るスタッフのボブが、「あれがリバーサイド教会だよ」と言って教えてくれたのは。

 当時のわたしはいまにもまして、アメリカのことを知らず、「リバーサイド教会」がどういうところなのか、何もわからないまま、単なる観光案内だと思って、聞き返しもせず、車窓から教会の建物を眺めただけだった。
 
 その「リバーサイド教会」で今月(4月)20日、ウィリアム・スローン・コフィン師の葬儀が行われた
 Rev.William Sloane Coffin Jr.
 81歳。
 バーモント州の自宅で、12日に息を引き取った。
 ホスピスから戻って亡くなった。

  自宅から運ばれた棺は、その人生の最後を、主任の牧師として務めたこの教会に安置され、人々の別れの挨拶を受けた。

 ピルグリムの子孫。家具製作会社を営む一族に生まれ、東部エスタブリッシュメントのエリートコースを歩んだ。

 第2次大戦中、エールの音楽学校で学んだあと、米陸軍の歩兵将校として欧州戦線に送られた。戦後、ソ連の政治犯を送還する任務に従事するなかで、スターリン独裁の実情を知った。送り返したロシア人たちは、そのまま闇のなかに消え、二度と戻らなかった。

 そんな経験が、26歳の若者をCIAのエージェントに変えた。
 反ソ連のロシア人たちを落下傘で送り込む作戦活動に3年間、従事した。
 
 そう、ウィリアム・スローン・コフィン師は、CIAの人間だった!

 CIAを辞め、帰国すると、エール大学に戻って、神学校に入った。いずれ米軍の従軍牧師になるためだった。
 神学校を卒業後、軍務には就かず、母校のプレップスクール、フィリップス・アラデミーの学校牧師となった。その後、あるカレッジの牧師になり、1958年に、もうひとつの母校、エール大学の牧師となった。

 ここからコフィン師の、正義と反戦・平和の活動が始まる。
 南部アラマバ州で黒人公民権運動に参加し、3回も逮捕された。
 ベトナム反戦運動にも指導者としてその先頭に立ち、エール大学のチャペルは平和運動のサンクチュアリになった。
 
 1967年10月16日、コフィン師はボストン市内の教会で平和を祈り、徴兵を拒否する若者たちから「令状」を預かった。
 預かった185人「令状」を、コフィン牧師は4日後、ワシントンの連邦政府司法省に出向き、「返還」した。

 そのとき、コフィン師は逮捕されなかったが、当時のニクソン政権は許さなかった。
 コフィン師を、スポック博士らとともに、死刑もありうる国家反逆罪で起訴したのである。
 控訴審で無罪となったからよかったものの、危うく反逆者としての汚名を着せられるところだった。

 1970年春、反戦運動の拠点となったエール大学は州兵に包囲された。
 コフィン師は学生たちと州兵司令官の双方を説得、流血の事態を回避した。
 オハイオ州のケント州立大学で、学生4人が州兵に射殺されたときのことだった。

 コフィン師は、捕虜米兵を引き取りにハノイにも出かけた。1972年のことだった。

 師がニューヨークのリバーサイド教会に来たのは、エール大学を去って2年後の1978年のことだった。
 「SANE・FREEZE」という反核運動団体の代表も兼ねながら、ニカラグアのサンディニスタを支援するなど活動を続けた。

 1991年の「湾岸戦争」に反対し、あのベトナム戦争のように泥沼化した現在進行中の「イラク戦争」にも反対を叫び続けた。

 中南米の「戦う神父たち」を思わせる、活動する聖職者としての生涯だった。
 そんな師の最後の砦が、わたしがかつて何気なく通り過ぎた「リバーサイド教会」だった。

 ニューヨーク・タイムズ紙の訃報に、コフィン師が繰り返し語ったという言葉が紹介されていた。
「第一の美徳は勇気である。それはほかのすべての美徳を可能にする」と。
 なるほど、と思った。

 ボストン・グローブ紙のコラムニストで、若い頃、コフィン師とともに警察に留置されたこともあるジェームズ・キャロル氏は、師を悼む長文のコラムのなかで、こんな言葉を紹介した。

 War is a coward's escape from the problems of peace.

  「戦争は、平和の問題からの卑怯者の逃避である」
 
 そういうことか、と思わず頷いた。

 
 ニューヨーク・タイムズのアーカイブで、コフィン師に関する記事を探していたら、わたしがリバーサイド教会のそばを通り過ぎた2年前、1982年の記事が見つかった。
 リバーサイド教会の劇場で、「ダンス・フェスティバル」が開かれたという記事だった。
 そのときの師の開会の挨拶は、なんとも愉快で素敵なものだった。

 モダン・レリージョン(現代宗教)とモダン・ダンス(現代舞踊)との出会いを男女の結婚になぞらえた挨拶だった。

 若いころ、師はスコットランド・グラスゴウのパブで、知り合いの女性を結婚しようと一晩、口説いたことがあるという。
 「いいわ」と彼女は承諾したが、「でも、わたしたちの結婚を、誰が祝ってくれるの?」と言って、答えを保留してしまった。
 そんな「振られ話」を語ったあと、コフィン師はこう続けたという。
 「モダン・レリージョン(現代宗教)とモダン・ダンス(現代舞踊)の結婚にも、同じことがいえるかも知れませんよ……」

 このふたつが「結婚」できるかどうかは、(観客である)みなさん次第。
 みんなで祝って、今夜はめでたく、結婚させてください、というジョーク。

 記事には書いていなかったが、そのとき会場は、きっと爆笑に包まれたはずである。

 そのくだりを読んで、ユーモアの達人だったという、コフィン師の肉声を聴いたような気がした。
 1984年の7月、車でリバーサイド教会のそばを通り過ぎたとき、わたしが一言、ボブに聞き返していれば、実際に会えて聞けたかも知れない声が、はっきり聞こえたような気がした。  

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Posted by 大沼安史 at 11:22 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2006-04-25

〔いんさいど世界〕 「学校」に平和を! コロンバイン7周年 未遂事件相次ぐ

 「コロンバインの悲劇」を覚えていますか?
 1999年4月20日、米国・中西部、コロラド州リトルトンのコロンバイン高校で起きた、例の事件です。
 学校に恨みを持った生徒2人が教師や生徒12人を射殺したあげく、銃で自殺したあの事件。
 マイケル・ムーア監督が『コロンバインへ向かってボウリング』というドキュメント映画にした、あのリベンジ・テロ。
 早いもので、あれから7年という月日が流れました。

 リベンジ、復讐。
 「師弟愛」と「友情」を育むべき「学校」で、なぜ、このような事件が起きるのか?
 ひょっとしたら、「学校」という組織がレベンジを育てる土壌になっているのではないか?
 そんな疑問さえ浮かぶ、悲劇的な事件でした。

 教訓は生かされたか?
 7年後の今年、答えは「ノン」と出ました。
 米国のカンサス州とアラスカ州で、「コロンバインの悲劇」を想起させる同じようなリベンジ計画が摘発されたのです。
 それも、7周年という節目のその日に相次いで。

 きょうはその未遂事件を報告したいと思います。

 カンサス州のリバートンという町では、4月20日、自分たちの通う高校で、コロンバインと同じような殺戮を企てていた少年5人が警察に逮捕されました。
 4月20日という日は、コロンバイン事件の記念日であるばかりか、ナチス・ドイツの狂信リーダー、ヒットラーの誕生日。
 その重要な日にテロを実行すると、インターネットの掲示板に書き込んでいたことから足がつき、一網打尽に遭いました。

 アラスカ州のノースポール(北極の意味)という町ではその日、中学校に通う、13歳の少年6人(第7学年生=日本でいう中1)が、教師や同級生たちを銃なナイフで殺害しようとしたとして逮捕されました。
 動機はリベンジ。学校生活のなかで恨みを抱き、復讐を誓ったといいます。

 この「ノースポール」、アラスカの中心都市であるフェアバンクスの近くにある、人口1650人の小さな町ですが、「北極」という町名の入った郵便スタンプで世界の愛好家に知られ、クリスマスの時季には、スタンプつきの「サンタの手紙」を出す町としても有名なところだそうです。

 オーロラも出現する、そういうメルヘンの町で、あわや流血の大惨事が起きるところだったわけです。

 日本でも学校での陰湿ないじめなど、教育の場にあってはならないことが後を絶ちませんが、北極圏の中学校でも同じようなことがあるんですね。

 わたし(大沼)は以前、北欧の国、ノルウェーでの「いじめ対策」に関する本と読んだことがありますが、同年齢のこどもを囲い込み、強権的な画一教育を行い、競争を強いると、どうもおかしなことになるらしい。
 「学校」のプレッシャー下で起きる「いじめ」が、「自殺」や「リベンジ」を招いている……どうもそんな構図になっているようなのです。

 こうれはもう「学校」を、恨みとかルサンチマンとかに無縁の、個々人の尊厳を重く見る、デモクラティックな場に作り変える必要がありますね。

 「コロンバイン7周年」のことを調べようと、コロラドの地元紙、「デンバー・ポスト」(電子版)を見ていたら、昨年(2005年)9月12日付けの、「コロンバイン卒業生、ファルージャで死す」という記事が出ていました。
 あの悲劇的な事件を経験したコロンバイン高校の卒業生が米軍の兵士としてイラクに送り込まれ、激戦地のファルージャで戦死したという記事です。
 それも21歳の若さで。

 こういう記事を見ると、ほんとうにやり切れませんね。
 
 どうして世界は、平和であることができないのか?

 コロンバイン高校では6月16日に、クリントン前大統領も出席し、慰霊碑(メモリアル)の起工式が行われるそうです。

 ノーモア・コロンバインは、ノーモア・ファルージャ、ノーモア・リベンジにつながらなければなりません。
 コロンバインの悲劇から7年。
 地元の人々とともに、わたしたちもまた、平和への祈りを祈ることにしましょう。  
 

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Posted by 大沼安史 at 01:19 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-04-24

〔いんさいど世界〕 CIAがディープスロート狩り 幹部エージェントの女性を解雇

 米国のスパイ組織、CIA(中央情報局)が、内部告発者(ディープスロート)狩りを進めている。
 ブッシュ政権にとって不都合な情報漏れを防ぐのが狙いだ。
 今月(4月)20日には、幹部エージェントの女性を解雇し、組織の引き締めを図っている。

 解雇されたのは、1996年から2001年まで、NSC(国家安全保障局)の高官を努めたこともある、メアリー・O・マッカーシーさん(61歳)。
 引退後に備え、数年前から、夜間のロースクールに通っていた、ベテラン・エージェントだ。

 ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、メアリーさんは機密情報をジャーナリストに漏洩した容疑で解雇された。
 彼女が流した機密情報のなかには、CIAが世界各地に設けている秘密収容所に関する情報も含まれているという。
 ことしのピューリツァー賞では、CIA秘密収容所の存在を暴露したワシントン・ポスト紙のダナ・プリースト記者が、特ダネ(ビート)部門で受賞しているが、メアリーさんはその情報源だったようだ。

 プリースト記者のCIAの秘密収容所報道は、ブッシュ政権が世界各地に張り巡らす、不法な拘束・拷問センターの存在を明るみに出したもので、権力による不法行為を暴き出したものとして高い評価を受けた。
 
 そのプリースト記者にメアリーさんが情報を提供したことが事実であれば、その行為は賞賛に値こそすれ、解雇によって報復されるべき種類のものでは断じてない。

 人権を踏みにじる不法行為をしていたのは、ほかならぬブッシュ政権=CIAであり、解雇されなけばならないのは、メアリーさんではなく、不法行為の命令者である、CIAのグロス長官であり、その長官を任命したブッシュ大統領であるからだ。

 ニューヨーク・タイムズの関連報道によれば、メアリーさんは1998年、当時のクリントン大統領がアフリカのスーダンの「化学兵器工場」を攻撃したときも、不確定情報に基づいたものだと、大統領に警告したことがある。

 そういう良心的なエージェントを、ここに来てCIAのグロス長官が解雇したのは、どうしたわけか?

 答えははっきりしている。
 ブッシュ政権中枢が、これ以上の情報漏れを食い止めなければならない、と決断したからだ。

 なぜ、そう決断したか?

 それは情報漏れを防がなければならない、より重要な、トンデモ機密がほかにまだ(たくさん)あるからである。
 それが漏れると、ブッシュ政権が崩壊の危機に立つ、そういう類のものが、ほかにまだあるからだ。
 
 たとえば、9・11、および、議会指導者への生物兵器テロ事件の真相にまつわる機密情報がそれである。

 そうした漏洩を防ぐため、CIA内部でいま、何が行われているか?

 それは、嘘発見器の使用だという。
 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、ことし1月から、「スペシャル・ポリグラフ(特別嘘発見器)」が「数十人のエージェント」に対して使用されているそうだ。
 
 スペシャル・ポリグラフ……それがどれほどスペシャルなものか、実態は不明だが、ディープ・スロートたちの舌を縛り上げようとするものであることは間違いない。

 こうしたブッシュ政権によるCIA内の清掃作業に対して、エージェントたちは今後、どう対応するだろう?

 ブッシュ大統領を支えるラムズフェルド国防長官に対しては、最近は将軍クラスばかりか、一線の指揮官クラスからも批判が噴き出している。

 同じようなことが、CIAの内部で起きないとも限らないし、もっと起きてしかるべきだと、わたし(大沼)は思う。

 CIAを私兵化して、したい放題の不法行為を続けるブッシュ政権。
 第2、第3のメアリーさんが出ることを、世界の平和のためにも希求する。 
 
 

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http://www.nytimes.com/2006/04/22/washington/22leak.html

http://www.nytimes.com/2006/04/24/washington/24leak.html?hp&ex=1145851200&en=7d871a7efda48551&ei=5094&partner=homepage

http://www.nytimes.com/2006/04/23/us/23leak.html

Posted by 大沼安史 at 01:19 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-04-20

〔いんさいど世界〕 ヒロシマ、ナガサキ、ナタンツ …… イラン核攻撃の恐れ

 米国のイラン攻撃が、いつ始まってもおかしくない状況にあるようだ。それも核攻撃。ヒロシマ・ナガサキに次いで、イランの核開発基地、「ナタンツ」の名が、核の歴史に刻まれかねない情勢である。
 
 米国の著名な軍事アナリスト、ウイリアム・アーキン氏が今月16日のワシントン・ポスト紙で、米軍の「対イラン作戦計画」を暴露した。
 イランに対して全面戦争をしかける作戦計画で、その名も「TIRANNT」。タイライト(独裁者)にひっかけた作戦名だ。「シアター・イラン・ニア・ターム(短期イラン戦域)」の頭文字をとった略称である。
 アーキン氏によれば、このTIRANNT、米軍のイラク侵攻前の2003年年初段階ですでに練られていたものだそうだ。
 米海兵隊の模擬上陸訓練、英米合同のカスピ海軍事机上演習なども、TIRANNT策定に合わせ実施された。
 ブッシュ大統領の命令で、イランのWMD(大量破壊兵器)を壊滅させる「世界規模の攻撃(グローバル・ストライク)」計画の策定も、この時期に始まったという。
 
 ブッシュ政権にとって「イラン」は、「イラク」と同じ「位置付け」にあったわけだ。「イラク」からさきに片付けにかかっただけのこと。次なる「イラン」に対する攻撃計画は、とっくの昔にスタンバイだったわけだ。

 このアーキン氏の指摘を裏付けるように、英国の高級紙、オブザーバー(電子版、4月16日付け)が、2004年6月の時点で、暗号名「ホットスパー」なる米英軍事演習が行われたことを暴露した。
 これは米英両軍が1960年代から、数週間おきに行っている机上演習の一環で、テヘランの新政権発足を睨んだものだった。

 米国の著名な調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏も、米軍の対イラン攻撃が迫っていると、米誌「ニューヨーカー」(電子版、4月17日号)で警鐘を鳴らしている。
 
 イランの核施設攻撃に米軍が使用する恐れがあるのは、核爆弾など核兵器。
 ナタンツにある核施設は地下に設けられており、それを壊滅するには、核を使用して万全を期すのがいちばんだたからだ。
 ハーシュ氏に対して、米国の情報機関の元高官は、「決定的、これが空軍の作戦計画のキーワードだ。きびしい選択だ。しかし、われわれはそれを日本で行った」と語っている。
 米軍は、ヒロシマ・ナガサキを、イランの地で再現しようという「決定的な」選択を、すでに行っているらしい。
 
 なぜ、米国は今この時点で「対イラン攻撃」を焦っているのか?
 この点について、ハーシュ氏は、

 ①「イスラムの核の父」、パキスタンのカーン博士が、米国当局者の直接尋問に対して、カナリアが歌うようにイランの核開発について証言した。(パキスタン政府が米当局にカーン博士への尋問を許したのはこれが初めて、とみられる。大沼・注)
 ②米当局がイラン人のパソコンから「回収」したとされる、核兵器開発に関する「情報」が驚くべきものであった(ハーシュ氏の取材では、米国が国際原子力機関に通報したという、このパソコン「情報」、相当に怪しいものだという)。

 の2点を挙げているが、いずれも米国が対イラン攻撃を正当化するものでしかないことは明らかであろう。
 シーア派を通じたイランのイラクに対する影響力の拡大、パレスチナにおける「ハマス」の進出、イスラエルをめぐる危機の増大という中東全般の情勢展開に加え、戦略資源=石油の確保という至上命題が、ブッシュ政権の決断の背景にあると見るのが、むしろ自然である。

 米国がイラン核攻撃に踏み切った場合、イランはどんな報復に出るか?
 レバノンの有力政治家はハーシュ氏に対し、「イランの報復攻撃は、サウジ、カタール、クウェート、アラブ首長国連邦の石油・天然ガスの油田・ガス田施設を狙ったものになるだろう」と語っているが、そうなると、世界経済はまさに破局の危機に直面する。
 イラン・イラク戦争時にみられた、ホルムズ海峡の一時封鎖、タンカー運航の停止といった程度の騒ぎでは済まなくなるのだ。

 やめるんだ、ブッシュ大統領!
 やめさせてくれ、小泉首相!

 世界を戦火で燃え上がらせて何になる!!    
 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/04/14/AR2006041401907.html

http://www.newyorker.com/

Posted by 大沼安史 at 03:52 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-04-17

〔いんさいど世界〕 サーフィン世界新記録 誕生

 サーフィンの世界新記録が出ました。
 そう、波乗りにも世界記録ってのがあるんですね。公式の大会があって、世界のサーファーたちが記録に挑戦している。
 で、どんな記録かというと、波の高さではなく、波に乗っている距離なんです。時間でもなくて。

 サーフィンというと、ハワイのようなところでは、バンザイ・トンネルっていって、巨大な波が庇のようになりながら、崩れ落ちようとするその下をサーフボートで滑走するイメージですが、そういんじゃなくて、ひとつの波にどれだけ乗り続けるかと競うんだそうです。

 で、世界記録が生まれたのは、今月(4月)6日のこと。
 場所はイギリス。
 ちょっとイギリスの地図を頭の中で思い描いてほしいのですが、この国って島国ですよね。その東側の南の方(左側の下の方)、大西洋に面した沿岸にブリストルという街があって、その近くに「セバーン・エスチュアリー」って狭い海峡というか「水道」があるんです。水道といっても、飲み水の水道ではなく、外洋からの荒波が押し寄せる入り江のような場所です。
 この「セバーン・エシュチュアリー」なんですが、毎年春と秋に2、3日ずつ、大波が立って、それがなかなか崩れず、立ったまま、入り江の奥まで突き進むんだそうです。
 その伝説の波のことを、「セバーン・ボーア」っていうんだそうです。
 その波に乗る世界大会が、6日に行われたわけです。
 世界各地から、ハワイとかオーストラリアなどから、1000人ものサーファーたちが集まったそうですから、ひょっとすると日本からの参加者もいたかも知れませんね。
 競技は「水道」の入り口近くのニューハムってところから始まりました。波の高さは1.2メートル。そんなに高くないような気もしますが、イギリスの新聞は中国のチェンタングキアンというところに次ぐ、世界第2の大波だ、なんて書いています。
 ほんとかしら? ちなみに英紙によると、世界1というその中国の大波は波高なんと7.5メートル。これも春に出現するものなのだそうです。

 で、その世界で2番目の「セバーン・ボーア」を「舞台」にした波乗り世界大会の勝者は、41歳のイギリス人男性、スチーブ・キングさん。地元に住む、鉄道の技師をしている人です。
 20歳のときから、セバーン・ボーアに挑み続けてきた、波乗り歴20年のベテラン・サーファー。
 並み居るライバルが一人落ち、二人落ちしているなか、「セバーン・ボーア」がアボンマウスというところで崩れるまで、なんと1時間17分も波に乗り続けたんだそうです。
 距離にして12.2キロ。
 
 これまでの世界記録は、昨年6月、セルジオ・ラウスというブラジル人サーファーが、ブラジル北部のアラウアリ川で出した10.1キロ。
 スチーブさんの新記録は、これを2.1キロ(というのことはタクシーの初乗り区間ぐらい)、更新した
わけです。
 速度は最大で時速32キロ。
 これって結構速いですね。
 
 「地の利」を生かして優勝をさらい、世界新記録まで樹立したスチーブさんは、ゴールに倒れこむマラソン選手のように、フラフラ状態だったといいます。
 体力だけでなく神経も使うのが波乗り。
 グロッキーになるのもわかるような気がしますね。

 桜前線が北に去ったら、日本のビーチも本格的なサーフィンの季節。
 わたしたちの地元の海からも、世界記録に挑むサーファーが出るといいですね。

Posted by 大沼安史 at 12:11 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-04-14

〔がんばれ、シンディー!〕 「イラン攻撃を阻止したい、「平和の母」、ブッシュ牧場前で抗議活動を再開

 米国のイラク反戦運動を引っ張る「平和の母」こと、シンディー・シーハンさんが4月12日、テキサス州クロフォードのブッシュ牧場近くで抗議行動を再開した。
 ブッシュ大統領は今週末をキャンプ・デービッド山荘で過ごすので、当面、同牧場での「直接対決」はない。
 シンディーさんはAP通信に対し、「わたしたちは彼(ブッシュ)をこの牧場に寄せつけないために追いかけ回します。ブッシュとネオコンたちにイラン攻撃をやめさせたい」と語った。
 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

Posted by 大沼安史 at 05:13 午後 | | トラックバック (0)

2006-04-13

〔コラム 机の上の空〕  「私の名前はレイチェル・コリー」 ロンドンで上演

 英国のロンドンで、一人芝居「私の名前はレイチェル・コリー」の公演が始まった。劇団「ロイヤル・コート・シアター」による3回目の上演。3月30日から、プレイハウス劇場で始まった舞台は、6週間続く。

 90分のモノローグ。
 レイチェル・コリーを演じている女優は、メガン・ドッヅさん。

 舞台は、レイチェル・コリーさんのホームタウン、米国ワシントン州オリンピアの彼女の自宅の「自室」から始まる。ベッドの上で、「世界」を夢見る少女時代のレイチェル……。
 大学を出て、非暴力・平和運動に身を投じる彼女。
 そして23歳になった彼女の身に振りかかる、2003年3月16日、ガザ地区での悲劇。
 パレスチナ人の住宅破壊に身を挺して抗議する彼女に向かって突進する、イスラエルのブルドーザー……。

 悲劇のヒロインの実像に迫ったこの一人芝居、実は3月22日から、同劇団の手で、ニューヨークのイーストヴィレッジにある「ニューヨーク・シアター・ワークショップ(NTW)」で上演することが決まっていた。
 それを、劇場側がドタキャン、「無期限の上演延期」を決めたことから、急遽、ロンドンでの再演となった。

 「NTW]が上演を無期延期した背景には、この芝居が一方的にパレスチナ人サイドに与し、イスラエル側に対する配慮がまったくないことが指摘されている。

 NWTは、ユダヤ人サイドからの「公平ではない」とする批判が出るのを恐れた。ニューヨークはユダヤ人が多い街で、そのこともまた、上演キャンセルの決断に少なからず影響を与えたようだ。

 そうしたNTWの弱腰に、世界中から非難の声が上がった。
 ノーベル賞を受賞した劇作家のハロルド・ピンター氏や、女優のバネッサ・レッドグレーブさんらが一斉にNTWの姿勢を批判した。

 ワシントン・ポスト紙の劇評家は、ナチスに殺されたユダヤ人少女、アンネ・フランクの「日記」を「一方的」と批判しないなら、レイチェル・コリーの「独白」も同じように考えるべきだ、といった主張を紹介した。

 たしかにNTWのドタキャンは嘆かわしいこと、批判されるべきことに間違いないが、それによって「私の名前はレイチェル・コリー」に対する、世界的な関心が生まれたのは、歓迎すべきことである。

 ロンドンの「ロイアル・コート・シアター」に対して、ニューヨークのオフ・ブロードウェーから、公演許可を求めるオファーが寄せられているという。

 芝居の原作は出版されていて、わたし(大沼)も一読したが、英紙ガーディアンの書き手らがまとめただけあって、質の高い作品に仕上がっている。政治的なプロパガンダ色など微塵も感じられない。
 
 日本での上演を望む。
 
 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

http://theater2.nytimes.com/2006/03/31/theater/reviews/31rach.html

http://arts.guardian.co.uk/critic/feature/0,,1744421,00.html

Posted by 大沼安史 at 04:33 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

2006-04-12

〔NEWS〕 イラン、核兵器開発で技術突破 大統領「偉業達成」とテレビ演説

  イランのアフマディネジャド大統領は11日、北東部の聖地・マシャドで演説し、核爆弾の開発につながるウラン濃縮の技術的な突破に成功した宣言、「愛するイランは核技術保有国クラブの一員となった。今日というこの日は、イランの歴史に刻まれるだろう」と語った。

 国営テレビが実況中継した演説は、聖職者や軍人、政府高官らを前に行われた。
 大統領は「イラン国民は神の加護のもと、自力で偉業を達成した」と述べ、ウラン濃縮が同国独自の技術で成功したと強調した。
 イラン国営テレビは、科学者たちがウラン濃縮用のチューブを振りながら、喜び踊るシーンを映し出した。
 アフマディネジャド大統領は「イスラエルを地図の上から消し去る」と威嚇したこともある強硬派だが、イランの核開発は純粋に平和利用に限られる、と述べた。
 しかし、英紙ガーディアンが伝えた専門家の分析によれば、イランは核兵器生産の予定表に従い、3~5年以内に「核(兵器)クラブ」の仲間入りするとみられる。
 国連安保理は3月9日、イランに対して4月28日まですべてのウラン濃縮を停止するよう求めたばかり。
 この時期にあえてイランが「発表」に踏み切った背景には、アメリカのブッシュ政権が最近、対イラン先制攻撃に消極的になっていることが挙げられる。
 イランは最近、ペルシャ湾でタンカーなどを狙える、「魚雷ミサイル」の発射訓練を公開したばかり。
 この新兵器の存在もまた、アフマディネジャド大統領ら強硬派の強気の背景にあるものとみられる。

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)


http://www.guardian.co.uk/iran/story/0,,1752063,00.html

Posted by 大沼安史 at 04:44 午後 | | トラックバック (0)

2006-04-11

〔NEWS〕 ニューハンプシャー民主党事務所を通話妨害 主犯らホワイトハウスと頻繁に連絡

 2002年11月の選挙で、ニューハンプシャー州の民主党選挙事務所の通話を妨害していた、ブッシュ陣営の人物が、当時、頻繁にホワイトハウスに電話をかけていたことが、裁判所に提出された通話記録で明らかになった。
 AP通信が4月10日に報じた。
 民主党事務所に電話を集中的にかけ、コミュニケーションを麻痺させた事件は、同州の連邦議会上院議員選挙で実行された。
 投票する民主党支持者を投票所まで車で運ぶ事務所をターゲットに、アイダホ州の会社と契約して「電話攻勢」をかけ、一般の通話を妨害した。
 ホワイトハウスの同じ電話番号に電話をかけていたのが、その事件の主犯として裁判にかけられている、ブッシュ選対のニューイングランド統括責任者のジェームス・トービン被告。
 20回以上に及ぶ通話記録は、その裁判に提出された。

(大沼・注)
 ブッシュ陣営の「選挙ハイジャック」は、フロリダやオハイオ州などを舞台に、さまざまな手段を駆使して行われた、といわれる。
 今回、ニューヨーク・タイムズ紙などが報じたAP電は、そうした組織的な「選挙妨害」の一端を明るみに出したものだ。
 
 イラク・中東に「民主主義」を「輸出」すると見栄をきったブッシュ政権。
 国内で窃取した「デモクラシー」を、メソポタミアに「貼り付け」ようとしたのだろうか?
  
 「戦争陰謀団」、ブッシュ=チェイニーらの面目、躍如!?

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

http://www.nytimes.com/aponline/us/AP-Election-Phone-Jamming.html

http://news.yahoo.com/s/ap/20060410/ap_on_go_pr_wh/election_phone_jamming;_ylt=Am0iQLcAQdx5zRVIhtaE0UutOrgF;_ylu=X3oDMTA4NGRzMjRtBHNlYwMxNjk5

Posted by 大沼安史 at 04:59 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 相次ぎ、ラムズフェルド国防長官の辞任を要求 米軍トップ

 退役した米軍トップによるラムズフェルド国防長官に対する辞任要求が相次いでいる。
 米海兵隊のグレゴリー・ニューボールド前中将は「タイム」誌の今週号に寄稿し、長官の辞任を求める一方、現役の軍人に対し、イラク戦争への疑問を声高に表明するよう呼びかけた。

 寄稿したエッセーのなかで前中将は、

 「わたしはいま(イラク侵攻に)どうしてもっと公然と立ち向かわなかったのか後悔している」
 「わたしはイラク侵攻の4ヵ月前に引退したが、その理由の一端は、9・11の悲劇を口実に、われわれの安全保障をハイジャックした輩に反対するためだった」

 と言明した。

 ニューボールド前中将は、米軍の統合幕僚本部で作戦の立案を担当していた。

 退役した米軍トップによるラムズフェルド長官に対する辞任要求は、イラクで政府軍の訓練を指揮していたポール・イートン前少将のニューヨーク・タイムズ紙への寄稿(3月19日付け)を皮切りに相次いでおり、今回のニューボールド氏は、4月2日にテレビ・インタビューで辞任要求を突きつけたアンソニー・ジニ元帥に次いで3人目だ。

