« 〔NEWS〕 世界的爆発感染、震源はトルコに? 鳥インフルエンザ 「人好み変異」の恐れ | トップページ | 〔NEWS〕 ブレア政権、最後の「聖域」、国会議員を盗聴へ G・オーウェルの『1984年』の未来図、2006年の英国で実現 »

2006-01-15

〔いんさいど世界〕 日の丸捕鯨船団VSグリーンピース抗議船が激突 南氷洋、波高し

 南氷洋で「調査捕鯨」を続けている日の丸捕鯨船団を環境保護団体、グリーンピースの抗議船がつきまとい、妨害活動を続けています。
 一触即発どころか、捕鯨船団の母船がグリーンピースの抗議船の一隻、「アークティク・サンライズ(北極の夜明け)」号と衝突するアクシデントさえ起きています。
 ゴムボートに乗って妨害活動を続けるグリーンピース活動家の頭上を、キャッチャーボートから発射された銛(もり)が飛び越えたことも。白夜が続く夏の南氷洋で、鯨をめぐる闘いが続いています。

 オーストラリアの新聞、ザ・エイジ紙(電子版)が報じたところによると、日本の調査捕鯨船団に対するグリーンピースの抗議活動は、昨年(2005年)の12月21日から始まりました。

 グリーンピースは「エスペランツァ」号と「アークティク・サイライズ」号の2隻の抗議船で、日の丸船団の追跡を開始し、ゴムボートに乗り移った活動家が、鯨をキャッチャーボートの間に割り込むなど妨害活動と続けています。

 エイジ紙によりますと、捕鯨母船と抗議船の衝突は、1月8日早朝に起きました。
 グリーンピース側の主張では、母船の「Nissin Maru」(全長129メートル)が補給船から離れたあと、ダイレクトに「アークティク・サンライズ」号(同49メートル)に向かって来て、サンライズ号の側面に2度、衝突しました。
 「アーティク・サンライズ」号の乗組員によりますと、それは「非常に攻撃的かつ暴力的な行為」だったといいます。
 これに対して、調査捕鯨の実施主体である「日本鯨類研究所」は同紙に対し、グリーピースの抗議船がわざと体当たりしてきたとして、グリーンピース側を非難するコメントを述べています。

 一方、キャッチャーボートから発射された銛が、ピースボートが乗り込んだゴムボートの上を通過するアクシデントは、1月14日に起きました。
 ザ・エイジ紙によりますと、銛を撃ったのは「第2 Yoshin Maru」。
 グリーンピース側の主張では、銛はボートの頭上、「1メール以内」の至近距離を通過したそうです。ボートの上を通過した銛は鯨に命中。鯨が海にもぐりこんだため、銛についたロープがゴムボートに当たって、活動家のひとりが海に投げ出されました。
 グリーンピース側は、捕鯨船団側が抗議船の妨害活動によって捕獲が思うように進まないことから、ますます苛立ちをつよめている証拠、とみています。これに対して日本鯨類研究所側は、グリーンピース側がPR活動で危険な行為をおかしている、と改めて非難しました。

 こうしたアクシデント以外にも、捕鯨船団側が抗議のゴムボートを放水で威嚇したり、逆にグリーンピース側がキャッチャーボートの銛の射手の視界を遮りため、鯨との間に水幕を張るなど、鯨をめぐる闘いはエスカレートするばかりです。
 グリーンピースのほか、米国の保護団体である「シー・シェパード」も、南氷洋に抗議船を1隻派遣しており、南氷洋はまさに波高し、の状態です。

 この「南氷洋捕鯨海戦」の雲行きについて言いますと、豪紙のザ・エイジ紙の報道を見る限り、どうもグリーンピース側に分があるようです。

 彼らの勝因はふたつ。ひとつは、今シーズンは、捕鯨船団より速い新鋭船の「エスペランツァ」号を投入して、船団の徹底マークに成功していることがあげられます。
 いってみれば完全なストーカー状態。グリーンピース側によれば、こうしたつきまとい作戦で、捕鯨船団を10日間、操業中止に追い込むなど、着々と戦果をあげているそうです。

 ふたつ目は、抗議船からインターネット経由で、直接発せられる、ビデオや写真、あるいはブログ報告が、国際世論にダイレクトかつ強烈なインパクト影響を与えていることです。
 グリーンピース側の「情報戦の勝利」とでも言ったらよいのでしょうか?
 日本では報道されていませんが、つい最近も「鯨乗り(ホエール・ライディング)」といって、銛を打ち込まれ波間に漂う鯨の上にグリーンピースの活動家が乗り移って抗議した現場の写真は、ネットを通じ世界中に流され、大きな反響を呼んでいます。
 どこから飛び出したものなのか、日本が捕鯨船団を守るため軍艦(自衛艦)を派遣するといったデマも流され、日本はとんでもない国だということになって、どうも日本側にとって分の悪い闘いが続いています。

 日本の調査捕鯨に反対する抗議行動は南氷洋に止まらず、世界に広がっていることも見逃せない事実です。
 グリーンピースの南米アルゼンチンの支部は、調査捕鯨の船団運営会社に出資する日本の大手水産会社との取引を停止するよう地元の食品会社に圧力をかけ、成功を収めています。
 また、同じ日本の大手水産会社が買収した米国のゴードン社に対しても、日本の親会社に捕鯨をやめるよう、世界規模の「メール作戦」で圧力を強めています。

 調査捕鯨を商業捕鯨ではない、とする日本側と、調査捕鯨も商業捕鯨のうち、とするグリーンピースなど反捕鯨陣営との闘いは先鋭化し、すくなくとも国際世論においては、日本は追い込まれる一方。孤立感は深まるばかりです。

 今季の日本の調査捕鯨の目標(割当)は、ミンククジラ935頭、ナガスクジラ10頭。
 計945頭の鯨の命が南氷洋の氷山のように、捕鯨国・日本の前に立ちふさがっています。
      

Posted by 大沼安史 at 04:49 午後 1.いんさいど世界 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〔いんさいど世界〕 日の丸捕鯨船団VSグリーンピース抗議船が激突 南氷洋、波高し: