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2005-12-20

〔For the Record〕 「恥ずべき行為」と、ブッシュは言った!

 米国のブッシュ大統領は12月19日、ホワイトハウスで、2005年を締めくくる記者会見を行った。

 記者団の最初の質問に対する最初の回答のなかでブッシュ大統領は、ニューヨーク・タイムズ紙が暴露した、米国情報機関、NSA(国家安全保障局)が米国市民に対して盗視・盗聴活動を行っていることについて、以下のように語った。

(大沼 試訳)

「最初の質問に答えよう。機密の漏洩に関し、司法省内部であるプロセスが進んでいる。そのプロセスは前進するだろうと、私は思っている。私の個人的な意見では、この戦時において、この非常に重要なプログラムを明らかにすることは、誰にとっても恥ずべき行為である。われわれがそのプログラムを議論していること自体、敵を利することである」

(ホワイトハウス発表による原文)

Let me start with the first question. There is a process that goes on inside the Justice Department about leaks, and I presume that process is moving forward. My personal opinion is it was a shameful act for someone to disclose this very important program in a time of war. The fact that we're discussing this program is helping the enemy.

 ブッシュ大統領はさらに、最初の回答の最後の部分でこうも言った。

「われわれは戦争している。だから、アメリカの秘密は守らなくてはならない」

We're at war, and we must protect America's secrets.

 これが、アメリカの大統領の2005年・年末会見での発言である。

 ニューヨーク・タイムズに漏らした「ディープスロート」を、あぶりだして血祭りにあげる。
 いま、捜査が進んでいるんだ。

 マスコミに漏らしたお前、捕まえてやるからな。
 戦争なんだ、米国民の市民的自由より、「国家機密」の方が重要だ。

 ブッシュ大統領は、要するに、こう吠えたのだ。

 記者の質問に対する、最初の答えがこれ。

 恐喝によって、漏洩の再発を抑え込もうというのである。

 こんどは、漏洩をする側(政府関係者)と漏洩を受ける側(メディア)に対し、盗視・盗聴をしかけようとでもいうのだろうか?(いや、すでに実施に移しているのだろうか?)

 このブッシュの威嚇に対し、ニューヨーク・タイムズの情報源になった人物は、どんな態度をとるのだろう?

 そのディープスロートが、新たな暴露を決断すれば、ウォーターゲート並みのスキャンダルに発展しかねない、そんなブッシュ政権の危機感が、大統領本人の口から「漏洩」した記者会見だった。

 FBIを統括する司法省が目下、「捜査中」という「国家機密」を漏らしてまで、「恫喝」を口にしたジョージ・ブッシュ。

 令状なしで自国民を盗視・盗聴することもさることながら、これまた大統領として、なんとも「恥ずべき行為」である。

 

ブッシュ会見の詳報(原文)は ⇒

http://www.whitehouse.gov/news/releases/2005/12/20051219-2.html

Posted by 大沼安史 at 06:15 午後 |

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