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

http://www.nytimes.com/2006/04/10/world/middleeast/10military.html

Posted by 大沼安史 at 02:02 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 白鳥、そして猫 忍び寄る、鳥インフルエンザの魔手

 鶯に続いて、雲雀が鳴くころ。野鳥の囀りが春の野山から聴こえて来ます。小鳥たちの歌声が混声合唱になって聴こえて来る季節。ハイキングがてら、翼をもった「天使」たちのささやきを楽しむ、バードウォッチング・シーズンの到来です。
 でも、ことしはちょっと、鳥たちの世界に、厭なムードが漂っています。野鳥たちはもう、本能的に危険を察知しているのかも知れません。そう思うと、音楽のような囀りが助けを求める悲鳴のようにも聴こえて来ます。

 そう、鳥インフルエンザ。

 日本でも報道されているように、英国北部スコットランドでこのほど、鳥インフルエンザにかかった白鳥が死んでいるのが見つかりました。

 白鳥が鳥インフルエンザに殺られた、のニュースが全世界に流れたのは、今月(4月)6日。

 日本の一部の新聞報道によると、スコットランド東海岸の農場で死んでいた1羽の白鳥から、H5N1型ウイルスが検出された、と英当局が発表したということになっています。
 これって大筋では間違いないのですが、場所は「農場」ではなくて、セラーダイクという村の、小さな港のなか。波に漂っているところを発見、収容されたそうです。
 見つけたのは、現地で暮らす、バードウォッチャーのドイツ人女性。

 実は先月(3月)30日に白鳥の死体を発見するなり、これは鳥インフルエンザかも知れないと、早速、警察などに通報したそうです。

 ところが、いくら言っても、相手にしてくれない。業を煮やしたこの女性、セント・アンドリュース大学の知り合いの研究者に連絡、その研究者からの通報でようやく当局が重い腰を上げ、白鳥の死体を収容して検査を行ったんだそうです。そしてその翌日、「鳥インフルエンザによる死亡」との検査結果を発表した。

 白鳥の死体はドイツ人女性の「発見」から1週間もほったらかしにされていたわけですが、この女性が見つけたとき、烏などにつつかれたらしく、死体はかなり損傷していたそうです。

 この白鳥、北に帰る途中だったか、スコットランドに残留しようとしていたのか不明ですが、1ヵ月前にはウイルスに感染していたようです。
 白鳥って群れて越冬しますから、ほかにも感染した仲間がいるはずですね。

 白鳥が鳥インフルエンザに斃れたというと、なんか詩的なイメージが浮かんで来ますが、白鳥の現物って、けっこう荒々しいんです。
 ぼく(大沼)は以前、宮城県の伊豆沼で、岸辺に上がって来た1羽に出くわしたことがあるんですが、まるで小型飛行機並みの立派な体格。シベリアとの間を往復するだけある、すごい体なんですね。
 それが「H5N1」にかんたんに殺られてしまった……。
 鳥インフルエンザって、ほんとうに怖いですね。
 伊豆沼に来る白鳥たちが感染しないとも限りません。こんどの冬は監視を強化しなければなりませんね。

 しかし、白鳥は鳥類、鳥インフルエンザにかかっても、ある意味で仕方ありませんが、最近、オランダの研究者たちが、猫が危ないと警告を発し、注目を集めています。

 ロッテルダムのエラスムス医療センターの研究者たちによると、猫って鳥を捕食するので、感染しやすいのだそうです。

 猫がH5N1ウイルスに感染した最初の例は、2004年にタイで確認されています。バンコク郊外の飼い猫15匹が、鳥インフルエンザで死んだ鶏を食べた結果、うち14匹が感染しました。
 ヨーローパでも同様のケースが報告されているそうです。
 
 人間が鳥インフルエンザにかかった例は、これまで全世界で191例(人)あるそうですが、いまのところ、猫を通じての感染例は出ていません。
 すこしほっとしますが、猫ってけっこう「狩り」をしますから、鳥インフルエンザが流行り出したら、家から出さないとか、注意が必要になるかも知れませんね。
 保健所には、猫の鳥インフルエンザ感染防止マニュアルのようなものを出してもらいたいですね。
 
 白鳥、そして猫……。
 鳥インフルエンザがだんだんと、わたしたちの方に、忍び足で近づいて来ています。

Posted by 大沼安史 at 10:41 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-04-10

〔NEWS〕 ブッシュ大統領弾劾を決議 バーモント州の民主党 全米で5週目 草の根の怒り、広がる

 米国東部、バーモント州の民主党は4月8日、ランドルフで党員集会を開き、3時間半に及ぶ討議の末、ブッシュ大統領の弾劾を呼びかける決議を行った。
 連邦議会の下院に対し、速やかに弾劾手続きに入るよう求める。
 民主党の州支部がブッシュ弾劾決議をあげたのは、このバーモントで5州目。

 ワシントンの連邦議会は、ブッシュ大統領の与党である共和党が主導権を握っており、実現性は低いが、米国の草の根に、ブッシュ政権への怒りが広がり出したことを物語る、象徴的な決議だ。
 決議文を起草したジェフ・テイラー氏(ニクソン政権下の連邦司法省に弁護士として勤務)は、「(ウォターゲト事件を引き起こした)ニクソンは、大統領がすることはなんでも非合法ではないと言った。ジョージ・ブッシュは同じルールブックで同じことを繰り返している」と批判した。

 アメリカ建国の父のひとり、トーマス・ジェファーソンが起草した連邦議会下院規則によれば、全米各州の州議会に対しても、大統領弾劾手続きを開始する権限が付与されている。
 バーモント民主党内には、その規則に従い、州議会に決議を上程するよう求める声もあったが、同民主党の指導部(バーモント中央委委員会)は、連邦議会下院に弾劾開始を求める道を選んだ。

 バーモント州では自治体レベルで、弾劾決議がいくつか採択されているが、最初に決議を行ったニューフェインの民主党員で、同町の決議を起草した木工のダン・デワルト氏は、「バーモントは州境を越えて、意見を述べる長い伝統をもっている。この問題は、左翼の周縁的運動をはるかに超える大きなものだ」と語った。

 バーモントの田舎から発せられた、ブッシュ弾劾の声はささやかなものだが、象徴的という意味では、米国の独立宣言と変わらない、何もしないことは愛国的なことではない、と、党員集会に参加者の多くが語っていたそうだ。

