« 〔重要NEWS〕 昨年7月のロンドン同時多発テロ サウジが詳細情報を伝え、英国側に事前警告  | トップページ | 〔がんばれ、シンディー!〕 「数」が語り始めるとき »

2006-02-06

〔いんさいど世界〕 グローバル化する「お化粧」 ターゲットは中国 欧米メーカーが構成 市場制覇は現地リサーチが鍵

 グローバル化がますます急速に進んでいます。ヒトやモノの移動だけでなく、技術や文化もどんどん国境を超えて、世界中に広がり、ぶつかり合って交響する時代になっています。

 そうしたなかで、「美しい」「きれいだ」といった美的感覚、さらには「美人」というコンセプトさえも、グローバル化されようとしています。
 そうした女性美のグローバル化の推進役になっているのは、言わずと知れた、欧米の巨大化粧品メーカー。

 とくに中国市場は、欧米メーカー激突の地となっていて、西欧流のお化粧が広がり出しているそうです。
 

  今日の話題は、女性美のグローバル化。欧米化粧品メーカーによる「お化粧のグローバル化」についてお話したいと思います。

 つい最近、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(2月4・5日号)に、こんな特集記事が出ていました。
 「面の皮の厚さ、しかし、厚く個人的に(Skin deep, but deeply personal)」という、パリ発の見出しの記事です。
 世界最大の化粧品メーカーである「ロレアル」社などの「世界戦略」が紹介されていて、男性であるわたしにも興味深く読める記事でした。

 世界ナンバーワン、ロレアル社の昨年の売上高は140億ユーロ。邦貨換算で2兆円近くに達しているそうですが、その3%、5億ユーロが世界市場のリサーチに使われているのだそうです。
 ある国の女性たちに化粧品を売り込むには、その国の女性のお化粧の性向、女性の身体性の特徴を知らねばなりません。そこで徹底した調査をする。

 たとえば「ロレアル」社は、日本女性のマスカラに関する調査を行っているそうです。
 大和なでしこがマスカラを装着する際、上向きになるようブラッシングする回数は、平均100回(ほんとですかねぇ?)。ヨーロッパの女性は平均50回なので、日本の女性はその倍もブラッシングしているわけですね。そういう事実を踏まえて、日本人向けの製品を開発していく。

 同社ではまたパリとその近郊に住む女性の髪を、人種別というか、出身地別にリサーチし、その特徴を地理的に分類、「世界ヘア地図」なるものをつくったりしているそうです。

 ところで当然といえば当然のことですが、ロレアル社など欧米の化粧品メーカーがいま、リサーチの矛先を向けているのが、中国。
 15歳から64歳、お化粧適齢期(?)の中国人女性は、なんと4億5100万人。化粧品市場はすでに80億ドル規模(年間)に達しているそうです。市場の拡大速度も超高速で、過去5年間に売上が倍近く伸びているありさま。
 そんな中国人女性をターゲットに、ロレアル社はもちろん、エステーローダー社といった有力メーカーが上海などにリサーチの拠点を置いて、研究開発をはじめているそうです。
 これもロレアル社のケースですが、毎年3万5000人の中国人女性にインタビューして、中国人女性の美的ニーズを探り続けている。

 そんななかから、どんな中国人女性向の商品が開発されているか?
 シャンプーで言えば、泡切れとすすぎのいいものが投入されました。
 なぜかというと、中国人の女性って節水で盥で髪を洗う人が多いんだそうです。だから、少量の水で洗い落とせるシャンプーじゃないといけない。そうじゃないシャンプーは中国じゃ売れないんだそうです。
 それから中国人女性の髪の質についてもリサーチを続けている。

 研究に協力しているのは、上海に住む女性で、白髪3千丈ではありませんが、髪の長さが実に4メートルもあります。なぜ、この女性を調べるのが大事かというと、髪の毛の老化を時間的に見ることができるからだそうです。

 現在、世界の化粧品メーカー上位10社(トップ10)のうち、9社までが欧米勢(唯一の例外は、日本の資生堂で8位に食い込んでいます)。
 そういう巨大メーカーが中国に進出するということは、「白人女性」向けの化粧品をベースにしたものが、中国人女性に売り込まれるということですね。
 いくら現地女性の好みをリサーチして商品開発につなげても、西洋流のお化粧であるということには変わりありません。
 ファウンデーションを塗って、マスカラをつけて、世界の流行色のルージュに引いて、爪にマニキュアを塗る……

 そのうちに、アフリカやアマゾンの先住民族も、西洋流のお化粧に支配されてしまうかも知れませんね。
 現にロレアル社などは、2年前、アメリカのシカゴに研究開発拠点を設け、有色人種向けの化粧品開発に本腰をいれているそうです。

  
 

Posted by 大沼安史 at 02:19 午後 1.いんさいど世界 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〔いんさいど世界〕 グローバル化する「お化粧」 ターゲットは中国 欧米メーカーが構成 市場制覇は現地リサーチが鍵: