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2006-01-11

〔重要NEWS〕米CIAがイランに核の設計図 「マーリン作戦」続報 NYT紙、ライゼン記者が新著で暴き出した「オトリ謀略完全失敗」の顛末

 米紙ニューヨーク・タイムズのジェームズ・ライゼン記者の新著、『戦争状態(State of War)』(フリープレス刊)が届いたので、同記者が英紙ガーディアンに抜粋を寄稿して暴露した、米CIAによる対イラン核設計図謀略(本ブログ既報、1月6日付け)に関する部分を早速、読んでみた。

 第9章の「無法作戦(Rogue Operation)」が、それ。

 私たち日本人も知るべき、重要なスクープ記事と思われるので、ライゼン記者がガーディアン紙への寄稿文で省略した部分を箇条書きで紹介しよう。
 関心のある方は是非、原著に当たっていただきたい。
 背景を知りたい方は、本ブログの既報を参照していただきたい。

・米CIAがオトリのエージェントに使ったロシア人科学者は、旧ソ連が原爆、水爆を開発した秘密研究所、「アルザマス16」の研究者で、CIAの手引きで米国に亡命した。

・このロシア人科学者を使って、CIAが、イランがウィーンに置いている、IAEA(国際原子力機関)に対するイラン代表部(既報では、ウィーンのイラン大使館としたが、これは誤り)へ届けた、核起爆装置の設計図は、「アルザマス16」から米国に亡命した、別のロシア人科学者によって持ち出されたもの。

・この旧ソ連製の核の起爆装置の設計図が本物であることは、米国の核専門家によって確認されている。

・CIAがこの設計図に「欠陥」を盛り込み、イラン側に手渡したのは、CIAのイランの核開発情報収集能力がきわめて低く、実態を解明できないことから、思い立ったらしい。

・運び屋に使われたロシア人科学者はCIAの指示で、事前にイランの専門家などと国際会議などの場で接触し、メールで連絡を取り、「金めあて」の売り込みであることアピールしていた。

・このロシア人科学者を直接担当していたCIAのケース・オフィサーは、イラン側が「設計図」の「欠陥」を訂正してしまえば、核兵器保有に一気に進むことを懸念し、連邦議会上院の情報委員会に訴えたが、なしのつぶてに終わった。

 以上が、ライゼン記者がガーディアン紙寄稿記事で省略した、「マーリン作戦」に関する重要部分である。

 このオトリ作戦を扱った「第9章」には、ほかにも重要なスクープが盛られている。

 それは、イラン戦争開始後、イランがイラク国内のイラン反体制ゲリラグループとひきかえに、ビンラディンの息子を含む、アルカイダ幹部を米側に引き渡す申し入れをしていた事実である。
 米側(ペンタゴン)は、将来の対イラン戦争に備えるため、この取引を拒否したことから、結局、ビンラディンの息子らが米側の手に渡ることはなかった……。
 これがブッシュ政権の「テロとの戦い」の内幕である。
 
 ライゼン記者はなんともすごい暴露をしたものだ。
 新著の邦訳が待たれる。
 
   
             

Posted by 大沼安史 at 10:13 午前 |

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