 (大沼・注)

 草の根のアメリカにはまだ希望がある。
 
☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

http://www.rutlandherald.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20060409/NEWS/604090407/1024/EDUCATION05

Posted by 大沼安史 at 04:44 午後 | | トラックバック (0)

2006-04-07

〔いんさいど世界〕 ブッシュ大統領が機密情報リークを許可 イラク戦争開戦へ向けマスコミを操作 元副大統領補佐官が供述  「ホワイトハウスの陰謀」、明るみに CIAエージェントの身元漏洩も指示? 第2のウォーターゲート事件に発展の可能性

 

 チェイニー副大統領の元首席補佐官で、CIAエージェントの身元を暴露した「プレイム・ゲート」事件で偽証などの罪で起訴されたI・ルイス・スクーター・リビー被告が、ホワイトハウスを揺るがす「爆弾供述」を行っていることが、パトリック・フィッツジェラルド特別検察官が4月5日深夜、ワシントンの連邦裁判所に提出した調書で明らかになった。

 ニューヨーク・サン紙が6日、ウェブ・サイトに調書を掲載したのを皮切りに、全米各紙が一斉に報じた。 

 特別検察官の調書によると、ブッシュ大統領とチェイニー副大統領は2003年の初夏、リビー被告に対し、CIA(米中央情報局)の「国家情報評価(NIE)」に盛られた機密情報を、ニューヨーク・タイムズ紙のジュディス・ミラー記者(当時、現在は同紙を退職)に漏洩をする許可を与えた。

 リビー被告がリークしたNIE情報は、サダム・フセインによるイラクの「核開発」に関する「機密情報」。

 同被告は、この種の「国家機密」をマスコミにリークするのは、「記憶している限り、ユニークなこと」と供述しており、被告自ら、その異常さを認識していたかたちだ。

 供述によると、リビー被告は、直属の上司であるチェイニー副大統領から、ミラー記者にNIE情報を漏洩することは「非常に重要」であるとの説明を受け、実行を指示された。

 これに対してリビー被告は、NIE情報の機密性からいってミラー記者に漏洩することはできないとチャイニー副大統領に進言したが、副大統領は「(ブッシュ)大統領が、NIE情報の一部を明らかにすることを許可している」と述べ、同被告に実行を迫ったという。

 リビー被告がミラー記者にNIE情報を漏洩したのは、同年7月、ワシントンのセント・レジス・ホテルで会った時だった。

 イラクの核開発をめぐるこのNIE情報は、ミラー記者がニューヨーク・タイムズ紙上で、派手な「スクープ」を連発し、イラク開戦へ向けた世論誘導に一役買う上で一定の役割を果した、とみて間違いないだろう。

 ブッシュのホワイトハウスは、ミラー記者をターゲットとしたNIE情報の漏洩を通じて、世論操作を行ったわけだ。

 調書によれば、リビー被告はチェイニー副大統領から特に選ばれ、副大統領のプレス担当、キャシー・マーチンに代わって、マスコミ工作にあたったと理解していた、という。

 リビー被告はまた、ウォーターゲート事件を暴露したことで有名なワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者に対しても、ブッシュ大統領の許可で、情報を提供したという。ボブ・ウッドワード記者は、イラク開戦に至る内幕を、『攻撃計画』という本に書いているが、そのための取材にも「協力」したそうだ。

 このように有力マスコミのスター記者を使いながら、ブッシュ政権がフレームアップした、イラクの「大量破壊兵器」疑惑は、米軍のイラク侵攻後、事実無根と判明するが、結局は後の祭り。「イラク戦争」という、悲惨な現実だけが残った……。

 調書によれば、リビー被告はブッシュ大統領の漏洩許可について、国家安全保障関連法規に詳しいチェイニー副大統領のデイビッド・アディントン顧問に意見を求めたこともあったという。

 アディントン顧問の答えは、機密文書の解除権限は大統領にある、大統領が漏洩していいといってるのだから、それはつまり機密解除と同じこと、というものだった。

 ホワイトハウスが正式に、問題のNIE機密情報の一部を解除したのは、リビー被告がミラー記者と最初に接触した同年7月8日の10日後のこと。

 正式な機密解除の前の段階での大統領許可について、その違法性を問う声が強まることも十分考えられ、ブッシュ政権の支配の正統性を爆砕する導火線のひとつになる可能性もある。

 もうひとつ、今後の火種になりそうなのは、「ニジェール・ウラニウム疑惑」をめぐるCIAエージェントの身分漏洩事件そのものと、ブッシュ大統領漏洩許可との結びつきだ。

 リビー被告の供述では、CIAエージェントのバレリー・プレイムさんの身分漏洩がブッシュ大統領の許可に基づくものであると示唆するくだりはないが、同年7月6日付けのニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、「ニジェール疑惑」がでっちあげであることを暴露した、プレイムさんの夫の前外交官、ジョセフ・ウィルソン氏の信用失墜を狙って、ブッシュ大統領とチェイニー副大統領が夫人の身分を明かしたことは十分考えられる。

 夫にニジェール行きを勧めたのは実は、CIAエージェントのプレイム夫人。妻の勧めで調査に行って、事実無根とはあきれる……ウィルソン氏の暴露の衝撃を、こんな「宣伝」でもってかわそうというのが、ホワイトハウス筋による「身分漏洩」の動機であることは、これまた間違いないところだ。

 リビー被告は現在、右派のシンクタンク、ハドソン研究所の研究員として、ブッシュ大統領につながる保守派の陣営によって庇護されているが、CIAエージェントの身分漏洩は国家安全保障上、由々しき問題であり、下手すると死刑になりかねない一大事だ。

 裁判のこんごの進展いかんでは、リビー被告がさらに追い込まれ、最悪の窮地に立つ可能性もある。

 その際、リビー被告が最後の切り札として、プレイムさんの身分漏洩についてもブッシュ大統領=チェイニー副大統領のラインから指示を受けたと、暴露証言に踏み切ることもあるだろう。

 「プレイム・ゲート」事件が、第2のウォーターゲート事件となるのは、リビー被告が衝撃の新事実を明らかにする、そのときのことだ。

 

