〔For the Record〕 「戦争での殺人は犯罪」 マハティール氏らがクアラルンプール宣言(全文)
マレーシアの首都、クアラルンプールで12月14日から17日まで、世界各国から平和運動家らが参加して、「クアラルンプール・グローバル平和フォーラム」が開かれた。
マハティール前首相が中心になり、「ペルダナ・リーダーシップ財団」が開催したもので、米国のダニエル・エルズバーグ博士や、カナダのミッチェル・チョスドフスキー教授(オタワ大学)らが、イラク戦争が続く世界の現状を討議し、合意した内容を「宣言」にまとめ、最終日に採択して閉幕した。
14ヵ条に及ぶ「クアラルンプール宣言」で注目すべきは、「戦争のなかでの殺人行為」を「平和時における殺人」同様、明確に「犯罪」と見なす一方、「侵略を開始するすべて国家指導者は、国際刑事裁判所の司法判断を受けなければならない」と、戦争責任の徹底追求を求めている。
宣言は、戦争放棄と平和主義を掲げた日本国憲法の第9条の、いわば国際版で、世界最強の軍事大国、アメリカが武力によるグローバル規模で覇権確立を進めるなか採択されたことは、大きな歴史的な重みを持つものと言える。
以下に拙訳で、「宣言」全文(マハティール氏ら署名人の氏名は除く)を訳出する。
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「戦争を刑事犯罪化するためのクアラルンプール・イニシアチブ」
2005年12月17日
世界の5大陸すべてから集まった、関心ある人々による「クアラルンプール・グローバル平和フォーラム」は、
平和こそ人類の生存と幸福の本質的条件であるとの信念の下、団結し、
平和を推進して、次世代を戦争の災禍から救うことを決意し、
国家間の紛争解決における、頻繁な戦争の手段化に憤り、
好戦的な人々がさらなる戦争を企てていることに不安を覚え、
武力の行使がすべての人々の安全をますます脅かしていることに困惑し、
核兵器の保有及び核戦争の差し迫った危険が地球上における生命の絶滅を導くものであることに恐れを抱いた。
平和を達成するためにわれわれは、いま、以下のように宣言する。
● 戦争は、罪もない人々の殺戮をますます巻き込んだものになっており、それゆえ嫌悪すべきものであって、刑事犯罪的である。
● 戦争における殺人行為は、平和時における社会内部の殺人と同様、刑事的犯罪である。
● 平和時の殺人行為は国内の刑事法の対象となるのだから、戦争における殺人行為は同様に、国際的な刑事法の対象にならなければならない。これは、戦争における殺人行為が、国内法によって認められたり許されたりしているかどうかに無関係でなければならない。
● 戦争を援助し扇動するすべての商業的・金融的・工業的・科学的な活動は、刑事犯罪とされねばならない。
● 侵略を開始するすべての国家指導者は国際刑事裁判所の司法判断を受けなければならない。
● すべての国家は国連憲章の目的と原則を受け入れる決意を強めるとともに、国際的な紛争を平和的手段で解決し、戦争を放棄しなければならない。
● 武力は、国連総会の全加盟国の3分の2以上の多数で採択された決議で認められない限り行使されてはならない。
● すべての立法府の議員及ぶ政府の構成員は平和への信念を確認し平和を希求することを誓わなければならない。
● 世界中の政党は主要な政策目標のひとつとして平和を含まなければならない。
● 平和を推進する非政府機関はすべての国で設立されなければならない。
● とくに医療、法律、教育、科学の分野における公務員及び専門職の人々は平和を推進し、戦争に反対するキャンペーンを活発に行わなければならない。
● メディアは活発に戦争と戦争の煽動に反対し、国際紛争の平和的解決を意識的に推進しなければならない。
● 娯楽的メディアは戦争及び暴力の美化を止め、代わって平和の倫理を涵養しなければならない。
● すべての宗教的指導者は戦争を非難し平和を推進しなければならない。
これらの目標を達成するため、本フォーラムは、クアラルンプールに永久的事務総長を置くことを決定する。
その任務は、
本イニシアチブを遂行し、
戦争を煽動する政策とプログラムに反対し、
本イニシアチブの目標を達成するため全世界の非政府機関との協力を追求する、
ことである。
英語による「宣言」の原文は ⇒
http://www.perdana4peace.org/declaration.html
Posted by 大沼安史 at 04:39 午後 | Permalink

