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

Posted by 大沼安史 at 11:09 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2006-04-06

〔NEWS〕 草の根に広がる「イラク反戦」、24自治体が「撤退」決議

 米中北部、ウィスコンシン州の32の町で4月4日、「イラク戦争」を問う住民投票が一斉に行われた。
 YaHooニューズが報じたAP電によると、マジソンやショアウッドなど、全体の4分の3にあたる24の町が、イラクからの撤退を求める決議を行った。
 州都マジソンでは68%の人が「撤退」に賛成票を投じた。
 州内の自治体が「イラク戦争」をめぐって一斉に住民投票を行ったのは、バーモント州に続いて2州目。
 アメリカの草の根に「イラク反戦」が広がりだした。

☆ 大沼訳・新刊案内: 『世界一 素敵な学校 ~ サドベリー・バレー物語』(ダニエル・グリーンバーグ著、緑風出版)

http://news.yahoo.com/s/ap/20060405/ap_on_el_ge/iraq_referendums;_ylt=Ag_OPTJpj.KFP0H4l_tkFhSyFz4D;_ylu=X3oDMTA5aHJvMDdwBHNlYwN5bmNhdA--

Posted by 大沼安史 at 01:28 午後 | | トラックバック (0)

2006-04-04

〔イラクから〕 イラク国家崩壊 内務省 米英訓練の警察官配備を拒否 米軍、6ヵ所の恒久基地を建設 進む軍事植民地化

 英紙ガーディアンのジョナサン・スティール記者のバクダッド特電(電子版、4月4日)を読んで暗い気分になった。
 シーア派の「イスラム革命最高評議会」によってコントロールされているイラク内務省が、米英両軍によって訓練された、非宗派の警察官の配備を拒否し、自派の男を雇い入れているという。
 敏腕で鳴るスティール記者のレポートだから、これは事実であろう。
 バグダッドでは、内務省の暗殺部隊がスンニ派狩りを続けているとの噂が広がっているが、それを裏付けるような話ではある。

 治安にあたるべき内務省が、宗派対立=内戦の一方のプレーヤーになっているイラク。
 この国は内戦状態を突きぬけ、すでに国家崩壊に陥っている、と言えるだろう。

 日本の自衛隊がメソポタミアの地に派遣されたのは、「イラク復興」の名において、だった。
 「復興」だと?
 笑わせるな、と言いたい。

 こんなイラクにしてしまった、ブッシュ政権の罪は万死に値する。
 「黄金モスク」を爆破して血で血を洗う内戦を煽ったのは、お前たちではないのか?

 一方、同じく英紙のインディペンデント(電子版)は4月2日、米国防総省がイラク国内に、少なくとも6ヵ所の「恒久基地」を建設している、と報じた。
 同紙によれば、イラク国内に現在ある米軍基地は一年前の110基地より3割ほど減って75基地。
 このなかのアルアサド空軍基地、タジ駐屯地などを要塞化していく。
 
 まるでローマ帝国の21世紀版。
 イラク人同士に殺し合いさせながら、軍事植民地化して支配を永久化しようとする「アメリカ帝国」。
 その暴走を止めないとたいへんなことになる。
 
 イラクにいますぐ平和を! 「ベ平連」ならぬ「イ平連」創設の時だ。  
 
 

⇒  

http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1746233,00.html

Posted by 大沼安史 at 11:37 午前 | | トラックバック (0)

2006-04-03

〔コラム 机の上の空〕 グアンタナモの獄中詩人

 キューバのグアンタナモ米海軍基地に設けられた強制収容所で3年間、詩を書き続けた人がいた!
 アブドゥル・ラヒム・ムスリム・ドストさん。
 昨年の初め、無罪判決で釈放され、パキスタン北部、ペシャワールに戻ってきた、アフガン人だ。

 獄中詩人、ドストさんのことを、英紙ガーディアンの記事(電子版、4月3日付け)で知り、勇気付けられた。
 「拉致・拘禁」という「暴力」に対し、「言葉」でもって立ち向かい、ついに負けることがなかったドストさん。
 「詩」でもって闘い続け、ついに生還したドストさんに、拍手を贈りたい気がした。

 同紙のペシャワール発特電によれば、ドストさんが米軍によって、ペシャワールの自宅から拉致されたのは、2001年11月のこと。アルカイダのテロリストと疑われてのことだった。
 グアンタナモ収容所に送られ、拘禁生活が始まったのは、その5ヵ月後。

 グアンタナモでは新規の収容者に対して、最初の1年間、ペンも紙も支給しない決まりになっている。
 それでも詩を書きたくて仕方のないドストさんは、ポリスチレンのカップにスプーンで文字を刻んだだ。
 光にかざすと、文字が浮かんで見える。自分の詩を読むことができる。看守が使い捨てカップをゴミとして回収に来るまでは……。

 2年目から、ゴムで出来たペンが支給された。武器になりえない、グニャグニャしたものだった。それに、紙のシートが2枚。
 
 ドストさんは早速、詩を書き始めた。
 没収されても、ひたすら書き続けた。

 ドストさんの詩は、帽子の糸を縒り合わせてつくった「滑車システム」でもって、他の収容者の独房を経巡った。もっと書いてくれと、紙を差し入れてくる囚人仲間もいた。
 

 ドストさんはグアンタナモでどんな詩を書いていたか?
 ガーディアン紙の記事には、こんな一節が紹介されていた。

   手錠は勇敢な若者にふさわしい 
   腕輪が独身のかわいい淑女にお似合いのように

 ドストさんがグアンタナモで書いた詩は25000行に及ぶ。
 しかし、そのほとんどが米軍に没収され、失われてしまった。
 
 米軍からは誤認逮捕に対する謝罪もなければ、補償もいっさいない。

 ドストさんはいま、グアンタナモでの経験を本に書いている。
 題名は「壊れた鎖」。
 同時並行で英訳作業も進んでいるという。
 わたしたちが英訳からの重訳で読めるようになるかも知れない。

 ドストさんを縛りつけていた、グアンタナモの「鎖」を壊したものは何だったか、もはや言うまでもないだろう。

 詩人の魂と言葉の力。

 それが暴虐の鉄鎖を破った。  
 
 

Posted by 大沼安史 at 11:42 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)